チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

KAZU君の休日、今回は立川の昭和記念公園へ

2018-11-16 16:27:47 | KAZU君
11月16日(金)

 11月14日は埼玉県民の日。去年は北本市の自然観察公園でバードウオッチングを楽しみましたが、はたして今年は。
 KAZU君ももう4年生です。実は、「今年は友だちとね、・・・」とでも言うかもしれないと思っていたのです。でも、今年も「おじいちゃんとどこかへお出かけしたい」という連絡がありまして。

 天気は上々。とはいえ、埼玉県内の学校はお休みですから、平日ではありますが、できれば埼玉県外へ出たいと考えていたところ、絶好の電車がありました。

 大宮8時54分発「むさしの号」
  八王子行き
  

 ふつう、大宮から立川方面へ行くには、京浜東北線の南浦和駅か埼京線の武蔵浦和駅へ南下して武蔵野線に、さらに、西国分寺で中央線にと二回の乗り換えが必要になりますが、この電車、東北線から武蔵野線、武蔵野線から中央線へと、二回貨物線の線路を使って、八王子まで乗り換えなしで行ってしまうという、なんとも便利な列車なのです。ただし本数は少なく、朝、夕、夜の三本しかありません。
 どんな車輛が来るかなと待っていると、武蔵野線と同じふつうの電車でした。それに通勤で使う人も多いのか、けっこういっぱいで、窓の外の様子もよく見えず、残念ながら、ふだん通らない貨物線を走っているというワクワク気分は味わえませんでした。

 それはさておき、とりあえず立川で下車。青梅線に一駅乗って、

 昭和記念公園の
  西立川口に
  

 さっそく
  自転車を借りて
  
    

 錦繍の公園内を
  サイクリング
  
  


   ペダル踏む児を待ちし黄落の道   弁人


 「日本庭園」。私は
  こういう風情が楽しみですが、
  

 KAZU君はゲーム機で、この辺りにいる
  妖怪か何かをキャッチ中
  

 お昼は、池の畔のレストランで食べましたが、水の上にはスワンボートだけでなく、手漕ぎボートもありまして、

 初めてオールを握るKAZU君に
  手ほどきを試みることに
  

 小一時間ほどで
  すっかり上手に
  


   ボート漕ぐ手に汗光る小春かな   弁人


 この後、長いサイクリングロードをもう一周。メインゲートの立川口にも行ってみましたが、

 ここのイチョウも
  とてもきれいでした
  

 さて、帰りも立川駅から「むさしの号」に乗りたいところなのですが、立川17時05分発では途中で真っ暗になってしまうし、始発が八王子なので混み具合も心配。ということで、中央線、武蔵野線、埼京線を乗り継いで16時半に大宮に戻って来ました。

 これでなんとか、暗くなる前にKAZU君のおうちに着けるかなと思って、埼京線のホームから階段を上ると、
「おじいちゃん、今日はありがとう。すごぉぉーく楽しかった。それじゃあね、二週間後の金曜日に逗子に行くからね」
と言いながら、一人すたすたと改札口に向かって行くKAZU君。朝も大宮駅まで一人で来たし、もうすっかり一人前です。
 まあ、逗子から大宮まで往復する私にとっては、時間的にはとっても助かりますが、ニューシャトルを下りた後、駅と家との間にある、けっこう車の往来の激しい横断歩道とか大丈夫だろうかと、心配しながら帰りの電車に揺られることになります。
 まあ、一応そんなことも頭によぎって、日の暮れないうちに大宮に着くようにしたわけなのですが。


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二年数か月ぶりに、明石の町を歩く

2018-11-08 16:55:10 | 明石風物
11月8日(木)

 朝の一番電車で出かけた4日の伊勢の大学駅伝。そのまま夕方に名古屋へ戻れば、ゆうゆう日帰りで帰って来られる状況でしたが、帰りの新幹線、去年は三連休の最終日で、名古屋駅はごった返していました。今年は三連休ではありませんが、いちおう日曜ですからやっぱり混んでいそうで気が重い。
 それに、せっかく伊勢まで出かけているんです。行き来が便利になったからといって、真っ直ぐ帰ってしまうのももったいないという貧乏根性も芽生えて、近鉄特急で行ける大阪のホテルを予約してみました。
 別に京都でも奈良でもよかったのですが、心の隅に「久しぶりに明石に行ってみるのもいいかも」という気持ちがあって、どこへ行くにしても無難な大阪泊となりました。

 5日朝、目の覚めるような秋空。
  快速221形、まだ健在です
  

 「京都がいいかなあ。でも、台風のおかげで、今年の秋はさんざんという情報もあったし、やっぱり、懐かしい所に行こうかな」
と、8時過ぎの新快速に乗って、明石に来ちゃいました。

 お城の櫓を眺めながら、
  軽く朝食
  

 逗子の家の新築が成って、荷物をまとめて最後に明石を後にしたのが、2016年の7月27日でした。その後、KAZU君がオランダから明石に引き揚げて来たので、いずれまた、訪れることもあろうかと思っていましたが、その冬に、KAZU君大宮へ転居という意外な展開となり、すっかり遠い地になってしまいました。

 ところが、こうして公園のベンチに腰を下ろし、駅で買ったパンを頬張り、缶コーヒーを口にしていると、「久しぶりだなあ」という感慨が全く湧きません。「今日はいい天気だ。朝食は公園だな」という、たまに訪れる気持ちのよい朝のひと時、まさに日常の中の一コマにすぎない感じです。
 本当は、昨日新幹線と近鉄特急で伊勢まで行って、夕方大阪に来て、ホテルに泊まって新快速で着いたところなんだという、そんな現実が遠退いてしまう不思議な感覚に浸っていました。

 大学を出るまで生まれ育ったのは、今KANA君が住んでいる東京の下町ですが、その変貌ぶりは凄まじく、僅かに昔の匂いが多少残っているのは三ノ輪橋の都電くらいでしょうか。
 それに対して、ここは歴史のある城跡の公園。まあ、まだ二年ちょっとしか経っていないのですから比較にはなりませんが、懐かしいという思いは全く込み上げてきませんでした。

 とはいえ、この日明石に来た目的の一つは、駅前の変貌ぶりの確認もありました。

 2013年の秋に始まった駅前の再開発。駅前の賑やかな飲食街が突然消え、一部は駅の東に仮移転したものの、ジュンク堂書店もマクドナルドも閉鎖になっていました。 その再開発事業が完成したのが2016年12月。私はその姿を見ることなく、完成の数ヶ月前に明石を後にしていたのでした。
 「さてさて、どんなふうになったのかな」と楽しみに、明石駅の海側へ出てみると、

 ドーンと、高層マンションらしき
  ビルが
  

 もちろん下は商業施設で、
  名付けて「パピオス」
  


   秋空や駅前ビルの眩しかり   弁人


 エスカレーターを上がると、「市民広場」なる
  開放的なスペース
  

 ジュンク堂も
  復活していました
  

 さて、ビルの南には国道2号線が走っています。かつては、ごくありきたりの歩道橋か、もしくは信号、とにかくそれを越えないと、港はもちろん、明石の台所「魚の棚」にも行けなかったのです。
 私が明石に来た時、いちばん初めに思ったのは、この国道を地下のバイパスにするとか、なんとかしないと、歴史ある港町とそれを象徴する商店街が廃れてしまうのではという危惧でしたが、再開発したのですから当然ですよね、

 パピオスの2階から、そのまま
  魚の棚へ行けるようになりました
  
 これで、雨の日も駅から傘をささずに魚の棚へ行けますが、国道を渡った所にエスカレーターを設置するスペースがなかったのでしょう、エレベーターだけになっていたのがちょっと残念。

 その新しい歩道橋を渡って
  「魚の棚」へ
  


   店先に港の香り秋の朝   弁人


 アーケードの上に映画の看板らしきものがぶら下がっています。タイトルは「進撃のタコドン~魚の棚大決戦」。地元明石を舞台にした映画が出来たのかなと、お店のおばちゃんに聞いたところ、「ありゃ、冗談、冗談」と笑っていました。
 どうも、魚の棚商店街活性化をもくろんだパロディの看板のようで、

 こんなのもありました。
  「魚の棚の嫁はえらいよ」
  

 他に、「うおんたな~一丁目の昼網み」とか、「魚の惑星~今晩の食卓編」とかもぶら下がっていて、こんなものを考え出す、いかにも関西人といった明石のおっちゃんの顔が浮かんでくるようで、思わず吹き出してしまいました。

 さあ、次は天文科学館でしょう。なにしろこの天気、14階からの展望も楽しみです。ということで、

  山陽電車で人丸前駅に
  

 でも、掲揚ポールに旗が見えない。そうなんです、月曜日は休館なのです。溜め息をつきながら国道2号線に出て、休(やすみ)天神社にお参りした後、

 もちろん、お世話になった稲爪神社の神さまにも
  近況を報(奉)告
  

 新しくできた道や、火事で消失した
  大蔵市場の跡地を見ながら
  
  

 海岸に出ました。
  空も海も真っ青
  
  

 いたいた、
  N船(右-JFE運搬船)
  

 天気良すぎます。この時期になると、もう太陽もだいぶ低く差し込んでくるので、天気がいいと逆光で眩しく写真も難しいんです。


   孤船目に吾も佇むや秋の浜   弁人


 それでは、あの歩道橋(跨線橋)を
  渡りましょうか
  

 朝霧駅前。なんか
  かっこ良くなっている
  

 丘の上からの見慣れた景色。海には
  自動車運搬船通過中
  

 そして、いつも歩いた
  駅への線路伝いの道
  

 気がつけば、お昼の時間に。明石駅に戻って、「パピオス」とかの新しいお店に入ってみようか。でも、朝の様子では、昼から一杯ひっかけられる店は「目利きの銀次」とか「魚民」とかのチェーン店だったような。やはり、舞子にしましょうか。

 ということで、舞子駅ビル7階の
  和食レストラン「海彩園」へ 
  

 ここは、海と橋の眺めが抜群で、かつてはKAZU君の家族も妻君もけっこう気に入っていたお店です。実は、二年前、明石を去る前日の最後の夕飯をと来たのですが、あいにくの定休日で入れませんでした。
 そのリベンジではありませんが、今回は天気も絶好、少々眩しい景色を眺めながら、タコの柔らか煮とお造り定食をおいしくいただきました。

 この景色も欠かせません。電車の線路の先に
  明石の町を一望
  


   行く秋や海峡の潮静かなり   弁人


 こうして、久しぶりに、6時間ほど明石の町の香りの中に身を置きましたが、二年以上の空白があっても、その香りは今でも身に染みついているのかもしれません。もう異郷の地になっているのに、旅先という感覚が全く沸き起こってこない不思議な旅人を演じている気分のまま逗子の家に帰って来ました。


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行っちゃいました。「伊勢の全日本大学駅伝」

2018-11-06 23:20:47 | スポーツ観戦等
11月6日(火)

 お見事!! 「大躍進の国学院、シード権獲得の6位入賞」

 ゴールまであと1キロ。
  余裕のシード圏内
  

 過去最高順位は9位でしたが、
  6位で内宮前宇治橋へ
  

 本当は家でテレビ観戦のつもりでした。先週アタマから風邪気味で体調がすぐれなかったこと。ソフトバンクには敵わないだろうと思っていたカープが一分け一勝のスタートを切り、土日まで日本シリーズがもつれそうになったこと。予選2位通過で、表向きは8・9番手なのに、出場大学それぞれの10000mベストタイム上位8人の平均では15番目で、関東の大学の中では最下位だったこと。さらに、エースの浦野君、主将の土方君等、中心メンバーに3年生が多いことなどなど、いろいろ考えると、「来年行けばいいか」という気持ちになっていました。

 でも、来年もカープが優勝するとしたら、やはり日本シリーズの時期には重なるし、長距離ランナーには故障は付きもの、期待する選手が走れないこともしばしば。それに、今年からシード校が2校増えて8校になりました。もし、今年、頑張って念願のシード権が取れたりしたら、行かなかったことを後悔するに決まっています。
 「取らぬ狸の皮算用」かもしれませんが、やはり行ける時に行っておこうかと一念発起。急遽旅仕度をしていると、テレビに映る日本シリーズ第6戦、この日もカープにいつもの勢いなく敗退。100パーセント駅伝観戦に集中できる状況になりました。

 ところで、朝いちばん早く関西へ行ける方法といえば、もちろん、夜行バスなんかもあるでしょうが、新幹線だと「のぞみ1号」でしょうか。
 実は、逗子からだと、もう一本前の電車に乗れるのです。6時00分新横浜発の「ひかり」広島行き。これがなんと小田原に停まってくれるのです。「のぞみ1号」には西明石で抜かれるので、そこまではいちばん早く行けることになります。

 逗子から横須賀線の始発電車に乗って、大船から東海道線で6時前に
  小田原に着きました
  

 これに乗ると、7時24分に名古屋駅に着きます。駅伝のスタートは熱田神宮8時05分。なんと、前日に現地入りしなくても、日曜の朝、スタート地点に行けちゃいます。
 そうなんですよ、今は、駅伝を伊勢まで追っかけても、日帰りで済ますことだってできる時代になっているのです。

 熱田神宮西門前大通り。
  スタートしました
  

 法政大の青木涼真君を先頭に
  通り過ぎて行ってしまいました
  

 毎日、天気予報は欠かさずチェックしていて、全く心配していなかったのに、今にも雨が落ちてきそうな、どんよりとした重い雲。前日の夕方の段階でも三重県には晴マークが並んでいたんですけどね。

 さて、伊勢の大学駅伝。追っかけるとなると近鉄になりますが、なかなか駅の近くを通ってくれません。近いのは、四日市の南や、鈴鹿市の白子の先から津の手前辺りくらいでしょうか。松阪もいいのですが、ランナーの通過の後うまく道路を渡れないと、次の電車に乗れません。あとは、伊勢市駅、宇治山田駅と五十鈴川駅。ここは駅前を通ります。
 でも、最初に四日市へ行くと、次に追い越せるのは松阪なのですが、伊勢に行くのが忙しなくなります。
 そこで、去年は、はじめに桑名からバスとタクシーを使って揖斐・長良大橋の先の地蔵交差点まで往復、あとは白子と五十鈴川の都合三ヶ所にしたわけで、これだと時間的にかなり余裕があります。

 ところが、今年から区間設定が大幅変更に。地蔵交差点は第2区の後半から第3区のスタート後1~2キロ地点になってしまい、特急の停車する白子も、第4区14キロの残り1.5キロ地点から第5区の中間点手前になってしまいました。
 どうしたものかと思いながら、今回は桑名へは行かず、とりあえず熱田でスタートを見た後、名古屋駅に戻り近鉄特急に乗りました。そして、昨年同様、白子で特急を降りましたが、あと二つ三つ先の駅のほうが面白いかもと普通電車に乗り換えたところ、結構な雨。コンビニもないような駅で降りたら傘も買えません。

 そこで、下車したのは、この駅も少々田舎っぽい感じもしますが、津市に入って最初の駅の
  豊津上野駅です
  

 コースの国道へ向かって歩いて行くと、イオンの大型ショッピングセンターがあって、その駐車場の前が5区から6区へ繋ぐ
  第5中継所になっています
  

 ショッピングセンターでビニール傘を買って、ついでにお昼のお弁当も調達してリュックに。目の前の国道23号線にある中継所は駅近ということでけっこうな混雑。仕方なく、雨の中を鈴鹿方面へ2~300m戻った所で20分ほど待機。

 東海大鬼塚君トップ。後方に
  青学の姿がかすかに
    

 青山学院の1分後に帝京大が通過してさらに1分。駒沢、東洋、明治、順天堂、そして8位の国学院と、ほぼ等間隔で走り抜けて行きました。

  5位東洋と6位明治
  

  7位順天堂、追う国学院
  

 この前の第4区で、順天のエース塩尻君、13位から9人抜きの快走で一気に上位も、ここは東洋大の小笹君も速いし、国学院の江島君だって遜色ない走りです。

 「エジマー、ラスト!!
  行け!!」
  


   後輩へ渡す襷に秋時雨   弁人


 その後、法政大が続いていましたが、後続は見ずにそそくさと駅へ。津まで4駅揺られて、再度特急に乗り換えて、

  五十鈴川駅に着きました
  

 19.7キロの最終第8区の17キロ地点。この区間だけは今までと変更なく、ここからはゆるやかな上りでゴールまであとわずか。
 トップは青山学院とか。選手が来るまで15分以上ありそうなので、不要になった傘をもて余しながら、今回は内宮へ向かっててくてくと歩いて行きました。

 残り1キロほどのところに歩道橋があって、だいたいこういう時は通行禁止になっているのに、ここは渡れそう。「それじゃあ、渡ってみようか」と階段を上がると、

 やって来ました。
  青学の梶谷君
  

 だいぶ間が空いて、東海と東洋。さらに駒沢と帝京が通過して1分少々後、

 大健闘6位。国学院のアンカー
  長谷君
  


   やりました襷も秋色軽やかに   弁人


 106、8キロ、トップ青学とは現時点でまだまだ6分以上の差があるとはいえ、とりあえず初めて5時間20分を切る学内新記録。堂々6位で文句なしのシード権獲得。予選2位通過もダテではありませんでした。
 箱根だって予選は楽々通過しているんですけどね、果たしてシード権取れるかどうか、お正月が楽しみになってきました。

 長谷君が通過したあと、さらにゴール地点へ歩いて行きましたが、

 ちょうど最後の東北大が
  ゴールするところでした。
  

 ところで、今や伊勢駅伝も日帰りが可能と書きましたが、この日はそのまま名古屋へ戻らずに、夕方、難波行きの特急に乗って大阪で一泊することにしました。
 その話題は次回の記事にいたします。


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カープ善戦も、ソフトバンクには敵いませんな

2018-11-02 15:23:16 | つぶやき
11月2日(金)

 日本シリーズ。5試合終えて、カープ1勝3敗1分け。

 まあ、戦前から、カープがソフトバンクに引けを取らないのは守備力と機動力くらいで、打力はなんとか比較はできても、投手力を含めた総合力ではとても敵わないのではと思っていました。

 カープが日本一になるには、大瀬良とジョンソンが投げる試合で接戦に持ち込んで4つ勝つしかないと思っていました。果たしてやはり、野村・九里両投手の球威では太刀打ちできず痛い被弾。なにしろ、クライマックスの西武戦、ソフトバンクは5試合で45得点も取った打線なんですから。
 そして、カープファンにとって頼みの二人の先発投手。ジョンソンで一勝したものの、大瀬良先発の試合で1敗1分けですから、思わず弱気になってしまいます。仮に、明日のジョンソンの試合を取ったとしても、まだあと二つ勝たなければならないのですから。言ってみれば、崖っぷちどころか、足が滑って崖にぶら下がっているようなもんです。
 とはいっても、負けた三試合、全く相手にならなかったわけではなく、どの試合も手に汗握る好試合で善戦はしているのです。しかし、勝負事は結果が全て。やはりソフトバンクのほうが強いのでしょう。

 それにしても、ここまでの試合で残念だったのは、やはり、今シーズンMVP候補の丸選手の不振です。
 引き分けの初戦も三戦・四戦の試合も彼の不振がなければ勝てていたかもしれません。昨日の第五戦でようやく彼らしいバッティングが見られましたが、それでも、私から見ればまだ物足りない感は否めません。

 実は、夏の終わりにマジックが点灯したころから、ちょっと調子を落としているんじゃないかと心配していたのです。それまで、一時は5割を超えていた驚異的な出塁率が下がり始めたからです。たぶん、安打数が減ったというより、四球が減って三振が増えたからだと思います。
 彼の身上は特異まれな選球眼です。三振の数は多いものの、そのほとんどは見送りの三振で、出塁と紙一重の結果です。だいたい四球の数で言うと、ヤクルトのバレンティンが85、横浜の筒香の80に対し、彼は130ですよ。トリプルスリーの山田哲人の106も凄いですが、比較になりません。ちなみにパリーグでは日ハムの西川の96が最高ですから、丸選手の130という数字は尋常ではなく、結果、出塁率が高くなるのも当然です。
 ところが、9月以降、彼らしくない空振りの三振が多くなりました。
 もしかすると、終盤に入って、本塁打のタイトルが少しチラついてしまったのかもしれません。ボールの見極めが悪く、振りも大きくなっているような気がしました。ボールを呼び込んでコースに逆らわず、右中間・左中間にパシッと打ち返すといいう、彼らしいバッティングが影を潜めてしまったのです。
 主砲の鈴木誠也がいくら打っても、その前の1~3番が塁を賑わせなければ得点力は上がりません。今年は、もともと「タナ・キク・マル」の田中と菊池の打率が低く、その分を取り返す丸の活躍があって優勝できたのに、その彼も調子を落とした中で迎えた日本シリーズ。故障していた内川や今宮が戻ったソフトバンクに勝つのは至難の業なのです。

 ということで、地元のマツダスタジアムで開幕したものの、広島に戻る前に福岡で決着がついてしまうかもしれない、その時は、伊勢の大学駅伝でも観に行っちゃおうかなと、あまり期待せずに観ていましたが、初戦引き分け、第二戦は勝利。この時点で、もう一度広島へ戻ってくることが確定し、うれしい誤算。
 とは言え、さすがに福岡での三連敗には参りました。やっぱり土日は伊勢路かなと、思わずインターネットを開いてしまいました。
 しかし、滝壺に落ちたといっても、あとのゲームは地元広島。「タナ・キク・マル」の奇跡的な復活で持ち前の粘り越しを見せてもらいたいと、一縷の望みを捨てきれないのも一ファンの正直な気持ち。


   滝壺の鯉跳ね上がれ月めがけ   弁人


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