閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

いそがしい

2018-03-26 15:24:54 | 日々

…というのは、閑猫ではなくて、鳥の話。
桜が咲けば、巣作りの季節です。

2月のうちにMがあちこちの木につけておいた巣箱(ヤマガラ・シジュウカラ用)は、もうほとんど入居者が決まっていて、早いペアはすでに巣作り作業を始めている。
まず底に緑の苔を厚く敷く。
その上に動物の毛をふかふかに敷き詰める。
苔はそこらにいくらでもあるし、山には鹿や狸の毛もあるだろうけど、わが家では1年分ためておいた極上の猫毛を、ここぞとばかり提供する。
そのまま置くと風でふわふわ飛んで散らばってしまうし、地面で拾っていると猫に狙われて危険なので(今年はコマ吉が熱心に張り込んでいるし!)、毎年あれこれ工夫をこらすが、なかなかうまくいかない。
昨年は、百円ショップのペン立てに詰めて柱にくくりつけることを思いついたが、底はメッシュでないので、雨が降ると水がたまってしまう欠点があった。
今年はさらに改良して、底に水抜きの穴を開けた上、小石をひとつかみ入れて安定を良くした。
上面は、空から見つけやすいようにふたはせず、紐で十文字におさえて、風で散らないようにしてある。
これでばっちりです。

来ました。ヤマガラさん。

 

えーっと、どの色にしようかなっと。

 

まずは、これだな。

薄い色から先に持って行く、ような気がするけど、ちゃんと調べたわけではないから、よくわからない。べつに色の問題ではないかもしれない。

 

数秒おきに周囲の安全確認もするので忙しい。 

 

 

 

だいぶ口いっぱいになってきた。 

 

もうそれくらいでいいんじゃないの? 前が見えなくなっちゃうよ?

 

いーえ、まだまだッ!

離れたすきに他の鳥に取られると思うのか、無理して持てるだけ持って行こうとする。
よくばりすぎて、途中で落としてしまうこともある。

行く先を見ていたら、家の南側のソメイヨシノの巣箱だとわかった。
この巣箱は一番人気があるようで、このあいだもヤマガラとシジュウカラがケンカしていたけれど、今年はヤマガラが勝ち取ったらしい。
人気の理由は、居ながらにして花見ができること…ではない。
これから卵を産み、ヒナが孵るころには、花は散って、緑の葉が出ている。
広葉樹の葉は、外敵からの目隠しになるだけでなく、日除けにも、雨風除けにも良い。
それに、桜の若葉にはよく毛虫などがつくし、すぐ下は畑(無農薬有機栽培!)だから、お買い物便利。忙しい子育て中の親鳥には何よりの環境だ。
ヒトの住まいからは「スープの冷めない距離」で、万一何かあったときには騒げば気づいてもらえ、セキュリュティも安心。
鳥もよく考えている。
と言いたいところだけど、ほんとうは鳥は何も考えていない。
すべて本能のまま、神様のプログラムのまま。
しょっちゅう考えすぎては裏目に出る閑猫は、考えない連中をうらやましく思ったりする。
桜の季節には、とくに。

 

コメント
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