チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

車いすテニス「DUNLOP KOBE OPEN」

2015-04-30 23:20:41 | スポーツ観戦等
4月30日(木)

  

 ご存じですか。男女とも日本人が世界ランキング1位に君臨しているスポーツがあるのを。
 それは車いすテニスの世界。男子が国枝慎吾選手で女子が上地(カミジ)結衣選手です。二人ともすごいんです。

 国枝選手は2007年以降、4大大会(全豪・ウインブルドン・全米・全仏)での優勝回数がダントツの36回。年間グランドスラムを4回も達成するという驚異的な戦績を残し、北京・ロンドンと2回出場したパラリンピックでも、シングルスで2回、ダブルスで1回の金メダルを獲得しています。

 一方、女子の上地選手は明石市の出身で、小中高全て地元の公立校を出ています。明石市出身の有名なスポーツ選手はあまり多くなく、筆頭に挙げられるのは、プロ野球のオールドファンなら知っている別当薫くらいでしょうか。
 その、明石が生んだスーパーウーマンの上地結衣。生まれつき背負った「潜在性二分脊椎症」という病いで歩行困難になり車椅子生活を余儀なくされたものの、小学生の時からスポーツに打ち込み、中学生の時に「全日本選抜車いすテニス選手権大会」で優勝。この大会では昨年まで7連覇中です。そして、高校生だった2012年にはロンドンパラリンピックに出場、シングルスダブルスともにベスト8でしたが、昨年、4大大会全てでダブルス優勝し年間グランドスラムを達成しています。シングルスでも全仏・全米(ウインブルドンはシングルスなし)の2冠に輝いて、今や無敵の世界ランキング1位の選手です。

 それはさておき、3年前の2012年2月半ばの記事で、明石の北の三木市にある「ブルボンビーンズドーム」というテニスアリーナを取り上げましたが、あの時は残念ながら中に入れませんでした。
 あれ以来、「一度入ってみたいけれど、テニスはしないので、何か大会があったら」と思っていました。
 不思議ですね。26日に初めてユニバー記念競技場に行った時の帰りのバスの中で、「そういえば、明石にいる間にブルボンビーンズドームにも行かなくては」と、ふと思った翌日、夕方KAZU君とテレビを見ていると、NHKのニュースに上地選手が出ていて、ブルボンビーンズドームで行われている「DUNLOP KOBE OPEN」で7連覇を達成したいという抱負を話しているのです。

 決勝戦のあった昨日の29日はKAZU君の両親の会社は勤務日で、KAZU君は会社特設の保育に行くのを楽しみにしていて、私にとっては気楽な休日でした。そこで、「車いすテニス」がどんなものなのか楽しみにして出かけました。

 明石から車で40分ほど北上した所にある三木市防災総合公園。びっくりするほど広大な敷地に、立派な観客席を備えた陸上競技場から野球場はもちろん、サッカーグランドも何面もあって、子どもの遊具やピクニックのできる広場も完備。兵庫県の防災センターと消防学校が隣接しているので「防災総合公園」と名付けられたのでしょうか。

 その中の広大な緑地の中にある
  「ブルボンビーンズドーム」
  
  

 周囲の自然に融け込ませるようにという意図か、壁面は緑化されています。


   雲雀鳴く野原の中のコロシアム   弁人


 中へ入ると、半地下式に
  センターコートがあり、
  

 センターコートを挟んで
  両側に4面ずつコートがあります
  

 休日で決勝戦の行われる日ですから、突然行って入れるかどうか心配でしたが、障害者スポーツの認知度はまだまだなのでしょう、観客席は空席が目立ちました。
 まずは、トーナメント表とスケジュールを確認したところ、男子シングルスの決勝は、韓国の選手と日本の西村祐亮という選手の対戦になっていました。「あれ、国枝慎吾は?」と思いましたが、どうも、体調不良で欠場したようでした。

 それでか、観客の少ない
  男子シングルス決勝戦
  
      

 一般のテニスと異なるところは、2バウンド目でも打ち返せるところです。それにしても、片手にラケットを持ちながら両手で車椅子をコントロールして走りまくるという驚異的な動きにはびっくりです。
 その決勝戦。両者とも縦横無尽に動いて拾い返し、2セットとも接戦の好ゲームになり見応え十分。しかし、群馬の西村、2時間以上の健闘及ばず、惜しくも優勝はなりませんでした。

 女子は、王者上地と
  埼玉の堂森佳南子(手前)の対戦。
  

 4大大会をはじめ、年間ほとんど海外ツアーを転戦している上地ですが、ダンロップオープンは地元での開催とあって特別なトーナメントなのでしょう、この大会ここまで6連覇中です。

 王者上地の
  サーブとレシーブ
  
   

 全てで上回る上地、やはり強すぎです。やや力の劣る堂森のサーブではなかなかエースは取れません。なんといっても、上地のパッシングショットが素晴らしい。打った瞬間に堂森があきらめて動けない場面が何回もありました。
 1セット目は6-0、2セット目も4-0になり10ゲーム連取したところで、ちょっと一息入れたのか2ゲーム取られましたが、すぐに持ち直して6-2で貫祿の7年連続優勝です。

 報道陣の取材を受ける
  7連覇達成の上地選手
  

 まだ21才になったばかりの若さです。いろいろ苦労があった上での努力と天性の運動能力の賜物でしょう。リオ・東京のパラリンピックが楽しみです。


   つつがなく伸ぶるを願ふ若草や   弁人



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