閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

朝ねぼう

2006-11-05 13:39:45 | 日々

3日連続で朝8時近くまで寝ていました。
うわー、ひさしぶりだ。日があたってから起きるなんて。
かけぶとんの上で猫も熟睡しています。
そうか。どうしてこんなにゆっくり寝られたのかと思ったら、
誰も「朝メシくれー」と騒がなかったからですね。
このところ、ちょっと遅めにお夜食をあげてたし。
黒猫ズもずいぶんとオトナになったもんです。よしよし。

Bowerbirdという奇妙な鳥を見るために
オーストラリア北東部のケアンズに行っているMから電話。
「いやー、もう、すごいすごい。いいよー、こっちは」と嬉しそう。
サテンとグレイトとゴールデンとトゥースビルド(すべて鳥の名)と、
おまけにカモノハシやオポッサムなどいっぱいいるんだって。

鳥の巣博士の今回の遠征のお目当ては、じつは鳥の巣ではなく、
Bowerbirdが求愛用に作る特殊な建造物です。
この鳥のオスたちはみんなマニアックな蒐集家で、
サテンは「青い羽」、グレイトは「白い貝殻や骨」など、
それぞれ決まったお宝を大量に集めてきて、
地面に小枝でステージを作って飾りつけ、
メスが見にくるとそのまわりで踊ったりする
…という、かなりヘンテコリンな連中。
鳥類学の世界でも、まだまだ謎の多い鳥なのです。
はたして博士はその謎をとくことができるのか、乞うご期待!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あみもの

2006-11-04 10:19:19 | 日々

帰宅したKが、通学カバンから取り出したもの。
まずは、からっぽのお弁当箱。
つづいて、ビニール袋に入った毛糸と編み針。
…毛糸?

女子に混じって男子3名だけが「被服制作」を選択していて、
その課題が「棒針編みのマフラー」なんですって。
なぜ「被服」かっていうと、他のがどれもつまんないから、って、
いかにもこのヒトらしい消去法の選択なのでした。

紺色の太目の毛糸で、網代模様というのか、
表編み・裏編み5目ずつ10段のチェックになっています。
棒針初心者にしては、編み目もまずまずそろっているし。
長さは現在20センチ弱。
うーん、2学期中にマフラーにするには、
ちょっとがんばらないとだめなんじゃないかな?

いま全国の高校で騒ぎになっている「履修不足」は、
Kの行ってるところではまったく問題ないみたい。
それどころか美術は毎日2~3時間ずつあるし、
のんびり編み物の時間などもあるわけで…
それはそれで、大丈夫なのかい?って気もしますけども。

来年も被服をとると、浴衣の縫い方を教えてくれるそうで、
それはぜひ習ってほしい、とわたしは思うのですが、
(かっこいいじゃないですか、浴衣を縫える男の子なんて)
来年は国語をとりたいから被服はやめるんだって。
ざんねん。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

急性園芸熱

2006-11-02 08:45:08 | 日々

オーストラリアに出かけるMを駅まで送った帰り、
チューリップの球根の50個入り袋を買ってきました。
今までのはぜんぶ、いのさんが掘って食べてしまったらしい。
毒のある水仙と彼岸花だけ、食べないで残っていました。

チューリップは、もういいや、と思っていたけれど、
今年の春、ぽっかり咲いた真紅のチューリップの花を、
黒猫がじいっと不思議そうに見つめて、
ちょいちょいと手を出しては揺らして…
あの光景を、どうしてももう一度見たくなったから。

50個では多すぎるだろうと思ったのに、
あちこちに植えてまわったら残らなかった。
なんだか植え足りない、という気がしきりとするので、
シャベルを持ったままうろうろする。

壁ぎわの花壇には、ミニアイリスの球根を1ダース。
ほんとは、この花壇はあまり好きじゃない。
割れたガラスや瀬戸物がたくさん入っているので。
もうずっと前、土を捨てさせて欲しいというトラックがきて、
ごみの混ざっていない山土だと言うのを信じて
庭にいれてもらったら、それは嘘で、ガラスだらけだった。
何年たってもガラスはなくなりません。
うっかりさわれないし、さわりたくないから、ここだけ、
いつまでたってもいい土にならないのです。

苺畑の端っこには、オキザリス(花かたばみ)を。
ここには半ば野生化してしまった花手毬も住んでいて、
ときどき気まぐれに花をつけています。
黒い大きなアリの巣があるはずだけど1匹も見あたらない。
もう冬眠してしまったのかな。

アトリエの前の枯れたコスモスを片付けようとしたら、
小さい小さい花が少しだけ残っていて、
隣の月見草にも小さい小さい花が少しだけ残っていて、
その色の取り合わせがきれいだから、抜くのが惜しい。
チカラシバの大きな株が邪魔な場所にあるけれど、
露に濡れた穂が朝日に光るのはうっとりする眺め。

朴の木の大きな枯葉が、ばさっと音を立てて落ちてきます。
湿った古い木の枝には、貝殻に似た白いキノコの行列。
咲いても、枯れても、朽ちてさえも、植物は美しい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リドリー・スコット

2006-11-01 09:32:54 | 日々

朝、たまにKを車で送っていきます。
ふだんはバス通学なのですが、田舎なので本数が少なく、
始発がここを通るのが7時40分で、これが1時限目にぎりぎり。
朝補講なんかはもちろん受けられないし、
(本人も受ける気まったくないので、それはいいんだけど)
何か用があって早めに行かなきゃいけないときは
バスでは間に合わないのです。

正門に乗りつけるのは嫌なので、少し離れたところで降ろして、
田んぼの中の細道を歩いて行くのを見ながら
ターンして帰ってきます。
じつは、この帰り道がたのしみ。
秋から冬にかけて、とても光のきれいな場所があるからです。

山間の川に沿った細いくねくね道で、両側にはヒノキ林。
斜め前方から朝日がさしこんで、朝靄に光のすじができる。
『ブレードランナー』のリドリー・スコット光線。
その光の中をとおりぬけます。ほんの10秒か15秒くらい。
それはほんとうに息をのむような美しさ。

季節とか、お天気とか、時間とか、太陽の角度とか、
いろんな条件がそろったときにだけ見ることができる光です。
いつも決まった場所。車で20分ほどの間に、一か所だけ。
前に読んだ大島弓子さんの作品にあった
「レンブラント光線」という言葉を思い出します。
リドリー・スコットとレンブラントでは微妙に違う気がするけど、
あれを林の内側から見あげたらきっとレンブラント。

この光のあたる場所は、初夏のある時期になると、
ハッカに似たいい香りでいっぱいになります。
車をとめて探したことがあるけれど、何の植物が香るのか、
どうしてもつきとめることができませんでした。

魔法にかけられた秘密の場所。
天使の立っているところ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする