弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

鳥人間コンテスト

2006-09-25 00:06:21 | 趣味・読書
9月22日にテレビで久しぶり(何年かぶり)に鳥人間コンテストを観ました。
鳥人間コンテストは、1977年から開催されており、今年で30回です。琵琶湖湖畔の10メートル高さのステージから発進し、着水するまでの距離を競います。
第9回まではクラス分けがありませんでしたが、第10回からは滑空機と人力プロペラ機に分かれました。

30年前にこのイベントが始まった頃は毎年楽しみにしていました。最近はときどきですが。我が母校の活躍については、ホームページで確認していました。

最初の頃は滑空機のみであり、1984年に人力プロペラ機が登場しますがまだ滑空機の方が距離が長いです。1985年に人力プロペラ機がトップを占め、その翌年から人力プロペラと滑空機のクラスが分かれました。
距離100メートル程度から始まった人力機の距離は、その後どんどん伸びていきます。人力機の優勝チームとその距離を下記にまとめてみました。

開催年 回 優勝距離 優勝チーム
        m
1986  10   512 チームエアロセプシー
1987  11   436 日本大学
1990  14  1,810 日本大学
1991  15   500 日本大学
1992  16  2,020 チームエアロセプシー
1993  17  2,181 日本大学
1994  18  2,372 日本大学
1995  19  8,764 チームエアロセプシー
1996  20  9,762 大阪府立大学
1998  22 23,688 チームエアロセプシー
1999  23  4,913 大阪府立大学
2000  24  7,946 大阪府立大学
2001  25  3,824 東京工業大学
2002  26  6,201 東京工業大学
2003  27 34,654 日本大学
2005  29 22,813 日本大学
2006  30 28,628 東北大学

この20年間の距離の伸びは本当に驚異的です。それだけテクノロジーが進化したのですね。
また、今まで優勝したチーム数は5チームです。この5チームが、連綿と技術の向上に努め、毎年次の世代に技術を引き継いでいるのですね。
優勝チームは1時間以上の滞空時間でこれだけの距離を飛びます。パイロットは1時間以上もペダルをこぎ続けるわけですが、それだけ持続できる程度の少ない負荷でも、ちゃんと滞空しているわけですから、これこそ技術の賜だと思います。

そこで今年の実績です。
私はテレビ番組を途中から見ました。ちょうど人力機クラスで優勝した東北大学チームの状況が放映されていました。すばらしい飛行だったと思います。
東北大と雌雄を決すると思われた日大チームは、出だしは好調だったのですが、突然力を失って5451mで着水しました。これでも立派な記録ですが。パイロットの談話では、いつもに比べてペダルが重かったということです。今回の機体は、可変ピッチプロペラをはじめて採用したようですが、そのあたりがうまく作動しなかったのでは、と想像しました。
東北大と日大以外は、いずれも1000m以下の記録でした。発進直後に主翼が折れて墜落、という機体が多かったようです。限界ぎりぎりの設計ですから、そういうことも多発するのでしょう。
東工大はコースアウトで失格でした。パイロットのブログによると、テトラポットに激突し、パイロットが踵に大けがを負ったようです。現在リハビリ中のようですが、早い時期の回復を願うばかりです。

今年からの新種目で、タイムトライアル部門が始まりました。片道1000mで往復し、スタートからゴールまでのタイムを競うものです。
チームエアロセプシーただ1機がゴールに達し、7分2秒の記録を達成しました。
このチーム、上記の記録を見ると、1998年までは人力プロペラ部門で常にこの部門をリードし、1998年にははじめて10kmを超えて23kmというとんでもない飛行をしたチームです。そころが忽然とその後姿を消します。そして今年、新しいタイムトライアル部門に登場します。1998年と同じ機体、同じパイロットです。そして優勝をさらってしまいました。
チームエアロセプシーが堅実に飛行して堅実な記録を出したのに対し、これに対抗する大阪府立大学は、折り返し2分42秒というとてつもない高速飛行を行いました。ところがゴール100メートル手前で、突然に力を失い、着水してしまいました。パイロットの酸欠だった模様です。6分の記録を狙える機体だったようですが、5分を切るペースで飛んでしまい、それが敗因だったようです。若さが出たといえばそれまでですが、凄い飛行をしたものです。

人力機部門とタイムトライアル部門で優勝を狙うチーム、それも優勝経験のある5チームをはじめとするチームは、すでに来年に向けて世代交代を完了し、設計や実験に取りかかっていることでしょう。これからも技術力を伸ばし、そしてガッツのある人材を輩出して欲しいものです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 和田堀廟所と塩硝蔵 | トップ | ノイスのIC発明と弁理士 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

趣味・読書」カテゴリの最新記事