弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

弁理士試験~FD改竄~尖閣問題

2010-09-24 21:59:07 | 弁理士
《弁理士論文試験合格発表》
9月24日に弁理士試験の論文式試験合格発表がありました。本年の合格者は822人でした。
合格したみなさん、おめでとうございます。
例年のように、論文試験合格者の推移を記録します。

     受験者数 論文 最終
            合格 合格
平成03年度 3217     96
平成07年度 4177    116
平成10年度 4362    146
平成11年度 4700 223 211
平成12年度 5166 250 255
平成13年度 5599 306 315
平成14年度 6714 470 466
平成15年度 7953 551 550
平成16年度 8883 634 633
平成17年度 9115 738 711
平成18年度 9298 655 635
平成19年度 9077 589 613
平成20年度 9679 601 574
平成21年度 7354 944 813
平成22年度 6582 822
     (短答受験者)

《郵便不正事件~FD日付改竄》
今回の大阪地検特捜部によるFD日付改竄を最初に明らかにしたのが朝日新聞ということで、本件の報道については朝日新聞の独走状態が続いています。
昨日23日朝刊の段階で、「FDに時限爆弾を仕掛けた」という前田容疑者の発言をスクープしています。相当に先行した取材がすでに行われているのでしょう。
『検察関係者によると、今年1月に大阪地裁で開かれた厚労省元局長の村木厚子氏(54)=無罪確定=の初公判で、FDに記録された最終更新日時内容が問題になった。このため、同僚検事の一人が東京地検特捜部に応援に行っていた前田検事に電話をかけ、「FDは重要な証拠なのに、なぜ返却したのか」と聞いた。これに対し、前田検事は「FDに時限爆弾を仕掛けた。プロパティ(最終更新日時)を変えた」と明かしたいう。
さらに同僚検事が、最終更新日時が「6月1日」と書かれた捜査報告書が特捜部の手許を離れ、村木氏の裁判を担当する公判部に引き継がれたことを伝えると、驚いた声で「それは知らなかった」と語ったという。』(23日朝日朝刊)

最高検に逮捕された前田容疑者は、当初「過失だ」と言い張っていたようですが、報道機関にこれだけの内容を曝露されたら、逃れようがありません。そもそもこの期に及んで、すぐにばれる嘘で言い逃れするなど、往生際が悪すぎます。

そして、FD日付書き換えの事実を知った大阪地検上層部の行動です。
『(大阪地検)の一室で今年1月30日、2人の検事が、特捜部の当時の副部長と向き合っていた。1人は目に涙を浮かべていた。
「前田検事が大変なことをした。村木さんは無罪だ」』
副部長と向き合った一人は、上記「FDに時限爆弾を仕掛けた」と前田容疑者から聞かされた検事です。
副部長は前田検事に電話をかけ、前田検事から「誤って日付を変えたかもしれない」と聞かされ、特捜部長とともに「問題ない」という結論を出してしまいます。大阪地検の検事正と次席検事にもその旨報告したということです。
前田検事の話を真に受けた副部長、その報告を受けて聞き流した検事正、いずれも、もしこれが本音だとしたら、とても検事という職を任せておくことはできません。即刻辞表を出すべきです。また、怪しいと知りながら隠蔽したのだとしたら、隠蔽の罪は免れません。

今しばらくは、最高検による捜査も朝日新聞の報道を後追いすることになりそうです。

《尖閣問題》
9月24日の朝日新聞朝刊に「中国、レアアース禁輸」の一面記事が載っています。ネットニュースにも載っていませんでした。わずかにニューヨークタイムスが報じていたようです。これも朝日のスクープでしょうか。
さらにフジタ社員4名が中国で拘束されたとのニュースです。
そして本日15時、那覇地検は中国人船長を釈放しました。鈴木亨次席検事は記者会見で「我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当ではないと判断した」と述べ、日中関係悪化が判断材料となったことを認めました。
○この時期に釈放するぐらいなら、そもそも勾留延長を行わずに釈放する方がはるかに得策だったと思います。勾留延長して中国のメンツまで潰して、何を捜査しようとしたのでしょうか。
○検察が記者会見で「政治判断」を理由に述べるのは異常です。何で「捜査の関係で拘留が必要なくなったから」と述べないのでしょうか。実際に政府から圧力がかかり、それを不服としてこのような発言をしたのでしょうか。
○今回のように極めて政治的に微妙な事件において、相手国と裏取引して釈放時期を決めるなど当然に必要でしょう。ただしそれを公表する必要はありません。そのような大人の外交を、民主党政権は中国・那覇地検との間で遂行することができなかったということでしょうか。
コメント
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