チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

冬晴れの休日

2010-12-26 16:32:27 | KAZU君
12月26日(日)

 今年最後の祝日の23日、この日もKAZU君の両親は勤務日だったので、前回と同様に奈良にいる妻君が助っ人にやって来ました。

 風が少し冷たい日でしたが、電車に乗って外に行きたいKAZU君、さっそくおじいちゃんおばあちゃんとお出かけです。明石駅から阪神電車の特急で舞子公園へ、普通電車に乗り換えて、垂水の手前にある霞ヶ丘駅で降りました。

  線路沿いの道。間近に山陽電車が
    

  さらに5分ほど歩いて行くと、山茶花の花に囲まれた丘陵が
  

  古墳です。その名は「五色塚古墳」
  
 明石海峡の周辺の地域を支配していた豪族のお墓らしいのですが、それにしても、かなり大きな前方後円墳です。
 海峡と淡路島を前にして景色もよく、整備も行き届いていて、その上、足下に電車が頻繁に行き来するので、ちょっとしたお散歩には絶好です。

  KAZU君、階段を一気に上って行きました
  

  見晴らし最高、でも風がちょっと強い
    

  下りる途中、阪神電車が通過
  


    丘眠り温くむ芝生と冬の海   弁人


  脇の公園で少し遊んで
  

  お昼はラーメン目指して、垂水の中華のお店に
  

 ここひと月余りの間に、すっかり「おばあちゃんっ子」になったKAZU君、残念だけど、おばあちゃんとはまた一度お別れです。

 でも、年末に飛行機で熊本へ飛び、もう一人のおばあちゃんと再会。さらにその足で、元旦の日に羽田へひとっ飛びして、逗子のおばあちゃんおじいちゃんのところへ行くのです。

 お散歩から帰った後の夜、仕事を終えたお父さんお母さんを待って、クリスマスのお祝いをして、おばあちゃんおじいちゃんと、「よいお年を」ということばを交わしてお別れしました。


   クリスマスしばしの別れも待っており   弁人


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「春日大社-若宮おん祭」見聞録 その2

2010-12-21 15:25:02 | 旅行
12月21日(火)

  
 17日午後10時過ぎ、「お旅所祭」最後の演目の「舞楽」です。「落蹲(らくそん)」という二人舞で、枕草子に「-落蹲は二人して膝踏みて舞ひたる-」とあります。

 お旅所のステージには、ここまで平安時代から伝わる貴重な伝統芸能が次々と登場して、8時間近くの時が流れています。私は、こういう方面には全くの素人で、知識も何もありませんが、それでも、自然に古への雰囲気に融け込んでしまいます。
 もちろん、見たことはありませんが、もしかしたら、「源氏物語」の中で光源氏と頭中将が舞ったという「青海波」の舞なども、こんな雰囲気だったのだろうかと勝手な空想をしたりしていました。


 さて、前記事の見聞録「その1」で記したとおり、17日の午前0時に若宮をお出ましになった御子神様がお旅所に落ち着かれ、いよいよ祭りも本番の時を迎えました。

 今日17日のハイライトは、祭礼に加わる人々や芸能集団が行列してお旅所に社参する「お渡り式」です。
 京都の「時代祭」の行列に似ているような感じもしますが、十数組の集団が、とにかく意匠を凝らして華やかに行進します。こういう美しい行列を「風流(ふりゅう)」と言うそうです。

  行列は、県庁前がスタート。まず西へ向かいます。
  

 近鉄奈良駅前からJR奈良駅前へと進み、三条通りを東へ折れてお旅所を目指します。

  興福寺の南大門では僧侶の点検を受けます。
  
 これを「交名の儀」と言い、この祭の主催権を持つ興福寺への敬意を表したものだそうです。要するに、その昔は藤原氏の氏神・氏寺として春日大社と興福寺が一体であったことを意味しているようです。


     北風も温み行きけるおん祭   弁人


 一の鳥居をくぐると、お旅所まではあと僅かです。ここで「風流」の行列はいろいろな所作を披露します。

  「競馬」や「流鏑馬」も
  

 やがて、行列は次々とお旅所に到着します。

  「野太刀」もお旅所に
  

 「お渡り」が終わると、いよいよ今日のクライマックスの「お旅所祭」が始まります。
 午後2時から祭式があり、若宮様がお帰りになる夜の11時頃まで、延々と神楽や芸能などが演じられるのです。

  巫女による「社伝神楽」
  
 春日大社では、巫女のことを「みかんこ」と呼んでいます。漢字で「御神子」でしょうか、勝手な想像ですいません。この「みかんこ」さんたち、ふだんは拝観の受付けやお札・お守り・お神籤の売り子の仕事をしているのですが、「神楽の舞」の習得にも余念がなく、そのお稽古も大切な仕事になっているのです。

 「社伝神楽」の後は一般の人にも境内が開放されて、様々な芸能が繰り広げられました。

  子どもの舞「東遊(あづまあそび)」
    

  「田楽座」による曲芸の演技
  

  「細男(せいのお)の舞」
  
 白い装束に、顔を白い布で覆っての不思議な雰囲気の舞でした。二人が笛、二人が小鼓を手に、素手の二人を加えて六人による静かな舞でした。

 そして、最後の演技「舞楽」に入って、いよいよ祭のクライマックス、佳境に入りました。

  天平時代にベトナム地方の僧仏哲が伝えたという「抜頭の舞」
  
 
 「舞楽」が終了していっとき、祭の興奮が夜のしじまに沈み込んで行く中、いよいよ「還幸の儀」の時がやって来ました。11時近くだったでしょうか、やがてすべての灯りが消され、再び、午前零時の「遷幸の儀」と同じように、太鼓の音・雅楽の調べ・神官の警蹕(みさき)の声とともに、御子神様が若宮神社へと帰って行かれました。

 華やかな「お渡り式」、幻想的な「お旅所祭」、そして、その祭礼の初めと終わりをきちんと形作っているかのような神秘的な「遷幸の儀」と「還幸の儀」。
 まさに、世俗を忘れて古への世界を彷徨った感じの、夢のような24時間でした。


     神遊ぶ師走の古都の香りかな   弁人


 翌日、電車好きのKAZU君が、「スーパーはくと」と「近鉄特急」を乗り継いで、おばあちゃんに会いに、そしておじいちゃんの迎えにと奈良までやって来ました。
  
 どんな味だったのでしょうか、KAZU君、冬の古都の空気をいっぱいに吸い込んで、おじいちゃんと一緒に明石に戻りました。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「春日大社-若宮おん祭」見聞録 その1

2010-12-20 23:28:48 | 旅行
12月20日(月)


  
 17日の夜でした。まさに祭りのクライマックス。「幽玄」というひと言だけではとても言い表せない、なんとも幻想的な世界でした。

 「若宮おん祭」は12月17日に行われるのですが、5ヶ月前の7月1日の「流鏑馬定」を事始めとして、前日の16日まで諸々の神事が行われます。
 特に12月の15日と16日には、直前の神事が続くということもあって、祭りの二日前の15日に奈良へ向かいました。

  お泊まりは格式ある奈良ホテル
  
 こんな高級なホテルに3泊もするなんて、もう二度とないかもしれません。それに、年末のこの時期の行事をじっくりと見学するなんてことは、やはり退職した後でないとできませんね。

  ホテルから望む「興福寺五重塔」
  
 いつも下から見上げる五重塔ですが、ホテルが興福寺と同じくらいの小高い所にあり、うれしいことに真横から眺めることができました。


 ここでまず、「若宮おん祭」について、簡単に。

 春日大社から南の奥へ行くと、山の麓に「若宮」のお社があります。祭神は、水徳・学問・芸能の神として信仰の厚い春日大社本殿の第四殿の御子神様で、この若宮の神様が年に一日だけ(12月17日)里の行宮(興福寺の東、春日大社の参道の脇のお旅所)にお出ましになって、里の人々と楽しいひと時をお過ごしになるというお祭りです。
 ということで、御子神様は17日の午前0時に御出立してお旅所へ向かいます。これが「遷幸の儀」です。そして24時間後の夜中の0時にはお戻りにならなければなりません。なんか、シンデレラの話がよぎりますが、若宮様はちゃんとお帰りになるのです。これを「還幸の儀」と言います。そしてその間にさまざまな神事や祭事が行われるのです。

 冒頭の「舞楽」は、お旅所での最後のお楽しみの舞で、時間は夜の10時。スポットライトはありません。篝火の光の中での舞人の形相は、背後の漆黒の闇の中に浮かび上がるような神秘的な迫力で、見る者を圧倒する力強さをたたえていました。
 
 もちろん、春日大社には勅使を迎えての春の例大祭があります。でも、奈良の人々にとっては、この「若宮おん祭」のほうが親近感が大きいのでしょうか、奈良でお祭りと言えば、誰もが「おん祭」を指すくらい大切な行事になっているのです。ひと昔前は学校も休日になったということです。

  その御子神様がいらっしゃる、ひっそりと佇む「若宮神社」
  


 さて、話題を15日に戻しましょう。

 奈良の中心地、繁華街の一角に「大宿所(おおしゅくしょ)」と呼ばれる建物があります。ここは神事に奉仕する「大和士(やまとざむらい)」が精進潔斎を行う参籠所です。建物の中には17日の「お渡り式」に使われる装束類が、境内には同じく「お渡り式」を彩る武具の野太刀などが並んでいます。

  祭りの装束や甲冑など
  

     大和士の野太刀
       

 この日のメインは、ここで行われる「大宿所祭(おおしゅくしょまつり)」で、祭式と巫女の神楽とが厳粛な雰囲気の中で執り行われました。そして、

  その前後に行われた「御湯立(みゆたて)の神事」
  
 大きなお釜に湯が沸かされ、その前で「湯立巫女」が神事を行います。呪文を唱えながら御幣をお湯の中に入れたり、お湯に浸けた榊の束を参拝者の頭上で振ったりします。
 この榊の湯を浴びると縁起が良いとされ、また、巫女が腰に巻いている「サンバイコ」という縄は安産の霊験があるということで、妊産婦のお守りとなっています。

 日もとっぷりと暮れた後、この日の行事が終わりました。


     厳かに湯気立ち上る冬神事   弁人

                     
 翌日の16日。

  まずは春日大社へ参拝。
  

 この日のメインは「若宮」で行われる「宵宮祭」です。夜中の0時に行われる「遷幸の儀」に先立って、「御戸開きの神饌」を奉り、本殿前面が白い帳で覆われた後、祭事と神楽が行われました。

  夕暮れの中での巫女による神楽舞
  

 一旦ホテルに戻った後、いよいよ夜中に「遷幸の儀」となりました。

 もちろん写真撮影は厳禁。ケイタイの電源もOFF。なにしろ沿道にある自動販売機だって全部電源が落とされるのですから。
 漆黒の闇の中、森の中から太鼓の響きがこだまして来ます。やがて、雅楽の調べと神官の「ヲー、ヲー」という警蹕(みさき)の低い叫び声が近づき、その一、二分後、目の前に二本の大松明を地面に引きずる先導役とともに、榊を手にした100人ほどの神官がお守りする若宮様が。
 こうして神様は雅楽隊や巫女集団を従えて里のお旅所へ下って行かれるのです。

 微かな月明かりだけが頼りの深夜0時過ぎ。厳粛、かつ神秘的ということばしか浮かんで来ませんが、この行列を見送っていると、俗世界に生きている我を忘れてしまう感じになってしまいます。
 そうなのです、神様が民とともに楽しむ一日の始まりは、おそらく、そこに集う民の心をも浄化する不可思議な力が及んでいるに違いありません。

 夜中の2時頃ホテルに戻りましたが、我ながら俗っぽいと自覚している私も、さすがにテレビをつけたり新聞に目をやる気分には、とてもとてもなれませんでした。


     句をひねる気力失せにし冬夜かな  弁人

                 (「その2」へつづく)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大蔵海岸の日没

2010-12-15 05:12:07 | 明石風物
12月15日(水)

 夕焼けに空が染まることはよくありますが、日没の瞬間まで陽光を見ることはめったにありません。
 今日こそはとカメラ片手に海岸へ出向いても、最後は水平線の上の黒い雲の中に入ってしまうことが多いのです。

  太陽が水平線に沈みそうな日がやっと来ました。
  

 KAZU君に見せたい。でも、保育園の迎えよりかなり前の時間なので仕方ありません。毎日、朝の段階で迎えの時間を連絡してあるので、夕方になってから突然予定を変更するのも躊躇してしまいます。それに、2才半の幼児には、夕景の風情を理解するのはまだ無理かもしれないので。


 ところで、徳富蘆花の「自然と人生」の中に、逗子海岸から見る落日を叙した名文があります。〔一部新字体〕

「秋冬全く凪、天に一片の雲なき夕、立ちて伊豆の山に落つる日を望むに、世に斯る平和のまた多かる可しとも思はれず。」
「斯る凪の夕に、落日を見るの身は、恰も大聖の臨終に侍するの感あり。荘厳の極、平和の至、凡夫も霊光に包まれて、肉解け、霊獨り端然として永遠(イタルニテー)の濱に佇むを覚ゆ。」   (相模灘の落日)

「眼を放てば、富士も、相豆の山もすべて紫色になりぬ。やがて日は双肩を揺りて次第に落ち、・・・落つるに従つて、次第に光を収めて金色の空に眼以て見る可き團々たる黄球となり、一秒々々沈み行く。日の沈むに従つて山の紫も漸う濃くなりぬ。」   (秋晩の佳日)

 私も、かつて夕日の写真を撮りに逗子マリーナの岸壁によく行きました。
手前に江ノ島、その向こうに黒い富士、そして影絵のような伊豆半島に沈む夕日。

 やっぱり適わないかもしれません、鎌倉、逗子、葉山から見る夕日には。でも、ここ明石では水平線に沈む陽光を見届けることができます。

 或る方曰く「毎日のようにここに来るけど、こんな日は珍しい」と
  

 背後に目を遣ると明石海峡大橋のたもとのビルがきらきらと
  

 地球の自転を再確認
  

 姫路の沖の家島諸島にあたりに沈んで行きました。
  


 もう一度、蘆花の「自然と人生」

 「やがて日は伊豆の山にかゝり、次第に沈みて次第に缺け、果ては金の櫛となり、點となりて、終に入りぬ。・・・乾坤の間生命なるものの今しも過ぎ終りたる心地す。光は実に生命なる哉。されど猶日の入りしあとに餘光あり、相豆の山々濃き紫となり、また藍となりぬ。日の入りたるあとの空は金より朱となり、更に焦れ燻りたる黄色となり、云々」    (秋晩の佳日)  


    海の果て見ゆるが如き冬茜   弁人


 昨年の今の時期にも記しましたが、12月も半ばになると、ほんの僅かですが日脚が伸びているのです。昼間の時間が最も短いのは冬至。でも、日没がいちばん早いのは冬至より十日ちょっと前なのです。中学生の頃「天文年鑑」を見ていて知りました。

 保育園からの帰り道が少しずつ明るくなってくるかと思うと、ちょっとうきうきしてきます。
 とは言っても、これからが寒さの本番です。関西地方は今日から数日今年一番の冷え込みになるとか。

 そんな中、これから明石よりぐっと冷え込む奈良へ向かいます。今日から週末までの4日間、春日大社の「若宮おん祭り」の見物に出かけます。夜中の儀式やお祭りもあるので、寒さ対策を万全にして出かけることにします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明石海峡大橋展望台

2010-12-10 23:27:22 | 明石風物
12月10日(金)

 KAZU君のお母さん、20日間の海外出張を終えて今週初めに帰ってきました。その間、二人のおばあちゃんが交代で明石にいましたが、やっぱり、幼い子にとって母親が不在というのは精神的に不安があったに違いありません。
 私は保育園の送迎だけを気にかけていればよかったのですが、お父さんの負担とかKAZU君の気持ちとか、気にかかることもあったので、正直のところ、肩の荷が下りた感じでほっとしています。

 それはともかく、お母さんに甘えるKAZU君を前に、まずは一安心。翌日には熊本のおばあちゃんもお帰りになり、また普段の生活のリズムが戻ってきました。

 保育園からの帰り道もすっかり冬らしくなって、夕闇の中を冷たい風を受けながら歩かなければならなくなりました。そんな中で、今日は朝から思ったよりも青空が広がって、昼間は小春日和のような日差しになりました。

 「景色もよさそう、それじゃあ、橋の上からの景色を見に行こう」と出かけました。実は、このあいだ熊本のおばあちゃんを案内したのですが、その日は雲が多い日で、今度天気のよい日にまた来てみようかなと思っていたのです。

  舞子駅前の歩道橋を渡れば、すぐ前が海峡です
  

 私の所からは電車で1駅、車でも数分で行けますが、ここは神戸市の垂水区です。明石海峡大橋というのは、文字どおり明石海峡の上に架けられた橋ということで、実は、橋自体は神戸市から架けられているのです。

 エレベータを昇って行くと、高さ約50メートルの「海上プロムナード」という遊歩道があります。

  高所恐怖症の人には、ちょっと勧められない景観
  
 そう、横浜のベイブリッジにも「スカイウオーク」という遊歩道があって、昔、私の子どもが小さかった頃に行った覚えがあります。

  小さな観光船通過
  

  「うず潮」も見られます
  



     冬空や冷たき潮のせめぎ合い   弁人


  展望台の西からは、明石の町を一望
  

 入場料は大人300円(平日240円)で、65才以上は半額になります。ちなみに、明石の天文科学館は、入館料にプラネタリュウムの料金も含まれているので、展望台に行くだけでも700円かかります。景色を見るだけなら標高も高いこちらがおススメです。

  東は大阪湾、眼下に垂水の海水浴場と舞子公園
  
 八角形の建物は「移情閣」と言って、辛亥革命の立役者「孫文」の記念館になっています。

  下に降りてから「移情閣」へ
  
 館内には、もちろん展示物もたくさんありましたが、とにかく窓からの眺めの良いこと。このあたり、須磨・垂水・明石は、まさに関西を代表する古くからのリゾート地なのです。「源氏物語」の舞台となるのも頷けます。雰囲気は、関東の湘南・大磯といった所に似ているのかもしれません。



    孫もまたひと波越えし小春かな   弁人



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初冬の、信貴山・吉野・当尾路

2010-12-04 16:37:16 | 旅行
12月4日(土)

 メリケンパークでKAZU君とミニ列車に乗った後、KAZU君の甘え係を熊本のおばあちゃんと交代した妻君を送って、私も一緒に奈良へ向かいました。

 電車やバスではなかなか行きづらい所へ行ってみようということになって、まずは信貴山の麓の龍田大社へ

  いやぁー、見事なもみじ
  

  官幣大社の風格
  

 創始は崇神天皇とも天武天皇とも。祭神は、天御柱神・国御柱神となっていますが、風の神をお祀りしている神社として有名です。

  拝殿から奥を覗くと
  

 本殿が奥に吹き抜けになっていて、後ろの山の緑が見えています。そこに吹いている風が神様のようで、不思議な光景です。


    帯解の子に吹く風さやかなり   弁人


 さらに、龍田大社から車で20分ほど、信貴山の中腹にある朝護孫寺へ。

  参道から眺める毘沙門堂
  

  日本一大きい?虎の張りぼてが
  

 その昔、聖徳太子が物部守屋を討伐しようと信貴山に至り、戦勝の祈願をすると、天空から毘沙門天王が出現し、必勝の秘法を授かったとのこと。それが奇しくも寅年、寅日、寅の刻であったということから虎に所縁の寺となっています。
 タイガースファンにはたまらんでしょうね、きっと。


    黄の法被必勝祈願か落ち葉踏み   弁人


 ところで、来年の春の楽しみは「吉野の千本桜」です。その頃はものすごい人出だそうで、「それじゃあ一回下見に行っておこう」ということになって、翌日は、吉野山に登りました。

  金峯山寺の蔵王堂
  

 弥勒菩薩・釈迦如来・千手観音菩薩の三体の、迫力ある本尊蔵王権現像が特別開帳されていて、平日にもかかわらずけっこうな人が訪れていました。

  一目千本桜で人気の吉水神社
  
 ここは、後醍醐天皇の御所として、義経の隠れ家として、秀吉の花見の宴として有名な所です。

  中千本から眺める如意輪寺
  


      霜月の吉野の山に身を清む   弁人



 明石に戻る日の朝、奈良から京都へ入る府県境いを越えた所、当尾(とうのお)の岩船寺へ。ここも車がないとなかなか足を運ぶことができません。
  
   
 朝日に輝く三重塔の姿はこの世のものとは思えませんでした。今年も、目に焼きつくような光景に何回か出会ってきましたが、その中でも絶品の光景。ことばを失いました。

 すぐ近くに浄瑠璃寺があります。昔、大学時代の友人が「新婚旅行で行きたい」と言っていたのを思い出しました。

  本堂の九体阿弥陀堂
  
 「往生」には「下品下生」から「上品上生」までの九段階があるということで、九体の阿弥陀様が一堂に並んでいます。もちろん拝観もできますが、池をはさんで此岸から彼岸の仏を拝むのが正式なのです。

  本堂から池の向こうに、このお寺も趣のある三重塔が
  


     落ち葉舞ふ朝日の中に浄土あり   弁人


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋の終わりにミニ列車で遊んで

2010-12-02 16:40:22 | KAZU君
12月2日(木)


  
 模型のミニ列車といってもバカにはできません。ちゃんと石炭を燃料にして走っています。

 KAZU君の両親の勤める会社は鉄道車両も作っているので、鉄道の大好きな社員がたくさんいるのでしょう、こんな大がかりな模型を作ってしまうのですから。

 28日の日曜日。神戸海洋博物館前のメリケンパークで、昨年の7月に続いての「ミニ鉄道走行会」がありました。KAZU君は二回目の乗車になります。
      
 今回は半分以上が本式のミニ蒸気機関車で、汽笛の音も蒸気も煙も臨場感たっぷり。でも、順番待ちの行列の中、近くで鳴った汽笛の音にびっくりしてしまったKAZU君、初めは少々怖じ気づいて腰が退けてしまいました。

  最初はおじいちゃんと500系新幹線に
  

  二回目はお父さんとSLに
    
 すっかり面白くなって「もうイッカイ、もうイッカイ!」。大丈夫、逗子と熊本の二人のおばあちゃんが順番待ちをしていてくれたので、もう一回乗れそうです。
  

  最後は、おばあちゃん二人も一緒に電気機関車に
  


     行く秋や遊具の電車軽やかに   弁人


 長期出張中のお母さんは、アメリカからブラジルへ移動。このあとヨーロッパを回って帰ってくるとのこと。お母さんが恋しいKAZU君を少しでも慰めてあげようと、逗子のおばあちゃんが明石に来てくれていましたが、先週末には、熊本からもう一人のおばあちゃんも駆けつけてくれました。
 ということで、おばあちゃんが二人になって少し戸惑うのではないかと思いましたが、聡明なKAZU君、ちゃんと心得て、いつもの倍甘えることのできる最高の日曜日となりました。
 お母さんが帰って来るまであと一週間余り。後半は熊本のおばあちゃんに甘えることになりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする