5月30日(水)
大学のスポーツ、陸上の関東インカレの観戦に出かけました。
相模原の麻溝台にある
「ギオンスタジアム」
この大会、かつては国立競技場、ここ何年かは横浜の日産スタジアムで行われていましたが、オリンピックが近づいたためか、来年のラグビーワールドカップの影響もあるのか、いずれにせよ、この競技会にも新しい国立競技場建設の余波が及んでいるのでしょう、なんとも交通不便な所での開催となりました。
まあ、相模原キャンパスを本拠地としている青山学院の選手なんかは、近くて助かっているかもしれませんが、もともと逗子から相模原方面へ行くのは少々かったるいのに、鉄道の駅からも遠くて、なかなか大変です。
いちばん近い駅は相模線の原当麻駅。茅ヶ崎から50分もかかる上、駅から30分近く歩くとなると、タクシーに乗れるかどうかを考えても論外。あとは、横浜線の古淵駅か小田急線の相模大野駅からバスに乗る方法がありますが、20分ほどバスに揺られても終点は女子美大前で、キャンパスを抜けないと競技場には着けません。
ということで、結局車になりますが、東名横浜近辺は車の集中する所ですから、少々渋滞にハマるのも覚悟の上ということになります。
大会初日の木曜日は、昼前から真夏のような日射しが注ぐ暑い日でしたが、上空の大気が不安定だったのか、午後2時頃に観客席に着くと間もなく、
雷雨で
中断となってしまいました
40分ほど遅れて競技再開。この日のお目当ては「男子1万メートル」でしたが、最初の2部のレース、陽も傾き始めた17時前に、
雨上がりのやや湿度の高い中で、
さあスタート
母校国学院は、ひと月前に28分44秒28の学内新記録をマークした土方君に注目です。
その土方君、桜美林大・日本薬科大・拓殖大の留学生の後塵を拝しましたが、とてもきれいなフォームで日本人選手の先頭に立ち、ラストで青学大の鈴木君・東農大の小山君にかわされたものの、ほぼ互角の6位でゴール、昨年10年ぶりに入賞を果たした浦野君に続いて2年連続の入賞となりました。
続く1部のレースもアフリカからの留学生が先行するレースになる中、
順天大塩尻君(写真3番手)、
先頭に食らいつき、
結果、日大のワンブイ(写真2番手)・山梨学院のニャイロ(同4番手)に続く3位でゴール。4位には東洋大の西山君が入りました。
ところで、1万メートルを走る選手はこのレース一本に賭けるのがふつうですが、中二日空いた最終日に、ハーフマラソンと5000mがあって、そのどちらかと掛け持ちする選手もいて、1万メートルを走った三日後というきつい中で、山梨学院のニャイロ君はハーフマラソンで優勝、桜美林大のキサイサ選手と日大のワンブイ選手はそれぞれ2部1部の5000mでも優勝と、やはりアフリカからの留学生はなかなかの強者です。
さて、その最終日。ハーフマラソンは朝一番のレースだったので観戦できませんでしたが、昼過ぎに再びギオンスタジアムへ。
晴天の日曜日、メインスタンドは満員で
夏の日射しの下に
2部5000mのスタート。
なんとかゴール前の席を確保
三週間前に13分54秒という国学院大学新記録をマークした青木君がどんな走りをするかも楽しみでしたが、なんといっても、3年生ながら押しも押されぬ国学院大学のエースの浦野君、箱根駅伝1区で2位の走りに期待です。
その浦野君、2月の全日本陸上選手権クロスカントリーで9位(学生4位)に入り、世界大学クロスカントリー日本代表に選ばれました。そして、4月7日にスイスで行われた世界大会で、4位に入った東洋大学の渡辺君に続いて、日本人2位の6位入賞を果たしています。その走りや如何、実に楽しみ。
アフリカの留学生4人に囲まれつつも
3番手に
3400m。依然トップに
食らいついていましたが、
桜美林大のキサイサ選手が強くて、1万メートルに続いて二冠。三日前の1万メートルの土方君と同様、最後に東農大の小山君にかわされましたが、3位入賞を果たしました。
2部に続いて、これも注目の1部のレースとなりましたが、順天大の塩尻君、
この日も二冠を果たした日大のワンブイ選手に
終盤まで食らいつき、
2位でゴール。
まあ、いつものことですが、アフリカの留学生の走りに、日本人選手が上回るのはなかなか難しい。
そんな中で、最後まで食らいついて行く順天大の塩尻君は一流ランナーの片鱗を窺わせます。そして、今回、ラスト一周まで先頭にぴったり付いて行った国学院の浦野君も、まだまだ伸び代がありそうで期待が膨らみます。その浦野君を、また1万メートルでは土方君を最後の直線でかわした東農大の小山君もラストに強い侮れない選手だと感心しました。
でも、大学の長距離といえば、ほんとうは、青学大や東洋大や東海大にいい選手が目白押しのはずなのです。ただ、今回はハーフマラソンを見なかったからでしょうか、あまり印象に残りませんでした。
国学院は、浦野君と土方君に青木君を加えた3年生トリオに続く選手のタイムが今一つで、今シーズンはどうかなという不安が拭えませんが、もしかしたら、今年は、どこのチームも、頭一つ抜きんでた選手が何人も揃っていないのかもしれないという感じがしないでもありません。
そんな淡い期待を抱きつつ、来月の日本インカレと全日本駅伝の関東予選を楽しみにしたいと思います。
それにしても、長距離ではワンブイ選手だけが目立っていましたが、日大の選手層はほんとうに厚いんですね。圧倒的な得点で関東インカレ7連覇。ここ何年かのポイント数で、なんと10月の予選会を経ずに、箱根駅伝二年ぶりの出場を決めてしまいました。
内心、今回露呈した大学の上層部のていたらくで逆風かと思いきや、選手たちはさすがで、けんめいに頑張っているのです。そんな姿を目の当たりにすると、虚栄心の虜となっている大人たちの醜さばかりが浮き彫りになって、情けないというより憤りがこみ上げてきてしまいます。
「大人とは、子どもの夕暮れではないのか」-加藤八千代
これから大人になって行く若きスポーツマンたちが、今後年を経ても、若き頃の爽やかさを忘れず、決してだらしなく黄昏て行くことのないように願って、この稿を閉じます。
大学のスポーツ、陸上の関東インカレの観戦に出かけました。
相模原の麻溝台にある
「ギオンスタジアム」
この大会、かつては国立競技場、ここ何年かは横浜の日産スタジアムで行われていましたが、オリンピックが近づいたためか、来年のラグビーワールドカップの影響もあるのか、いずれにせよ、この競技会にも新しい国立競技場建設の余波が及んでいるのでしょう、なんとも交通不便な所での開催となりました。
まあ、相模原キャンパスを本拠地としている青山学院の選手なんかは、近くて助かっているかもしれませんが、もともと逗子から相模原方面へ行くのは少々かったるいのに、鉄道の駅からも遠くて、なかなか大変です。
いちばん近い駅は相模線の原当麻駅。茅ヶ崎から50分もかかる上、駅から30分近く歩くとなると、タクシーに乗れるかどうかを考えても論外。あとは、横浜線の古淵駅か小田急線の相模大野駅からバスに乗る方法がありますが、20分ほどバスに揺られても終点は女子美大前で、キャンパスを抜けないと競技場には着けません。
ということで、結局車になりますが、東名横浜近辺は車の集中する所ですから、少々渋滞にハマるのも覚悟の上ということになります。
大会初日の木曜日は、昼前から真夏のような日射しが注ぐ暑い日でしたが、上空の大気が不安定だったのか、午後2時頃に観客席に着くと間もなく、
雷雨で
中断となってしまいました
40分ほど遅れて競技再開。この日のお目当ては「男子1万メートル」でしたが、最初の2部のレース、陽も傾き始めた17時前に、
雨上がりのやや湿度の高い中で、
さあスタート
母校国学院は、ひと月前に28分44秒28の学内新記録をマークした土方君に注目です。
その土方君、桜美林大・日本薬科大・拓殖大の留学生の後塵を拝しましたが、とてもきれいなフォームで日本人選手の先頭に立ち、ラストで青学大の鈴木君・東農大の小山君にかわされたものの、ほぼ互角の6位でゴール、昨年10年ぶりに入賞を果たした浦野君に続いて2年連続の入賞となりました。
続く1部のレースもアフリカからの留学生が先行するレースになる中、
順天大塩尻君(写真3番手)、
先頭に食らいつき、
結果、日大のワンブイ(写真2番手)・山梨学院のニャイロ(同4番手)に続く3位でゴール。4位には東洋大の西山君が入りました。
ところで、1万メートルを走る選手はこのレース一本に賭けるのがふつうですが、中二日空いた最終日に、ハーフマラソンと5000mがあって、そのどちらかと掛け持ちする選手もいて、1万メートルを走った三日後というきつい中で、山梨学院のニャイロ君はハーフマラソンで優勝、桜美林大のキサイサ選手と日大のワンブイ選手はそれぞれ2部1部の5000mでも優勝と、やはりアフリカからの留学生はなかなかの強者です。
さて、その最終日。ハーフマラソンは朝一番のレースだったので観戦できませんでしたが、昼過ぎに再びギオンスタジアムへ。
晴天の日曜日、メインスタンドは満員で
夏の日射しの下に
2部5000mのスタート。
なんとかゴール前の席を確保
三週間前に13分54秒という国学院大学新記録をマークした青木君がどんな走りをするかも楽しみでしたが、なんといっても、3年生ながら押しも押されぬ国学院大学のエースの浦野君、箱根駅伝1区で2位の走りに期待です。
その浦野君、2月の全日本陸上選手権クロスカントリーで9位(学生4位)に入り、世界大学クロスカントリー日本代表に選ばれました。そして、4月7日にスイスで行われた世界大会で、4位に入った東洋大学の渡辺君に続いて、日本人2位の6位入賞を果たしています。その走りや如何、実に楽しみ。
アフリカの留学生4人に囲まれつつも
3番手に
3400m。依然トップに
食らいついていましたが、
桜美林大のキサイサ選手が強くて、1万メートルに続いて二冠。三日前の1万メートルの土方君と同様、最後に東農大の小山君にかわされましたが、3位入賞を果たしました。
2部に続いて、これも注目の1部のレースとなりましたが、順天大の塩尻君、
この日も二冠を果たした日大のワンブイ選手に
終盤まで食らいつき、
2位でゴール。
まあ、いつものことですが、アフリカの留学生の走りに、日本人選手が上回るのはなかなか難しい。
そんな中で、最後まで食らいついて行く順天大の塩尻君は一流ランナーの片鱗を窺わせます。そして、今回、ラスト一周まで先頭にぴったり付いて行った国学院の浦野君も、まだまだ伸び代がありそうで期待が膨らみます。その浦野君を、また1万メートルでは土方君を最後の直線でかわした東農大の小山君もラストに強い侮れない選手だと感心しました。
でも、大学の長距離といえば、ほんとうは、青学大や東洋大や東海大にいい選手が目白押しのはずなのです。ただ、今回はハーフマラソンを見なかったからでしょうか、あまり印象に残りませんでした。
国学院は、浦野君と土方君に青木君を加えた3年生トリオに続く選手のタイムが今一つで、今シーズンはどうかなという不安が拭えませんが、もしかしたら、今年は、どこのチームも、頭一つ抜きんでた選手が何人も揃っていないのかもしれないという感じがしないでもありません。
そんな淡い期待を抱きつつ、来月の日本インカレと全日本駅伝の関東予選を楽しみにしたいと思います。
それにしても、長距離ではワンブイ選手だけが目立っていましたが、日大の選手層はほんとうに厚いんですね。圧倒的な得点で関東インカレ7連覇。ここ何年かのポイント数で、なんと10月の予選会を経ずに、箱根駅伝二年ぶりの出場を決めてしまいました。
内心、今回露呈した大学の上層部のていたらくで逆風かと思いきや、選手たちはさすがで、けんめいに頑張っているのです。そんな姿を目の当たりにすると、虚栄心の虜となっている大人たちの醜さばかりが浮き彫りになって、情けないというより憤りがこみ上げてきてしまいます。
「大人とは、子どもの夕暮れではないのか」-加藤八千代
これから大人になって行く若きスポーツマンたちが、今後年を経ても、若き頃の爽やかさを忘れず、決してだらしなく黄昏て行くことのないように願って、この稿を閉じます。