チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

紫陽花を愛でながら、「雑感」一つ二つ

2023-06-21 15:08:40 | 身辺雑記
6月21日(水)

 紫陽花の季節。今年も
  ずいぶん撮りました
  

 歳時記の「紫陽花」を見ると、他に「七変化」とか「四葩(よひら)」とか「額の花」とかいう別名が載っていて、その歳時記を参考にしながら、前回の記事に、こんな駄句を載せましたが、

 「田の里や耳にせせらぎ目に四葩」

 紫陽花は花びら(実は花弁ではなく「顎片」)が4枚であるところから「よひら」と言い、「四片」を「四葩」と、格調のありそうな漢字を当てたのだと思います。

 なるほど、ポピュラーな紫陽花は、花びら(顎片)が4枚です。

  いわゆる「ホンアジサイ」
  

  「ガクアジサイ」
  

 この「ガクアジサイ」が日本古来の紫陽花で、上の「ホンアジサイ」は西洋で品種改良されて逆輸入されたものとかですが、それはともかく、この鮮やかな色合いから「和歌の世界でもけっこう歌われてきたのだろうな」と思いきや、万葉集にわずか二首載っているだけで、古今集以降の「八代集」には一首も入っていないそうです。

 万葉集にある貴重な二首のうちの一つは、

「言問はむ木すら紫陽花
  諸弟(もろと)らが練りのらんとにあざむかへけり」
という家持の相聞歌で、前後の歌を並べないと意味がよく読み取れないのですが、
 大雑把に言えば、
(普段は物静かな私とはいえ、色の変わりやすい紫陽花ではありせんが、たとえ嘘でも「あなたが私に恋をしている」と言われたら、本気になってしまいますよ。いいですよね)
くらいの意味です。

 やはり、紫陽花は「七変化」とも言われ、色が変化しやすく移り気というイメージが強くて、歌の世界では疎んじられていたのかもしれません。

 他にはないのかなと調べると、平安後期に二首ありました。出典は異なりますが、藤原俊成とその子定家が一首ずつ詠んでいます。

「夏もなほ心は尽きぬ
 あじさゐのよひらの露に月もすみけり」(俊成)
(夏だってしみじみとした趣を感じるものがある。紫陽花の花びらの上の水滴に月影が光っていたりして)

「あじさゐの下葉にすだく蛍をば
   よひらの数の添ふかとぞ見る」(定家)
(夕暮れに紫陽花の葉の下に蛍が光り出すと、花びらの数が増えたかのように見える)

 二首ともに「よひら」の語が入っていますが、歌の中心は「月」と「蛍」で、紫陽花は引き立て役に甘んじている感じです。

 伝統的にマイナスのイメージの強かった紫陽花ということで、和歌の世界では、あまり好まれなかったようですが、近代に入って、新しい俳句が詠まれるようになると、そんなイメージも薄くなって、

 ここでは「四葩」を季語とした俳句を挙げてみます。

「湯の滝の飛沫を浴びて四葩咲く」(今泉貞鳳)

「鍛冶の火を浴びて四葩の静かかな」(富安風生)

「老境や四葩を映す水の底」(三橋鷹女)

 華やかな色合いとは裏腹に、心静まる風情があって、気分が落ち着きます。

 まあ、紫陽花が「鮮やかで美しい」というイメージでとらえられるようになったのは、丸くて玉のような、より見映えのする「ホンアジサイ」が多くなったのも一因でしょうが、品種改良によって、さらに見応えのある園芸種がたくさん登場してきたことも要因なのかもしれません。
 ふと目に留まって、「この紫陽花、上品で格別」と思ってよく見ると、花びらが4枚でなく八重咲だったりします。

  八重「ガクアジサイ」
  

  八重「ホンアジサイ」
  

 こんな華やかな花がここかしこに咲いてくれると、梅雨の長雨時の鬱陶しさも、思わず吹き飛んでしまいます。
 紫陽花が現代人に愛される花になっているのも頷けます。

 ということで、紫陽花には一重の四葩と八重の園芸種があると認識して、それでは「カシワバアジサイ」はどうかなと、私のお気に入りの花を見に行くと、

  八重でした
  

 いつもの散歩道には、他にも二か所咲いているので行ってみると、やはり八重。
 「そうか、もともとカシワバアジサイは八重なのかな」と思っていたら、そんなことはありまおんせん。

 見つけました。
  四葩の「カシワバアジサイ」
  


   四葩.八重.本.額.柏それぞれに  弁人


 ところで、「ガクアジサイ」の「ガク」、漢字では「額」で、小さな花の周りを四葩の「顎」が「額縁」のように囲っているからだそうです。したがって、「額の花」といえば「ガクアジサイ」のこととなります。
 でも、丸い「ホンアジサイ」も花びらに見えるのは「顎」ですから、もし「顎の花」という言い方があるとすれば、それは「ガクアジサイ」だけでなく、紫陽花全般のことを指すことになりそうです。

 かつて、明石の図書館で「アジサイの花に見えるところは花びらではなく顎である」ということを知って以来、「顎」という語が頭にこびりついて、「ガクアジサイ」は「顎紫陽花」で、自分は「額紫陽花」とは書きたくないと思ってきたのですが、この認識、違っていたようです。
 思いつきからくる固定観念。注意しないといけません。


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相模路にて、「紫陽花」& 格別の「うな重」

2023-06-18 21:30:21 | お出かけ・散策
6月18日(日)

 梅雨空が一段落したかのような感じになった16日の金曜日、大船から東海道線に乗ると、にわかに空が暗くなって雨模様に。
 でも、小田原から小田急線に乗り換え、開成駅に着くころには雨も上がってくれました。

 開成駅からシャトルバスに乗って、
  今年も「あじさいの里」に
  

 昨年は「あじさいまつり」の終わった後に来ましたが、
  今年は、おまつり期間中
  

 会場には、名産品の販売もある
  お休み所も
  

 昼前に降ったにわか雨のおかげ?
  小川の水に勢いが
  

 ホンアジサイ、ガクアジサイとも色とりどりですが、白い花となると、この花の里ではカシワバアジサイはほとんど見かけず、そのかわりと言わんばかりに、

  アナベルが至る所に
  


   田の里や耳にせせらぎ目に四葩  弁人


 ところで、私と妻君にとって、今年の6月16日というのはちょっぴり特別な日でもあったのです。
 今から50年前の、1973年6月16日、役所への届け出は、そのひと月前に済ませてあったのですが、実は、神前で三々九度の盃を交わして、羽田から飛行機に乗った日なのでした。
 そのうち、子や孫と祝宴でもと思っているのですが、この日は梅雨時の平日、とりあえず二人で食事をと妻君と相談の結果、「やっぱり、うなぎ」と意見が一致。
 さらに、いちばん自分の舌にかなうのは、国府津の「うな和」とこれも意見が一致。

 ということで、やって来ました。
  老舗の「うな和」さん
  

 トシを取って、食べる量が少なくなったので、最近は、「松・竹・梅」とか段階があれば、せいぜい、中間の「竹」くらいにしますが、この日はそんな気分ではありません。三段階のさらに一つ上の「うな重」にしました。

 「来た、来た」。お酒は、松田町中澤酒造の
  「松みどり」
  


   鰻重の香に映るかの幾星霜  弁人


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緑一色の「池子自然公園」

2023-06-05 18:04:14 | 逗子風物
6月4日(月)

 台風2号の余波の大雨の後、昨日今日と、時折まぶしいお日様の光が差しています。

 新しいパソコンの設定、うまくいったと思っていたのに、メールソフトの設定が間違っていたようで、前のパソコンから移したデータが消えてしまい、何日か格闘。
 観念した昨日の日曜日。「この野郎!」と怒鳴ってみても後の祭り、気分転換に外に出ました。
 別に急ぐことはないのですが、むしゃくしゃしていたもので、

 足早に歩くこと25分。池子自然公園に。
  水分補給と深呼吸
  

 米軍接収地の中の、水曜と土日祝日限定で開放したいる自然公園。花壇とかは全くなく、桜とかヤマボウシとか、花の咲く木もほとんどなくて、まさに緑一色です。


   万緑や旧弾薬庫の影もなく  弁人


 しばらく仰向けに寝そべって空を眺めていると、ファミリーの楽しそうな声が。

 空気おいしいですからね、思う存分
  楽しんでますな
  


   芝原を駆け回る児はサングラス  弁人


 仕方なく、パソコンの専門家を頼ることにして家に来てもらいます。果たして、結果や如何に。


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梅雨入りを間近にして「台風」ですか

2023-06-02 17:02:35 | 逗子風物
6月2日(金)

 沖縄近辺をうろちょろしていた台風2号とか、東に動き出したもよう。幸い、南の海上を離れて進むようで助かりましたが、昼頃、逗子にも「大雨警報」が発令されまして、

 家の中で
  じっとしているしかありません
  


   走り梅雨巡る思ひももやもやと  弁人


 まあ、台風と前線が絡み合って大雨という、そんな予報もありましたので、「散歩も今のうちに」と、幾分晴れ間も覗いていた昨日、夏の花を眺めながら少し歩いてみたのですが、今日は徒然、その花たちをブログの記事にしたためてみましょうか。

 水無月に入って気になる花の一つが「タチアオイ」。どんな具合になっているだろうかと、いつもの川沿いへ行ってみると、

 紫陽花がきれいに
  咲き始めています
  

 お馴染み。愛嬌のあるアオサギ。
  獲物を狙っているか
  

 さて、お目当てのタチアオイはというと、

 ちゃんと夏を迎えていました。
  紅白ともにすくっと
  

  八重も立派に
  


   立葵カメラ向けつつ背筋伸び  弁人


 川沿いには、他にもいつもの夏の花が。
  セイヨウアサガオかな
  

  これも同じでしょう
  

 帰宅後、「セイヨウアサガオ」で検索したりしていたら、「コンボルブルス」という名前が出てきて、どうも正解のようです。

 黄色は気分を明るくしてくれます。
  キンシバイ
  

  ヒメカンゾウ
  

 帰り道、川沿いから路地に入って歩いていると、ブラシの木の白いのが見えてきました。

  なんと上品な白さ
  

 これも後で調べると、どうも「白花金宝樹(シロバナキンポウジュ)」というようです。


   心澄む彩りあふる夏の花  弁人


 家の近くまで戻って来ると、ご近所のお宅に、これは顎アジサイでしょうか、

 なんとも言えない美しさ。
  趣のある紫陽花
  

 どっこい、我が家にだって紫陽花くらい、
  咲き始めですが
  

 そして、6月といえば「アガパンサス」ですがね。
  つぼみ、膨らんでいます
  

 ところが、今年、茎を伸ばしたのは
  この一本だけ
  

 もしかしたら、夏の終わりに、球根の具合とか少し手入れをしないといけないのかもしれません。手のかかる花だとは思っていないのですが。


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