チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

観音崎からの「浦賀水道船景色」(今回、4回目として)

2020-01-14 07:10:19 | 船景色
1月14日(火)

 堀ノ内の先、大津のユニクロへ車で向かいましたが、冬の青空に誘われて、買い物は後回し、そのまま観音崎のほうへ。

 「さて、今日はどんな船がやって来るかな」とワクワクしながら、ちょっと水でも飲んでからと、走水水源地の駐車場に車を停めると、横須賀の町の丘の上に富士山の白い頂が見えています。
 ちょうど坂の手前、上のほうが眺望が良さそうと行ってみると、走水小学校バス停の脇に展望デッキがあって、

 ここは、富士山の
  絶景スポットでした
  


    漁始富士の見下ろす走水   弁人


 三浦半島の東京湾側からだと、あとは改装中のショッパーズの屋上からくらいでしょうか。もう少し北へ行けば、横浜になりますがシーパラ。本牧は間門の丘にある立野高校からも見えますが、横浜はもう三浦半島ではありません。

 それはともかく、予定外の光景に出会えて気分良く観音崎に。

 まず、遥か北方、東京方面に目を向けるも、冬型の気圧配置ややゆるめか、

 スカイツリーは、
  うっすらと陽炎のよう
  

 さっそく、目の前に
  水色のタンカー
  
  (アメリカの「MAERSK MICHIGAN」)

 次は、東京湾に入航して来た
  LNGタンカー
  
  (ギリシャの「MARAN GAS HYDRA」)

 続いて、赤い船体の、
  これもLNGタンカー
  

 上の青いタンカーと船の形が同じに見えます。ファンネルマークが違うので船会社は違うようですが、やはり同じくギリシャ船籍の船で、「WOODSIDE REES WITHERS」とか。
 写真が小さくてよく見えませんが、船体に3頭のカンガルーが描かれています。同じイラストを前に見た記憶があって、アルバムをたどると、明石海峡での写真に、なるほどファーストネームが同じ「WOODSIDE DONALDSON」というタンカーがありました。でも、同じイラストがあるのに、「DONALDSON」のほうはシンガポール船籍の船で、船会社は別のようです。

 今度は、自動車運搬船
  「豊徳丸」
  

 イルカのイラストがある自動車運搬船は「豊○丸」というトヨタの運搬船で、明石海峡でもよく見かけました。

 ちょうど、追うように続いて行くのが
  「日王丸」
  

 「日○丸」だから日産かと思ったら図星でした。他に「日昇丸」「日清丸」などがあるようです。
 そして、二つの自動車運搬船の間に現れて来たのが、

 豪華客船
  「ぱしふぃっく・びーなす」
  

 「日本一周か、はたまた海外か、どこへ行くんだろう」と眺めていると、右から東京湾に入って来てすれ違って行ったのが、

 タンカー「出光丸」。なんと
  16万トンの大型船
  

 左から、
  中型のタンカー
  
  「FPMC」の文字、台湾の会社の略称のようです。

 さらに、日鉱日石のタンカー
  「かいもん丸」
  
  「かいもん丸」とすれ違おうとしているのはコンテナ船「GREEN HOPE」


   重き船初東風の中ゆっくりと   弁人


 青空を見上げると、羽田空港へ向かうジェット機が次々と通過して行きます。

 これは
  「JAL」でしょうか
  

 横須賀基地上空を避けるのでしょう、ちょうど右旋回しかけたところで、一度房総半島のほうへ向かって青空の中へ消えて行きます。
 今は冬ですから、おそらくアクアラインの上空から羽田へ降りて行くのでしょう。


   冬の空ジェット機吸い込み青々と   弁人


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大型船行き交う浦賀水道にも春の色

2019-02-27 15:50:34 | 船景色
2月27日(水)

 今年はけっこうなスギ花粉が飛んでいるようで、先週半ばからなかなか外に出られなくなりました。

 思い起こすと、明石にいた20013・14年ごろに苦しんだ記憶があるものの、ここ数年はそんなに悩まされることがなかったので、歳とともに鈍感になっているのかなと期待していたのですが、やはり、そんなことはありませんでした。

 今年は花粉が多いという予報の中で、気のせいか目が少しかゆいかなと感じ始めたのが今月の中旬。
 「これはいかん、外に出るのは今のうち」ということで、

 金沢八景駅で快速特急を待っていると、なんとラッキー?
  イエローハッピートレインが
  

  堀ノ内駅まで乗りました
  

 久しぶりに船を眺めようと浦賀行きに乗り換え、馬堀海岸からバスで観音崎へ。

 春霞の中の
  「浦賀水道船景色」
  

 横須賀基地へ向かう
  自衛艦
  
 望遠レンズを向けている方に聞くと、船首の番号が「101」とのこと。スマホで調べると、護衛艦「むらさめ」のもよう。

  急に明るくなってきました
  

  釣り舟がいっぱいです
  


   潮の香や春のはじめの浦賀の門   弁人


 来ました、LNGタンカー
 「エネルギーコンフィデンス」・12万トン
  

 実は、朝、インターネットを開くと、この日は昼の短い間に三つの大型船が通るとのことで観音崎に来たのですが、そのお目当ての一隻目です。

 次は、16万トンの油タンカー
 「YUFUSAN」
  

 そして、続いて、エンブレム型LNGタンカー
 「AMADI」・10万トン
  

 春の海。
  岩場もいたって長閑です
  


   灯台も見下ろす磯ののどけしや   弁人


 自然博物館方面へ歩いて行くと、多々良浜はまるで沖縄の海のよう。
  エメラルド色に輝いていました
  


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雨上がり、船景色が懐かしくなって

2018-06-20 11:07:27 | 船景色
6月20日(木)

 逗子や葉山の海岸に出ても、この時期は富士山を見ることはめったになく、穏やかな水面の向こうに、時折ヨットの帆が目に入ってくるくらいです。

 ふと蘇ってくる明石海峡の景色。富士山は見えるはずもなかったけれど、潮の流れの表情は時々に変化し、海が息づいていました。そして、その潮の上をゆっくりと往来する様々な船の影。顔立ち、体型、カラーの中にそれぞれのフォルムと機能を乗せ、なかなか個性的。眺めていて飽きることがありませんでした。

 逗子の近辺でそんな船たちを見ることができるのは、相模湾側ではなく東京湾側、それも間近にということになると、やはり馬堀海岸の先、走水から観音崎辺りがいちばんということで、車で横須賀方面へ出ることがあると、時々「ちょっと行ってみようかな」という気になります。

 東京湾口の
  浦賀水道
  

 観音崎公園も、この時期は
  紫陽花の彩りですが、
  
  

 視線は、もちろん海のほうです。

 石油を空にしたタンカーが
  東京湾から出て行きます
  

 石油満タンのタンカーも
  入って来ました
  
 船体に「GNMTC」の文字。スマホで調べると、リビアの国営海運会社のタンカーでした。

 次は、クレーンが自前の、いかにも
  貨物船らしい形の船
  
 よく見ていると、どうも積み荷はコンテナのようです。今はどこも港のコンテナ基地には巨大なクレーンが並んでいるので、こういう形の船がコンテナを運んで行くとは思いませんでした。この時代、きっと貨物の主流はコンテナになっているのでしょう。

 と思っていると、これがいわゆる
  「コンテナ船」
  

 これは大きい、NSユナイテッド海運所有の
  「ばら積み船」
  
 13万3千トン、全長330mもある、鉄鉱石運搬船です。

 写真が今ひとつ鮮明でなく、はっきり見えませんが、甲板の上に規則正しく蓋のようなものが並んでいれば「ばら積み船」で、配管用のパイプらしきものがごちゃごちゃしていれば「タンカー」です。
 そんなことも船の好きな向きには当たり前のことなのでしょうが、私が明石海峡を眺め始めた頃は、船のことはほとんど何も知りませんでした。
 それでも、毎日のように海を眺めているうちに、少しずつ顔かたちの区別がつくようになってきて、さらに興味が沸く、という具合でした。

 これこれ、迫力たっぷりの
  モス型LNGタンカー
  
 船名は「エネルギーホライズン」で、全長300メートル、14万3千トン。

 LNGタンカーは明石海峡でも定番の大型船でしたが、日本の船といえば大阪ガス関係の船でした。一方、この「エネルギーホライズン」は日本郵船と東京ガスの所有なので、瀬戸内海方面には行かないのでしょう、初めての対面でした。

 初めは遠くにぽつんと見えていた起重機船、自動車運搬船に追い抜かれながらも、
  やっと近づいて来ました
  

 実は、これがこの日のお目当てでした。小さな船が曳航しているので、亀のようにのろいけど、
  力強くて絵になります
  

 とにかくゆっくりなので、次々と他の船に追い抜かれていきますが、この日のように、その間に大きな船が何隻も通るのは、そんなにないのかもしれません。

 今度は、
  コンテナ船にも抜かれます
  

 それにしても、このコンテナ船、ちょっと積み過ぎなんじゃないでしょうか。操縦席から前方がかろうじて見える感じですが、いかにも視界が悪そうで心配です。


   黒南風や浦賀水道潮重し   弁人


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「船景色」を求めて

2017-02-01 23:19:15 | 船景色
2月1日(水)

 先日、妙に暖かくなった日が一日ありましたが、今年の1月は、かなり強烈な寒波が居すわったりして、寒い日が多かったように感じます。
 冬型の気圧配置になると、こちら南関東では明石と違ってよく晴れわたってくれるので、この冬は富士山の雄姿を眺める機会も多かったということになります。

 そんなわけで、快晴の日に自転車で買い物に出ると、つい海岸まで足を伸ばしたくなりします。

 大海原の向こうに富士と箱根連山。天城山の左に伊豆半島が伸びていて、その沖合に伊豆大島。足元に打ち寄せる波もそうですが、瀬戸内海の入り口の明石海峡の海岸とはかなり趣が異なります。
 ヨットの帆、ウインドサーフィンの影、それはまったく長閑で湘南らしい素晴らしい光景なのですが、その動きからたしかに風は見えているものの、明石の海で目のあたりにした潮の流れは視界に入ってきません。
 時折、釣り舟が魚影を探しているのでしょうか、エンジンをふかして走ったりしますが、波やうねり以外の水の動きが見えてこないのは、やっぱり船影が少ないからなのでしょうか。

 明石海峡の光景を懐かしく思い出しながら、たまには船を眺めたいなと思う日々。
 ところが、年頭の記事で触れたとおり、東京湾側には海を眺めるスポットがなかなかありません。船を見るならやっぱり浦賀水道、観音崎に行けばいいのは承知の上で、どこかにプラっと行ける船の見える所はないかという気分を拭いきれずにいました。

 やっと見つけたのは、
  こんな感じの場所
  

 大きな円形状の芝生の先に東京湾が広がっています。工場地帯なので、ガスか石油かのタンクの跡地ではないでしょうか。海に向かって階段は数段ですが、展望スペースもあります。
 10月から11月頃、何回か八景シーパラダイスのそばにある大きなゴルフ練習場に出向いていました。正月明けに一度行った帰りに、練習場の北へ向かい、福浦・幸浦辺りの工業団地の海岸線を車でうろちょろして見つけました。

 豪華客船。
  横浜を出港したのでしょうか
  

 左端に自動車運搬船。
  望遠使わないとだめですね
  

 対岸の房総の工業地帯はよく見えますが、如何せん船は遠くて小さい。浦賀水道から内海に入ると水域が広がり、千葉とか横浜とかに航路が分かれているのかもしれません。

 南に見える猿島の手前に
  自衛艦が入ってきました
  

 真冬の午後、季節風が吹きっさらしでとにかく寒い。でも春になったら気持ち良く海を眺めていられそうで、時間潰しにもってこいの所かもしれません。


   空っ風船にも獲物か鳶行く   弁人


 そしてもう一ヶ所。
 先日、買い物で横須賀平成町のショッピングモールに入ったところ、なんと階上の駐車場の隅に「展望フロア」なるものがありました。

 こんな感じ。目の前が猿島で、
  その向こうに船が通ります
  
  

 室内というのが格別。この時期に暖かいということは空調完備でしょうから冬と夏は絶好です。観音崎もすぐ先に見えていて、船の姿もそんなに小さくはありません。

 コンテナ満載の船を見ていたら、
  猿島の陰からも大きな船が
  

 その大きな船、明石でもよく見ました。「○○ハイウエイ」という名の自動車運搬船です。

 次の船、小さくてよく見えませんが、
  お馴染みの船でした
  

 上が白で下が緑。「ワレニウス・ウィルヘルムセン」、北欧の海運会社の自動車運搬船です。

 これも懐かしい。白球4つの
  LNGタンカー
  

 左はタンカー。右から来るのは
  メンブレン型LNGタンカーか?
  


   春を待つ猿島の先に船景色   弁人


 遠くばかり眺めていましたが、気がつけば、左(北側)足下は横須賀の港だったのです。

 貨物船が
  入港して来ました
  

 目を上げると、右上の空には、羽田に着陸する飛行機が次々と現れます。カメラに収めようと思いましたが、東京湾入り口付近で右に旋回してしまいます。たぶん、米軍横須賀基地を避けて房総半島上空から降下するのでしょう。
 私も何回か羽田発着の便に乗り窓下を見ていましたが、あの忌まわしいニューヨークのテロ事件以来、旅客機は米軍基地のある三浦半島上空を飛ばなくなっているようようです。

 ところで、羽田発伊丹行きの日航機が御巣鷹山に墜落したのは、もう30年以上も前のことですが、あの当時は羽田離発着の旅客機が次々と東京湾の上空を飛んでいました。
 当時、職場が横須賀だったのですが、ある夏の夕方、その光景を眺めながら、友人に「あんなにたくさん飛行機が飛んでいるのを見ると・・・・・、大丈夫なのかな」と話しかけてしまったのです。あの事故はその数日後のことで背筋が寒くなり、今でも忌まわしい思い出になっています。


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明石海峡船景色(12)-「タンカーが支える?ニッポン」

2014-09-25 08:30:16 | 船景色
9月25日(木)

 ENEOS(日鉱日石)のタンカー
  「かいもん丸」
  

 石油満載なのか、水面に深く沈んでいるのでやけに細長く見えますが、排水量6万6千トンで、タンカーとしてはそんなに大きくはありません。

 こちらのほうが
  はるかに大きい
  
 (16万トンの「ENEOS BREEZE」)

 原発停止以来、わが国のエネルギーは化石燃料に頼りっ切りの感。海峡を望んで暮らしていると、大きな船を眺めるのも醍醐味の一つですが、温室効果ガスによる温暖化を憂うる立場からすると、なんとも複雑な思いです。

 これは外国のタンカーのようです。
  6万トンくらいでしょうか
  

 政府は「CO2 削減のためにも原発の再稼働を」と言っていますが、放射性廃棄物のことを考えると、とても万物の霊長の発想とは思えません。
 福島の事故から三年以上も経つのに、再生可能エネルギーの活用はいったいどのくらい伸びているのでしょうか。国家規模でエネルギー改革に取り組むという姿勢が全く感じられないのが残念です。

 LNG(液化天然ガス)もどんどん買い込まないと、今の日本社会は成り立たないようで、そのタンカーも次々に通ります。

 「NORTHWEST SAND PIPER」
  10万5千トン
  

 「DOHA」
  11万トン
  

 名前から、上の船はイギリス辺りの西欧の船という感じです。いっぽう「ドーハ」は中東のカタールの首都名で、サッカーのいやな思い出もありますから、これも日本の船ではなさそうです。

 モス型LNGタンカーには、丸いタンクが4つのものと5つのものがありますが、径の大きさもあるでしょうから、必ずしもその数が容量の大小を表しているようでもありません。

 タンクは4つですが、
  12万トンのLNGタンカー
    
   関西電力所有の「LNG EBISU」です。

 メンブレン型のLNGタンカーも、私の目にはもうお馴染みになりました。よく見るのは、昨年の12月7日付けの記事に載せた「PUTERI○○SATU」というマレーシア船籍の船ですが、今回はそれ以外のものを、

 11、4万トンの「WOODSIDE
  DONALDSON」
  
 船体のイラストにカンガルーが描かれています。調べると、やはり
  オーストラリアからやって来た船でした
  

 これも初めて。
  全身エメラルドグリーンです
  
 フランスの大手電気ガス事業の会社の船だそうです。10.4万トンで、なかなか見応えがありました。


    海峡の積み荷身に沁む新時代   弁人


 ところで、1980年代に問題が顕在化した「オゾン層破壊」。世界各国のフロンガス対策の効果が少しずつあらわれて、あと2~30年後には1960年当時のレベルに戻るという話を耳にしました。
 放射性廃棄物は、とてもとてもそんなに簡単には解決できませんが、少なくとも、温室効果ガスの問題は、今地球上にいる人間の努力次第で解決できそうな感じがします。
 その元凶となっている二大排出国の中国とアメリカがいよいよその重い腰を上げたと、昨夜のニュースが報じていました。もう二大国を非難している状況ではありません。

 日本がもし最先端の科学技術を誇るなら、原発に頼らない化石燃料からの脱却を、世界に率先して実現してほしいと願わずにはいられません。

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明石海峡船景色 No.11 「次々とやって来た大型船」

2013-12-07 12:12:24 | 船景色
12月7日(土)

 「船フォト」のシリーズ、このカテゴリーの記事は、前回が11年の8月でしたから久しぶりです。

 11月も下旬、秋も深まり、海辺のウオーキングも手袋が欲しくなるような冷え込んだ朝でした。

 大きなバラ積み船が、
  明石海峡大橋をくぐって来ました
  
    (GREAT PERSEU 9万トン)

 雲が多めの朝でしたが、日光で眩しくなかったぶん、船の姿がはっきりと見えて、しばし眺めていました。

 この種の大型の貨物船、甲板の上にパイプが見えるととタンカーで、均等に四角い蓋のようなものが並んでいるとバラ積み船なのです。タンカーなら十数万トン、バラ積み船なら十万トン弱くらいといったところでしょうか。


   海峡の船鮮やかに冬気配   弁人


 こういうなんとも言えない天気の日は、時々大阪湾方面の視界が、かなり良好になることがあります。とはいえ、橋のたもとの舞子の辺りが南に突き出ているので、明石から視界に入るのは、泉州の岸和田、関西空港方面から南の沿岸なのですが。

 次に海峡に入って来る船を眺めながら、
  関空方面に目をやると
  
 かすかにエメラルドグリーンの船体が見えます。たぶん、メンブレン型のLNGタンカーでしょう。ふつう想像する丸いタンクを並べてあるLNGタンカーを「モス型」と言いますが、タンクが方形になっているのを「メンブレン型」というのです。この形の船では、「PUTERI○○○SATU」という名前の船が時々通りますが、どれもタンクの色が薄みどり色なので想像がつきます。

 そして、1時間半後。
  目の前にやって来ました
  
  (PUTERI INTAN SATU 9.5万トン)

 大阪の南の方にコンビナートがあって、丸いタンクが遠くに見えることがありますが、だいたい、明石から見て、その位置を北上している大型船は、1時間半ほどで明石海峡にやって来ることが多いのです。岡山、広島方面の瀬戸内工業地帯にも、たくさんのコンビナートや製鉄所がありますから。

 舞子のすぐ向こうの神戸港も、国内トップクラスの大きな港ですが、港を眺めた感じでは、巨大なクレーンがたくさん並んでいて、一大コンテナ基地といった印象なのです。
 そこで勝手に、大阪湾を北上するコンテナ船が見えると、「神戸港に行くんだろう」と思い、10万トンクラスの大きさの船だと、「きっと、こっちに来るぞ」とカメラの準備をしたりします。
 もっとも、巨大船とは言え、視界が良くて、あの位置の船が視野に入ることはめったにはありませんが。

 そんなことを思って、上の写真を撮った二日後の朝、カーテンを開けると、

 目の前に、
  大型のバラ積み船が通っていました
  
   (MONA LIBERTY 7.7万トン)

 「今日も珍しく視界良好だな」と思って、泉州沖に目をやると、この時もまた、北上する大型船が目に入りました。

 上のバラ積み船が通ってから1時間半後、
  8時45分でした
  
 10万トンくらいありそうです。ファンネルマークに「K」の文字が見えるので、船籍はわかりませんが、川崎汽船のバラ積み船(CAPE SAMPAGITA 9.2万トン)です。

 こういう視界の比較的良好な日に、タイミング良く二回も大型船が来るのも珍しいと思いながら橋の下の彼方へ目を向けると、またまた大型船が、それも二隻縦に並んで見えていました。

 10時ちょっと過ぎ。「これはまあ、でっかい」
  タンカーです
  
 双眼鏡を覗くと、「TAKAHASHI」の文字。漢字では「高梁」。日本郵船の16万トンもあるタンカーでした。

 すぐ後ろからメンブレン型
  LNGタンカーが
  
   (METHANE PATRICIA 10、9万トン)

 11時過ぎには、これも遠くに見えていた
  10万トン近いバラ積み船
  
    (YURITAMOU 9万トン)


   年の暮れ近きや海も慌ただし   弁人


 エネルギー源を運ぶタンカー、製造原料をたんまり積んだバラ積み船。まさか庶民に暖かい正月をもたらすためではないでしょうが、少しは景気が上向いてきたのでしょうか。
 それにしても、たまたまとはいえ、こんなに大型船が後を追うように通過する光景を見るのは、明石に来てから5年以上海を眺めていますが、初めてのような気がします。


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居眠り運転にご注意を

2011-08-20 22:01:13 | 船景色
8月20日(土)

 19日金曜日、昨日の朝のことです。

 今年は甲子園の野球中継が朝8時から始まるので、朝食の後そのままテレビにかじりついて作新学院と光星学院の準決勝の試合を見ていました。
 初回に光星学院がすかさず2点を先制、青森県勢が決勝に行きそうかなと思っている時に、窓の外からヘリコプターの響きが聞こえてきました。


  網戸越しに明石海峡大橋に目を向けると
  
 ずいぶんな所に貨物船が泊まっています。港ではありません。橋の下は舞子公園から続く遊歩道になっていて釣り人がよく釣り糸を投げたりしている所です。

 「火事と喧嘩は・・・・」ということで、なにしろ江戸っ子なもので野次馬根性丸出しで、「野球はラジオでいいか」と、さっそく出向いてみました。

  約1万トンのコンテナ船
  

  あれあれ、岸壁にめり込んでいます
  
   

 海峡を進んでいる姿を見れば普通の船ですが、目の前にするとさすがに大きい。名前はなんと読むのでしょう、何語でしょうか。ロシア語? ??ちゃうか。

 どうも、明け方に釣り人が通報したそうで、対岸の淡路島から海峡を24時間監視している大阪湾海上交通センターは気がつかなかったのでしょうか。
 幸い、けが人もなかったということでほっとしましたが、釣り糸を垂れていた人、驚いたというより、さぞかし怖かったにちがいありません。

  上空にはKAZU君の好きなヘリコプターも
  
 「大きなお船とヘリコプター、おるで」と、いちおうKAZU君に連絡を入れましたが、急にはお出かけになれないようで。

  私のマンションもよく見えます
  

  こんなところで寝起き姿の記念撮影もなんですが
  

  海上保安庁の船から捜査官?が乗船
  

  タグボートも到着しました
  

  逆サイドに回って、何か物を渡しています
  
 長さ3メートルくらいの、その辺の釣り具屋かホームセンターでも売っていそうな網が活躍しています。
 原子力を開発してしまう人間社会ですが、こういう光景を見ると気分が和みます。そういえば、甲子園球場のテレビカメラ。暑さ対策で簾が巻いてありますが、やっぱり日本だけでしょうね。

  船員は東南アジアの人のような感じ
  
 この人たちは取り調べを受けないのでしょうか。余裕の表情でぶつかった所をケイタイのカメラに収めたりしていました。

 関西のローカルニュースに流れたところによると、オランダ船籍のコンテナ船で、船長はロシア人とか。ウクライナの二等航海士が舵を取っていて、8キロほど手前から居眠りをしてしまったそうです。
 よく他の船にぶつかることなく岸壁までたどり着けたもんです。それにしても、いろいろ考えるとなんとも恐ろしい。

 なにしろ、この海には3年前の衝突事故で沈んだタンカーが眠ったままなのです。


    夏の怪橋に喰いつく貨物船   弁人


 以上、明石に来て初めて目の当たりにした海難事故の報告でした。

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明石海峡船景色「フェリー客船~外国航路」編

2011-02-26 17:32:23 | 船景色
2月26日(土)

 梅の花もほころんで来て、春の足音がだいぶ近づいてきました。日も長くなって、保育園からの帰り道に、海峡の船もよく見えるようになりました。


 さて、今回は「外国航路」と銘打ちましたが、海外と結ぶ船と言っても、明石海峡を通過する客船の定期船は、韓国と中国へ向かう航路しかありません。


 いちばん頻繁に目にするのが、大阪南港の国際フェリーターミナルから釜山へ向かう「パンスタードリーム号」。週に3往復しています。

 月、水、金の15:10大阪発。海峡を通過するのは16時過ぎ
  
 同じ日の、月、水、金の午前中には大阪行きが通過します。私が明石に来た頃は、「パンスターサニー号」も就航していて、毎日交互に運航していましたが、いつの間にか「ドリーム号」一隻になっています。

  2年前、09年2月1日の記事に載せた「サニー号」
  
 船体の横文字に「PanStar Cruise Ferry」とありますが、現在の「ドリーム号」(最初の写真)は「Ferry」の文字がありません。


    如月の海に亜細亜を結ぶ船   弁人


 続いては、中国便です。

 やはり、上海がいちばん近くて大きな港なのでしょうか、次の写真は神戸・大阪と上海を結ぶ日中国際フェリー「新鍳真(CHINJIF)号」です。

    
 週1往復。火曜日の昼頃神戸を出て、二日後の木曜日の昼前後に上海に到着するようです。

  日本行きは土曜日に上海を出て、月曜の午前中に大阪に
  

 次は上海フェリー「蘇州號」。上の「CHINJIF号」と同じく、片道二日かけて大阪と上海を行き来しています。

  金曜日発、日曜日着の上海行き
  

  大阪行きは、火曜日発木曜日着
  


 もう一つ中国航路があります。チャイナエキスプレスラインの「燕京号」です。発着は神戸港。済州島の沖から朝鮮半島の西の最近ちょっと物騒な状態になっている黄海を北上し、渤海に入って到着は天津。よって、通称は「天津フェリー」と呼ばれます。天津は北京にいちばん近い大きな港なので、いわば北京の海の玄関口です。

 実は、甥っ子が中国人女性と結婚することになり、披露宴に出席するため、4月の末に北京へ行くことになりました。
 ふと、神戸から船で行くのもいいかなとも思いましたが、なにせ週に1便、やはり無難にフィアンセの組んでくれた成田発着のツアーで行くことにしました。

  神戸港を金曜日に出て、天津港は日曜日着
  
 距離が長いので、上海航路より数時間余計にかかるようです。船体は上の二つのフェリーより小ぶりに見えますが、とてもスマートで上品な感じがします。

  月曜日発、水曜日着の神戸行き
  
 写真は淡路の岩屋港から撮ったもので、東の神戸港へ向かっています。


    大陸の花粉も積むかくしゃみせり   弁人


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「明石海峡船景色」No.9~LNGタンカー~

2010-10-16 10:47:06 | 船景色
10月16日(土)

 「LNG」というのは「液化天然ガス」のことで、「船景色」の3回目の「タンカー」編で何隻か紹介しました。今回はその続編です。

  まずは、「LNG TAURUS」
  

  続いて、「LNG GEMINI」
  

 いったい、日本全体でどのくらいの天然ガスを輸入しているのでしょうか。明石海峡を通過する大型船を調べると、週に数隻は行き来しています。どうも岡山の水島あたりに運んでいるようですが、荷揚げをするコンビナートは他にもたくさんあるわけですから、やはり相当な数のタンカーが活躍していそうです。

  「LNG LIBRA」
  

 今までの3隻は、皆同じく黄色の煙突に「BGT」というロゴのファンネルマーク。どうもアメリカの船会社のようです。大きさは10万トン弱。

 日本の船はというと、代表的なのは、昨年の6月10日の記事で紹介済みのこの船。
  日本郵船の「LNGDREAM」(12万トン)
  

 最近のアルバムでは
  同じく日本郵船の「播州丸」と、三井船舶の「泉州丸」
  
   


 円高不況が叫ばれていますが、こういう輸入物はけっこうお安くなっているのではと思うのですがね。でも、石油やガス料金が値下げになったというニュースは耳にしませんね。
 日本の社会はどこかおかしい。値下げの話題といえば、賃金くらいのもので、野菜なんぞにしても、猛暑でとか長雨でとか、とにかくちょっとしたことで値上げのニュースばかりが飛び交っている。
 メディア全体がマイナス思考というか、円高を利用しちゃえとかいう話題はほとんどなくて、「海外旅行がお安くなります」とかいう庶民にはあまり関係のないことくらいしか話題にならないのです。「今年の冬は暖房費が安いので暖かく過ごせます」とかいう話でも出てくれば、少しはホッとした気分になれるかもしれないのに。


 さて、どこの国の船でしょうか。あと2隻紹介して、今回の記事といたします。

  「NORTH WEST SWALLOW」
  

  「LNG GALLINA」
  



     ひとすじの光明ありや秋の海    弁人



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「明石海峡船景色」第8回 貨物船(3)

2010-05-03 10:12:15 | 船景色
5月3日(月)

 今回は、何気なくカメラに納めた中型の貨物船です。
「何気なく」と言ったのは、この種の船は運航の予定がわからないので、たまたま視界に入ってきた時にカメラを向けたということです。
 したがって、どこの国の会社の船だとか、どんな種類の船だとかという分別が難しい場合が多く、いろいろ調べてなんとか推測がついたという船もあります。
 とにかく、こういう方面には全く心得がありませんので、もし間違っていてもあしからず。


  「Imoto Lines」
  
 井本商運の船で、2~3000トンぐらいなのでしょうか、「Imoto」の船はみんなこのくらいの大きさの船で、よく行き来しています。

  「JNL」の文字
  
 「JNL」は,ジャパンナホトカラインの頭文字で、ロシアの「Trans Siberia」の船だということです。瀬戸内海にも貨物の積み下ろしに来るようです。

  「FESCO」、これもロシアの船
  
 写真の船は、丸みがあって操舵室が前にあり、とても面白い形をしていたので印象的でした。後ろにトレーラーなどが直接出入りできる車両用の甲板が見えるので「RoRo船」という種類の船だということです。
 ちなみに「RoRo」とは「ロールオン、ロールオフ」の略で、荷物の積み下ろしをクレーンに頼らず、トレーラーの出入りなどで直接行うことができるという意味です。

  「WESTWIND LINE」
  
 名前の感じでは、北欧かイギリスの船かなと思ってカメラに納めましたが、どうも、東南アジアの会社の船のようです。
 この船のように、クレーンを装備している船が貨物船のオーソドックスな形のように感じます。小さい写真なのでよく見えませんが、クレーンの間のワイヤーが高い位置にあることから、木材を運搬する船ということです。

  「TORM」
  
 「TORM」はデンマークの船会社です。何を積む船なのか、タンカーのような感じもします。それにしても、北欧と日本を行き来するのって、北極海が通れないとしたら、いったいどういうルートでどのくらいの時間がかかるのでしょうか。思わず「お疲れさま」と声をかけたくなります。

  「日本通運」
  
 煙突のファンネルマークに、おなじみの「日通」のマークが見えました。

  「住友大阪セメント」
  
 日本の船はわかりやすくて助かります。

  「KOBELCO]
  
 神戸製鋼の貨物船。時々見かけます。地元なので当たり前ですね。

  「JFE」の資材運搬船
  
   
 何年か前に、日本鋼管と川崎製鉄が合併してできた製鉄会社が「JFE」。いかにも重いものを運んでいるという感じの船で、この船もよく目にします。
 上の二隻は文字のデザインが違いますが、両方とも「N船」と言うそうです。「N」は「ニューウエーブ」の頭文字で、全部で5隻。「1号船」「2号船」が上の平行四辺形のような文字のデザインで、「3号船」「5号船」「6号船」が「N」のマークなのだそうです。「1、2号船」は、やや小型で瀬戸内海を行き来し、「N」マークの3隻は京浜・千葉と瀬戸内海の倉敷・福山などを結んでいるそうです。

  なかなか見ないおもしろい形の船ですが、これも「JFE」
  
 いろいろ調べたのですが、なんの船なのかさっぱりわかりませんでした。ところが、上の「JFE」の貨物船の写真を持って、西宮にある「JFE」(旧川崎製鉄)の工場に行って話を聞いていたところ、これも「JFE」の船で、「パレット貨物船」と呼ぶ船だということがわかりました。パレットというのは区分けした貨物のことで、コンテナのようなものなのかもしれませんが、そういうものを運んでいる船にはどうしても見えません。


    生き様も船もさまざま春の風   弁人


コメント (2)
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