9月24日(日)
赤ヘルカープ、おかげさまで今年もセリーグのペナントを制覇しました。
昨年より二週間以上も早い8月8日にマジックナンバーが点灯し、かなり早い段階で優勝が決まるのではないかと思っていましたが、直後に3連敗したり、2位のタイガースが8月に好成績を持続したこともあって、優勝決定は昨年より一週間ほど遅い9月18日となりました。
その間、8月の下旬に横浜スタジアムでベイスターズに三夜連続逆転サヨナラ負けした時は少しがっかりしましたが、早い段階でマジックが出るということはそれだけゲーム差があるということ、「引っくり返ることはあり得ない」と心配はしていませんでした。ただ、ベイスタ戦二戦目で主砲鈴木誠也が大怪我、今季出場不能となったその穴を埋めるのは大変だという危惧は拭えませんでしたが。
そして勝負の秋9月。鈴木誠也に代わって4番に座ったアンパンマン松山の大活躍もあって、なんといきなりの9連勝、マジックも一気に「5」となって、あとは時間の問題となりました。
続くベイスタ戦に2勝1敗と勝ち越し、マジック「1」で迎えた16日からの対スワローズ二連戦。台風接近の中、広島地方だけうまい具合に雨が落ちて来ず、てるてる坊主に感謝したものの、よもやの敗戦。翌日のゲームはさすがに中止となり、昨年同様マツダスタジアムでの胴上げとはなりませんでしたが、18日の甲子園でタイガースを退け二年連続のセリーグ優勝と相成りました。
でも、胴上げの機会は、まだクライマックスシリーズや日本シリーズにもあるわけで、本当の正念場はこれから。目標は「日本一」ですから「セ界一」くらいで浮かれている場合ではないのです。
跳ねて跳ね天まで上れ秋の鯉 弁人
思えば、今から4年前の2013年の秋。カープが初めてCSに進出し、第一ステージの甲子園球場でタイガースを連破した時のこと。
あの二日間、甲子園球場はレフトスタンドだけでなく三塁側からセンターのスコアボードの脇まで赤く染まり(2013年10月14日付けのブログに載せましたが)、関西のスポーツ紙の一面の「(タイガースの)聖地が赤く染められた」という見出しが印象的でした。
その光景が優勝を決めた18日の甲子園に再現されていました。今、カープに復帰している新井選手から「こんな感じの甲子園にびっくり」というコメントがありましたが、新井選手がまだタイガースにいた2013年の秋、彼は一塁側のベンチにいなかったのでしょうか、それはともかく4年前の思い出が蘇って来る雰囲気の中での優勝決定でした。
真っ赤に染まった甲子園球場の左側のスタンドと、その中に少しだけ混じる虎色の黄色のハッピ。やっぱり甲子園はターガースタウンで、全体的には黄色と白の淡い色合いの中に赤い世界が浮かび上がっている。
そんな影像を見ながら、「気がつけばお彼岸の季節」と、優勝の美酒を前にして彼岸花の姿が浮かんで来ました。
去年の九月は新居に入ったばかりで慌ただしかったし、なんか雨の日ばかりで散策に出る機会がなく、9年ぶりの落ち着いた湘南暮らしだったのに、横須賀線に乗れば線路端にいくらでも見えるのに、彼岸花に出会った記憶がありません。
そこで、赤ヘルカープが優勝を決めた翌日。いつもは車で行く逗子の披露山公園に歩いて登りましたが、彼岸花は目に入って来ませんでした。
一日置いた21日の木曜日。鎌倉の彼岸花といえば、「北鎌倉へ向かう車窓から見える英勝寺のお庭が」という情報があって、秋晴れの好天気に誘われ鎌倉駅からてくてく歩いて行くと。
なんとまあ、「彼岸花見頃です」という案内の脇に「拝観、木曜日はお休み」という切ない掲示が。
どこかへ出かける時、休館になることが多い月曜日や連休明けの火曜日を避ける習慣はありますが、寺社拝観で定休日というのがあるとは思いも寄りませんでした。
振り返ってみると、たしかに水曜日に休園だった兵庫のフラワーセンターとか、火曜日にお休みだった荒川遊園地とか、入り口の前で残念な写真を撮ったこともありました。でも、寺社の拝観で「えぇッ」という体験は初めてで、思わず溜め息。
仕方なく、英勝寺前の
線路脇に咲く彼岸花を
鎌倉から帰宅した後、自転車で買物に出ましたが、逗子だって彼岸花くらいどこかに咲いているはずと、スーパーの先の踏み切りを渡って岩殿寺へ行ってみました。
ほら、あった
赤い彼岸花もありましたが、このお寺は
白い花も目立ちました
さて、翌日の金曜日。なんとなくもやもやした気分を晴らすには、やはりもう一度行ってみるしかないと、再度英勝寺へ。
やはり来た甲斐がありました。真っ直ぐにすくっと伸びて秋空を見上げる真っ赤な彼岸花。
なかなか見応えがあります。
ほんとうはですね、正直なところ、ふだん「好きな色は?」と聞かれて「赤」とはなりません。やはり「青」「緑」系統でしょうか。最近は黄色の花に惹かれるようになりましたが、もともとどこか寂しげな彼岸花が好きだったせいでしょうか、盛り上がるカープのお蔭もあって、「赤」の彩りに格別な親しみを覚える秋となりました。
カープファン真紅に託す九月かな 弁人
とはいえ、実は50年以上前に私がカープファンになった頃、カープのカラーは「赤」ではありませんでした。昭和50年頃に強くなった頃、ヘルメットを「赤」にしたのをきっかけに「赤ヘル」と呼ばれるようになり、やがてユニフォームの文字も「赤」になり、ビジター用ユニフォームにも及んだのですが、今や応援席だけでなく来場する観客も「真っ赤」な出で立ちでということで、なんとも言いようのない隔世の感を抱いているのも事実なのです。
それはさておき、彼岸花。有毒性もあって、そのせいか「死人花・地獄花・幽霊花」という不吉な異名を持つ一方、彼岸に咲く「天上の花」という相反する意味もある不思議な魅力を秘めています。
浄土を?はたまた地獄を覗きに?
大きな蝶が飛来
脇役もご立派に果たしていて、
酔芙蓉の前にちょこんと
これはたった一輪でも脇役ではありません。かぐや姫の出てきそうな竹林の中に
ひっそりと
ミサイルを見るためならず曼珠沙華 弁人
真っ赤な彼岸花。今は華麗ですが、おそらくあと数日でしおれてしまうのでしょう。でも、そんなことには関係なく、真っ赤なカープがこれから日本一への険しい階段を上って行きます。
よく、「カープが強いのは鯉のぼりの季節まで」と言われてきて、たしかにそんな年もあったかもしれません。でも、鯉のぼりの季節が終わろうが、彼岸花がしおれようが、強い時は強く、弱い時は弱いのです。
昨今、多くの人から「今年のカープはダントツに強い」と評されてはいるものの、一ファンの心理として不安材料を挙げればキリがなく、正直なところ、階段を上りつめるのは簡単とは思えません。
タイガースの中継ぎ抑えの投手力、ジャイアンツの先発陣、DeNAの打線、どれも侮れないし、だいいち仮にセリーグのCSを勝ち抜いたとしても、パリーグから出て来るであろうソフトバンクホークスの強さは尋常ではありません。
それに対して今年のカープ。先発陣はジョンソンの調子が今一つ、野村も球威で押す投手ではなく、あとは経験の浅い若手ばかり。中継ぎの今村・一岡・中田・ジャクソンや抑えの中崎にしても150キロ以上のストレートを制球良くバンバン投げ込む絶対的な力はありません。総じて打力で勝ち抜いてきた感が強いものの、好投手に当たって打てない時はやっぱり打てないのです。
そう、昨年は「1986年の日本シリーズの鬱憤を晴らしてほしい」という注文をつけましたが、もういいでしょう。
今年は球場に足を運ぶ機会はありませんでしたが、我が家に落ち着いてテレビで全試合を見られる環境の中、たぶん90%以上の試合を目にしてきました。その上で、今のカープの選手、ほんとうによく頑張っていると思います。
プロの選手ですからそれぞれに個性があるのはもちろんですが、今年の選手たち、個々の持ち味を生かしつつ、どんな状況でも勝利への意識を最後まで失わない「フォア・ザ・チーム」の姿勢が顕著で、それが爽やかなのでしょう、負けても後味の悪い思いがほとんど残りません。
パリーグの試合は余り見ていませんが、きっと強いチームはどこもそうなのでしょうから、ここはひとつ、日本一を目指す10月のテレビ観戦、結果はどうあれ、肩肘張らずに応援したいと思っています。
赤ヘルカープ、おかげさまで今年もセリーグのペナントを制覇しました。
昨年より二週間以上も早い8月8日にマジックナンバーが点灯し、かなり早い段階で優勝が決まるのではないかと思っていましたが、直後に3連敗したり、2位のタイガースが8月に好成績を持続したこともあって、優勝決定は昨年より一週間ほど遅い9月18日となりました。
その間、8月の下旬に横浜スタジアムでベイスターズに三夜連続逆転サヨナラ負けした時は少しがっかりしましたが、早い段階でマジックが出るということはそれだけゲーム差があるということ、「引っくり返ることはあり得ない」と心配はしていませんでした。ただ、ベイスタ戦二戦目で主砲鈴木誠也が大怪我、今季出場不能となったその穴を埋めるのは大変だという危惧は拭えませんでしたが。
そして勝負の秋9月。鈴木誠也に代わって4番に座ったアンパンマン松山の大活躍もあって、なんといきなりの9連勝、マジックも一気に「5」となって、あとは時間の問題となりました。
続くベイスタ戦に2勝1敗と勝ち越し、マジック「1」で迎えた16日からの対スワローズ二連戦。台風接近の中、広島地方だけうまい具合に雨が落ちて来ず、てるてる坊主に感謝したものの、よもやの敗戦。翌日のゲームはさすがに中止となり、昨年同様マツダスタジアムでの胴上げとはなりませんでしたが、18日の甲子園でタイガースを退け二年連続のセリーグ優勝と相成りました。
でも、胴上げの機会は、まだクライマックスシリーズや日本シリーズにもあるわけで、本当の正念場はこれから。目標は「日本一」ですから「セ界一」くらいで浮かれている場合ではないのです。
跳ねて跳ね天まで上れ秋の鯉 弁人
思えば、今から4年前の2013年の秋。カープが初めてCSに進出し、第一ステージの甲子園球場でタイガースを連破した時のこと。
あの二日間、甲子園球場はレフトスタンドだけでなく三塁側からセンターのスコアボードの脇まで赤く染まり(2013年10月14日付けのブログに載せましたが)、関西のスポーツ紙の一面の「(タイガースの)聖地が赤く染められた」という見出しが印象的でした。
その光景が優勝を決めた18日の甲子園に再現されていました。今、カープに復帰している新井選手から「こんな感じの甲子園にびっくり」というコメントがありましたが、新井選手がまだタイガースにいた2013年の秋、彼は一塁側のベンチにいなかったのでしょうか、それはともかく4年前の思い出が蘇って来る雰囲気の中での優勝決定でした。
真っ赤に染まった甲子園球場の左側のスタンドと、その中に少しだけ混じる虎色の黄色のハッピ。やっぱり甲子園はターガースタウンで、全体的には黄色と白の淡い色合いの中に赤い世界が浮かび上がっている。
そんな影像を見ながら、「気がつけばお彼岸の季節」と、優勝の美酒を前にして彼岸花の姿が浮かんで来ました。
去年の九月は新居に入ったばかりで慌ただしかったし、なんか雨の日ばかりで散策に出る機会がなく、9年ぶりの落ち着いた湘南暮らしだったのに、横須賀線に乗れば線路端にいくらでも見えるのに、彼岸花に出会った記憶がありません。
そこで、赤ヘルカープが優勝を決めた翌日。いつもは車で行く逗子の披露山公園に歩いて登りましたが、彼岸花は目に入って来ませんでした。
一日置いた21日の木曜日。鎌倉の彼岸花といえば、「北鎌倉へ向かう車窓から見える英勝寺のお庭が」という情報があって、秋晴れの好天気に誘われ鎌倉駅からてくてく歩いて行くと。
なんとまあ、「彼岸花見頃です」という案内の脇に「拝観、木曜日はお休み」という切ない掲示が。
どこかへ出かける時、休館になることが多い月曜日や連休明けの火曜日を避ける習慣はありますが、寺社拝観で定休日というのがあるとは思いも寄りませんでした。
振り返ってみると、たしかに水曜日に休園だった兵庫のフラワーセンターとか、火曜日にお休みだった荒川遊園地とか、入り口の前で残念な写真を撮ったこともありました。でも、寺社の拝観で「えぇッ」という体験は初めてで、思わず溜め息。
仕方なく、英勝寺前の
線路脇に咲く彼岸花を
鎌倉から帰宅した後、自転車で買物に出ましたが、逗子だって彼岸花くらいどこかに咲いているはずと、スーパーの先の踏み切りを渡って岩殿寺へ行ってみました。
ほら、あった
赤い彼岸花もありましたが、このお寺は
白い花も目立ちました
さて、翌日の金曜日。なんとなくもやもやした気分を晴らすには、やはりもう一度行ってみるしかないと、再度英勝寺へ。
やはり来た甲斐がありました。真っ直ぐにすくっと伸びて秋空を見上げる真っ赤な彼岸花。
なかなか見応えがあります。
ほんとうはですね、正直なところ、ふだん「好きな色は?」と聞かれて「赤」とはなりません。やはり「青」「緑」系統でしょうか。最近は黄色の花に惹かれるようになりましたが、もともとどこか寂しげな彼岸花が好きだったせいでしょうか、盛り上がるカープのお蔭もあって、「赤」の彩りに格別な親しみを覚える秋となりました。
カープファン真紅に託す九月かな 弁人
とはいえ、実は50年以上前に私がカープファンになった頃、カープのカラーは「赤」ではありませんでした。昭和50年頃に強くなった頃、ヘルメットを「赤」にしたのをきっかけに「赤ヘル」と呼ばれるようになり、やがてユニフォームの文字も「赤」になり、ビジター用ユニフォームにも及んだのですが、今や応援席だけでなく来場する観客も「真っ赤」な出で立ちでということで、なんとも言いようのない隔世の感を抱いているのも事実なのです。
それはさておき、彼岸花。有毒性もあって、そのせいか「死人花・地獄花・幽霊花」という不吉な異名を持つ一方、彼岸に咲く「天上の花」という相反する意味もある不思議な魅力を秘めています。
浄土を?はたまた地獄を覗きに?
大きな蝶が飛来
脇役もご立派に果たしていて、
酔芙蓉の前にちょこんと
これはたった一輪でも脇役ではありません。かぐや姫の出てきそうな竹林の中に
ひっそりと
ミサイルを見るためならず曼珠沙華 弁人
真っ赤な彼岸花。今は華麗ですが、おそらくあと数日でしおれてしまうのでしょう。でも、そんなことには関係なく、真っ赤なカープがこれから日本一への険しい階段を上って行きます。
よく、「カープが強いのは鯉のぼりの季節まで」と言われてきて、たしかにそんな年もあったかもしれません。でも、鯉のぼりの季節が終わろうが、彼岸花がしおれようが、強い時は強く、弱い時は弱いのです。
昨今、多くの人から「今年のカープはダントツに強い」と評されてはいるものの、一ファンの心理として不安材料を挙げればキリがなく、正直なところ、階段を上りつめるのは簡単とは思えません。
タイガースの中継ぎ抑えの投手力、ジャイアンツの先発陣、DeNAの打線、どれも侮れないし、だいいち仮にセリーグのCSを勝ち抜いたとしても、パリーグから出て来るであろうソフトバンクホークスの強さは尋常ではありません。
それに対して今年のカープ。先発陣はジョンソンの調子が今一つ、野村も球威で押す投手ではなく、あとは経験の浅い若手ばかり。中継ぎの今村・一岡・中田・ジャクソンや抑えの中崎にしても150キロ以上のストレートを制球良くバンバン投げ込む絶対的な力はありません。総じて打力で勝ち抜いてきた感が強いものの、好投手に当たって打てない時はやっぱり打てないのです。
そう、昨年は「1986年の日本シリーズの鬱憤を晴らしてほしい」という注文をつけましたが、もういいでしょう。
今年は球場に足を運ぶ機会はありませんでしたが、我が家に落ち着いてテレビで全試合を見られる環境の中、たぶん90%以上の試合を目にしてきました。その上で、今のカープの選手、ほんとうによく頑張っていると思います。
プロの選手ですからそれぞれに個性があるのはもちろんですが、今年の選手たち、個々の持ち味を生かしつつ、どんな状況でも勝利への意識を最後まで失わない「フォア・ザ・チーム」の姿勢が顕著で、それが爽やかなのでしょう、負けても後味の悪い思いがほとんど残りません。
パリーグの試合は余り見ていませんが、きっと強いチームはどこもそうなのでしょうから、ここはひとつ、日本一を目指す10月のテレビ観戦、結果はどうあれ、肩肘張らずに応援したいと思っています。