弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

作家の新井素子さんとオアシス・親指シフト

2017-10-09 11:06:09 | 趣味・読書
日経新聞の夕刊最終ページに「こころの玉手箱」というコラムがあります。毎週月曜から金曜まで、一人の著者が連続で記事を書いています。
10月2日からの5日間は、作家の新井素子さんでした。
第2回、10月3日の記事では、写真として「オアシスのマグカップ」が掲載されています。OASYSとあります。OASISなら砂漠のオアシスですが、OASYSというと・・・、これは富士通製のワープロ専用機「オアシス」を意味します。さて。


読んでみると、たしかにワープロのオアシスでした。
35年前に、新井さんはワープロのオアシスを購入し、マグカップはそのときのおまけだったとのことです。35年前というと1982年(昭和57)ですか。30万円で購入したと記事にあります。
ネット上では、1982年のマイオアシスは30万円では買えず、70万円ぐらいしたのではないか、という意見が多くありました。

記事の最後は親指シフトに関してです。
『そんでもって、私は、未だに、オアシスと親指シフトを使い続けている。いや、使ってみると、これは日本語を書くのに本当に適しているシステムなのだ。
ただ、特殊なキーボードが必要であり、日本語を書く以外のことはあんまり得意ではないので・・・今では親指シフト、扱っている店が、ほぼ、ない。
でも、奇蹟のマグカップと同じで、親指シフトにも、是非、是非、生き残り続けて欲しい。
切実に私は願っている。』

親指シフトについて説明しましょう。
パソコンでの日本語キー入力は、現在ローマ字入力がほとんどであり、一部にJISかな入力が使われていると思います。
下の写真が、私が使っている親指シフトキーボード(Rboard Pro for PC)です。

キーの最下段、左からCtrl - Alt - E/Jと並んだその右の無印が左親指キー、さらにその右が右親指キーです。
文字入力の各キーに、ひらがなが2種類配列されているのが、キーの刻印からわかります。普通に「J」のキーを押すと下の刻印の「と」が入力がされます。また、右親指キーと「J」を同時に押すと上の刻印の「お」が入力される、というのが親指シフトです。
日本語入力が得意であり、文筆業の方には今でも愛用者が多いようです。
まずは今回の新井素子さんです。
姫野カオルコさんも親指ユーザーであり、こちらで記事にしました。

弁理士も明細書執筆が仕事であり、文筆業のようなものです。親指シフトが最もふさわしい職種の一つと思うのですが、私が勤める事務所を含め、親指シフトを使っている弁理士は私以外におりません。残念なことです。

現在のところ、親指シフトはまだ絶滅には至っていません。いろいろ工夫をすれば、パソコンを親指シフト環境で使うことが可能です。何とか私がパソコンを使う間だけでも、絶滅せずに生き残って欲しいと思っています。

ところで、私が最初に購入したワープロ専用機は、オアシスLite F(詳しくはこちら)で、1985年頃です。新井素子さんがオアシスを購入した数年後ですね。本体(ディスクなし)が10万円前後、さらにフロッピードライブ、プリンターを込みで購入したら50万円前後だったと思います。本体はノートタイプで、液晶は狭く、文章が4行しか表示されませんでした。
その頃、「日本はワープロの出現により、日本語入力環境に革命が起こるだろう。100年前に英語圏でタイプライターの出現で革命が起きたと同様に。そこで自分も、ワープロを極めよう。」と考え、入力タイプをどれにするか比較検討しました。当時、親指シフトがベストであるとの結論にいたり、オアシスLite Fを購入し、その日からタッチタイプの練習を開始したというわけです。

新井さんは1960年生まれとありますから、最初にオアシスを購入したとき、まだ22才ですか。デビューしたての若い頃、よく思い切って高価なワープロを購入したものと感心しました。
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