チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

トシは取りたくない-「免許更新の高齢者講習」

2024-03-13 14:32:08 | つぶやき
3月13日(水)

 70歳を越えると車の免許更新が3年ごとになってしまいます。その上、違反・事故の有無にかかわらず、必ず約半日の講習を受けなければなりません。
 なんとも煩わしく面倒ですが、まあ、高齢者によるブレーキ踏み間違えの事故なんかが多発していますから仕方ないといえばそれまで。私ももうすぐ75歳ですからね、今回の更新で二回目の「高齢者講習」と相成りました。

 公安委員会からは半年前に講習の案内が来ますが、ところがですね、なかなかその講習の予約が取れないのです。お上からの指示とはいえ、もしかすると、自動車学校のほうでは、単発の講習というのが割の良い商売にならないのかもしれません。
 県の運転免許センターでは常時受け入れているようですが、半日がかりの講習を二俣川まで行くのもおっくうです。三浦半島には久里浜に二つ自動車学校がありますが、逗子から一番近くというと、やっぱり大船の「鎌倉自動車学校」かなと、ずいぶん前に予約を取って、昨日、大船へ出向きました。

 雨降ってほしくなかったんですけど、傘をさして、線路わきの道を横浜方面へ歩くこと数分。

  受付は二階でして、
  
       

 実は、前回の3年前もこの「鎌倉自動車学校」にしたのですが、

 構内の実車運転コースが
  ちょっと狭い
  
     

 「ここで30㎞まで速度を上げて」とか言われても、ちょっと慎重気味にアクセルを踏んだりすると、すぐ端のカーブがやってくる感じです。

 金沢八景からシーサイドラインに乗ると、シーパラのちょっと先に広そうな自動車学校があるので、年末に問い合わせたところ、いかにも乗り気のない応対。その上講習費用も高額、鎌倉は7500円でしたが、その二倍ほどの額を言われ、すんなり引き下がりました。
 費用といえば、これからの更新手続きでも、さらに数千円はかかるわけですが、なんとなく不愉快な気分になるのはお金だけではないのです。

 実は、私の免許の資格、「中型」&「大自二」となっていて、車は重量11トンまで、バイクはいちばん大型のものも乗れるのです。別に、もうバイクなんぞには乗る気はありませんが、いちおう自分のステータスみたいになっているわけですよ。
 そんな中、最初の受付で、「今後もこの資格のままでよろしいのですか。変更はありませんか」と念を押されると、なにか、「いいトシなんだから、バイクなら原付、車なら普通でいいんじゃないですか」と言われているような気分になって、つい「このままでいいんです」と、思わず強めの口調になってしまいます。
 確かに、いろいろ検査されると、「動体視力」とか「夜間視力」とか、「トシ取って衰えているのかなあ」と思うこともある中で、「実車運転」は何ら問題なかったし、「まだまだ車は手離せない」という気持ちでいるのですが、こういう講習受けるとですね、なんとなく「免許返納」を促されているような空気感を抱いてしまって、少しばかり陰鬱な一日になってしまいました。

 講習を終えると、
  目の前に下りの「踊り子」号
  

 「ワンカップ買って、電車でどこかへ」という思いも一瞬。横なぐりの雨が強くなってきて、どうも家に帰るしかないようです。


   春愁や歳重ぬ日の近づきて  弁人


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大谷君の衝撃的なホームランと山川選手のコメント

2023-03-08 17:40:51 | つぶやき
3月8日(水)

 WBC、野球の国別世界大会、いよいよ明日始まります。

 まだ本戦前の、たかが強化試合とはいえ、一昨日6日の阪神戦で放ったオオタニ君の二打席連続ホームランには、一野球ファンの私もド肝を抜かれました。
 投げた才木投手のフォークも富田投手のストレートも申し分ない投球でしたから。

 テレビで見ていても、片膝を着くようにとか、右手一本でフォロースルーしたとか、二本目は芯を外しているとか、そのくらいは素人目にもわかりますが、それをホームランにする技術的なものについては専門家の分析に委ねるしかありません。

 その専門家の一人と言ってもいい、パリーグで3度のホームラン王に輝いている山川穂高選手のコメントがなかなか興味深かった。

曰く、
「マジで野球やめたいです」
「ふざけてますよ、すげぇというか引いたっすもん(笑)」
「あれは努力しても(自分には)無理でしょう」
「同じ競技やってるとは思えない」

 一見、いじけて、ふて腐れてしまったかのような発言にも聞こえますが、彼のコメントには、けた違いの選手への最高の賛辞と尊敬の念が込められていると思いました。

 実は、このコメントを聞いた時、私の脳裏に、ふと森鴎外の小説の一節が思い出されたのです。
 「寒山拾得」という小説なのですが、その中に次のような件があります。

「全体、世の中の人の道とか宗教とかいうものに対する態度に三通りある。
 自分の職業に気を取られて、ただ営々役々と年月を送っている人は、道というものを顧みない。(中略)しかし日々の務めだけは弁じて行かれよう。これは全く無頓着な人である。
 次に着意して道を求める人がある。専念に道を求めて、万事をなげうつこともあれば、日々の務めは怠らずに、たえず道に志していることもある。(中略)こういう人が深くはいり込むと日々の務めがすなわち道そのものになってしまう。つづめて言えば、これは皆道を求める人である。
 この無頓着な人と、道を求める人との中間に、道というものの存在を客観的に認めていて、それに対して全く無頓着だというわけでもなく、さればと言ってみずから進んで道を求めるでもなく、自分をば道に疎遠な人だと諦念め、別に道に親密な人がいるように思って、それを尊敬する人がある」

 簡単に言うと、
 人間が何かに取り組む態度は三通りあって、
 (1) 道を究めることに全く無頓着な人
 (2) 一途に道を求める人
 (3) (1)と(2)の中間人物

 そして、鴎外は
「尊敬はどの種類の人にもあるが、単に同じ対象を尊敬する場合を顧慮して言ってみると、道を求める人なら遅れているものが進んでいるものを尊敬することになり、」
と言い、

 さらに、
「ここに言う中間人物なら、自分のわからぬもの、会得することの出来ぬものを尊敬することになる。そこに盲目の尊敬が生ずる。盲目の尊敬では、たまたまそれをさし向ける対象が正鵠を得ていても、なんにもならぬのである」と。

 つまり、「真の尊敬の念というのは、(2)の『一途に道を求める人』の中で生ずるものであって、(3)の『中間人物』が抱く尊敬の念というのは、相手が相応の存在であっても全く意味をなさない」と断じているのです。

 なるほど、私なんぞは、どう考えても(1)や(2)ではありませんから、「オオタニ、スゲェ!」と叫んでみても、所詮「盲目の尊敬」の部類に過ぎず、したがって、思い通りの結果にならないと、「何やってんだ!」と呟いたりするのでしょう。

 しかし、山川選手のことばには重みがあります。鴎外の分類で言えば(2)の、その道に専念している人のことばで、その世界の中で、技術的に自分より確実にすぐれているところがわかっての発言ということになりますから。

 彼は翌7日の昨日、見事なホームランを打ち、その後のコメントで「人間じゃない人と比べないでほしいなと思います。僕は人間なので、人間らしく行きたい」と言ったようですが、このことばは、まさしく、オオタニ君は「規格外」「別次元」「超人」の域、「自分にとっては別世界の選手である」という表現で、彼に対する尊敬の念と賛辞を表したものだと思います。

 そして、もう一人、山川君同様、昨日やっとホームランの出た主砲の村上君も、昨年、三冠王に輝いて以来「村神様」と言われていますから、今のところ、今回の侍JAPANには、仲間から神様の域と認定される選手が二人いることになります。
 他にもダルビッシュ投手や佐々木朗希君とか、その聖域に入ってもおかしくない選手もいますが、山川選手を始めとする他の選手は人間の域の中で、その道(野球)に専念して、実力を発揮してほしいと願うばかりです。
「この方は神の聖域」と認定できる世界に身を置いて、一途に結果を追い求めていること自体、すでに価値があるのですから、


   球春や神と称さる猛者もいて  弁人


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箱根駅伝展望「楽しみも中くらいなりおらが春」

2022-12-30 07:22:43 | つぶやき
12月30日(金)

 出雲・伊勢ともに大会新記録で優勝し、三冠に王手をかけている駒沢大学。どう見ても優勝候補の筆頭です。
 出雲の6人が大会新でほぼ完璧に走った後、伊勢は1名入れ換えて3名加えた8人でしたが、加わったうちの2人が区間1位。この8人も一人のブレーキもなく走り切り、従来の大会新記録を4分半近くも更新。2位~4位の国学院・青山・順天堂も大会新でしたが、2位以下に3分以上の差をつけての圧勝でした。

 その強力な駒沢の三冠を阻むとすれば、やはり青山学院が最有力です。
 なにしろ前回の箱根の勝ちっぷりが完璧で、周囲から「すごい記録」と称賛された青学自らの二年前のタイム(10時間45分台)をさらに1分40秒更新し、10時間43分台の記録を打ち立てましたので。その上、そのメンバーには4年生が2人しかいませんでしたから、今年は8人残っているわけですが、その中の一人は、出雲で区間6位で走ったものの、故障もないのに今回はエントリーされなかったという選手層の厚さです。

※(私が小学生の頃、叔父がラジオにかじりついて聞いていましたが、その頃は、片道6時間、往復で12時間が目安だったのです。
 初めて12時間を切ったのは1960年。黄金期の中央大でした。それから30数年後の1994年に、山梨学院が10時間59分と、ついに11時間切りを果たしたのですが、次に11時間を切ったのは、なんと17年後の2011年。早稲田でした。
 この頃からのレベルアップは凄まじく、その後、前回までの11年間では、ほとんど(9回)が10時間台でしたが、10時間50分を切ったのは3回で、なんと3回とも青山学院です)

 そんなに強い二校なら、箱根で青学が勝った時の2位は駒沢で、出雲と伊勢で駒沢が勝った時の2位は青学かというと、実はそうではないのです。
 駅伝の怖さというか難しさというか、そこに面白味もあるのですが、前回の箱根の2位は順天堂で、駒沢は3位。その駒沢が圧勝した出雲と伊勢の2位はともに国学院で、青学は4位・3位に甘んじています。

 そうなのです、駅伝はランナー全員がきちんと走ってくれればいいのですが、それがなかなか難しいのです。
 前回の箱根。駒沢は往路の3区で誤算、4区も今一つだった上、8区に起用した故障上がりの主力が失速しました。一方の青学も、今年の出雲と伊勢では計算どおりのタイムを大きく下回った選手が二人ずつ出てしまいました。

 はたして、青山学院が二年連続で、駒沢大が三大会連続で、全員が取りこぼしなくベストに近い走りができるかどうか。なにしろ箱根は10人で、前回の青学のように行くのは珍しいことなのですから。

 もしどちらかのチームから失速気味のランナーが出れば、もう一方のチームの独走になるかもしれません。いずれにしても、この二校に計算外のことが起こらないと、他の大学が優勝争いに加わるのはかなり難しい。

 でも、いくらご贔屓のチームがあるからといって、そんなことを期待したりするのはいけません。ここは、やはり正々堂々と戦って、どこかで優勝候補のランナーを慌てさせる場面を作って活路を見出すしかありません。
 と、かすかな期待をしているわけですが、その資格を得るには、やはり10人全員がベストに近いタイムで走り、総合タイム「10時間50分」を切らないと無理かもしれません。したがって、失速気味のランナーが一人でも出てしまうと、その時点で望み薄になってしまいます。

 そこで、もしかしたら優勝候補の二校を慌てさせられるかもしれない、そんな可能性のある大学を挙げるとすれば、

 ここでご登場。筆頭は、私の応援する国学院。なんといっても、出雲、伊勢ともに準優勝ですからね。ちなみに、昨年の青学も、出雲2位、伊勢2位の後に箱根で圧勝しているという都合のよいデータもありまして。
 あと有力なのは、昨年準優勝の順天堂くらいでしょうか。

 他にも、中央大、東京国際、創価大、東洋大も上位と評されていますが、10人の選手層ということになると、往路中心の配置とならざるを得ず、見せ場は作れるかもしれませんが、優勝争いに食い込んでくるのは難しいと思っています。

 まあ、そんなふうに見立てているのですが、昨日の夕方、各チームの区間エントリーが発表されました。

 もっとも、当日変更(往路復路それぞれ4名以内・計6名まで)ができるので、青学も駒沢も出走するはずの選手が3~4名補欠に回っています。あと、駅伝ファン注目の、順天堂三浦君、中央の吉井大和君、東京国際のビンセント君も現段階では隠れています。

 東京国際は、2区に日本人エースの丹所君をエントリーしてここは確定。4区にムセンビ君の名がありますが、もしビンセント君が故障から回復していれば、交代枠の3区に入るのか、ムセンビ君と入れ代わるのか、いずれにしても往路は強そうです
 順天堂は、1・2区が偵察メンバーっぽく、3区に伊豫田君が入っているので、前回2区で今一つの感だった三浦君は1区で飛び出す覚悟なのかもしれません。
 中央は、2・3区が入れ代わりそう。吉居大和君、前回1区で飛び出すも2区で後退したことを教訓に、今年は2区なのかもしれませんが、4区が弟の駿恭君なので、3区で先頭に出て、兄弟での襷渡しをという算段かもしれません。

 ところで箱根駅伝。復路での逆転は、過去のデータでは3割ちょっとですから、どのチームも、まずは往路を制したいと思うでしょう。優勝候補の大学も全力で来ますし、最低でもシード権という大学も、まずは往路優勝を目指します。
 ということで、今年の往路はかなり熾烈な争いになる予感があって、目が離せない展開になるはずです。
 
 さて、その往路を制するには。

 よく「花の2区」と言われ、2区にはエースを置くのが常道ですが、「山の神」と呼ばれる選手が登場して以来、5区での逆転、そうでなくとも、山上りでタイムが大きく上下する状況があって、最近は5区に主力を置かないと往路を制することができなくなっています。
 私の母校の国学院も、今のように上位に食い込んでくるようになったのは、4大会前、当時主将で現旭化成の土方君の2年連続2区での好走もありましたが、もう一人の韋駄天、現富士通の浦野君が5区を区間新記録で駆け上がり、往路3位に入り、次の年も区間新で2位になったのがきっかけにもなっています。

 ところが、前回(今年1月)。
 前述したとおり、中央の吉居君が一区を区間新でぶっちぎったのですが、2区で失速、結局往路6位。
 そして、駒沢。エース田沢君が2区で快走しトップに立つも、3・4区振るわず、5区で挽回も3位まで。
 一方、往路を制した青学は、2区を終わって駒沢と1分差を、3区の一年生太田君がひっくり返し、その後も後続を引き離しフィニッシュ。

 そういえば、前々回(2021年97回大会)、創価大が往路を制した時、4区の嶋津君でトップに立ちました。そのまま復路もがんばって、9区を終えた時点でも3分半くらいリードしていましたが、最後の一人が失速して惜しくも総合優勝を逃しました。
 実は、振り返ると、この年を含めて、95回から3年連続、4区でトップに立った大学が往路を制していて、どうも、往路を制するには「2・5区も大事だが、3・4区で先頭に」という思惑が生まれつつあるように思います。

 そんなこともあって、つい、駒沢の3区、青学の4区は誰が走るのかと考えてしまうのですが、そんなことより大事なことがあるじゃないですか。
 そうなんですよ、「あわよくば二強を食わん」とする国学院です。主力何人かが補欠になっていますが、「1区は〇〇が、2区には〇〇が入り、〇〇が〇区だろう」と、8~90%くらいの確信を以てオーダーを予想しながら、自らを戒めるように、「結果は神のみぞ知る。年越しの夢は大きく!」と気分を高揚させています。

  「いざ、出陣」
  


   願はくは 兎年の始め 跳び跳ねむ  弁人


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2022年。締めくくりは「異様な」寒波の中で

2022-12-25 17:15:14 | つぶやき
12月25日(日)

 今回の年末寒波、無気味というか、なんか異様な感じです。普通は北西から下りてくる寒波が今回は南西から吹き込んで来て、テレビ画面には、九州や四国の降雪の様子が映っていましたが、なかでも、南国の高知が日本海側へ行ってしまったような雪景色の映像には少々驚きました。
 原因は、温暖化によって対馬海流の水温が上がったためとか聞くと、背筋が寒くなる感じがします。

 一昨日、買い物に出た帰り、左前方から夕刻の富士が目に入って来るので、長者が崎に車を停めてみました。

 凄まじい季節風の中、背後の黒い帯状の低い雲も含めて、
  荒涼たる佇まいの富士
 

 それでも、関東平野は冬型が強まれば強まるほど快晴になりますから恵まれているのでしょう。とりわけ三浦半島や湘南は温暖のはずですから、少々のことで愚痴はこぼせません。
 そうですね、もう少し若かったら、こういう時は上信越方面の電車にでも乗っかって、温泉で雪見酒ということになっていたはずなのですがね。

 さて、2022年もあと数日。今年を振り返ってみると、明るい話題は、「オオタニサン」・「村神さま」・「ブラボー」くらいで、スポーツの話題ばかり。
 あとは、消したいのに消えない困ったことばのオンパレード。「軍事侵攻」・「脅威」・「不意の襲撃」・「蔓延」・「猛威」・「霊感ナントカ」・「癒着」・「物価高騰」・・・。
 そして年末を迎えても、ニュースといえば、・「軍事力強化」・「増税」・「年金目減り」・「電力節約」・「原発推進」・・・と、やっぱり、明るい話題は見当たりません。

 そんな一年、まさに、不気味な寒波で締めくくられるのが相応しいのかもしれません。

 ここはひとつ、結局、スポーツということになってしまうのですが、年明けの箱根駅伝での母校の活躍を夢に見ながら気を紛らわせるしかありませんか。
 でも、二強と言われている「駒沢」と「青学」、どう見ても、戦力的に充実し過ぎていて、私の夢はなかなか大きく膨らまず困っています。
 その展望、次回かな。まあ、気が向いたらですが。


   暗き世を富士も背負ひて年暮るる  弁人


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さあ、「出雲駅伝」まであと二日

2022-10-08 10:12:50 | つぶやき
10月8日(土)

 10日のスポーツの日に行なわれる「出雲駅伝」。

 留学生の大砲がいる東京国際大が連覇してしまうのか、選手層の厚い常連の青山学院・駒沢大が大学駅伝三冠の第一歩を踏み出すのか、それとも戦力充実の順天堂大・中央大・創価大が勢いに乗って躍進するのか、それに、駅伝といえば東洋大、今回も手ごわそう。
 そして、我が国学院。ひそかに、「上の7校を上回る要素は十分、見てろよ」とワクワクしているのですが。

 東北旅行から帰って来た後、ペナントレース終盤のカープに気を取られながらも、日ごとに期待感が高まってきて、「やっぱり、出雲へ行っちゃおうかな」という気分にも。

 ネットで調べると、「サンライズ出雲」はすでに空席なし。「朝の第一便の飛行機があるか。それとも前日に新幹線で。でも、帰りの旅を考えると、日曜に出かけるというのもなぁ」とか迷っているうちに、10人のエントリーメンバーが発表されました。走るのは6人なのですが。

 「あれ、国学院のメンバーに島崎君が入っていない」

 実は、島崎君、去年四年生で、実業団への就職も決まっているという情報も目にしたのですが、12月に故障して最後の箱根に出走できず、納得が行かなかったのか、もう一年がんばるということで留年したのです。
 創価大の島津君も五年目に期すとかで、今回の出雲にエントリーされていますし、そういえば、ちょっと前、青山学院の竹石君も、四年生の時箱根のメンバーに入れず、五年目に賭けました。

 その島崎君ですが、二・三年次、箱根6区の山下りを好タイムで走った選手。昨年の出雲1区で6位もトップと8秒差。伊勢路では三年連続1区を走り、三年次8秒差の4位、四年次はわずか1秒差の3位でしたが、ともに区間新記録だったという経歴の持ち主です。
 今回、彼が1区で先頭と差がなく繋げば、3・6区のエース区間に、キャプテンの中西君と二年生の平林君のダブルエースがいるので万全。
 残り3区間を5000mで13分台の記録を出した一年の青木君と平林君のライバルでハーフマラソン日本学生歴代2位の記録を持つ山本君、そして、昨年、出雲5区2位・伊勢8区区間賞、今年の関東インカレハーフマラソン優勝の伊地知君が走れば、東京国際にビンセント君がいようが、駒沢に田沢君がいようが、順天堂に三浦君が、中央大に吉居君がいようが、まあ、遜色ないどころか、国学院が勝っちゃうんじゃないかと、勝手に夢を膨らませていたのです。
 それに、昨年、ぶっちぎりで優勝した東京国際のタイムは2時間12分10秒でしたが、その前の大会で優勝した国学院のタイムは、それより2分以上速い2時間9分58秒だったのです。あの時の国学院には強力な三本柱(土方・浦野・青木)がいて、たしかに強かった。でも6人となると、今年はあのチーム以上かもしれないと思っていたのですが。

 ところが、
-1区、シマザキくん、出ない-
-去年のタイムは、気温30度という異常な高温のせい?-

という、それだけのことなのですが、ちょっと夢がしぼみ加減になったところに、天気も悪そうということで、今回は出雲へは行かないことにしました。

 でも、混戦を制するかもしれないという夢は消えていません。島崎君がいなくても、まだまだ選手はいるんですから。

 真っ先に浮かんだのは、昨年伊勢で好走した四年生の坂本君。「彼は2・4・5区のどこかだろうけど、1区島崎君の代わりは誰になるんだろう」と考え込んでいると、本番までほぼ一週間前の、先週の土曜日に行なわれた日体大記録会の10000mに、その坂本君と、これもエントリーされていた四年の川崎君、それに一年の嘉数君が走るという情報が。一週間前に全力で走るということは、この三人は伊勢・箱根駅伝へ向けての調整なのかもしれない。
 となると、エントリーメンバーで残っているは四年の藤本君と一年の上原君の二人しかいないのですが、上原君は高校時代に5000mで13分台の記録を持つ期待の選手とはいえ、春から記録を残すレースには出ていませんし、もう一人の藤本君はまだ駅伝を走ったことがないのです。
 ということで、チーム事情も分からないのに勝手に不安になっていたのですが、実は、藤本君、10000m28分53秒・5000m14分09秒という好タイムを持っているので、おそらく、最終学年のレースに賭ける意気込みを見込んで、彼を起用するのだと思います。そのへんのことは監督がいちばんわかっているんでしょうから。

 いずれにしても、私の思惑がちょっと外れた中で、ちょっとでも様子がわかったらと、1日の土曜日、日体大の記録会を覗いてみようかと向かってみたのですが、関係者以外は入れないとのこと。仕方なく、たまプラーザにある大学の競技場へ行ってみましたが、サッカーの試合のようで陸上選手の影はありませんでした。
 あとは、合宿所近くの多摩川の河川敷のランニングコースかと、出雲駅伝の号砲の13時05分に合わせて、昼過ぎ、1時間ほど河原に座っていましたが、結局、マネージャーとか部員らしきランナーは現われず、

 二子玉川駅を発着する
  電車を眺めるだけで
  

 日を改めて、平日の夕方にも行ってみましたが、この日も
  川の流れとコサギを眺め、
  

  二子神社にお参りして帰宅
  


   必勝を祈るもこちら神無月  弁人


 レース前の、このワクワク、ドキドキ感。たまりませんな。落ち着かなくて。




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結果、不本意。今年の「箱根駅伝」

2022-01-06 18:10:53 | つぶやき
1月6日(木)

 年明けから冷気の身に滲む日が続いていますが、そのぶん毎日きれいな富士山を眺めることができました。

 一昨日の4日。久しぶりに会ったKAZU君と
  葉山の森戸海岸へ
  

 大きくなりました。身長170㎝ほど、まだまだ止まらないでしょうから、180㎝の私が抜かれてしまうのもそんな先のことではなさそうです。
 ちなみに、私の場合、中学2年になる時に160㎝で高校入学時は175㎝だった記憶がありますから、KAZU君、私より10㎝ほど上を行っている計算に。

 そんな正月が終わって、今日は一転して昼前から雪が舞い始め、

 先ほど、暗くなる前にそっと窓を開けると、
  銀世界になってました
  

 さてさて、今年は、元日にいきなり前橋へ出かけてしまったものですから、2日も3日も目まぐるしく・・・、まあ、箱根駅伝のテレビとネットの位置情報にくぎ付けになっている時間も入っているんですがね、なんかあっと言う間に時計の針が回って行ったような感じがします。

 それでは、箱根駅伝を振り返っておきましょうか。

 「駒沢と青学の二強にどの大学が食い下がっていくか」という専らの下馬評でしたが、二強の一角、青学が突っ走って他を寄せつけずに快勝しました。その速さに脱帽するのみで、ここは敬意を表するしかありませんが、興味が2位争いとなると、戦国駅伝といっても興奮度は半減です。

 たしかに、結果的には、青学を除けば「戦国駅伝」。
 青学の総合タイムが10時間43分42秒、2位の順天堂が10時間54分33秒で、その差はなんと10分51秒。
 ところが、シード権ぎりぎり確保の10位法政が10時間58分46秒ですから、2位の順天堂とは4分13秒しか差がありません。
 つまり、4分ちょっとの間に2位から10位までの9チームがゴールしたわけでして、後述しますが、私の予想タイムより5分以上遅い10時間57分10秒で8位に沈んだ国学院、計算すると、あと2分40秒早くゴールしていれば2位、逆に2分30秒遅かったら、11位の東海が10時間59分38秒でしたからシード落ちしていたことになります。
 「そうはいっても、1位と2位に10分以上の差があるんじゃ、2位以下は二軍戦」と言われそうですが、ひと昔前は11時間の壁というのがあって、なかなか破れなかったのですから、決して二軍戦のレベルではないのです。
 過去、初めて10時間台のタイムを出したのは1994年の山梨学院ですが、その後は難しく、次は2011年の早稲田、2012年の東洋まで11時間を切れませんでした。最近は今年を含めて5年連続10時間台の優勝タイムになっていますが、それだけレベルの向上が凄まじいということでしょう。ちなみに昨年の駒沢の優勝タイムは10時間56分04秒で今年のタイムに並べると7位に相当します。

 ということでしてね、私の応援している国学院、仮にシュミュレーション通りに走ったとしても、とてもとても青学には及ばなかったというわけです。
 「そうだったんだ。それじゃあ、ここはシード権内に入っことだし、ひとまずよかったことに・・・」とも思いますがね、やっぱり、期待どおりに走って2位に入ってほしかったという思いは拭えません。

 往路はまあまあでした。
 1区の藤木君。順天の三浦君が2区に回ったのでシメシメと思ったのですが、中央の吉居君が飛び出しての区間新。2位集団での6位は文句は言えません。
 2区の伊地知君。区間12位でしたが、快足ランナー目白押しの中、67分台で走りましたから十分。
 3区の山本君。高校時代から実績のある期待の1年生。故障があって出遅れ、駅伝初登場でしたが、区間5位と大健闘。
 4区の中西君。来年のエースらしく区間4位の走りで順位を3位に上げ5区山上りの殿地君へ。
 激坂王レースで学生トップだった殿地君、下馬評が高かったのが影響したのか、大平台辺りから失速。区間9位のタイムで4位でゴール。ここは順位というより、最低あと1分は早くゴールしてほしかったところでしたが、青学と3分43秒差、2位帝京と1分06秒差は決して悪くない位置だったのです。

 ということで、2日の夜には、6区の島崎君でトップに肉薄。7区、8区はナントカ2位をキープして、9区の平林君で逆転、アンカー木付君で逃げ切りという夢を抱いていました。

 ところが翌朝。当日のメンバー変更を見て愕然。
 私の予想と一致したのは9区の平林君のみ。山下りのスペシャリスト島崎君の名前がなく、偵察メンバーだった1年生がそのまま出走するもよう。そして7区の繋ぎ区間になんとキャプテンで主力の木付君の名前が。

 いざ出走。イヤな予感通り1年生の原君、懸命に山を下るも荷重く区間17位。続く木付君、全く本来の走りができず区間最下位のタイムで撃沈。10位で8区へ。8区の石川君は7位のタイムで好走も10位のまま。唯一の見応えは9区の平林君。区間新にもう数秒という主力らしい彼本来の走りで5位にジャンプアップ。しかしアンカーは本来出走の予定のなかった相澤君。やはり順位を下げるも、なんとか8位でゴールという顛末でした。

 まったく納得の行く展開でなく、「いったい何があったのだろう」と腑に落ちませんでしたが、やはり、島崎君にアクシデントがあり、木付君も12月初めにアキレス腱を痛めていたもよう。
 前田監督は島崎君の山下りをあきらめた後、木付君の出場も躊躇したらしいのですが、主将としての責任感もあり、10区の長丁場から7区へ回して走らせたようです。

 仕方ありませんね。勝負事に「タラレバ」はないのですから。
 それでもやっぱり未練タラタラ。仮に島崎君がふつうに山を下っていれば、58分そこそこで走ったでしょうから、ここで2分。木付君も並の選手より2分ほど遅かったし、故障なくアンカーで走っていれば相澤君より2分近く速かったはず。
 結局、往路の殿地君のタイムを含めると、まあ、最低でもあと4~5分、最大で7分くらい早くゴールできたと、地団太踏んだところで、それでも青学には遠く及ばなかったわけで、どんなに頑張っても2位だったということなのでした。

 また来年ですね。
 でも、今回、青学の4年生は二人で、駒沢に至ってはたったの一人。ということで、この二校は今年のメンバーがほとんど残り、どうも来年も二強を張り合いそう。その上、今年の高校三年生の中でトップと言われている洛南高校の注目の選手が駒沢に入るそうですし、青学もレベルの高い5000m13分台の選手が何人も入部するとか聞いています。

 困りましたね。これじゃ、普通の大学は本当に二軍になってしまいます。頑張っても3位狙いでは、応援の熱も上がりませんし。


   来年へ鬼が笑へど夢描き  弁人


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待ち遠しい正月の「箱根駅伝」

2021-12-30 14:03:28 | つぶやき
12月30日(木)

 世界的に「オミクロン株」とかの感染が拡大し、日本にもその波がじわじわと迫っているようで、すっかり落ち着いていた感染者数が年末になって増えてきているとか、やっぱり「第6波」とかが来ちゃうのでしょうかね。

 2022年の年明け、今度の箱根駅伝は沿道で応援できるかなと楽しみにしていたのですが、二年続けて応援自粛の要請が出てしまい残念でなりません。

 さて、その箱根駅伝。

 下馬評では、駒沢大と青山学院大の一騎討ちということで、選手層の質や厚さから見ると、まったく反論の余地がありません。
 ただ、駒沢大の準エースの鈴木芽吹君が夏に故障し出雲にも伊勢にも出場できず、今回ももし万全でないとしたらとか、青学にしても、前々回5区山上りを区間新で走ったこれまた準エースの飯田貴之君を山上りから外して大丈夫なのだろうかとか、それぞれに心配な点がなきにしもあらず。

 この二強に割って入る大学として、東京国際、早稲田、順天などの名前が挙がっているのですが、果たして如何に。

 なんか忘れられているというか、あまり話題に挙がって来ないのですが、出雲4位、伊勢も4位の国学院と、昨年往路優勝、総合2位の創価大。私は、もし二強に何かがあってその中に食い込むとすれば、この二校だと思っているのですがね。
 もちろん、個人的な願望としては、母校国学院が駒沢・青学をねじ伏せるという夢を見ているわけなのですが。

 そこで分析。
 選手層の厚さでは早稲田も見劣りしませんが、どうもロードの駅伝となると勝負強さが今ひとつの感。
 東京国際はヴィンセントという大砲を持ち、順エースの丹所君の調子も良く、もちろん侮れないものの、三番手の山谷君を1区で使ってしまうと、見せ場は前半の往路だけのような気がします。
 順天にはオリンピアンの三浦龍司君がいて、彼のスピードはずば抜けています。1区に来るとハイペースになり「困るな」と思っていましたが、どうも2区を走る気配。彼は特にラスト1㎞のスパートが身上。果たして、2区最後の戸塚の上りでその末脚が使えるかどうか、うまくいかないと他の選手の士気に影響しそうです。

 ということで、私の見立て。

 駒沢・青山がランク特A。続くのが国学院と創価。トップ争いは難しいものの上位に入り込んできそうなのが順天・早稲田・東京国際。続いて明治・帝京・東洋が次のランク。ここまででもうシード権獲得の10校になっていますが、そこにシード権狙いの中央・東海・法政がどこまで食い込んで来るのかというところでしょうか。

 私の予想はいつも外れますが、それもスポーツ観戦の醍醐味のひとつ。ここは夢を追って自分にとって理想的な展開を描き続けるしかありません。

 昨日、各大学10人のエントリーが発表されました。当日変更可能なので偵察メンバーも多いとはいえ、少し予想が立てやすくなりました。

 1区はスローになりそうな気配。飛び出すとしたら、駿河台のブヌカ選手でしょうが、総合力で上位に来る大学ではないので、勇気を出して追う選手がいるかどうか。もしいないとすれば、タイム差の少ないこの区間でスピードランナーを使うことはありません。国学院で言うと、飛び出した選手に付いて行くのであれば島崎君か藤木君。タイム差少なく繋ぐのであれば一年生の山本君かなということで、前田監督、只今思案中というところしょうか。

 2区は東京国際のヴィンセントがトップに立つでしょう。駒沢の田沢廉君が続き、あとはどれだけ大差を付けられずに3区へ渡せるかどうか。国学院が伊勢のアンカー区間で区間賞の伊地知君を配置したのは、ここは勝負でなくてタイム差重視の現れ。いかに粘って1時間7分台で乗り切れるかどうかということでしょう。

 3区も東京国際の丹所君がトップを快走しそうな気配ですが、どの大学もここで「勝負あった」では困りますので、反撃の狼煙とばかり好選手を配置してきそうです。青学はエース格の岸本君で勝負を掛けそう。早稲田は太田直希君でしょう。国学院はここにエースの藤木君か主将の木付君を置いて先頭を追うことになると予想しています。

 4区。国学院は一昨年この区間を好記録で走った中西大翔君。昨年は2区で不本意なタイム、今年は伊勢で今ひとつでしたが、出雲では好走。彼本来の力を出せばかなり好位置で襷を繋げそう。

 5区の国学院は今年の山男、殿地(どんじ)君でトップを窺うはず。11月に箱根ターンパイクで行なわれた「激坂王レース」で、箱根駅伝3人目の山の神の神野君に続いて2位でゴール。5区より標高差のあるレースで、もちろん学生トップです。昨年も5区で順位を三つ上げたものの区間8位。今年は最終学年、有終の美を飾ります。

 ということで、往路の1・3区を誰が走るかで復路のメンバーも変わってくるのですが、今年の国学院の強みは、往路のメンバーをどう組み立てようが、1万メートル28分台の選手が復路に3人残りまして、たぶん、出雲のアンカー、伊勢の7区で結果を出した平林君も復路に残りそうなところです。28分台でない二人も持ちタイムは29分そこそこで、駒沢や青学が無難に走っても、簡単に追いつかれたり引き離されたりはしない布陣が組めそうなのです。

 「あー、楽しみやなぁ」
 今晩も明日の晩も、次の晩は初夢ですか。でもそんなことはどうでもいいのです。伊勢の全日本駅伝のビデオを見終わった後から、勝手にオーダーを考え、理想の展開を描きながら、ずっと夢を見続けているのですから。

 さてさて、正月の三日、夢見心地のまま美味しいお酒が飲めるのか、はたまた現実の厳しさに打ちのめされて、やけ酒となってしまうのか。
 まあ、どっちでもいいじゃありませんか。さあ、掃除!掃除!おっと、買い物も。


   夢追ふも鬼の笑はぬ年の暮  弁人


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若干の疑念と不安の中、ワクチン接種を予約

2021-06-14 11:56:50 | つぶやき
6月14日(月)

 たしか、小学校に入学して間もない頃、「BCG」だったか「種痘」だったか、肩の辺りを針のような物でしつこくチクチクやられた苦い思い出があって、それはそれは痛かった。
 「なんで一発の注射で打ってくれないのだろう」と泣きそうになりましたが、あれもワクチンの一つだったんですね。

 就職していっちょ前の社会人になった頃、日本では「三種混合」かなにかの予防接種で重篤な副反応事例が出て、被害にあった人や家族が国を相手に訴訟を起こす事態となり、私もちょうど子どもが生まれた後だったので関心を持ってニュースを見ていました。

 当時は若くて血気盛んな頃でしたから、思考が体制側に傾くはずもなく、「予防接種には重い副反応が付きもので問題あり」という認識に至った訳ですが、何年か前、「子宮頸ガンワクチン」の重い副作用が話題になり、この問題は、今でも「慎重に」という意見と「副反応の確率はごく僅かで問題外」という意見に分かれているようです。

 テレビでは、政治家だけでなく専門家の口からも「そんなこんな、日本ではいろいろな経緯があって、今回のワクチン対応が後手後手に回っている」という指摘が聞こえてきますが、いかにも対応の遅れを「予防接種訴訟」のせいにしたがっているように見えて、被害者の心情を考えると、思わず「やっぱりね、そういうこと言っちゃうのか」と悲しくなります。

 それはさておき、今回の新型コロナワクチンも「一人でも多くの人が打てばきわめて有効であるが、個々についての副反応はゼロではない」という前提ですから、突き詰めて言っちゃうと、「何千万人もの人が打つのだから何人か犠牲者が出ても仕方ない。自分がその中に入らなければいいんだ」と割り切れるかどうかということになります。

 ということでですね、私、基本的にワクチンには「慎重派」なんですけどね、昨年3月以来のコロナ禍による不自由極まりない陰鬱な日々。やっぱり「背に腹は代えられない」という気分で、昨年10月、来るべきワクチン接種の予行練習とばかり、初めて「インフルエンザワクチン」なるもを打ってみたのです。新型コロナに効かなくても、発熱自体御免被りたいという状況でしたし、発症しても重症化が防げるというかかりつけ医のアドバイスもありましたんで。
 副反応? ありましたよ。数日後に二日間ほど微熱とだるさを感じまして、先生に「やっぱりコロナワクチン躊躇しちゃいます」と言うと、「そのぐらいでビビっちゃ生きて行けませんよ」と一蹴されました。

 まあ、自分のためというのもありますが、格好よく言えば、高齢者といえども現に地球上に生息している人間ですからね、いちおう「他人に移したらいけない」という自覚もありますんでね、ちょっとばかり筋トレなんぞもしながら「接種券とやら、いつ来るのかな」と、逗子市のホームページを見ていると、年齢順で72才は6月3日発送という情報が。なるほど、翌4日手元に届きました。
 すぐに予約手続きをしたところ、いちばん早くて7月7日。ということは、三週間後の二回目は7月下旬。うまく抗体ができるとして、それまで二週間と言われていますから、結局8月10日頃まで現状のままということになります。

 管首相、五輪のためにもと、ワクチン接種に血眼になって各方面へはっぱを掛けていますが、閉会式は8月8日とかですよ。
 東京の隣りの神奈川県、そこで行なわれるヨット・セーリング会場直近の逗子市、そこに住む72才のじいさんですら、期間中に抗体確保とはまいりません。やっぱり今年の夏は「狂気の沙汰」っぽくなりそうな気配。


   ワクチンも自粛も五輪の為ならず  弁人


 因みに、逗子市では先週末の段階で66才以上の人に接種券を発送済みということですが、昨日、予約サイトを見たところ、一回目接種が一番早くて7月20日過ぎになっていました。お急ぎの方は東京の大規模接種会場へということらしいのですが、その大規模接種会場、予約が埋まらずガラガラとか。足を伸ばせば早く打てそうですが、国民の多くが今の日本の現状に少々しらけていて、早く打たなくてはと気が急いている人はそんなに多くないのかもしれませんね。

 考えてみれば、人流抑制のためにひたすら自粛を強いるだけの「緊急事態宣言」や「蔓延防止措置」が続く中、一方で、それに反する祭典は推進あるのみ。そのために突っ走るかのような慌てふためいたワクチン接種。
 やっぱり筋が通っていません。「笛吹けど踊らず」の状況、妙に納得してしまいます。

 そんな中、ワクチン頼みの政府に忖度しているのか、メディアも「ワクチン、ワクチン」と煽っているかの様相ですが、実は、原因は不明のようですが、ワクチン接種後に死亡した事例が190件以上あるのです。内容は厚労省のページにも載っているので、別に政府が隠しているわけではないのですが、そんなこと、ほとんど話題にならないほど、「今はとにかくワクチン」と騒いでいるのが今の日本の社会の現状なのです。

 そこで、「ワクチン接種とは関係がないからなのかな」と、そのページを覗いてみると、

「ワクチンと症状名との因果関係が否定できないもの(関連があると確認できるもの?)0件」、
「ワクチンと症状名との因果関係が認められないもの(関連がないと確認できるもの?)0件」、
残りは全て、「ワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」となっていて、要するに、現状では何もわからないということらしいのです。

 話を戻します。ワクチンには確率は僅かとはいえ必ず副反応があるのです。現に、アナフィラキシーの例は報告されているし、接種後一定時間の待機も決められています。ということは、何万分の一なのか、何百万分の一なのか知りませんが、何千万人もの人が接種すれば死亡例が出てもおかしくないということになります。

 そこで、前述の接種後に死亡した事例に戻ります。ワクチンは基本、高齢者から打っているわけですから、接種後まもなく天寿を全うされる方もいらっしゃるでしょう。でも、医療関係者なのか、年齢の若い方も何人か載っているのです。若くたって病いを背負っている方はいらっしゃるでしょうし、事故死もあるかもしれません。実は、その内訳も載っているのですが、脳疾患、心不全を含めて、全て「現状では評価のしようがない」という結論なのです。

 「何もわからない中、仮に関連があったとしても、それはごく僅かなはず。よって社会全体の発展のため、ワクチン接種は粛々と進める」

 どうも、これが今の政府の方針のようですが、この基本にある認識、これこそ、まさにワクチン接種の根本理念なのです。

 「国民の生命を守る」「安心安全を確保する」と言っても、それは全ての人に対して言っているのではないのかもしれない。「コロナがなくても人は死んで行く」くらいに思っているのかもしれない。
 そんな不信感を抱いてしまうか、そういう現実を超えて実を取るのか、まったく、コロナ禍に彷徨う地球市民、困った選択を迫られたものです。

 そもそもそんな選択には関係なく、もともと「ワクチンは打たない」という固い意思の持ち主もいらっしゃるわけで、そういう人から見れば、私なんぞは「意志薄弱」「日和見」ということになっちゃうのかもしれませんがね、これも「自助・共助を重視して」ということにしておきますか。

 とまあ、少々複雑な心境をつぶやいたところで、気分転換に窓を開けると、朝方の小雨も上がって、
 
 お隣さんのお花が
  なかなか鮮やか
  

 梅雨に濡れて風情を増すのは「紫陽花」だけではないですね。


   雨露に生気戻りしアガパンサス  弁人


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2020年、コロナ禍の中での「梅雨入り」

2020-06-12 13:51:35 | つぶやき
6月12日(金)

 今年の梅雨入りは、関西が一昨日、関東が昨日でしたが、首都圏は、まあなんとも不気味な南風の吹き荒れる梅雨入りとなりました。

 振り返ると、屋形船とかダイアモンドプリンセス号とかの話題がニュースに流れて、新型コロナウイルスの脅威になんとなく気づかされたのが2月初めごろだったでしょうか。
 あれからかれこれ4ヶ月、日本の社会は、新型ウイルスに感染しないよう心がけて怯えてきたことになりますが、ここ二週間前くらい前からか、新規感染者数(正確には感染確認者数)がかなり落ち着いてきているのも事実です。
 それも、新たに感染する人のほとんどが東京で、場所も医療機関での院内感染と夜の歓楽街でのいわゆる「三密」の状況に集中していて、千葉も埼玉もしばらく新規感染者数「0」が続きましたし、神奈川も「0」の日があったりします。
 緊急事態が解除され、通勤電車が混みはじめたという話があっても、そこからの感染が確認されていないということは、もしかすると、新型ウイルス、そんなに怖がらなくても大丈夫なのかなと、ふと思ったりもします。
 でも、「それじゃあ」と、ちょっと気を緩めると、どうなってしまうのかわからないといういう惧れはそのままなのも事実です。

 人は年齢とか基礎疾患の有無とかによって様々でしょうが、社会が少しずつ動き出しても、いまだにステイホームに徹している自分を「臆病なのかなあ」と嘆息しつつ、たぶん、世の中のほとんどの人は同じような気分でいるんだろうと自分を納得させています。
 考えてみれば、大阪にだってキタとかミナミとか賑やかな歓楽街があるのに、今はほとんど感染者が出ていない。串カツのソースの付け方を変えたのはほんの一例でしょうが、みんな慎重になっているのは事実でしょう。とにかく、今までの日常を変える工夫の中で、我慢をして頑張っている結果なのですから。

 やはり、ワクチンと治療薬が整備されるまでは、不自由でもじっと我慢するしかないのでしょうね。

 でも、その不自由な中で、外食をして楽しいだろうか、温泉に浸かって楽しいだろうかと考えると、なんかつまらなそうで、まだまだ電車に乗って出かけようかという気分にはなれません。
 ということで、今日も雨止みにご近所のお散歩で気を紛らわしました。

 紫陽花も咲き始めていましたが、最盛期までまだ10日くらいありそうなので、今日のフォトは、ほぼ雑草といっていい花。

  空き地を彩る「ヒルザキツキミソウ」
  


   薄日射す空き地狭しと月見草  弁人


 ところで、今日は、元気旺盛な妻君が僅か3駅ですが、電車に乗って出かけて行きました。
 実は、何年か前から大船のカルチャーセンターの「ズンバ教室」とかに通っていて、いつも「いい汗を掻いてきた」と言って楽しみにしていたのですが、当然ながら、その教室も3月からずっと閉鎖に。
 私よりもいくぶん肝の据わりの良い妻君、「もう大丈夫なのに、まだなのかな」と呟いたりしていたところ、ようやく先日、再開の連絡が入り、先ほど、待ってましたとばかり意気揚々と出かけて行ったわけです。

 「世の中、動き出したか」と思ってはみても、やはり心配です。

 もちろん、それなりの施設でしょうから、再開に当たっては十分な対策を講じてのことだとは思いますが、リズムに合わせて身体を動かすとなれば、リズム音や掛け声は不可欠で、「三密」になりやすいでしょうから。
 それに、昨日までの神奈川県内の感染者数、人口に比例するのは当たり前とはいえ、逗子市3人に対して、大船のある鎌倉市は41人、隣の藤沢市は63人と桁が違います。カルチャーセンターのすぐ先は横浜市栄区で、感染者数570人の横浜市の区ごとの数字がないので何とも言えませんが、いずれにしても、ちょっと勇気がないと、なかなか逗子からノコノコ行く場所ではないような気もします。

 とはいえ、人間として社会生活を営む以上、いつまでも自分の居住地から出ないというわけにはいきませんから仕方ありません。
 その代わり、新たな心配事が次々と生まれてくるわけで、そんな不安の中での状況は、やはり、ワクチンと治療薬が整備されるまでは続きそうですが、それがいったいいつになるのか。なんか、このまま夏も過ぎて、秋の風が吹いてきて、気がつけば年の瀬にということになりそうな気がしないでもありません。


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永遠に続きそうな「あと二週間が正念場」

2020-04-25 17:03:25 | つぶやき
4月25日(土)

 「あーっ、もうイヤ!」と我慢できずに遊びに出かけちゃう人がいて、そんな気分になってしまうのもわからないわけじゃないんですけど、おそらく「自粛、自粛」と叫んでも、じっとしていられない人は一定の割合で存在するのでしょう。

 で、そういう人がいるということは、これからもずっと「ここ二週間の我慢が分岐点に」とかいうことばを聞き続けることになりそうで、学校も、楽しみにしているイベントも、その再開が遠退くばかりか、感染したらどうしようという危惧の念も拭えないままの状態がずっと続きそうな感じです。やっぱり、長期戦ですか、思わずため息。

 そんなことを考えながら、じっと我慢している多くのまじめな人間はますます気が滅入って、いわゆる「コロナ鬱」の状態に陥って行くんですよね。

 まあ、「ずっと防空壕に閉じ込められているわけじゃないんだから弱音は吐くな」と言われれば、返すことばが見つかりませんが、なんなんでしょう、この閉塞感、不安感。
 けなげに自宅で自粛している人たちは、時間を持て余しているぶん内省的になって、考えれば考えるほど、どんどん落ち込んでしまうことに。

 こんなことを呟いていると、「もう立派なコロナ鬱だね」と言われそうですがね、やっぱり愚痴や文句の一つも言いたくなります。

 行政権を司っている政府の方々へ
 「あんたら、ナニやっとんねん!!」
 選挙の時、「国民のいのちと暮らしを守る」と叫んでいたのはいったい誰なんや。

 さて、2020年のこの春、明らかになったこと。

一つ、医療においても先進国と信じ込んでいた日本の医療体制が全くもって脆弱だったという事実。
一つ、国民の信託を受けた人たちは、何か別のものを守ろうとしているようで、「国民の生命と暮らしを守る」なんてことはできるはずがなかったという現実。だいたい、はじめからそんな気概は微塵もなかったようで。

 あーあ、ダメだ。こんなこと呟いているとますます気が滅入ります。
 ちょっと小休止。玄関を開けて外の空気を吸って気分転換。
 もう4月の下旬、春爛漫ですな。

 お隣さんのお庭のハナミズキ
 


  聞き飽きし「あと二週間」春暮るる   弁人


 さて、部屋に戻って、
 もし、3月から学校を休業にしなかったら、今どういう状況になっていたか、私にもわかりませんから、それ自体に反対ではありませんでしたが、
 あの時、2月29日に唐突な要請を出した時、安倍首相は言いました。
「将来を担う子どもたちの生命と健康を守るために・・・」と。

 とってつけたようなおことば、しらじらしい。
 だいたいにおいて、ウイルスを封じ込めるために学校を休みにすることが有効な手だてだとわかっていたのなら、あんな唐突な要請はあり得ませんよ。
 あらかじめ関係省庁と協議をし、一週間くらい前に政府の方針を国民に示唆し、「いよいよ3月を迎えるに当たって現状はこうだから」と説明した上で要請すべきだったのです。
 まさに、政治家というのは、子を持つ親や教育現場の混乱なんか顧みないという姿勢を浮き彫りにしただけの手際の悪さ。
 大人の社会、つまり企業や商店に要請を出せば、経済活動が滞るばかりでなく休業補償やらなんやらと煩わしい。その点、学校はやりやすい。多くの子どもたちは喜んじゃうだろうし、先生方は公務員が多いんですから。
 実は、「やってる感」を出すのに、いちばん簡単な施策だったんじゃないですかね。

 その後もひどかった。本当はですよ、学校を休業にした段階で、その推移を観た上での次の施策も国民に示すべきでしたが、一つ手を打っただけで、これといった打開策はほとんど見られませんでした。
 オリンピックのことに気を取られていたとかどうかは、今さら問いたくもありませんが、4月に入ってから一週間経ち、医療崩壊寸前という、状況的にかなり大変になってからの「緊急事態宣言」。やること全てが後手後手で、その結果が今の日本社会の異常な状況。

 やっぱり、国家は主権者国民の身は守ってはくれないんですね。自分の身は自分で守るしかないんでしょうね。

 とはいっても、自分がどんなに用心していてもいつ感染してしまうかもしれず、感染しても発病するまでわからず、いや、発病してもなかなか検査してもらえないという状況。
 せめて、三番目の「熱が出たら検査して、感染したかどうかくらいは知りたい」と思うのは当たり前で、一国民として当然の権利だと思うのですが、それも叶わないのが今の日本なんです。
 なんか、「あんたらは、エーイッ、どうにでもなれ!と思っているしかないね」と言われているみたいで、背筋が寒くなります。

 「こんな日本に誰がした???」

 私だって、70年以上生きてきて、もういつ何が起きても驚かないという心の準備もしているのですが、こういう状況下で戦死するのはかないませんな。なんとかこの戦時下をくぐり抜け、もう一度ふだんどおりの社会の空気を味わってからと、つい欲が出てしまいます。
 そんな中で、見た目、明るく健康的で屈託のなさそうな女優の岡江久美子さんの死、こたえますね。私より7年も若いのに、無念でしょうね。どう見ても犠牲者、まさに戦死ですから。 -- 合 掌  --  

 そういう私も、実は、3月27日の夕方、寒気を覚え体温を計ってみると37度の発熱がありまして、正直慌てました。さっそく喉回りを暖かくして布団にもぐり込んだところ、幸い、翌朝には熱は下がっていましたが、しばらくは再発するんじゃないかと気が気ではありませんでした。
 4月10日に二週間が経ち、あと二日で一ヶ月ですからもうブログに記しても大丈夫でしょう。きっと花粉症の鼻づまりから喉がおかしくなったのだと思いますが、戦死を免れたということは、まだ戦時下ということですから、これからもつらい毎日にならざるを得ません。

 さて、気分直しに、ハナミズキの見える窓を開けてみましょうか。


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