チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

「あっぱれ!高松商業」-明治神宮大会高校の部

2015-11-20 17:45:04 | スポーツ観戦等
11月20日(金)

 明石へ行く前の年の2007年秋の明治神宮野球大会。今回とは違って、最終日が高校と大学の決勝戦二試合で、神宮球場のネット裏に座っていました。

 あの年、高校の部は静岡の常葉菊川が優勝しましたが、準優勝の横浜高校のクリーンアップにまだ一年生だったベイスターズの筒香選手が名を連ねていたのを思い出します。
 大学は早稲田対東洋大。早稲田のマウンドはこれも一年生のハンカチ王子こと斉藤佑樹、東洋大はドラフト1位でソフトバンクへ入団した大場翔太(来季からドラゴンスとか)で、二人の投げ合いになったものの、終盤、斉藤投手が引っ込んだ後、東洋大が点を取って優勝しました。

 それはともかく、先日の関東大会で木更津総合高が優勝し、明治神宮大会へ名乗りを上げましたが、その初戦の相手が優勝候補の大阪桐蔭と決まり、「さあ、8年ぶりに神宮大会へ行くぞ」とワクワクしていました。
 ところが、大会が始まるころから天候不順となり、なかなか足を運ぶ気にならないうちに三日間が過ぎました。やはり大阪桐蔭は強かったようで、関東代表の木更津総合が先頭打者ホームランで先制したものの、逆転スリーランを浴び、5-2で力負けしたとのことでした。

 大会四日目の月曜日になって、ようやく神宮球場へ足を運べる天気になりました。

 第一試合が10時半からということで10時前に球場へ行くと、

 すでに青森山田対敦賀気比の試合、
  4回まで進んでいました
  

 どうも、前日の雨で大学の試合が一つ持ち越されたようで、まだ電車に揺られている時間に始まっていたようです。
 その試合、両チームともエースを立てていませんでしたが、敦賀気比の打力が上回っているようで、青森山田が8回裏に追い上げたものの、敦賀気比が198センチの長身のエース山崎君を投入して8-5で勝ちました。

 そして第二試合へ。

 関東大会の時もそうでした。準決勝は実力のある4チームが見られると思って楽しみにするのですが、勝てば翌日が決勝戦、どのチームもエースを温存する傾向にあって、ちょっと残念。大阪桐蔭・高松商業ともマウンドに上がるのは背番号二桁の投手でした。

 ということで、一塁側後方の観客のまばらな席でゆっくりとお昼ごはんを食べながら眺めていたのですが、試合のほうはやや予想外の展開になりました。

 高松商の多田投手、サイドから110キロ前後の緩い球しか投げないのですが、強打の大阪桐蔭なのになかなか快音が響かないのです。そうこうしているうちに、二桁背番号の投手を継投して凌いでいる桐蔭から高松商打線が小刻みに得点を重ね、とうとう7点にまでなって、さすがに万事休したかに見えました。
 しかし、そこは強力打線。多田君の球が上ずってきたところをとらえて1点差に。試合がわからなくなりました。
 そこに現れた救世主。高松商の二塁を守っていた美濃君がマウンドへ。一見投手っぽく見えないものの、140キロ前後のストレートを小気味よく投げ、

 そのまま
  逃げ切ってしまいました
  
 大阪桐蔭、1点差で9回裏に逆転サヨナラとでも考えていたのでしょうか、9回表にようやくエースの高山君が登板し、150キロの快速球も披露してくれましたが、やはりご登場が遅かったようで、最後の攻撃を高松商の美濃君に抑えられてしまいました。

 ということで、翌日の決勝戦は福井の敦賀気比と香川の高松商業の対戦になりました。

 決勝戦ですから両エースの投げ合いが楽しみなのですが、準決勝後の情報によると、どうも高松商のエース浦君、ウイルス性腸炎に罹って万全ではないとのこと。対して、敦賀気比の山崎君、長身から投げ下ろすストレートはプロも注目とのこと。さらに、小刻みにつないでいくのが身上の高松商打線と、甲子園経験者が何人か残っていて長打力もある敦賀気比の打線を比べても、雰囲気的には、どうもこの春のセンバツで優勝している敦賀気比が強そうな気配。

 ところで、エースを病いで欠いた中で準決勝を勝ち抜いた高松商業ですが、高校野球に関心のある方ならご存知のとおり、かつては甲子園の常連校だったのです。春夏合わせて出場44回、春夏二回ずつ優勝という名門中の名門校です。
 昭和55年の決勝戦で、愛甲投手を立てて荒木投手擁する早稲田実業を下し優勝した横浜高校、初戦が高松商業だったのを覚えています。銀傘の下で観戦していました。

 ところが、その名門校、ここのところ低迷気味で、さっぱり甲子園で見なくなりました。調べると、1996年に春夏とも出場していますが、それ以来遠ざかっているのです。来春のセンバツは当確ですから、20年ぶりの甲子園ということになります。
 実は、高松商業出身の友人がいるのですが、彼と出会ったのはその翌年の1997年でしたから、どうりで野球の話で盛り上がったことがないはずでした。

 ということで、決勝戦の翌17日の神宮球場。三塁側高松商業のスタンドはOBの方なのでしょうか、いかにもオールドファンといった人の姿が目立ちます。応援の指揮を執るのも年配のおっちゃんです。さて、敦賀気比の山崎君の球を打ち返すことができるや否や。

 4回まで0-0の
  投手戦になりました
  

 期待の山崎投手、この日の調子は今ひとつなのか、スピードは130キロ前後。これなら何とかなるかもと思いつつ、やはり長身からの角度のある球はなかなか打てません。

 いや、そんなことよりも、びっくりしたのが高松商の多田君のピッチングでした。遅い球ばかりなのですが、丁寧に低めを突き、ベルトの上にはほとんど投げません。前日とは違って近くから見ていると、大阪桐蔭の打者が手こずったのも納得できました。
 それに頭も使っている。送りバントの場面では意図的に内角高めを突いてフライにさせたりします。おそらく打者二回りぐらいは行けそう、三回り目に入ったあたりで前日と同様に二塁手の美濃君と交代すればおもしろそうだと見ていたところ、予想どおり、三巡目の一番と三番バッターに二塁打を打たれて2点献上して降板。交代がちょっと遅かった感もありましたが、低めを丁寧に突くピッチングに感心しました。

 先制されて腹が据わったのか、高松商はここで病み上がりのエース浦君を登板させました。やはり球威は今ひとつ、なんとかかわしていましたが、7回裏にタイムリーを打たれ3点差に。140キロを投げる二塁手を出しておけばまだわからなかったのにと思ったりしたのですが、その後に「勝負事は下駄を履くまでわからない」という戒めを思い出させるような意外な展開が待っていました。

 ライト後方からスカイツリーも
  観戦していましたが、
  

 予想外の逆転劇は直後の8回表に起きました。先頭バッター内野安打の後、敦賀気比の山崎投手疲れたのか、制球を乱しフォアボール。続く送りバントも内野安打になりノーアウト満塁。ここでワイルドピッチがあってまず3-1に。さらに二・三塁からタイムリーで一挙同点になりましたが、この時点でまだノーアウトなのです。すかさず盗塁、バントで1アウト三塁にしたところでスリーベースと短打が続き、なんと一挙5点の大逆転。野球のおもしろさと怖さを目の当たりにした感じです。
 さて、すっかり意気消沈した山崎投手、9回にもヒットの後、二打者続けてバント処理ができず、悪送球もありワイルドピッチもあって自滅。最後にとどめのタイムリーも打たれ、結局この回も3点失い、

 高松商、エース浦君続投のまま
  栄冠を手に
  


  うどんパワースカイツリーも目を見張る  弁人


 チーム一丸で戦った高松商業に
  優勝旗が
  


   秋の暮古豪復活の兆し見ゆ   弁人


 ところで、試合前の周囲の観客のやりとり。
「高松商業、ふつうの高校生のチームという感じだな」
「とは言っても、昨日大阪桐蔭に勝ってるんだぜ」
「でも桐蔭、エース出さなかったんだろ」

 試合が始まって、
「けっこう振りがいいねえ、つながればおもしろいかも」
「連打は難しいんじゃない」

 逆転劇の後
「敦賀気比、悪夢だろうな。こういうことになるなんて」
「ほぼ自滅だからしょうがないんじゃないの」
「引退した平沼投手来てるのかな。山崎君怒られそう」

 なにはともあれ、勝ったほうが強いのです。高松商業の長尾監督は「古豪復活? うちより強いチームはたくさんあるので」と謙虚でしたが、いかにも高校野球らしいはつらつとした野球で勝ち取った優勝。力で押し切る強豪相手にどんな戦いを見せてくれるのか、今から来春のセンバツが楽しみになりました。


【追 記】
 3点差からの終盤の逆転劇というと、またまたありました。

 昨夜の「プレミア12」準決勝、日本3-4韓国の悪夢のような試合。
 応援している者はやり切れませんが、これが野球です。

 ノーアウト満塁で、コントロールに疑問があって経験の浅い松井投手を投げさせたのは私も腑に落ちませんでしたが、結局は、1・2番が出て中軸が返せなかった7回と、8・9番が出て1・2番が返せなかった8回。この二回のチャンスで追加点が取れなかったのが痛かった。
 この場合、韓国側にすれば、まさに「ピンチの後にチャンスあり」。やはり逆転劇には伏線があります。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

常磐線の特急に乗って~ぶらりひたちへ

2015-11-18 12:46:17 | 旅行
11月18日(水)

 3月に「上野・東京ライン」が開通して、東海道線の利用者の中には東京駅始発がなくなり苦々しく感じている人も多いとか聞きます。
 でも、私なんぞは上野方面へ出かけることが多いので、けっこう便利になって助かることが多いのも事実です。

 8月にKAZU君が逗子に滞在していた時もよく東京方面へ出かけましたが、そんな時に品川駅で何回か、やはり「上野・東京ライン」で始発駅になった常磐線の特急を見かけました。

 常磐線の特急と言えば、もう20年ほど経つのでしょうか。当時は「スーパーひたち」と言っていたような記憶がありますが、いわきの温泉へ行ったその時以来乗ったことがないような気がします。
 震災を経て車両も新しくなったもよう。明石を引き揚げて逗子に戻ってきたら、そのうちに乗ってみようと思っていました。

 先週の半ばでした。往きは、
  上野9:00発「ひたち5号」
  

 品川始発かと思っていましたが、ラッシュ時は上野始発です。「ひたち」は停車駅が少なく水戸までノンストップ。
 車体は新しく快適。首都圏の普通電車のグリーン席と同様、天井にランプが付いています。ランプは「指定券購入済み」と「これから乗ってくる席」と「空いている席」の三色で、「空いている席」に座った人だけに検札が来るという、普通車グリーンと同様、煩わしさがありません。

 1時間20分、水戸の次の勝田で降りました。20分ほどバスに揺られて、

 到着したのは
  「国営ひたち海浜公園」
  

 国営公園は全国に十何カ所もあるそうですが、何回か行ったことのあるのは、箱根駅伝の予選が行われる立川の「昭和記念公園」とKAZU君と遊んだ淡路の「明石海峡公園」。両方とも国営だけあって、とにかくきれいに整備されていて気持ちがいい。そこで、今回は「ひたち海浜公園」へ行ってみようということになった次第。

 立冬を迎えて、お目当てだった「コキア」はもう終わっているようなのですが、木々の葉の色合いと海の景観を期待してやって来ました。

 園内を巡る乗り物もありますが、ここにはレンタサイクルがあって、とにかく広い園内なのでこれがいちばん便利とさっそくペダルを踏んで、

  晩秋の色合いの中へ
  


   静寂にひたちの国の銀杏黄葉   弁人


 観覧車から
  園内の様子を観察すると
  

 「海浜公園」とはいえ、海を見渡せる所は一部分で、木々の中の道を抜けるて広がるのはお花畑と広大な広場という感じです。

 まずは、観覧車の下にある
  「バラ園」から
  
  
  

 広場の向こうに
  「キバナコスモス」が咲いていました
  
    
 黄色が「サンライズ」でオレンジが「マンダリン」とか。

 逗子なんかでも時折見る
  「コウテイダリア」も見事です
  


   有終の色を競ふや冬立ちて   弁人

 そんなこんな、お昼ごはんも含めて3時間半ほど園内を巡って帰途に就きました。

 「ときわ82号」の車窓から
  筑波山を眺めながら上野へ
  

 ところで、「ひたち海浜公園」で見られなかった「コキア」ですが、

  こんな華麗な色合いなのです
  

 実は、翌々日に国宝の「一遍上人聖絵」を観に行った藤沢の遊行寺で出合いました。

 湘南の古刹を彩る薄紅。
  なかなかの風情です 
  


   阿弥陀仏微笑む先のほうき草   弁人


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

気分爽快な秋空の下でのスポーツ観戦

2015-11-06 11:53:27 | スポーツ観戦等
11月6日(金)

 ここ3年間、11月3日はKAZU君と網干のJR車両基地へ行くのが恒例になっていました。「晴の特異日」と言われていますが、たしか、一昨年は時折雨が落ちてくる雲の厚い日だったと思い出したりします。

 朝の抜けるような青空を見上げながら、オランダは休日ではないでしょうから、きっと、KAZU君はひんやりとした空気の中で学校へ向かうのだろうと思い遣り、ヨーロッパは北西のほうかなと視線を向けたりしますが、時差があるのでKAZU君が登校するのは日本時間の午後3時頃なのでした。

 逗子での暮らしに戻ってから40日。ついつい明石での思い出に耽ってしまいますが、短日の秋、こんな天気の良い日に感傷的になっていたらあっという間に日が暮れてしまいます。時計を見ると、もう8時半でした。
 前日2日の夜に立てた予定では、すでに電車に乗っていなければいけない時間。慌てて車のエンジンをかけて横浜へ向かいました。

 着いたのは、保土ヶ谷にある
  横浜清風高校
  

 インターハイ・関東大会出場の垂れ幕がいっぱい。かつては女子高で、ハンドボールの強豪校というイメージを持っていましたが、共学になった今もいろいろなスポーツで活躍しているもようです。

 実は、元同僚というか、教え子でもあって後輩でもあって、息子というには歳が近すぎますが、明石へ行く前まで、よく飲みに行ったり温泉へ行ったりと、何でも気さくに話し合える人がおりまして。
 明石から戻った後、一度会いたいなと、そうだ11月初めに天気が良かったら高校野球の関東大会でも見に行くのもいいかなと思って連絡をしたところ、「土・日・休日は部活の試合があって・・・・」という話でした。

 この7年間、明石の暮らしに気をとられていて、かつての知人がどういう状況にあるのかということに疎かったのは確かです。

 彼は今、三浦半島の学校で女子ソフトボールの指導と指揮を執っていて、この時期は秋の新人戦の真っ最中とか。
 とはいえ、リーグ戦でないので「負ければそこまで」なのですが、話によると、かなりいいチームのようで「3日の相手は格上だけど、今回はなんとか勝ちたい」と、なかなかの意気込みなのです。
 いったいどんなチームなのかと、初めは野次馬根性、初戦の1日の試合を見に行ったところ、あっという間に16点取ってのコールド勝ち。部員はわずか10人なのに、好投手を擁し、キャッチャーの肩も良く頼もしい。これは少々楽しみ、次の試合、春の関東大会に出場している横浜清風高校との対戦を見届けないわけには行きません。

 まさにスポーツの秋。
  熱戦です
  

 高校生の女子の試合です。細かな試合展開や分析はいいでしょう。勝ちました。やりました。あっぱれです。4-2の逆転勝ち。
 そして、しばし時間をおいての次の試合も、私立の高校を相手に9-0で連勝、なんとベスト8じゃないですか。素晴らしいのひと言に尽きます。


   白球を追ふ眼も光る文化の日   弁人


 一夜明けた4日も、これぞ秋空といった雲ひとつない快晴でした。さっそく電車に乗り込み、

 朝10時前、
  爽やかな公園に着きました
  
  

 大宮公園です。公園内に大宮県営球場があります。

 そう、目的は高校野球の関東大会。
  この日は準決勝二試合
  

 まずは、
  木更津総合と東海大甲府の試合
  

 本当は両チームのエースの投球を見たかったのですが、考えてみれば、前日の準々決勝に勝ってセンバツ当確のベスト4に入っているのですから一試合休ませるのも当然でしょう。
 とは言え、背番号10の木更津総合武田投手と東海大甲府の松葉投手ともに好投手で、2-0で木更津が勝ちました。

 空いている日溜まりの席で
  お昼を食べて
  

 その席でそのまま第二試合の常総学院対桐生第一高校の試合を観戦。この試合でも常総学院はエースの鈴木投手ではなく二番手の樫村投手が出ましたが、なんと4安打完封の見事な投球。

 4-0で、エースを立てた
  桐生第一に快勝
  


   舞ひ上がる白球吸はんや秋の空   弁人


 ところで、来週の13日から全国各地区の優勝校が出場する明治神宮大会が始まります。
 翌5日の決勝戦は見に行きませんでしたが、延長13回の熱戦の末、8-7で常総学院を下した木更津総合が関東代表に名乗りを上げたそうで、神宮球場へも行ってみようかなと楽しみになりました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする