9月最終日、イワシ雲広がる美しい秋の空である。
何処からか初雁（はつかり）の声が聞こえたような気がしたが姿の確認はできなかった。
暦はもう渡り鳥がやって来てもおかしくない季節である。
やがて雲が全天に広がって天気は予報通りの下り坂。
昼前には小雨も降ってきて、爺様は緑地帯の草刈りを中断して家に入った。
北三陸の知人からイワシならぬサンマが届いていた。
いつの頃からか高級魚になってしまったが、年に一度は食わなくちゃ・・・。
朝方の濃い霧が晴れると上空はコバルトブルー。
雨に洗われて透明度が蘇った大気、奥羽の山々も輪郭くっきりに見えている。
遠目ながら稜線の紅葉が微かに感じられる。
いつもなら早い山では彼岸明けにはかなり色付くのだが今年はそうはいかない。
爺様の山歩き、いつの予定にすべきか未だに決めかねているのだ。
北日本は秋雨前線が齎す雨。
この雨は局地的には激しくほぼ一日中降り続くと言う。
爺様は窓越しにキウイの葉を激しく打つ雨音を聞きながらPCに向かっている。
もう爺様の周りには夏の2ヶ月半を楽しませてくれたアユ釣りを連想させるものは何もなくなった。
次の楽しみは山歩きか・・・、ワカサギまではまだ3ヶ月半も間がある。
雨の日は何もすることがなくて・・・。
こんな日が何日も続くとすれば退屈で一気に歳をとってしまうかもしれない。
小雨模様も昼前にはすっかり晴れて、燦燦と降り注ぐ金色の秋の陽射し。
秋彼岸が過ぎると周辺はもうすっかり秋の装い。
近隣のどの家にも色とりどりのシュウメイギクとキキョウが咲き誇っている。
爺様は庭先の陽当たりが強すぎて枯れかかっているウメバチソウやネジバナ、逆にあまりの日陰で生育不良になっているヤマユリやニッコウキスゲなどそれぞれを移植した。
来年は全ての山野草が最適な環境で丈夫に育って欲しいものだ。
一日中雨雲が垂れこめ断続して降る小雨、何やら寂しい一日であった。
今日は北三陸在住の従弟の火葬、オラよりも5歳も若かった。
身内の中で爺様より上の年代は天寿を全うし、順番はいよいよオラたちの年代に移ってきた。
身内の中では爺様は上から3番目、いつお迎えが来てもおかしくない。
具体的にはまだ何もしていない終活、本気で始めなくてはならない。
明け方の気温は一段と低下して10℃、タオル1枚で頑張っていた爺様ももう布団が手放せない。
ふと気が付くと庭先の樹々がほんのり秋色に染まっている。
アケビがもうじき開いて食べ頃を知らせてくれる。
リンゴは既に早生の品種から次々に食い始めている。
と言ってもリンゴの樹は1本しかないが、高接ぎで一枝ごとに9品種が収穫できる。
今年は晩成種フジがどう言う訳か実らず、8品種だけとなってしまった。
今年の春もさらに3品種を接ぎ木したので来年がさらに楽しみだ。
今年はまじめに消毒を行い落葉病を抑え込み、いつもより味のいい実が収獲出来ている。
爺様が住む集落もご多聞に漏れず年々子供が少なくなる。
以前は子供たちがリヤカーを引き資源回収をして、何らかの行事の資金の足しにしていた。
昨今ではそれがなかなか難しくなって、地域の大人たちが面倒を見ている。
05:30、秋の雲がたなびく東の空に陽が昇る。
今日も秋らしい一日になりそうだ。
清々しくも爽やかな朝、爺様は溜めて置いた資源を集積場所に持ち込んだ。
二十四節気秋分はあまりにいい天気。
爺様は来年も気持ちよくアユ釣りに行かして頂くべく、今日は年に何度もない婆様孝行の日である。
紅葉はもう少し先、宮沢賢治記念館の胡四王山でも歩いてみようかと花巻方面へと向かった。
名物の370段もある階段はさすがに遠慮したが、周辺の思った以上に豊かな自然に満足の爺婆。
花壇の日時計が丁度12時を指していた。
真夏のような暑さを避ける木陰のベンチを見つけた爺婆は、園路を通り過ぎる観光客の目に晒されながら、恥ずかしげもなく持参した昼飯を広げたのであった。
天候が回復、前線の北側にある北東北は清々しい乾いた秋の空気だ。
今日は暫く雲の中に没していた奥羽の山々も北上高地の山々も綺麗に見えている。
遠目ではあるが紅葉はまだ早そう、見ごろは10月に入ってからになりそうだ。
今年はリンゴもキウイも過ぎるぐらいに摘果したので何れも姿形がいい。
去年あれほど奇形が出たカキはその時の面影を留めず、これもまたいい姿形だ。
これで味が良ければいいのだが・・・。
時折強さを増してみたり、朝からの雨模様。
最高気温は殆ど上がらず、20℃を超えないかもしれない。
一昨日は真夏日だったのに、いきなりのこの小寒さは爺様には辛過ぎる。
これで遅れている山の紅葉は一気に進むかもしれない。
北東北河川は今のところ若干の増水に留まっているようだが、水温はかなり低下しており、残っていた野アユたちは群れになって先を争うように下流産卵場へと落ちて行ったはずだ。
ここに至っても爺様の頭の中で騒いでいたモノは、これを以て鳴りを潜めるに違いない。
山は雨雲に巻かれ時折パラパラと降ってくる。
昨日の局地的強雨で渇水の阿仁川では70センチほど増水。
これで残っていた野アユは本格的に動き始めたに違いない。
気温は低めに推移、このところの蒸し暑さは感じない一日だ。
今日は彼岸の入り、裏のイチジクは熟し、庭のリンゴは早生種が食べごろになった。
何れも鳥追いのCDをぶら下げた途端、あれほど煩かったカラスなどが寄り付かなくなった。
秋彼岸が近づいても蒸し暑さは止まず今日も真夏日。
上空は青空と秋の雲、午後になって奥羽山脈を越えた積乱雲が頭上に伸びてさらに発達した。
やがて地域には竜巻注意報が発令された。
時折パラパラと小雨、どうやら一発きそうだと思った瞬間耳をつんざく雷鳴が轟いた。
しかし雨域は思いのほか小さく、30分ほどで積乱雲は分解して南へ通り過ぎた。
涼しさは一瞬だけで、地表から立ち上る湿気で蒸し暑さが再び戻ってきた。
これは9/15にアユ釣り千秋楽の行き帰りに撮った秋田駒ヶ岳山群である。
田沢湖スキー場を擁し山頂が雲に覆われているのが男岳、その右側に女岳。
最高峰の男女岳は男岳の陰になって見えていない。
今年は未曽有の暑さが続いているせいなのか秋の訪れはかなり遅れているようだ。
いつもなら稜線の紅葉が見られる時期だが、山頂付近でやっと色付きが始まったばかりだと言う。
今年の爺様は70代最後となる山歩きを予定している。
岩手側国見温泉からにするか秋田側8合目からにするか検討中。
しかし今年のアユ釣りで実感したが、足腰の衰えは如何ともし難く歩きには全く自信がない。
さて・・・・。
本日もすっきり秋晴れとはならず不安定な空模様。
白く輝きながら空高く積乱雲が発達、里山までもが雲に巻かれ、時折パラパラと小雨。
真夏日は解消されているようだが、今日もやっぱり蒸し暑い。
春に購入したおいた材料で日曜大工をしなければならない爺様、この暑さではやる気も起きない。
倉庫の薄暗い場所では真夏に殆ど出なかった蚊が今になって猛威を振るっている。
秋らしい乾いた風が吹くのはいつの日なのだろうか。
アユ釣りを終えた途端北東北はすっかり空気が入れ代わり、もはや涼しさを通り越している。
タオルケット1枚で寝ている爺様は、この秋ついに押し入れから布団を引っ張り出した。
まさしく豊穣の秋、周辺は水田も果樹ももう収穫を待つばかり。
爺様は脚立を持ち出して、大樹になってしまったイチジクに鳥追いのCDをぶら下げている。
これまでカラスなど鳥類の格好のエサ場になっていたが、今年は収穫してみようと思っている。
