2月13日(土)
今年の冬は暖冬と言われてきて、そのとおり暖かい中でスタートを切りましたが、正月明けからは冬らしい寒さの中に身を置いていました。
べつに冬眠していたわけではありません。実は、寒気に首をすくめていたところ、身の周りにも冷たく荒い波が押し寄せてきて、ただ今のところ、波乗りの最中なのです。
明日は「春一番」が吹くとか聞くと、なんとなく鼻もムズムズ、ひと時の温い空気に、やっとブログのアップをしようかなという気分になりました。
視界はまあまあ、でも実は、
高波続きの2016年
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/47/76241e65b4ba54c9d8f3b813141b01cc.jpg)
波しぶき浴びて湘南の春浅し 弁人
ところで、「2016年の高波」とは何ぞや。
7年間の明石暮らしを終えて秋に戻って来た逗子の我が家。今から37年前の20才代最後の年に建てた家です。
荷物の整理と部屋の模様替えを終えて、ようやく落ち着いたところだったのですが、さすがに老朽化の兆候は隠せません。5年前の震災の影響もかなりあったのでしょう、なにしろ1981年と2000年の二回にわたって改定された耐震基準以前の建物なのですから。
もともと北東の方向から雨が降ってくると雨漏りをすることがあって、何回か補修をしてきたのですが、11月のある雨の日、妻君から「ほら、ここが・・・」ということばに「やっぱり、・・・」の感。
あと何年生きて行くのかわかりませんが、せっかくの老後、落ち着かない毎日は御免です。さっそく業者を呼んで、前回の倍以上の費用をかけて抜本的に修理することにしたのです。工期は正月明けから一ヶ月という予定でした。
事態が変わったのは工事の初日。はじめに今のモルタルの上から穴を開けて新しい外壁を取り付ける準備に入ったのですが、中の柱の具合がなんかおかしいとの指摘があってすぐに中断。
仕方なく一部外壁を剥がしてみると、長年の雨水の進入で、土台の木材と柱の腐食が甚だしいことがわかったのです。
外側の部分だけとはいえ、土台と何本かの柱を新しく取り替えるところから工事をすると、当初の見積りの何倍もかかりそう。果たして、ここで大金を投入して、今にも倒れそうな家が本当にしっかりした家になるのかどうか、途方に暮れました。
その後、今から思えば果てしなく感じるほどの紆余曲折を経て、結局、今の場所に家を建て直すことになったのです。
今度の工期は3月半ばから8月の初旬ということで、なんとまあ、その間、今ちょうど空き家になっている明石のKAZU君のマンションで暮らすことになりました。
まさかこんなに早く、もう一度明石の空気を吸うことになろうとは。
「なあんだ、今年も明石でお花見か、またジェノバラインで淡路島に行けるんかい」といった気分にも。
と暢気に、何ヶ月かの明石暮らしを楽しみにしているかのようですが、実はこのひと月余り、いろいろな思いが巡り巡って、冬眠どころか、なかなか眠れない日々が続いていたのです。
なにしろ「建て替え」というやつはけっこう手間がかかります。幸い我々の居場所は明石にあったものの、古屋の解体から始まるとして、その前に家財の置き場所を確保しなければなりませんし、その移動の引っ越しも二回になってしまいます。
まあ、今の所を更地にして売りに出し、多少不便でも逗子より土地の安い所に新天地を探せば、費用はトントン、引っ越しも一回で済むわけで、一度は候補の建て売り物件の目星も付けたのですが、いろいろな理由で頓挫。
朝起きれば、窓から
こんな景色が拝める物件でした
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/ed/d456aac801da1ff0e2b93e5d0961fd2a.jpg)
「天気の良い日にいっぱい散策して足腰を鍛えようかな」というひと時の空想も波の泡と消え、今は家財道具の片付けに追われている毎日。
つとめての秀麗夢か冴えかへる 弁人
もっとも、新しい家ができるのだから、もっとウキウキした気分になってもいいのにと思いますが、なかなかそうは問屋が卸さないのです。
小型の車がやっと通るくらいの路地の土地。世の中もこの家を建てた頃とは変わっていて、今はきちんとセットバックをしないと新築が認められない時代になっています。
今週中には測量の結果が出るようですが、それまでは、今と同じくらいのスペースが確保できるのか、はたまた狭くなってしまうのかもわからず、間取りのプランの立てようもないのです。とにかく、この歳になって取りかかる人生二度目の住まい造り、失敗は許されないので気合も入れなければなりません。安心して暮らせるしっかりとした家を建てたいという一心ですから、設計段階でも十分に時間を取りたいのにと、少々イライラしています。
そしてもう一つは、ここで老後の蓄えの大半を費やしてしまって大丈夫なのだろうかという不安です。これがウキウキ気分になれない最大の原因なのかもしれませんが、決めた以上は後戻りはできませんので、それこそ腹を据えるしかなく、これには少々時間がかかりました。
世の中、マイナス金利の時代に入って、お金を銀行に預けておく必要がなくなったと都合よく考えたりしてみても、やはり蓄えは必要ですから。
住宅ローンも超低金利ということで、借りたほうが得とも言われていますが、日銀総裁がいくら檄を飛ばしたって、銀行は臆病なまま。先の見えない中小企業には貸し渋りを続け、ほとんど資金が流れていない状況を見れば一目瞭然、60代後半に入った年金生活者にローンを組んでくれる所なんかあるはずがありません。
ともあれ、船は出港しました。今のところ湾内にうねりが生じていますが、まもなく収まるでしょう。気持ちの持ち方一つなのですから。
さて、来週中には新築の家のプランに入ります。3月に入ると、短期で借りる小さいアパートへ家財道具を移すのですが、引っ越し業者の予測によると、運ぶ量を今の想定の3分の2くらいにしないと仮泊するスペースが確保できないとのことで、引き続き、家の中の片付けと処分を頑張らねばなりません。
その後まもなく今の家の解体になるので、その前に寝具と衣類とパソコンを車に積んで明石へ向かうことになります。3月の中旬頃になるのかもしれません。
明石へ移ったとしても、工事の具合とかも気になるはずので、向こうでゆっくりとはしていられないのですが、今続いているいろいろなやりとり、手配や作業などに追われていると、思わず、早く明石に落ち着いて、のんびりお花見がしたいなという気分になってしまいます。
今年の冬は暖冬と言われてきて、そのとおり暖かい中でスタートを切りましたが、正月明けからは冬らしい寒さの中に身を置いていました。
べつに冬眠していたわけではありません。実は、寒気に首をすくめていたところ、身の周りにも冷たく荒い波が押し寄せてきて、ただ今のところ、波乗りの最中なのです。
明日は「春一番」が吹くとか聞くと、なんとなく鼻もムズムズ、ひと時の温い空気に、やっとブログのアップをしようかなという気分になりました。
視界はまあまあ、でも実は、
高波続きの2016年
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/47/76241e65b4ba54c9d8f3b813141b01cc.jpg)
波しぶき浴びて湘南の春浅し 弁人
ところで、「2016年の高波」とは何ぞや。
7年間の明石暮らしを終えて秋に戻って来た逗子の我が家。今から37年前の20才代最後の年に建てた家です。
荷物の整理と部屋の模様替えを終えて、ようやく落ち着いたところだったのですが、さすがに老朽化の兆候は隠せません。5年前の震災の影響もかなりあったのでしょう、なにしろ1981年と2000年の二回にわたって改定された耐震基準以前の建物なのですから。
もともと北東の方向から雨が降ってくると雨漏りをすることがあって、何回か補修をしてきたのですが、11月のある雨の日、妻君から「ほら、ここが・・・」ということばに「やっぱり、・・・」の感。
あと何年生きて行くのかわかりませんが、せっかくの老後、落ち着かない毎日は御免です。さっそく業者を呼んで、前回の倍以上の費用をかけて抜本的に修理することにしたのです。工期は正月明けから一ヶ月という予定でした。
事態が変わったのは工事の初日。はじめに今のモルタルの上から穴を開けて新しい外壁を取り付ける準備に入ったのですが、中の柱の具合がなんかおかしいとの指摘があってすぐに中断。
仕方なく一部外壁を剥がしてみると、長年の雨水の進入で、土台の木材と柱の腐食が甚だしいことがわかったのです。
外側の部分だけとはいえ、土台と何本かの柱を新しく取り替えるところから工事をすると、当初の見積りの何倍もかかりそう。果たして、ここで大金を投入して、今にも倒れそうな家が本当にしっかりした家になるのかどうか、途方に暮れました。
その後、今から思えば果てしなく感じるほどの紆余曲折を経て、結局、今の場所に家を建て直すことになったのです。
今度の工期は3月半ばから8月の初旬ということで、なんとまあ、その間、今ちょうど空き家になっている明石のKAZU君のマンションで暮らすことになりました。
まさかこんなに早く、もう一度明石の空気を吸うことになろうとは。
「なあんだ、今年も明石でお花見か、またジェノバラインで淡路島に行けるんかい」といった気分にも。
と暢気に、何ヶ月かの明石暮らしを楽しみにしているかのようですが、実はこのひと月余り、いろいろな思いが巡り巡って、冬眠どころか、なかなか眠れない日々が続いていたのです。
なにしろ「建て替え」というやつはけっこう手間がかかります。幸い我々の居場所は明石にあったものの、古屋の解体から始まるとして、その前に家財の置き場所を確保しなければなりませんし、その移動の引っ越しも二回になってしまいます。
まあ、今の所を更地にして売りに出し、多少不便でも逗子より土地の安い所に新天地を探せば、費用はトントン、引っ越しも一回で済むわけで、一度は候補の建て売り物件の目星も付けたのですが、いろいろな理由で頓挫。
朝起きれば、窓から
こんな景色が拝める物件でした
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/ed/d456aac801da1ff0e2b93e5d0961fd2a.jpg)
「天気の良い日にいっぱい散策して足腰を鍛えようかな」というひと時の空想も波の泡と消え、今は家財道具の片付けに追われている毎日。
つとめての秀麗夢か冴えかへる 弁人
もっとも、新しい家ができるのだから、もっとウキウキした気分になってもいいのにと思いますが、なかなかそうは問屋が卸さないのです。
小型の車がやっと通るくらいの路地の土地。世の中もこの家を建てた頃とは変わっていて、今はきちんとセットバックをしないと新築が認められない時代になっています。
今週中には測量の結果が出るようですが、それまでは、今と同じくらいのスペースが確保できるのか、はたまた狭くなってしまうのかもわからず、間取りのプランの立てようもないのです。とにかく、この歳になって取りかかる人生二度目の住まい造り、失敗は許されないので気合も入れなければなりません。安心して暮らせるしっかりとした家を建てたいという一心ですから、設計段階でも十分に時間を取りたいのにと、少々イライラしています。
そしてもう一つは、ここで老後の蓄えの大半を費やしてしまって大丈夫なのだろうかという不安です。これがウキウキ気分になれない最大の原因なのかもしれませんが、決めた以上は後戻りはできませんので、それこそ腹を据えるしかなく、これには少々時間がかかりました。
世の中、マイナス金利の時代に入って、お金を銀行に預けておく必要がなくなったと都合よく考えたりしてみても、やはり蓄えは必要ですから。
住宅ローンも超低金利ということで、借りたほうが得とも言われていますが、日銀総裁がいくら檄を飛ばしたって、銀行は臆病なまま。先の見えない中小企業には貸し渋りを続け、ほとんど資金が流れていない状況を見れば一目瞭然、60代後半に入った年金生活者にローンを組んでくれる所なんかあるはずがありません。
ともあれ、船は出港しました。今のところ湾内にうねりが生じていますが、まもなく収まるでしょう。気持ちの持ち方一つなのですから。
さて、来週中には新築の家のプランに入ります。3月に入ると、短期で借りる小さいアパートへ家財道具を移すのですが、引っ越し業者の予測によると、運ぶ量を今の想定の3分の2くらいにしないと仮泊するスペースが確保できないとのことで、引き続き、家の中の片付けと処分を頑張らねばなりません。
その後まもなく今の家の解体になるので、その前に寝具と衣類とパソコンを車に積んで明石へ向かうことになります。3月の中旬頃になるのかもしれません。
明石へ移ったとしても、工事の具合とかも気になるはずので、向こうでゆっくりとはしていられないのですが、今続いているいろいろなやりとり、手配や作業などに追われていると、思わず、早く明石に落ち着いて、のんびりお花見がしたいなという気分になってしまいます。