この時期になると決まって太平洋沿岸部に大雪をもたらす気圧配置が、今年に限っては現れない。
気温上がらず小雪もチラつく寒い一日となった。
繰り返される三寒四温、今日は冬の出番となった中にあって、庭のカタクリはもうじき花を着ける。
暦は春中盤、遅れがちの北東北渓流もそろそろ動き出してもよさそう。
雪シロが本格化する前のこの季節、例年ならヒカリの好機のはず。
ヒカリの当たり年と読んだオラ、なかなか聞こえてこない好釣果情報に少々焦りも・・・。
長い冬篭りから目覚めたばかりのこの時期、ヘラブナ釣りは最も難しいと聞く。
前日には20℃前後もあった気温、今日も晴れ間はあっても冷たい風が吹き10度も低下している模様。
それでも北上高地の山懐に抱かれたこの野池には、防寒着に身を固めた何人かの姿。
我らは早速北側の一角に釣り座を並べた。
10:00、彼らはウドンセット、オラは10尺の底で開始。
西から吹き付ける風に波立つ水面と微妙にシモる浮子に悩まされながらの実釣5時間。
いい釣果があったと言う昨日とは一変して、とても気難しい今日の巣離れ鮒。
エキスパートたる仲間にとっても甚だ難しい日だったらしい。
オラに限っては、浮子に感じた確かな魚信は僅かに一度だけと言う辛い修行であった。
次回は温かな日和を選んで・・・。
県内渓流解禁からおよそ1ヶ月、ヤマメの活性が高まるまで釣行は控えるつもりでおったが、今朝のあまりの好天気に急に思い立って気仙川へと向かう。
今年は未だ何処からも爆釣情報が聞こえてこないヘンなシーズン、気仙川もまた同様である。
かつては困った時の気仙川とも言われ、他の川が軒並みダメでもここだけはそれなりに釣れたものだ。
晴天微風の気仙川着10:00、全くの不調だと聞く下流部を避けて、川口で左折して上流部へ。
水辺までクルマが下りられるテポドンポイントを選択。
水温9℃台、これなら毛鉤を振ったとしても型は見られるかも知れない。
ハエ竿5.4m、5本鈎流し毛鉤仕掛け、チャラ瀬の流れが変化する辺りに第1投。
チャラ瀬、トロ瀬とこの時期の適水勢を求めて漕ぎまわる中、岸寄りの深みで初バイト。
やがて毛鉤を銜えて水中で身をよじる銀白色。
昨年出かける機会に恵まれなかったオラにとっては、2年ぶりのヒカリがタモに飛び込んだ。
(以下釣行記へ)
快晴無風、岩洞湖の賑やかに花咲くテント村を横目にオラはR455を東進。
彼岸の入りの墓参りのため、北部陸中海岸の寒村を目指す。
フェリーが行く彼方の水平線を眺めている限り、2年前の大惨事など想像もつかない穏やかな春の海。
しかし渚に横たわるコンクリートの残骸、枯れ草に覆われた建物跡、昔の姿を思い出すことができないほどに傷めつけられた通り、人影の消えた道に我が物顔に舞い降りるカラス、否応なしに大津波の恐ろしさを思い起こさせる景観は震災直後のものとあまり変わってはいない。
一方にはやっと本格的に動き出した高台の住宅地造成工事、漁民の糧たるサケの増殖施設建設、再び観光客を呼び込むための拠点再建、来春の全面開通に向けて突貫工事の三陸鉄道など、建設の槌音が響くシーンも見られ、被災地は今、復興にいたる過渡期真っ只中にあった。
海を見下ろす山の上の墓地に、突然冷たい風が吹いた。
あの日以来、様々の困難を抱えた被災地の人々の心は未だ平常を失ったまま。
未曾有の災害に遭うことなく逝った婆さまは、むしろ幸せだったのかとも思いながら両手を合わせた。