11月29日(月)
コロナウイルス、またまた新たな変異株が生まれたそうで、そのうち「第6波」とかが襲ってくるのかもしれませんが、今のところ日本は小康状態。
という中での昨日28日の日曜散歩。
「今なら東京方面に行ってもいいか。電車は日曜のほうがすいているかも」と思い立って、多摩川を越えてみました。
私、東京生まれですが、台東区の下町育ち。それも大学を出てすぐに横浜へ移ったので、実は、東京の南のほう、大田区や世田谷区はあまり歩いたことがないのです。JRの蒲田駅で下車したのも、東急池上線に乗るのも初めてのような気がします。
その東急電車で蒲田から二駅の池上駅で下車。交差点を渡り本門寺通りを歩いて7~8分でしょうか、池上本門寺は日蓮宗の大本山ですから、
「南無妙法蓮華経」の文字
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/e7/ba85338f182184790af76c2aa2776e3c.jpg)
橋の向こうに、歴史のありそうな「総門」と石段が見えています。
総門をくぐると、
いよいよ石段
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/07/b1daf99b2a26fe9980d2a07447dcd64e.jpg)
ちょっときつそうですが、七五三参りの子どもも上っているんですから大丈夫でしょう。
数えながら上って行くと、16段が6回の96段くらい、まあ、だいたい100段。
後で知りましたが、この石段、その昔、加藤清正が寄進した石段とか。「此経難持坂」と言って、妙法蓮華経(法華経)の偈文(げもん=韻文の仏の教え)の96文字にちなんで96段になっているとのことでした。
石段を上って一息つくと、目の前に「仁王門」。
迫力ある「阿形像」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/3c/3112bb258052dcea60ea2259daf1d837.jpg)
そして、日蓮聖(上)人を祀る
「大堂(祖師堂)」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/48/ae9e47d7d308b16c7e58fda5b235b0b2.jpg)
「大堂」の上から
「仁王門」を振り返る
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/c8/9b5db3cfa1e4c934d01111fa596c2edb.jpg)
日蓮の古刹眺めて日向ぼこ 弁人
実は、ここ「大堂」が本堂かと思って、参拝の後、五重塔のある墓地へ向かったのですが、本尊の「釈迦如来像」はさらに北、道路を隔てた先にあったようで行きそびれました。
ということで、力道山など有名人のお墓のある墓地に入ると、
慶長年間に建てられ、震災や空襲による消失を免れたという
貴重な「五重塔」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/38/d4bd217d7f67ea7e1cea3db607577198.jpg)
墓地の先にあるのが「本門寺公園」で
ひと回り散策
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/36/316a37ffae4c6e4f7c74a2697a1fce35.jpg)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
さて、蒲田に戻って、午後は京急蒲田駅から「穴守稲荷神社」へ。
こちら京急沿線のほうは箱根駅伝の応援で何回も来ているし、羽田線も空港へ行く時によく乗る電車ですが、穴守稲荷の駅はいつも通り過ぎていました。
途中に「大鳥居」という駅もあるし、昔、川崎からバスで羽田へ行った時、「空港の手前に鮮やかな朱色の鳥居があったな」という記憶があって、機会があったら、その辺を少し歩いてみたいと思っていたのです。
京急蒲田から三駅、
穴守稲荷駅下車
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/7f/0c04be87deef1a3088f052ef727bd674.jpg)
穴守稲荷神社参拝
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/a7/88518781e88f6cd03328ad16a96b13d8.jpg)
本殿の右に朱の鳥居が並んでいて、その奥に、いかにも人工物といった岩山がありまして、頂上に
お社が見えています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/6d/a04a3738b13da57dbcbcb8bf54e56ade.jpg)
これは行くしかありません。そこで朱の鳥居をくぐって行くと、岩山の裾に霊験あらたかな砂の置いてある「奥之宮」が鎮座し、その左のほうに、ほら穴のような暗い所がありまして、
「狐塚」と
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/85/590145757fa30930484f52430278bd46.jpg)
由緒書きによれば、「『穴守』とは、堤防に生じた穴から海水が流れ込むのを、神霊の加護によって防ぐことができたことから」とありますが、やはり「穴」ですからね、こういう「ほら穴」のような所にお狐さんを祀って五穀豊穣を願ったのではないですかね。
あれ、そうすると、いったいさっきの岩山は何なのでしょうか。摂社の類いなのでしょうか。
上っていくと、
「穴守稲荷上社」とあり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/bc/61872fb331d43b2ea770d4f1db44311c.jpg)
右脇奥に、これも摂社でしょう「御獄神社」と。
そして、振り向くと、景色は上々で、
なかなか爽快
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cd/4c93736faae15ec3ce5a0ea32d54554d.jpg)
富士山は見えませんが、午後の日射しの中、大師橋でしょうか、橋塔が白く光っていました。
町なかも冬めく空に深呼吸 弁人
京都の伏見稲荷を意識してなのか、「稲荷山」と称している小さな岩山を下りて、お札所で先ほどの「ほら穴」のことを聞いたりしていると、ここは「お穴さま」ということで、大穴を狙ったギャンブラーや花街の関係者のお参りも多いとのお話。前者は語呂合わせ的な気もしますが、後者はさもありなん、お稲荷さんといえば豊作祈願、性愛に関する信仰と結びつきやすいのは当然です。
お稲荷さんでなくても、日本各地には、今でも多産や豊穣の祈願に生殖器を崇拝する風習が残っていますし、道祖神にも男性のシンボルを象ったものや、双体(男女が親愛している)の石像を目にします。
そういえば、早稲田に「穴八幡宮」というお社がありますので、今度行ってみたくなりました。
ということで、穴守稲荷で「穴」の話に耳を傾けた後、空港の手前までてくてくと歩くことに。
大森の海と多摩川を結ぶ海老取川。それを渡れば羽田空港ですが、その川に架かる弁天橋のたもとに来ると、
向こう側に
鳥居が見えました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/a4/a89ce328d7b334e2b87ec8835f80d741.jpg)
昔の穴守稲荷の
一の鳥居です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/06/733c5f48b835f5d4968e7e8a312ce2ad.jpg)
羽田空港の辺り、遠い昔に干拓された土地で、米作りだけでなく豊かな海産物に恵まれた所だったのです。その中心にあった穴守稲荷が信仰を集めるいわば門前町。鉄道の穴守線も通じて、夏は海水浴に潮干狩り、鉱泉も湧き出て、旅館や芸者置き屋が軒を連ねる歓楽街に発展。たいそう賑やかな所だったようです。
北側には飛行場もあって民間機が発着していたようですが、終戦後、周辺一帯全て米軍に接収され、住民も神社も移転を余儀なくされたという歴史があるのです。
穴守稲荷、社殿は移ったものの、この大鳥居だけはかつての駐車場に残され、撤去しようとすると死者が出たりしてそのままだったのですが、空港拡張の波の中で、ようやく1999年、この場所に移設されたのです。
今は、空港へ行く時、京急もモノレールも地下を通っているし、車もふつうは湾岸線を使うので、蒲田と空港間の路線バスに乗った時くらいしか、この赤い鳥居を目にすることがなくなってしまったのです。
柔らかい日射しの中、着陸してくる
飛行機をしばし眺めて、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/8c/35d438b5d1e39045c9fcdc29f4fadef6.jpg)
天空橋駅から京急で帰って来ました。
小春日の多摩川に浮く機影かな 弁人
コロナウイルス、またまた新たな変異株が生まれたそうで、そのうち「第6波」とかが襲ってくるのかもしれませんが、今のところ日本は小康状態。
という中での昨日28日の日曜散歩。
「今なら東京方面に行ってもいいか。電車は日曜のほうがすいているかも」と思い立って、多摩川を越えてみました。
私、東京生まれですが、台東区の下町育ち。それも大学を出てすぐに横浜へ移ったので、実は、東京の南のほう、大田区や世田谷区はあまり歩いたことがないのです。JRの蒲田駅で下車したのも、東急池上線に乗るのも初めてのような気がします。
その東急電車で蒲田から二駅の池上駅で下車。交差点を渡り本門寺通りを歩いて7~8分でしょうか、池上本門寺は日蓮宗の大本山ですから、
「南無妙法蓮華経」の文字
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/e7/ba85338f182184790af76c2aa2776e3c.jpg)
橋の向こうに、歴史のありそうな「総門」と石段が見えています。
総門をくぐると、
いよいよ石段
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/07/b1daf99b2a26fe9980d2a07447dcd64e.jpg)
ちょっときつそうですが、七五三参りの子どもも上っているんですから大丈夫でしょう。
数えながら上って行くと、16段が6回の96段くらい、まあ、だいたい100段。
後で知りましたが、この石段、その昔、加藤清正が寄進した石段とか。「此経難持坂」と言って、妙法蓮華経(法華経)の偈文(げもん=韻文の仏の教え)の96文字にちなんで96段になっているとのことでした。
石段を上って一息つくと、目の前に「仁王門」。
迫力ある「阿形像」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/3c/3112bb258052dcea60ea2259daf1d837.jpg)
そして、日蓮聖(上)人を祀る
「大堂(祖師堂)」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/48/ae9e47d7d308b16c7e58fda5b235b0b2.jpg)
「大堂」の上から
「仁王門」を振り返る
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/c8/9b5db3cfa1e4c934d01111fa596c2edb.jpg)
日蓮の古刹眺めて日向ぼこ 弁人
実は、ここ「大堂」が本堂かと思って、参拝の後、五重塔のある墓地へ向かったのですが、本尊の「釈迦如来像」はさらに北、道路を隔てた先にあったようで行きそびれました。
ということで、力道山など有名人のお墓のある墓地に入ると、
慶長年間に建てられ、震災や空襲による消失を免れたという
貴重な「五重塔」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/38/d4bd217d7f67ea7e1cea3db607577198.jpg)
墓地の先にあるのが「本門寺公園」で
ひと回り散策
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/36/316a37ffae4c6e4f7c74a2697a1fce35.jpg)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
さて、蒲田に戻って、午後は京急蒲田駅から「穴守稲荷神社」へ。
こちら京急沿線のほうは箱根駅伝の応援で何回も来ているし、羽田線も空港へ行く時によく乗る電車ですが、穴守稲荷の駅はいつも通り過ぎていました。
途中に「大鳥居」という駅もあるし、昔、川崎からバスで羽田へ行った時、「空港の手前に鮮やかな朱色の鳥居があったな」という記憶があって、機会があったら、その辺を少し歩いてみたいと思っていたのです。
京急蒲田から三駅、
穴守稲荷駅下車
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/7f/0c04be87deef1a3088f052ef727bd674.jpg)
穴守稲荷神社参拝
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/a7/88518781e88f6cd03328ad16a96b13d8.jpg)
本殿の右に朱の鳥居が並んでいて、その奥に、いかにも人工物といった岩山がありまして、頂上に
お社が見えています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/6d/a04a3738b13da57dbcbcb8bf54e56ade.jpg)
これは行くしかありません。そこで朱の鳥居をくぐって行くと、岩山の裾に霊験あらたかな砂の置いてある「奥之宮」が鎮座し、その左のほうに、ほら穴のような暗い所がありまして、
「狐塚」と
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/85/590145757fa30930484f52430278bd46.jpg)
由緒書きによれば、「『穴守』とは、堤防に生じた穴から海水が流れ込むのを、神霊の加護によって防ぐことができたことから」とありますが、やはり「穴」ですからね、こういう「ほら穴」のような所にお狐さんを祀って五穀豊穣を願ったのではないですかね。
あれ、そうすると、いったいさっきの岩山は何なのでしょうか。摂社の類いなのでしょうか。
上っていくと、
「穴守稲荷上社」とあり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/bc/61872fb331d43b2ea770d4f1db44311c.jpg)
右脇奥に、これも摂社でしょう「御獄神社」と。
そして、振り向くと、景色は上々で、
なかなか爽快
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cd/4c93736faae15ec3ce5a0ea32d54554d.jpg)
富士山は見えませんが、午後の日射しの中、大師橋でしょうか、橋塔が白く光っていました。
町なかも冬めく空に深呼吸 弁人
京都の伏見稲荷を意識してなのか、「稲荷山」と称している小さな岩山を下りて、お札所で先ほどの「ほら穴」のことを聞いたりしていると、ここは「お穴さま」ということで、大穴を狙ったギャンブラーや花街の関係者のお参りも多いとのお話。前者は語呂合わせ的な気もしますが、後者はさもありなん、お稲荷さんといえば豊作祈願、性愛に関する信仰と結びつきやすいのは当然です。
お稲荷さんでなくても、日本各地には、今でも多産や豊穣の祈願に生殖器を崇拝する風習が残っていますし、道祖神にも男性のシンボルを象ったものや、双体(男女が親愛している)の石像を目にします。
そういえば、早稲田に「穴八幡宮」というお社がありますので、今度行ってみたくなりました。
ということで、穴守稲荷で「穴」の話に耳を傾けた後、空港の手前までてくてくと歩くことに。
大森の海と多摩川を結ぶ海老取川。それを渡れば羽田空港ですが、その川に架かる弁天橋のたもとに来ると、
向こう側に
鳥居が見えました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/a4/a89ce328d7b334e2b87ec8835f80d741.jpg)
昔の穴守稲荷の
一の鳥居です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/06/733c5f48b835f5d4968e7e8a312ce2ad.jpg)
羽田空港の辺り、遠い昔に干拓された土地で、米作りだけでなく豊かな海産物に恵まれた所だったのです。その中心にあった穴守稲荷が信仰を集めるいわば門前町。鉄道の穴守線も通じて、夏は海水浴に潮干狩り、鉱泉も湧き出て、旅館や芸者置き屋が軒を連ねる歓楽街に発展。たいそう賑やかな所だったようです。
北側には飛行場もあって民間機が発着していたようですが、終戦後、周辺一帯全て米軍に接収され、住民も神社も移転を余儀なくされたという歴史があるのです。
穴守稲荷、社殿は移ったものの、この大鳥居だけはかつての駐車場に残され、撤去しようとすると死者が出たりしてそのままだったのですが、空港拡張の波の中で、ようやく1999年、この場所に移設されたのです。
今は、空港へ行く時、京急もモノレールも地下を通っているし、車もふつうは湾岸線を使うので、蒲田と空港間の路線バスに乗った時くらいしか、この赤い鳥居を目にすることがなくなってしまったのです。
柔らかい日射しの中、着陸してくる
飛行機をしばし眺めて、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/8c/35d438b5d1e39045c9fcdc29f4fadef6.jpg)
天空橋駅から京急で帰って来ました。
小春日の多摩川に浮く機影かな 弁人