チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

秋晴れの夕方には

2009-10-30 07:40:11 | KAZU君
10月30日(金)

  


 秋の夕暮れは独特の趣がありますが、KAZU君のような幼児の心の中には、さすがに日ごとに日が短くなる寂しさを受け取る感受性はまだ育っていないかもしれません。でもやっぱり、秋の夕暮れの雰囲気の中にKAZU君を置いてみたい。

 明石は関東地方より20分くらい日没が遅いものの、保育園からの帰り道はもうすっかり暗くなりました。
 先日、KAZU君を迎えに家を出たところ、ちょうどまん丸の夕日が海の上に沈んでゆくところでした。今度、このオレンジ色の世界をKAZU君に見せてあげたいと思いましたが、日ごとに夕暮れが早くなっていきます。日没の時間でいうと、次に保育園からの帰り道に沈む夕日と夕焼けを見せられるのは1月の下旬頃、その頃はかなり寒いだろうと残念に思っていました。

 やはり天気のよい日に早めに迎えに行くしかありません。天気予報を見ながら、先日の朝、連絡帳に書いてもらって30分ほど早く保育園へ迎えに行きました。
 残念なことに、夕方が近づくにつれて雲が出てきてしまい、ほんとうのオレンジ色の世界とはなりませんでしたが、海岸にはカメラを持った人や犬の散歩の人などが西の水平線に目を向けていました。

 靴を履いてすっかりご機嫌のKAZU君、やっぱり西の空に注目する余裕などありません。
  

 保育園で17時のおやつを食べなかったので、大好物の「たまごぼうろ」で誘うとウッドの階段に座りました。
  
    

 西の海と空を眺めていたKAZU君、突然上空を指さしました。
  
 今まで、星はもちろん、お月さまや飛行機を認識してくれたこともありません。それじゃあスーパーマンでもいるのかと見上げると、トンビのような黒い鳥の影が横切っていました。どうも鳥がわかるようになったもようです。

 潮風に吹かれて風邪でも引いたら大変と帰ることに。
  

 ふり返ると、三日月が浮かんでいました。
  

 こんな構図がKAZU君の心象風景に残るようになるのは、まだまだ先のことかもしれません。


     吾れも児も秋の夕暮れ一身に   弁人


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秋晴れの休日に

2009-10-26 14:25:31 | KAZU君
10月26日(月)

 先週末からどんよりした空模様になりましたが、10月は気持ちのよい好天気が続きました。

 「智恵子抄」の中の、「智恵子は東京に空が無いと言ふ ほんとの空が見たいと言ふ」という詩句はあまりにも有名ですが、かつて東北出身の美術の教師が「都会の子は本当の色を知らないんで」と嘆息したことがありました。

 「デッシャ」・「バシュ」が大好きなKAZU君。空とか海とかを眺めて喜ぶということがありません。でも、なんとなくでもいい、本当にきれいな色彩と光の中での時間を作ってあげたいといつも思っています。


 淡路島に渡ってすぐのところに、国営の明石海峡公園があります。車で橋を渡れば30分ちょっとで行けます。天気のよい休日には最高の施設です。

  車から下りると、さっそく最近得意のポーズ
    
 別に、いたずらをしようというのではありませんが、ちょっとうれしくてワクワクする時にこんな顔をするのです。

  植木のモニュメント、出迎えのタコと鯛も気持ちよさそう
   

  色とりどりのダリアの花の前で
   

  淡路島は気候温暖。鮮やかな赤い花は南国に咲くデイゴでした
      

  でも、やっぱりススキやパンパスが秋らしい。紫の花はアメジストセ
 ージ(サルビアレウカンサとも)
   

  この時期見頃なのは、ダリアと並んで、なんといってもコスモスです
   

  こんな色のコスモスも。なんとも上品な淡い黄緑色
   

  お弁当も食べて、きれいな色につつまれて、KAZU君もこの笑顔
     



     花笑ふ明石海峡爽やかに   弁人


 ここ明石海峡公園は県立の明石公園に比べると手入れも管理も実によく行き届いています。やはり、国立となるとお金のかけ方が違うのでしょうか。東京の立川にある昭和記念公園。箱根駅伝の予選会を見に何回も行きましたが、やはり国立の施設で、それはそれはきれいに整備されています。


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「街道てくてく旅」明石編です

2009-10-23 16:51:30 | 明石風物
10月23日(金)

 お知らせのとおり、「街道てくてく旅」の原田早穂さんが昨日の夕方、明石にやって来ました。

 昨日は、加古川から明石の行程、実はその間の距離22.5㎞というのは番組中最長の区間でした。
 ということで、明石到着もすっかり暗くなった18時頃になったようです。

 何回か見た放送では、いつも到着が15~16時頃なので、その頃に魚の棚に行ってみましたが、なかなか現れませんでした。
 その模様が今朝放送されました。やはり時間がかかったようで、夕暮れ時に「浜国(道)」と呼ばれる旧道の大観橋に到着。そこで毎日恒例の「今日のスケッチ」をして、たい焼きを食べているうちに日が暮れてしまったようです。
 (再放送はお知らせのとおり、今晩BS2、19:45 ・ BShi、0:00です)

 てくてく旅の途中の様子は、翌日(金曜の分は月曜)の朝の生中継の中でビデオで流されます。生中継は8時からなので、今朝魚の棚に行ってみました。

 中継準備中。原田早穂さんはもちろん、KAZU君のお気に入りの明石ケーブルテレビの縄田アナウンサーも準備万端。
   
  

 見物人は20人ほど。担当者から「おはようございます」と「行ってらっしゃい」を、手を振って元気よくというお願いがあり、練習までしてしまいました。
 縄田さんが、余裕で一回台本を無視してしまったもようですが、ご愛嬌。

 明石のスタートは、放送終了後、少し準備のための時間をおいてからということなので一度家に戻りました。
 買い物がてら再度家を出て朝霧駅の歩道橋へ行ってみると、早穂さん、海岸通りからKAZU君がよく遊びに来る大蔵海岸にやって来ていました。
  

 たぶん、裁判所の前を通り、東経135°の子午線を確認して、稲爪神社の前の旧街道を通って海岸通りに出たのだと思います。

※1 「KAZU君がよく遊びに来る大蔵海岸」については、昨年の12月10日と17日の記事を参照してみてください。

※2 「東経135°の子午線」については、昨年の10月13日の記事を参照してみてください。

※3 「稲爪神社の前の旧街道」については、昨年の10月13日と先日の10月14日の記事を参照してみてください。


 原田早穂さんは水中で生きてきたような人ですから、水を前にすると思わず本性も現れるところかもしれませんが、この時期ここは遊泳禁止なのです。
  

 そこで、明石海峡大橋と淡路島を前にして、「今日のスケッチ」に
  


 ここの場所だったら、私の部屋のベランダからも見えました。
  

 ここは、私やKAZU君が自分の庭のように思っている海岸ですが、原田早穂さんも気に入ってくれたようで、とてもうれしくなりました。それにしても、今日は秋晴れ中の秋晴れ、海がこんなに美しく輝くのはめったにありません。こういう天気の日の海は、どこへ行ってもオキナワのような感じなのでしょうね。


    秋空や人魚に還るかメダリスト   弁人


 なお、大蔵海岸に立ち寄った今日の明石から須磨までの様子は月曜日に放送されます。



 
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「お知らせ」-テレビ番組のご案内

2009-10-22 07:32:35 | お知らせ
10月22日(木)


 NHKのBSに「街道てくてく旅」という番組があります。

 今年は、シンクロナイズドスイミング、北京五輪銅メダリストの原田早穂さんが太宰府から平城京まで山陽道を歩いています。

 気がつくのが遅かったのですが、今週は姫路から明石なのです。

 明日の金曜日の放送が明石編で「加古川-明石」を、来週の月曜に「明石-須磨」の旅が放映されます。聞くところによると、明石の台所の魚の棚がゴールとスタートのようですが、明石の町がどんなふうに紹介されるのか楽しみです。
 なお、リポーターを務める明石ケーブルテレビの縄田アナウンサーは、先日の稲爪神社秋祭りの時にKAZU一家を取材した方で、KAZU君のお気に入りのお姉さんです。


 ※ 放送時間は下記のとおりです。よろしかったら見てください。

  BS2、或いはBShi  朝 8:00~8:15
 再放送は
   BS2   19:45~20:00(月~金)
   BShi  22:45~23:00(月~木)
          0:00~ 0:15(金曜深夜) デス。




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「灘のけんか祭り」見聞録

2009-10-17 12:03:42 | お出かけ・散策
10月17日(土)

 
 
   

 「ヨーヤ、サーッ」の掛け声で担いでいるのは「神輿」ではありません。中に人が乗って太鼓を叩いている「屋台」なのです。
 その昔、奉納された米俵をお旅所のある山頂まで運び上げたというのが始まりで、次第に装飾が豪華になり、このような「神輿屋根型屋台」になったそうです。

 毎年、10月の14、15日に行われる姫路市松原八幡神社の「灘のけんか祭り」。勇壮かつ豪快という点で、日本の祭りの中でも屈指の祭りです。
 「練り合わせ」と言われる、三基の宮神輿のぶつけ合いと倒し合い、さらに豪華絢爛な屋台どうしの押しくらまんじゅうが見どころです。

 明石から山陽電鉄に乗って20分ほど、姫路市街の南東の白浜の宮駅に着きました。商店街もないふだんは寂しい駅なのですが、この日ばかりは特急も止まって大賑わいです。

 駅のすぐ南に神社がありました。海側の南から迂回すると朱色の鳥居と楼門の間に広場があります。
  
 一見ゴルフトーナメントのギャラリースタンドのようなところに観衆が。よく見ると、土台から柱まで鉄筋コンクリート製の、なんと常設の桟敷席なのでした。

 楼門をくぐると社殿です。

  三基の宮神輿
  

 拝殿前では、これも新聞で紹介されていた「毛獅子舞」が奉納されていました。
  

  そして、旧七ヶ村の各地区から続々と屋台が
  
 各地区で色を分けているようで、写真は緑の旧木場村の屋台です。赤の松原、黄色の宇佐崎、ピンクの東山、オレンジは八家といった具合に、まるで運動会の色分けのような雰囲気で、実に華やかな色彩絵巻が繰り広げられるのです。


     天高く五彩舞ひける宴かな   弁人


 でも、いかにもありそうな青がない、なにか物足りないと思ったのですが、青の中村地区は「練り番」と言って、その年の当番に当たっていたのでした。「練り番」の地区は宮神輿の担当となるのでこの日は屋台を出さないのです。

 ということで、屋台は全部で六台のはずなのですが、
 実は前日の宵宮での練り合わせで一名死者が出てしまい、一地区が自粛ということになり、この日は五台になってしまいました。
                - 黙 祷 -

 最後に、練り番中村の総代と練り子が到着。拝殿前での神事の後、いよいよ宮神輿の登場です。
  

 神輿が楼門から桟敷前の広場に出ると、最初の見せ場のぶつけ合いに
  

 神輿は、応神天皇の御霊の「一の丸」、神功皇后の「二の丸」、天照大神のお子様の比(ひめ)大神の「三の丸」の三基。
 担ぎ手はそれぞれ、37才以上、27~36才、17~26才と年齢で分けています。したがって、「三の丸」がいちばん元気がよく利かん坊で暴れ回る雰囲気ですが、ぶつけ合いになると経験の差か、あっけなく倒されたりします。
 
 ひとしきりぶつけ合った後、三基の神輿を先頭に各地区の屋台が「お旅山」に向かいます。

 山の麓までは歩いて10分ほどです。段々畑のような山肌がすり鉢状になっていて、そこにできた巨大なスタジアム。観衆は警察発表で10万人。信じ難い光景です。
  
    

  地元の人、練り子の家族、みんな総出で、弁当持参の祭り見物
  

 すり鉢の底で繰り広げられる神輿の格闘と屋台の練り合わせ
  
       


     神輿屋根播磨の秋に谺せり    弁人


 怒涛のように響きわたる歓声と掛け声。そして太鼓の響き。男性的な力強さと色彩美の饗宴。まさに豪華絢爛たる錦絵の世界の様相。しかし、この荒々しく乱暴な祭りには、いかにもという感じの地方の港町の匂いと素朴さが漂っていて、華麗さに欠ける感じは否めません。

 祇園祭のような優美な都の祭りと比べるのは論外ですが、たとえば、三社祭のような東京下町の祭りの粋でいなせな格好良さとはかなりかけ離れています。
 江戸っ子が神輿を担ぐと、掛け声は「ソリャ、ソリャ」とテンポもいいのですが、こちらの屋台は大きくて重すぎるのでしょう、とても軽快なリズムでは担げません。したがって冒頭のような「ヨーヤ、サーッ」という力のこもった掛け声になるのでしょう。

 練り子の褌姿も、さすがにけんか祭りという感じが表れているものの、どうしても粗野な感じは否めません。近頃は三社祭などでも尻丸出しの褌姿の担ぎ手がいて、品のなさに苦笑してしまいますが、やはり、白の半股引きに白足袋草鞋という出で立ちで、足元もリズミカルに揃っているのが爽快なのです。担ぎ手というのは、力強く威勢がいい中にもそれなりの品が備わっていてほしいものです。

〔※ ひとこと
 播磨の人だちが品がないと言っているのではありません。あくまでも出で立ちにに対する個人的な感想にすぎませんので。もし地元の方がこの記事を覗かれて「なに?!」と思われたらごめんなさい。〕

 さて、練り場での格闘で拍手喝采を浴びた後は、標高5、60m位なのでしょうか、お旅山の頂上まで担ぎ上げます。
  当然ながら、これがかなりの難行苦行
  

 お旅所に詣でて、下山は夕刻。再び、すり鉢の底の練り場での格闘が始まるのです。
  最後の屋台が下って行く頃はすっかり夕闇の中
  

 三脚が立てられず、ブレがひどく夜の練り合わせは動画でしか残せませんでした。画像は期待できないので、音声だけでも聞いてみてください。

  

 ところで、夜の部ですが、この日は二十六日の月で闇夜に近い夜でした。毎年十五日に行われるということは、おそらく昔は旧暦の九月十五日の満月の日の祭りだったに違いありません。もし夜空から月の光が差し込んでいたらと考えると残念でなりませんでした。土日にこだわっていないのですから、どうせなら旧暦の十五日にすればいいのにという感想を抱きました。


     山間いに歓声谺し月思ふ   弁人


 夏のお盆休みがまさにそうですが、新暦を基準にして季節を合わせると「月遅れ」でということになるのでしょうか。それだと味気なくなってしまう行事がけっこうあって残念です。


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稲爪神社、今年の秋祭り

2009-10-14 22:20:12 | 明石風物
10月14日(水)

 仲秋も過ぎてKAZU君が風邪で休養している間に、秋もたけなわとなりました。

 KAZU君も私も二回目の明石の秋です。今年も、10、11日の土日にKAZU君の保育園のある稲爪神社のお祭りがありました。

  

 上の動画はお祭りのクライマックス、日曜日の夕暮れ時に、旧街道を練り歩く行列です。牛乗りの神事、そしてそれを先頭にした楽隊や御神輿の渡御(外を進む)については昨年も紹介したとおりです。

 以前からこうなのか、はたまた総合学習の一環なのかわかりませんが、正直なところ、この種の行列に地元の中学のブラスバンドが登場するというのが、私にはどうも馴染みがなくてしっくり来ないのです。でも地元の人たちと一緒になって見物していると、何とも言えない牧歌的な雰囲気と、年寄りも若者も子どもも皆一体になって盛り上がっている世界にすっかり引き込まれてしまうのです。
 ここは決して田舎ではありません。電車の音が聞こえてくる。10分も歩けば明石駅前のターミナルに行くというのに、なんとも古きよき時代の村社会的な素朴さなのです。そして、これからの時代を生きていくKAZU君が、こういう牧歌的で、いにしえからの社会集団の空気の中にいるというのが、とてもうれしく誇らしい気分になってきます。

  だんだん人が多くなってきて
  

  鳥居の前では牛乗りの神事
  

  いよいよパレードに
   



 お祭りは前日の土曜日も行われていたのですが、私はその日、他に用があって行けませんでした。
 KAZU君はいったいどんなものを見たのでしょうか。

  奉納の「獅子舞」
  

 ところで、この日の模様は、週明けに地元のケーブルテレビのニュースで放映されました。

  「出たぁ!」KAZU一家
   天狗が近づいて邪気を払ってくれている様子
  

  「大泣きした」というのは、このことだったか
    



    天狗現れ泣く子が育つ秋祭り   弁人


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山あり谷ありのKAZU君

2009-10-09 06:13:44 | KAZU君
10月9日(金)

 
  
 
 上の動画のKAZU君、なんて言っているかわかりますか。

 答えは「デッシャ(電車)・・バチュ(バス)」でした。

 実は、KAZU君が最初にどんな単語を発するのかというのはとても興味がありました。普通は「ママ」とか「まんま」じゃないかと思いませんか。私はそう思っていました。

 赤ちゃんが生れた時の産声を、よく「オギャー」と表記しますが、無意識に発する泣き声がガ行音に聞こえるというのは、そのときの口の中の形がたまたまそういう子音を発声する形になっていただけなのでしょう。
 深く分析したわけではありませんが、赤ん坊の泣き声にしろ、大人が発する悲鳴や感嘆の声にしろ、思わず発する音声というのは母音がほとんどのはずで、われわれはふだんほとんど意識しませんが、実は子音の発音というのはかなり難しいのです。だから赤ちゃんの声は当然母音が中心で、子音を使おうとしてもはっきりとしない拗音になってしまうのです。

 子音の中で、ヤ行(ヤ・ユ・ヨ)とワ行(ワのみ)は母音に近いので簡単なのですが、舌を使うサ行・ラ行や、牙音といわれるカ行などの発音はかなり難しく、おそらく2~3才にならないと発音できないのではないでしょうか。それに対して、比較的言い易いのが唇を一度閉じてから発する唇音で、これに当たるのがマ行、バ行、パ行の音です。この子音のア段音は特に言い易いので、「ママ」とか「パパ」とか「バアバ・バアヤ」とかはかなり早い段階から言えるのです。

 KAZU君の家では、「パパ・ママ」ではなくて「お父さん・お母さん」です。また、「おばあちゃん」も近くにいないので、上の三つの単語を発する機会がありませんでした。
 したがって、今までは「アーウー」の類から始まって、やがて、名前を呼ばれた時や人にものを渡す時の「アイッ」が言えるようになり、単語としては、最近「ワーワン(犬)」って言えるようになったかなという感じでした。

 春に陽気がよくなってから、よく電車を眺めて喜んでいましたが、「デ」というダ行音は難しいのか、ついこのあいだまで「ジェシャ」くらいの発音でした。
 やがて、お気に入りの車の絵本を見て、また駅前でよく見る大きな車を指差して、「バチュ」と言うようになり、それと同時に車と電車を区別して、「デッシャ」と言うようになりました。

 最近は、雨の日の夕方に私の部屋で小一時間ほど過ごすことがあります。ベランダの向こうから電車の音が聞こえてくると、立ち上がって「デッシャ!」と言って喜びます。
            

 それにしても、初めて発した単語らしいことばが「バス」と「電車」とは意外でした。それに、保育園の帰り道、「ほら電車、ほらバス」と言ってきたのは私なので、ちょっと責任を感じ複雑な思いです。それで、「ウミ」とか「ソラ」とか「オフロ」とかの音をさかんに教えてみるのですが、はっきりとした形になってないものを認識するのはきっと難しいのでしょう、さっぱりです。また「テレビ」とか「ゴハン」とかの音も、それぞれに難しい発音があるようでなかなか言えません。


    秋めきてバスと電車がお気に召し   弁人


 ところで、そのKAZU君が、日曜日に大好きな土いじりの芋掘りに出かけました。マンションには収穫の品が。
  

 その疲れか、あるいはもしかしたら土で汚れた指でも口にして雑菌が入ったのか、その日の夜に発熱。5日の月曜日から私の本務、昼間の看病となりました。
  冷えピタを貼って、病魔と闘うKAZU君
   

  食欲なく浮かない表情
   

  本当に新型インフルエンザでないのか心配で、もう一度病院へ
   

 近頃の小児科って、待合室にこんなスペースもあるんですね。でも、なんかKAZU君、この数日で小さくなっちゃたみたい。
   

  やっと熱が下がって、少し元気に
   
    ほんま、早う保育園に行きたいねん
    じいちゃんと二人きりでおるのはもう飽き飽きやねん

 考えてみると、今までに何回か体調を崩して、保育園を早退したり翌日に休んだりしたことはありました。でも、5月の兵庫のインフルエンザ騒動の時もKAZU君は元気に乗り切りました。こんなに何日も続けてお休みしてしまったのは、昨年10月のRSウイルスに罹って以来です。
 そう、あれは私が明石に来て最初の難関でした。

 考えてみると、私の明石暮らしも、もう一年以上になっていたのでした。


    神無月明石の四季や一巡り   弁人



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楽しみにしていた「中秋」だったのに

2009-10-05 14:36:11 | 明石風物
10月5日(月)

 今年の「中秋のお月見」は先週末の3日(土)でした。

 何回か前の記事で触れましたが、こちらの周辺には、ねこじゃらしのお化けのようなパンパスグラスがところどころに群生しているのに、ススキのほうは目立たないのです。
 逗子のほうは、どこにでもたくさん穂を咲かせているのに。

 先週は天候不順でしたが、木曜日は天気がよかったので、黒星池というため池に行ってみました。
  

  ススキは、のどかな風景の中につつましやかに
  

  田んぼのわきに、これも遠慮がちに彼岸花
      
 実は、彼岸花もこちらでは少なくて寂しかったのです。関東では車窓からいくらでも見れるし、横須賀線の線路っ端にもあちこちに咲いているのに。もっとも、もう十月だから、また来年ですか。

 池には純白のコサギもいますが、この日は2羽のアオサギが秋の陽を浴びて気持ちよさそうに遊んでいました。
  

 そろそろ帰ろうかと歩いていると、コスモスも風に吹かれて
  
 


    風浴びて笑ふコスモス昼下がり   弁人



 その先の住宅街。「なあーんだ、こんなところに、こんなに」
  

 さて、中秋の日。朝からよいお天気でしたが、午後から雲が多くなって、夕方には雨も落ちてきました。
 ススキを一本置いて、雲の上の名月に思いを馳せておりました。
  



    月見酒すすきの穂先の雨の音   弁人


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