10月30日(木)
この歳になると、もうずいぶんいろいろな所に出かけているのに、自分でも不思議だったのは、まだ和歌山県にだけは一度も足を踏み入れたことがないことでした。
明石に来て以来、同じ関西圏なのでいずれ行くことになるだろうと思っていましたが、何年か前に、紀三井寺の球場へ高校野球の近畿大会を見に行く機会があったものの、結局、雨で行かずじまい。
なにしろ、県庁所在地の和歌山市は大阪府のすぐ先、県の北西の端にあるので、なにかの折に足を延ばすのはそんなに難しいことではなかったのに、たまたまそういう機会がなく、そうこうしているうちに、自分にとって唯一の未踏の都道府県という意識が強くなって、和歌山へ行く時はそれなりの旅でという気分になっていました。
「行くなら南紀、やはり熊野三山かな。あとは川湯・湯の峰・龍神温泉」と思って、その機会をうかがっていたのですが、「車で行けばいろいろ回れそうだけど、特急くろしおに乗ってみたいし、現地でレンタカーとなるとやはり一人では・・」と、なかなか実現しませんでした。
そして、とうとうその機会が。
KAZU君の運動会を見にやって来る妻君と、名古屋でおち合って大阪まで、紀伊半島の海沿いを時計回りに巡るプランができたのです。10月14日からの二泊三日の予定でした。
ところが、その前の三連休に接近した台風。13日に関西に上陸してくれたおかげで、14日の鉄道の運行に見通しが立たず断念することに。
とはいっても、一度計画した旅行はやっぱりあきらめられません。結局、運動会の後、妻君が逗子に帰る時に、大阪から左回りで名古屋へ出るプランで出かけることになりました。
いよいよ未踏の和歌山県へ向かう日が来ました。みんなで出石へ出向いてお蕎麦を食べた翌日です。
新大阪6時33分発
「特急くろしお」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/f0/81109ddd30371b8e84cd526768db2bb7.jpg)
実は、「くろしお」には三種類の列車があります。上の私の乗った車両は、いちばん乗りたかった283系の「オーシャンアロー」と呼ばれる車両です。
他に、特急「きのさき」「こうのとり」と同じ車両の287系「くろしお」、381系の「スーパーくろしお」があるのですが、二年前から名称をすべて「くろしお」に統一したので、駅の時刻表をパッと見しただけではどの車両なのかわかりません。
さて、新大阪を出発した「オーシャンアロー」。大阪駅は通らず、淀川を越えると梅田北ヤードの端を進んで環状線に入ります。ずっと低速で、天王寺から阪和線に入れば特急らしくなるのかと思いきや、阪和線も通勤時間帯で運行本数が多いのか、まったくスピードが上がりません。さすがに和歌山に近づくにつれて特急らしくなりましたが、和歌山駅まで1時間20分かかりました。
とうとう、生まれて初めて
和歌山に来ました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/e5/44a4989a93670678a336e23fb8c6fed0.jpg)
明石を出てから3時間近く経っています。まだ入り口なのに、やっぱり和歌山は遠かった。地図を広げると、海のちょっと向こうには淡路島があって、地理的には近いのですが。
そして、さらに1時間15分ほどで一日目の目的地の白浜に到着。
白浜は私のプランにはありませんでしたが、妻君から万葉集に歌われた「はまゆう」の群生地があるからと誘われました。
でも、白浜に来たら、やっぱりパンダを見ないとと、まずはアドベンチャーワールドへ
いました。いました。
5頭のうち3頭とご対面
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/7c/b37351365a8566237e8951a7ec22cea6.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/a9/8c9c02d0cd04fc1e3a0086dc16057ab4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/0f/0535f2e050b7e3149a9f0460551be443.jpg)
今、日本には、三つの動物園に8頭のパンダがいるそうで。上野動物園に2頭、神戸の王子動物園に1頭で、なんと残りの5頭は全部ここにいるのです。実は、パンダといえば和歌山なのでした。
レッサーパンダも
近くで見られます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/5f/01d84533302cd4b2581e2f05fd537bc5.jpg)
5月の連休に、孫たちと横浜の金沢動物公園へ行き、レッサーパンダを見ましたが、これもこちらのほうが身近に楽しく見られます。でも、年配夫婦二人で来てもしょうがないですね。
熊肥えて海原の香も漂ひぬ 弁人
さて、目的の「はまゆう」。
万葉集巻四に
「み熊野の浦の浜木綿百重なす 心は思へど直に逢はぬかも」
とあります。人麻呂の歌で、誰かの思いを代詠した歌でしょうか、恋の歌です。
はまゆうは三浦半島の佐島が北限になっていて見たことがありますが、たしか白い彼岸花のような花でした。
夏の花なので、この時期、花は期待できませんが、葉も南国っぽくて特徴があるので、はまゆうのある所を駅に戻って聞いてみると、「白良浜」とのことで、さっそく行ってみました。
白浜でいちばん白浜らしい
「白良浜」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/46/c4a008db252b3781486b00fd540e80ef.jpg)
浜辺ではなくバス停の傍らに
一輪残っていました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/42/1edb995f953dc4b91fdb4a5c135d4d0c.jpg)
散り忘る浜木綿一輪白良浜 弁人
バス停のそばの案内所で聞くと、北の南方熊楠記念館の辺りに群生しているというのでバスに乗りました。
風光明媚な「円月島」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/69/6359ceb63bd1f9624032f70db62e7878.jpg)
少し歩きましたが、やはり花はなく、葉がいたるところに生えていました。
あとは、名勝の二つの海岸と温泉に浸かれば、ほぼ南紀白浜制覇です。
「千畳敷海岸」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/bd/39eb30ccad6e9d94746c866b14d2f59b.jpg)
「三段壁」と、その下の
熊野水軍の番所があったという洞窟
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/ef/2e414d8989c7050a6064d4a8d7cd40c4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/98/1377ed03a00b4787350dbe0f7ba0c79b.jpg)
黒潮の波濤を眺む秋の雲 弁人
二日目は「熊野三山詣で」ですが、次回へ回します。
この歳になると、もうずいぶんいろいろな所に出かけているのに、自分でも不思議だったのは、まだ和歌山県にだけは一度も足を踏み入れたことがないことでした。
明石に来て以来、同じ関西圏なのでいずれ行くことになるだろうと思っていましたが、何年か前に、紀三井寺の球場へ高校野球の近畿大会を見に行く機会があったものの、結局、雨で行かずじまい。
なにしろ、県庁所在地の和歌山市は大阪府のすぐ先、県の北西の端にあるので、なにかの折に足を延ばすのはそんなに難しいことではなかったのに、たまたまそういう機会がなく、そうこうしているうちに、自分にとって唯一の未踏の都道府県という意識が強くなって、和歌山へ行く時はそれなりの旅でという気分になっていました。
「行くなら南紀、やはり熊野三山かな。あとは川湯・湯の峰・龍神温泉」と思って、その機会をうかがっていたのですが、「車で行けばいろいろ回れそうだけど、特急くろしおに乗ってみたいし、現地でレンタカーとなるとやはり一人では・・」と、なかなか実現しませんでした。
そして、とうとうその機会が。
KAZU君の運動会を見にやって来る妻君と、名古屋でおち合って大阪まで、紀伊半島の海沿いを時計回りに巡るプランができたのです。10月14日からの二泊三日の予定でした。
ところが、その前の三連休に接近した台風。13日に関西に上陸してくれたおかげで、14日の鉄道の運行に見通しが立たず断念することに。
とはいっても、一度計画した旅行はやっぱりあきらめられません。結局、運動会の後、妻君が逗子に帰る時に、大阪から左回りで名古屋へ出るプランで出かけることになりました。
いよいよ未踏の和歌山県へ向かう日が来ました。みんなで出石へ出向いてお蕎麦を食べた翌日です。
新大阪6時33分発
「特急くろしお」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/f0/81109ddd30371b8e84cd526768db2bb7.jpg)
実は、「くろしお」には三種類の列車があります。上の私の乗った車両は、いちばん乗りたかった283系の「オーシャンアロー」と呼ばれる車両です。
他に、特急「きのさき」「こうのとり」と同じ車両の287系「くろしお」、381系の「スーパーくろしお」があるのですが、二年前から名称をすべて「くろしお」に統一したので、駅の時刻表をパッと見しただけではどの車両なのかわかりません。
さて、新大阪を出発した「オーシャンアロー」。大阪駅は通らず、淀川を越えると梅田北ヤードの端を進んで環状線に入ります。ずっと低速で、天王寺から阪和線に入れば特急らしくなるのかと思いきや、阪和線も通勤時間帯で運行本数が多いのか、まったくスピードが上がりません。さすがに和歌山に近づくにつれて特急らしくなりましたが、和歌山駅まで1時間20分かかりました。
とうとう、生まれて初めて
和歌山に来ました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/e5/44a4989a93670678a336e23fb8c6fed0.jpg)
明石を出てから3時間近く経っています。まだ入り口なのに、やっぱり和歌山は遠かった。地図を広げると、海のちょっと向こうには淡路島があって、地理的には近いのですが。
そして、さらに1時間15分ほどで一日目の目的地の白浜に到着。
白浜は私のプランにはありませんでしたが、妻君から万葉集に歌われた「はまゆう」の群生地があるからと誘われました。
でも、白浜に来たら、やっぱりパンダを見ないとと、まずはアドベンチャーワールドへ
いました。いました。
5頭のうち3頭とご対面
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/7c/b37351365a8566237e8951a7ec22cea6.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/a9/8c9c02d0cd04fc1e3a0086dc16057ab4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/0f/0535f2e050b7e3149a9f0460551be443.jpg)
今、日本には、三つの動物園に8頭のパンダがいるそうで。上野動物園に2頭、神戸の王子動物園に1頭で、なんと残りの5頭は全部ここにいるのです。実は、パンダといえば和歌山なのでした。
レッサーパンダも
近くで見られます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/5f/01d84533302cd4b2581e2f05fd537bc5.jpg)
5月の連休に、孫たちと横浜の金沢動物公園へ行き、レッサーパンダを見ましたが、これもこちらのほうが身近に楽しく見られます。でも、年配夫婦二人で来てもしょうがないですね。
熊肥えて海原の香も漂ひぬ 弁人
さて、目的の「はまゆう」。
万葉集巻四に
「み熊野の浦の浜木綿百重なす 心は思へど直に逢はぬかも」
とあります。人麻呂の歌で、誰かの思いを代詠した歌でしょうか、恋の歌です。
はまゆうは三浦半島の佐島が北限になっていて見たことがありますが、たしか白い彼岸花のような花でした。
夏の花なので、この時期、花は期待できませんが、葉も南国っぽくて特徴があるので、はまゆうのある所を駅に戻って聞いてみると、「白良浜」とのことで、さっそく行ってみました。
白浜でいちばん白浜らしい
「白良浜」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/46/c4a008db252b3781486b00fd540e80ef.jpg)
浜辺ではなくバス停の傍らに
一輪残っていました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/42/1edb995f953dc4b91fdb4a5c135d4d0c.jpg)
散り忘る浜木綿一輪白良浜 弁人
バス停のそばの案内所で聞くと、北の南方熊楠記念館の辺りに群生しているというのでバスに乗りました。
風光明媚な「円月島」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/69/6359ceb63bd1f9624032f70db62e7878.jpg)
少し歩きましたが、やはり花はなく、葉がいたるところに生えていました。
あとは、名勝の二つの海岸と温泉に浸かれば、ほぼ南紀白浜制覇です。
「千畳敷海岸」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/bd/39eb30ccad6e9d94746c866b14d2f59b.jpg)
「三段壁」と、その下の
熊野水軍の番所があったという洞窟
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/ef/2e414d8989c7050a6064d4a8d7cd40c4.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/98/1377ed03a00b4787350dbe0f7ba0c79b.jpg)
黒潮の波濤を眺む秋の雲 弁人
二日目は「熊野三山詣で」ですが、次回へ回します。