チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

春を待つ「一輪挿しの花」

2012-02-25 23:56:05 | 身辺雑記
2月25日(土)

 厳寒の2012年の二月。昨日から少し暖かくなってきたような気もしますが、明日からまた冷え込むそうで。
 あと一週間、来週の土曜日は「桃の節句」ではありませんか。

  そこで、桃の花を置いてみました
    
 木曜日に挿した時は、まだつぼみが多かったのに、わずか二日でかなり開いてくれました。


   ひとすじの花と桃の節句待ち   弁人


 実は、正月に逗子の家で、昨年北京で買ってきた「白酒(パイチー)」が残っていたので飲み干しました。
 そのボトル、なかなか品があって、「ちょっと季節の花なんかを挿したらおもしろいかもしれない」と思って、明石に持ってきたのです。

 「最初は水仙の花にしよう」と決めていました。樋口一葉の「たけくらべ」の最後のところで印象的に登場してくる「水仙」が妙に思い出されたからです。
 「たけくらべ」の最後というと、「美登利」と「信如」のお別れのところですから、イメージとしては三月くらいという感じを抱いていたのと、何年か前の正月ころに暖かい房総を歩いた時にたくさん目に入ってきたので、冬から春にかけてのころの花と思い込んでいたのです。

 ところが、ちょっとお庭のある民家なんかにも咲いていそうな花なのに、どこの花屋を覗いても「水仙」の切花を見ることがありませんでした。「まあ、そのうちに」ということで、仕方なくといっては花に失礼ですよね。

  まずは、私の好きな色、薄紫の「スイートピー」
  

  次は「デンファレ」にしました
  
 蘭の一種に「デンドロデューム」という花があって、形と名前からその仲間だと思います。

 さて、二月に入っても「水仙」の花にはいっこうに出会いません。そこで、花屋のおばさんに尋ねたところ、「年末のころならねぇ、今はねぇ」という返事、どうも私の認識は誤っていてようで。
 もっとも、「たけくらべ」の本文では、「水仙の作り花を・・・」となっているので、造花だったという読み方もできるのですが、私は、「作り花」を造花ではなくて「こぎれいにしつらえた」くらいの解釈をしてきたので、やはり二~三月に飾りたい気持ちは変わりません。
 もし来年もお店に出なかったら、自分で切り取って来るしかないという気分です。

  「水仙」は来年にして、今度は黄色の「フリージア」に
  

  数日でつぼみの花もきれいに開いて見応えがありました
  


   春の歌聞こえて来そうに咲けるかな   弁人


 「フリージア」。和名は「アサギスイセン」と言うそうで、「それじゃあ」と買い求めましたが、二週間以上も萎れることなく部屋を飾ってくれ、お気に入りの花になりました。

 それでも、もうすぐ三月かと思うと、無性に「桃」や「梅」の花が恋しくなって、今は最初の写真のように、お節句の雰囲気にしています。

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寒さの中でがんばる子どもたち

2012-02-21 16:19:13 | KAZU君
2月21日(火)

 それにしても寒すぎます。明石では2月に入って、なんと半分以上の日で氷点下の気温を記録しています。

 下に、過去20年間の気象台発表の明石市の気温観測データを抜粋してみました。
  

 左の最低気温。ベスト5にこの2月の記録が二つもランクインしてしまいました。(赤字の二つ)

 真ん中の数字を見ると、2日の記事で触れたとおり、たしかに昨年の1月は(中上)かなり寒かったことがわかります。でも、右の2月の平均気温を見ると、昨年は2月に入って少し温かさが戻ってきていた(右下)のに、2012年の今年、この20日間の気温の低さ(右上)はあきれるばかりです。
 テレビからは、温暖化で北極圏の氷河が緩んでいるのが原因と、素人にはなんともチンプンカンプンの解説が流れていましたが、その不気味さにいっそう背筋が寒くなります。


 そんな中でKAZU君、「子どもは風の子」と言っても、現実はやっぱり「人の子」。大人がこたえている寒さもちゃんと感じているのでした。インフルエンザの予防接種も済ませ、元気そうに見えたのに、先週の初めから発熱でダウンしてしまいました。

 火曜日から保育園を休んで自宅療養に専念していましたが、予防接種が少しは功を奏したのかどうか、幸いにも熱はほどなく下がってくれました。

  少し元気になって、食欲も回復気味に
  


   蕎麦すすりひととき忘るる寒気かな  弁人


 実は、先週末の18日の土曜日は、楽しみにしていた「生活発表会」だったのです。お遊戯の練習もあるので、なんとしても金曜日には登園させたかったのですが、無理はさせられず、結局ぶっつけ本番となってしまいました。

  いよいよ、「はじまりぃ」
  
 黄色のシャツのKAZU君、うさぎ組ではいちばん大柄です。

  病み上がりとは思えない元気の良さ
  
   
 

  最後の踊りは「動画」で紹介します
     
  


   冬眠のままの子もいる蛙さん   弁人


 実は、インフルエンザの猛威のあおりを受けて、どのクラスも3分の2位の園児しか出席できませんでした。残念がっている子どもがたくさんいるのだろうなと気にかけていましたが、やはり、そんな声もどこからか上がったのでしょうか、一週間後に保育参観という名目で、もう一度発表の場を持つことになりました。

 やれやれ、「みんなこの異常な寒さのせいじゃないか」

 ところで、梅の開花も二週間ほど遅れているそうです。でもまあ、私、ずっとKAZU君のそばにいたので、ウイルスだかなんだかKAZU君からしっかり風邪を受け継いで、今は寒気でがたがたしている状態、とても梅見どころではありませんが。

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動画再生機能の方式変換について

2012-02-18 16:33:29 | お知らせ
2月19日(日)

 昨年の夏以前の記事を見てお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、先月末をもって、ブログにアップしていた動画が見られなくなりました。

 ケイタイからスマホへと変わって行く中、今までの縮小した動画ファイルでの対応では済まなくなったようです。

 今後は「YouTube」などのサイトを張り付けて対応することになりそうで、現在その方法を研究中です。
 元の動画ファイルを整理して、順次貼り直して行くつもりなのですが、なにぶんにも、60近い記事にのぼりますので、作業の完結まではしばらく時間がかかりそうです。

 今までの動画ファイルは映像も音質も悪くずっと気になってたので、いい機会かもしれません。たぶん貼り直した後は見やすいものになりそうで少し楽しみです。
 もしかすると、二ヶ月くらいかかるかもしれませんが、機会がありましたら、以前の記事も覗いてみてください。
  チムどんどん

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「ブルボンビーンズドーム」って?

2012-02-15 19:20:51 | お出かけ・散策
2月15日(水)

 今月の初め、スポーツニュースを見ていたら、女子テニス国別対抗戦フェドカップの試合が兵庫県のブルゾンビーンズドームで行われたと報じていました。
 テニスの試合は、ウインブルドンの決勝をテレビで見るくらいなので、日本の試合会場と言っても、有明のコートくらいしか思いつきません。われわれの世代だと、田園調布にあった田園コロシアムが懐かしい。今はなくなったそうですが、そういえば、インドにクリシュナンという強い選手がおりました。高校生くらいだったのでしょうか、一度デビスカップの試合を見に行ったような記憶があります。
 それにしても、いったい兵庫のどこにそんな立派なコートがあるのだろうと、気になっていたところ、その数日後に、今度は、思い出に浸っていた男子テニスのデビスカップの試合が、同じくブルボンビーンズドームで開かれるというニュースが流れました。

 ブルゾンビーンズドームって?? 住所を調べて地図を開いてみると、兵庫県三木市の総合防災公園の中にあることがわかりました。
 三木市は、間に神戸市西区を挟みますが、明石市の北に位置していて、私の所から20キロくらい、車を使えば3、40分の距離です。兵庫の中部方面へ出かける時に何回か通ったことがあり、たしか総合公園があったのは覚えていましたが、そこではない所にそんな立派な施設があったのかと、ちょっと行ってみたくなりました。

 10日の金曜日、デビスカップの一日目。交通の便の良くない所で、そのうえ平日。もしかしたら、今話題の錦織圭君の姿も見られるかもしれないと車を走らせてみました。

 のどかな田園地帯の、いかにも新しく作ったと言わんばかりの立派な新道の坂を上って行った所に、きれいに整備された広大な公園がありました。

  駐車場から大きな橋を渡った先にドームが見えます
  

  橋からの眺望もなかなかのもの
  

  インドアテニス専用だとしたら、ほんとうに立派な施設です
  
 触れ込みでは、世界基準を満たした日本最大のテニスコートだそうで、少しワクワクしましたが、チケットは全て前売りで完売していて当日売りはなく、残念ながら会場に入ることはできませんでした。

  明石の近くだと知っていれば、前売り買っておいたのに
  

 まあ、全豪オープンで大活躍して一躍注目の的となった錦織選手が来ているのですから完売も肯けます。それに、観客席は1500くらいしかないそうで。きっと、世界基準というのはコートの広さや状態のことなのでしょう。もっとも、地方のアクセスのさほど良くない所に何千人も収容できる施設なんかを作ったら、それこそ世間の笑いものになってしまうのかもしれませんが。

 日射しのない肌寒い中でしたが、せっかく来たのだからと公園内を歩いてみました。

  これも立派な陸上競技場
  
 こちらはなんと2万人収容の大観客席があって、ヴィッセル神戸やセレッソ大阪のJリーグの試合が行われたこともあるそうです。駐車場、足りるのでしょうか。

 というのも、三木市には神戸電鉄の鈴蘭台から支線の粟生(あお)線が来ているのですが、なにぶんにもこの粟生線、赤字経営で先行きが懸念されている状態なのです。そしてこの公園、この私鉄のいくつかの駅からバスでアクセスするしかありません。
 本数の少ない電車に乗って、バスを乗り継がないと来られないのですから、やっぱり車でないと来る気にはならないでしょう。

 この日は、寒い時期の曇り空の平日でしたから当然なのかもしれませんが、賑わっているのはテニスの観客の駐車場だけで、園内は人影もほとんどありませんでした。

  遊具も寂しそう
  

  サッカー場や野球場も完備
  
   
 高校野球なら十分にできそうですが、兵庫県の大会会場にはなっていません。

 やはり、アクセスなどの立地条件を考えると、中高生などの大会を開くのは難しいのかもしれません。

 そんなことを考えていると、県立の公園ということもあって、なんか心配になってきてしまいます。まあ、郊外も郊外なので土地はふんだんにあったのでしょうが、それにしても、こんなに立派な施設を作って、結局は維持費だけがかさむ持て余しものになるのではないかと。

 前週のフェドカップのクルム伊達、この日のデビスカップの錦織と、男女とも人気選手が出場するわけですから、なんとかして観客を集めようというわけでもないのでしょうが、それなりに注目度の高い大会なのに、両方ともテレビ中継がないのです。一週間遅れで有料のWOWOWが放送するようですが、1500人しか入れないことを考えれば、一般のファンにとってはなんとも不親切な運営と言わざるを得ません。


   満杯に人集まりて外寒し   弁人

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春の兆しを探してみましたが

2012-02-13 10:43:31 | 身辺雑記
2月13日(月)

 立春を過ぎてもほとんど暖かくなりません。

 どうも寒さの峠は、やはり前々回の記事を載せた2日と3日の節分の頃だったようで、神戸地方気象台のデータで明石市の気温を見ると、平均気温では、2日が0.8度で3日が1.5度、最低気温のほうは、2日が-2.4度で3日は-4.2度と、全てこの二日間が今冬の最低になっています。特に3日の最低気温、-4度を下回ったのは9年ぶりということでした。
 たしかに、1月の気温は昨年のほうが少し寒かったようですが、2月の上旬だけを見ると、昨年よりずっと低くて、1996年以来の寒さだそうです。どうも、春と秋が短くて冬と夏がほとんどの日本列島になってしまった感じです。

 それでも日の出はかなり早くなってきた感じで、6時半を過ぎるとカーテンの隙間が明るくなってきます。
 昨日の日曜日。カーテンを開けて海を眺めると、まだ日の出の前でしたが、風もなくてとても穏やかな景色が広がり、少しは春らしくなったのかと淡い期待を持ちました。

  海峡を進む船ものんびりとした感じで
  

 さっそく、新聞を買いに駅まで出ましたが、側溝には
  うっすらと氷が張っていました。
  
 先週の頭は少し暖かかったのに、8日の水曜日から五日連続の氷点下だったそうです。


   薄氷を踏み割りにける去にし日や  弁人


 陽が高くなって、気持ちの良い青空が広がっていたので、日だまりを求めて散歩に出てみました。

 羽を閉じて、日なたでじっとしている
  ゴイサギとアオサギ
  

 ふだんあまり目にしない、
  明石公園の「黒竹(クロチク)」
  
 春に緑色だった棹が、秋から黒ずんで冬は黒くなる竹で、伐採しても黒いままなんだそうです。生垣なんかに使ったら格好良さそうですね。

 天気が良く、眺望が良さそうなので、帰りに天文科学館の展望台に行ってみました。

 まだ陽差しが低いぶん、
  光まぶしく
  

 「新快速」。
  動いているものを見ると少し元気が出ます
  


   伸び伸びと硝子の内の日向ぼこ   弁人


 まあ「三寒四温」の時期ですから仕方ありませんが、予報によると、今週末からまた冷え込むそうです。でも、過去の記録を見ると、2月の中旬以降は氷点下になる朝は数えるほどしかないので、もう少しの辛抱とじっと春の訪れを待つことにします。

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今年は「古事記」編纂1300年紀

2012-02-08 18:57:24 | お出かけ・散策
2月8日(水)

 一昨年の奈良は「平城遷都1300年」で賑わいました。1300年前というと、西暦710年ですが、その2年後の712年に、日本最古の歴史書と言われる「古事記」が誕生しました。

 まあ、歴史書と言っても、ご存知のとおり「神話・伝説」が散りばめられた記述がほとんどですから、学生時代に「説話文学」や「昔話」を調べていた私にとっては、歴史書というよりは、古来から伝承されてきた物語の原型を知る上で、とても大切でおもしろい読み物という感覚なのです。
 たしかに、私が子どものころは、「天の岩戸」「八岐の大蛇」「因幡の白兎」「海幸山幸」などの絵本が身近にありましたが、今は児童文学も多彩で、優れた教育絵本も次々と登場し、なかなか子どもの身近なお話にはならなくなりました。
 その私も、いい歳になったようで、童謡にしても、「雪やこんこ・・」とか「たき火だ、たき火だ、落ち葉たき・・」」とか、「京は五条の橋の上、牛若丸が・・」とかの、日本的な情感のこもったメロディに触れると、無性にノスタルジックな感傷を覚えるようになりました。

 それはともかく、「古事記」という書物は、稗田阿礼という舎人が天武天皇の命で暗誦していた古くからの言い伝えを太安万侶という人が書き記したものとされています。
 暗誦の天才だったと言われている稗田阿礼。この人のことはわからないことが多くて謎めいてもいますが、先週末の4日の土曜日に、稗田阿礼の生誕地とも言われている大和郡山市で、古事記1300年のセレモニーとフォーラムが開催されました。会場は、近鉄郡山駅から徒歩10分弱、大和郡山城の前にある立派なホールです。

  最初は、地元の小学生による「阿礼踊り」
  

 トークショーがあって、
  いよいよ、この日の呼び物「石見神楽」に
  
 舞台狭しと演じられる八岐の大蛇の迫力のある舞と、テンポの良い笛と太鼓のリズムはなかなか圧巻でした。

 大蛇が暴れ回っているところに、
  須佐之男命が登場
  

 大蛇に大酒を飲ませて見事に退治。
  櫛名田比売を救って、めでたしめでたし
  


   春呼ぶや石見神楽の龍退治   弁人


 午後は、古事記研究の学者による講演などがあって、会場を後にしたのは夕暮れ間近、なかなか中身の濃い一日となりました。


 ところで、この日はひどく冷え込んでいましたが、会場の外は天気がとても良くて気持ちがよさそう。そこで、お昼の休憩時間に郡山城の散策に出てみました。

 ホールを出ると、
  お城の手前に近鉄電車が走っています
  

 踏み切りを渡って、
  高校の校舎らしき建物の下の坂道を歩いて行きます
  
 案内図に奈良県立郡山高校とありました。奈良県屈指の伝統校です。正門の前がすぐ歴史のあるお城の公園で、なんともすばらしい立地です。
 「そうか、ここがあの学校だったんだ」としばし感慨に。奈良県といえば、天理高校と智弁学園が甲子園の常連になっていますが、かつてはこの郡山高校が公立の雄として何度も甲子園を沸かせた名門校なのです。箕島高校に似た白地に紺のラインのユニフォームが目に浮かんできます。

 坂の先に梅林門とも呼ばれる追手門が。
  梅のつぼみはまだ堅いまま
  

 門をくぐると、盆梅展が始まっていました。辺りの梅はまださっぱりなので素通りしようかと思いましたが、屋内に少しだけ咲き始めた花があると聞いて覗いてみました。

  ほんのりとした香りが漂う紅梅
  

  天守台からの郡山市内の眺め
  

 澄んだ青空に、乾いた打球音と掛け声が響いてきました。「野球だ」と音の方向へ振り返ると、やはり郡山高校のグランドからのようでした。


   春近し球音谺す天守台   弁人

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冬の寒さも今がヤマ場。でも子どもは風の子

2012-02-02 08:42:58 | KAZU君
2月2日(木)

 連日、北国や日本海側の豪雪の模様がトップニュースになっていますが、明日は節分。もう少し辛抱すれば、春らしい日もやって来るのかもしれません。

 「いやぁ、さびぃ!」と、朝、布団にくるまっていると、ラジオから「1月の平均気温、大阪・神戸は昨年のほうが低かったそうです」という声。「ほんとかな」と首をかしげながらも、「喉元過ぎれば・・・・」という諺のとおり、人間というのは本当に忘れやすい生き物だと思わざるを得ません。

 そうはいっても、やはり寒いことには変わりありません。そう、一週間ほど前でした。KAZU君のお家からの帰途、夜空に冴え冴えとした三日月と、そのすぐそばに宵の明星が鮮やかに輝いていました。

  1月26日。月齢3.2とか
  


   冴ゆる夜に月とヴィーナス対面し   弁人
  

  翌27日。月は夜ごとに金星から離れて行きます
  

 昨夜は上弦の月でしたが、天空に輝く木星のほうに近づいていました。それはさておき、冬型の気圧配置になっても、西寄りの季節風が吹くとしぐれやすい瀬戸内式気候、この時期にこんなに空が澄んでいるのは、季節風が北寄りになってしんしんと冷え込んでいる証拠なのです。


 そうはいっても、日脚は確実に延びています。夕方の保育園からの帰り道も、かなり明るくなりました。
 KAZU君、最近は少々寒くても、車よりも電車で帰るのが楽しみで、保育園を出ると、前の国道2号線を元気よく歩きます。

 歩道橋を渡って、
  最寄り駅の山陽電車人丸前駅へ
  

 電車は15分に1本。
  景色はいいけれど、ちょっと冷えます
  

 でも元気いっぱい。
 「シゴセンジャー?」「ちゃう、鉄人やでぇ」
  

 寒いので上り下りは問わず、先に来た電車に乗ります。上りなら舞子駅、下りなら明石駅で乗り換えてJRで一駅戻ります。

 そのKAZU君、この寒さの中ですが、おかげさまでこの冬はクリスマス前に一度風邪を引いただけで、年が明けてからは一度も保育園を休んでいません。

 それでも油断は禁物。先週末インフルエンザの二回目の予防接種を済ませました。誰だって注射は嫌いです。子どもはなおさらですから、泣かない子なんているはずもないと思いきや、KAZU君、いつもぐっとこらえて我慢します。ふだんは少々臆病で、小犬が散歩していても私の後ろに隠れたり、猫にもなかなか近寄らない慎重な子なのに本当に不思議です。
 もう一年も前、ノロウイルスでひどく寝込んでしまい、お医者さんがとても太い(私も思わず眼を丸くするほどの)注射器を用意した時に、まじろぎもせずじっと堪え続けたのには、お医者さんも「珍しい子やなぁ」とびっくりして頭をなでてくれたほどでした。

  注射の後、この日も至極明るくて
  

 注射を我慢できたご褒美というわけでもありませんが、お医者さんからの帰りに、そのまま電車に乗って天文科学館へ行きました。

  ひとしきり、展望台から大好きな電車を眺めて
  

「おじいちゃん、シゴセンジャー豆まき、まだ? 早く行こおよォ」
「そうだね、そろそろかな。で、カーくん、豆まきって知ってる?」
「知らん。早く行こうよォ」
「あのな、カーくん。あといくつか寝ると、『立春』ちゅうのが来て、少しずつ暖かくなるんだよ。それで、暖かくなる前に『鬼は外!』って言って豆を投げて、鬼を追い払うんや。それが豆まきなんやで」
「鬼はこわい?わるい人?」
「こわくなんかないよ。カーくんやおじいちゃんの身体の中に、悪いことしちゃおうかなと思わせる困ったものがあったりするだろ、それが鬼なんや」
「???・・・鬼はシゴセンジャーがやっつける?」
「カーくんだって、豆を投げればやっつけられるよ。大きな声で『鬼は外!』って言えるかなぁ」
「???・・・」

  実は、「シゴセンジャーの豆まき」がお目当てだったのです
  
 注射には強くても、こういう場面ではシャイなKAZU君、なかなか最前列に行けません。

 記念撮影も遠慮がちに、
  他の子が少なくなってからでした
  


   豆投げる子どもも春を待ちにけり  弁人


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