11月29日(火)
「おばあちゃん、いつ遊びに来る?」
「うん、かークン、朝いつもいい子で保育園に行けるから、あと二つ三つ寝たら、おばあちゃん来てくれるで」
小さい子は、いくらおじいちゃんと仲良しでも、やはりおばあちゃんのほうが温かみがあって好きなのでしょう、さかんに会いたがります。
そこで、勤労感謝の日の休日におばあちゃんに来てもらって、一緒に天文科学館のプラネタリウムへ行って、シゴセンジャーに会いに行く約束をしました。
「おじいちゃん、明日な、奈良へおばあちゃんを迎えに行くから、いい子で待っとってな」
「かークンも迎えに行く!」
「かークンは保育園に行くのがお仕事だからね。お友だちと仲良く遊んでいたら、今度おばあちゃんが迎えに来てくれるよ」
こんなやり取りをして、翌日、初冬の飛鳥路へ向かいました。
今年の秋は、比較的穏やかで暖かい日が多かったせいか、立冬を迎えて半月にもなるのに、鮮やかな錦秋の景色にはもう少し時間がかかりそうな気配です。
調査・整備中のキトラ古墳周辺の秋景色
吉野道を南下してまもなくのところにある壺阪寺
西国三十三所第六番観音霊場で、ご本尊は千手観音坐像です
失明回復祈願にまつわる、お里・沢一の夫婦愛を描いた浄瑠璃「壺坂霊験記」の舞台になっているお寺で、眼病封じに霊験あらたかな観音様として信仰を集めています。
山の中腹にあるので、飛鳥の里方面の眺望が絶品です
壺坂寺からさらに山へ入り、沢沿いの小道を登って行くと、こんな山深いところによくぞ作ったものだと思われる城跡があります。
紅葉のきれいな高取城址
山あいの城あとひそか夕紅葉 弁人
人影もまばらで、こんなぶっそうな立て札も
天守台より吉野・大峰・大台ケ原方面の眺め
冬待つや吉野大峰に薄日射す 弁人
さて翌日。妻君と明石に戻る日の朝、帰りがてらに車を京都方面へ走らせました。
まずは、宇治の三室戸寺へ
ここも西国観音霊場第十番目の札所で、千手観音がご本尊になっています。
本堂の前から望む秋色の佇まい
池の周りを回遊する庭園も趣がありました
そして、真紅のもみぢの色合いでは天下一品の円通寺へ
三年前、明石暮らしを始めた年のちょうど今頃、一人でぶらっとやって来て、あまりの美しさにことばを失ってしまったお庭です。
整然とした生け垣に杉木立。その杉の木の間に比叡山の正面を借景として置いたスケールの大きい、苔と岩のお庭です。品種はわかりませんが、ここのもみぢは日本国内では、ここと東京の東宮御所との二ヶ所にしかないそうで、とにかく比類ない紅の鮮やかさに圧倒されます。
とは言っても、関西暮らしも残り少ない妻君をせっかく連れて来たのに、今年の紅葉の進み具合は一週間ほど遅れているようで、まだ色づいていない葉も残っていました。
和尚さんから「機会があれば雪景色もぜひ」というお話をいただいて、「正月明けにでもまた」と思いつつお寺を後にしました。
明石へ戻る前にもう一ヶ所寄ってみようかということで、金閣寺前から西大路を下り、北野天満宮へ行ってみました。
ここには、都を守るために秀吉が作った土塁が残っていて、「北野の御土居」と言われる紅葉の名所があります。
ここも見頃には少し早かったのですが
北山から流れる天神川に沿う小道は御土居の下の低い所にあって、その両岸の紅葉を土塁の上から見下ろす美しさは、テレビなんぞでよく紹介されますが、色づき始めの頃は、下から空の光りにかざすように眺めるのがいいようです。
せせらぎの音も包んで薄もみぢ 弁人
初冬の一日はあっという間に夕暮れが迫って来ます。このあと慌ただしく名神高速・中国道・山陽道を通って、なんとか17時過ぎにKAZU君の待つ保育園にたどり着くことができました。
「おばあちゃん、いつ遊びに来る?」
「うん、かークン、朝いつもいい子で保育園に行けるから、あと二つ三つ寝たら、おばあちゃん来てくれるで」
小さい子は、いくらおじいちゃんと仲良しでも、やはりおばあちゃんのほうが温かみがあって好きなのでしょう、さかんに会いたがります。
そこで、勤労感謝の日の休日におばあちゃんに来てもらって、一緒に天文科学館のプラネタリウムへ行って、シゴセンジャーに会いに行く約束をしました。
「おじいちゃん、明日な、奈良へおばあちゃんを迎えに行くから、いい子で待っとってな」
「かークンも迎えに行く!」
「かークンは保育園に行くのがお仕事だからね。お友だちと仲良く遊んでいたら、今度おばあちゃんが迎えに来てくれるよ」
こんなやり取りをして、翌日、初冬の飛鳥路へ向かいました。
今年の秋は、比較的穏やかで暖かい日が多かったせいか、立冬を迎えて半月にもなるのに、鮮やかな錦秋の景色にはもう少し時間がかかりそうな気配です。
調査・整備中のキトラ古墳周辺の秋景色
吉野道を南下してまもなくのところにある壺阪寺
西国三十三所第六番観音霊場で、ご本尊は千手観音坐像です
失明回復祈願にまつわる、お里・沢一の夫婦愛を描いた浄瑠璃「壺坂霊験記」の舞台になっているお寺で、眼病封じに霊験あらたかな観音様として信仰を集めています。
山の中腹にあるので、飛鳥の里方面の眺望が絶品です
壺坂寺からさらに山へ入り、沢沿いの小道を登って行くと、こんな山深いところによくぞ作ったものだと思われる城跡があります。
紅葉のきれいな高取城址
山あいの城あとひそか夕紅葉 弁人
人影もまばらで、こんなぶっそうな立て札も
天守台より吉野・大峰・大台ケ原方面の眺め
冬待つや吉野大峰に薄日射す 弁人
さて翌日。妻君と明石に戻る日の朝、帰りがてらに車を京都方面へ走らせました。
まずは、宇治の三室戸寺へ
ここも西国観音霊場第十番目の札所で、千手観音がご本尊になっています。
本堂の前から望む秋色の佇まい
池の周りを回遊する庭園も趣がありました
そして、真紅のもみぢの色合いでは天下一品の円通寺へ
三年前、明石暮らしを始めた年のちょうど今頃、一人でぶらっとやって来て、あまりの美しさにことばを失ってしまったお庭です。
整然とした生け垣に杉木立。その杉の木の間に比叡山の正面を借景として置いたスケールの大きい、苔と岩のお庭です。品種はわかりませんが、ここのもみぢは日本国内では、ここと東京の東宮御所との二ヶ所にしかないそうで、とにかく比類ない紅の鮮やかさに圧倒されます。
とは言っても、関西暮らしも残り少ない妻君をせっかく連れて来たのに、今年の紅葉の進み具合は一週間ほど遅れているようで、まだ色づいていない葉も残っていました。
和尚さんから「機会があれば雪景色もぜひ」というお話をいただいて、「正月明けにでもまた」と思いつつお寺を後にしました。
明石へ戻る前にもう一ヶ所寄ってみようかということで、金閣寺前から西大路を下り、北野天満宮へ行ってみました。
ここには、都を守るために秀吉が作った土塁が残っていて、「北野の御土居」と言われる紅葉の名所があります。
ここも見頃には少し早かったのですが
北山から流れる天神川に沿う小道は御土居の下の低い所にあって、その両岸の紅葉を土塁の上から見下ろす美しさは、テレビなんぞでよく紹介されますが、色づき始めの頃は、下から空の光りにかざすように眺めるのがいいようです。
せせらぎの音も包んで薄もみぢ 弁人
初冬の一日はあっという間に夕暮れが迫って来ます。このあと慌ただしく名神高速・中国道・山陽道を通って、なんとか17時過ぎにKAZU君の待つ保育園にたどり着くことができました。