街路樹で鳴いていたツクツクホウシが、目の前のカキの木に飛んできて、小ぶりの体に似合わぬ大音量を張り上げる。
朝のうちの薄雲が取れると、久しぶりの赤天気になった。
しかしじっとしていても汗が噴き出すような暑さではなく、どこか清々しい一日であった。
こんないい日和でも、近隣の川はまだまだ高水の真っ只中。
納得のいく釣りが出来ないまま、7月が終わってしまった。
北東北の短い釣期80日のうち、早くも30日を経過した訳だ。
2日陽が照っただけで、米代水系の水位はかなり下がったように思える。
白っ川に着く新垢は良質のはずだし、数日後の平水復帰も見えてきた。
各支流での釣果も、昨日までの細々と1桁台から、今日は嬉しい2桁台が聞こえてきた。
やや1ヶ月続いた濁流の中、どうやら病気もなくアユたちは温存されているらしい。
明日からの中盤戦、是非いい8月になって欲しいものだ。
そろそろ雨期が明けるらしい。
清々しい青空の広がり、透明度を増した空気、彼方には暫くぶりに眺める岩手山。
週間予報欄には懐かしい晴れマークが幾つも並ぶようになった。
大増水中の米代水系も、このあとは順調に水位を下げてくることだろう。
3週間以上まともに竿が入らなかった水系、はたしてアユは温存されているのか、それとも綺麗さっぱり姿を消してしまったのか、週末には出されるのか現地からの再開第一報が待ち遠しい。
北東北は今日も分厚い雨雲の下。
間断なく降る雨、一日中セミも鳴かず小鳥の声も聞こえない。
聞こえるのは飛沫を上げて行き交うクルマの走行音だけ。
植え付けた草花が泥跳ねで弱ったり、次々に根腐れをおこすのは、長雨のせいなのだろう。
北東北河川は長雨が始まった7/8以来、本日が最も水位が低下し先が見えつつあったのに、午後からまたしても増水に転じてしまい、明朝の水位情報を見るのが甚だ怖い。
23時現在、一段と強まった雨音で、テレビの音声も聴き取れない・・・。
このモヤモヤしたものを晴らすには、やっぱりアユ釣りしかない。
高水が続く県内河川だけど、何処か釣りになるところはないものか、とにかく出発08:30。
稗貫川、なんとか我慢できる濁りだが、怖いぐらいの高水でパス。
達曽部川、濁りは気にならず釣れそうだが、道路っぱたの小川なので恥ずかしいからパス。
上猿ヶ石川、独特の黄色い濁りはやっと膝下が見える程度、高水でポイントが潰れている。
それより何より、オトリは何処で買ったら?
てな訳で、クルマは遠野を通り抜け、笛吹峠を越えた。
鵜住居川を上流から眺めながら、甲子川にでも行ってみるつもりだった。
鵜住居川はちょい高水ながら濁りなし、橋野集落を過ぎる頃からアユ竿がポツポツ。
駐車スペースには結構な数のクルマ。
下流に向かうほどに、流れに立ち込むアユ師は増えて、休日と見紛うばかりの数。
釣れるのは良型らしく、竿を絞り込まれて引き抜きに苦労する様子も確認できた。
オラは直ちに下流の釣具屋に走りオトリを購入した。
聞けばこの店の若が毎日30~40尾を獲って、販売しているのだと言う。
話しぶりからすると、上流橋野方面で獲っているらしい。
(以下釣行記へ)
太平洋高気圧の押し上げに例年の勢いが見られず、雨雲は本日も列島を覆い尽している。
日本列島に寒さの夏と長雨をもたらす典型的なエルニーニョ現象である。
「梅雨明け」がないままに、秋を迎えることになるとみる気象予報士さえ居る。
厳寒の頃、氷瀑の発達の度合いで、その年の稲作を占う近隣集落の神事「たろし滝」。
暖冬が祟った今年は、氷柱は崩れ落ち測定不能であった。
ご託宣は「不作もあり得る」だったと思うが、出穂期を迎えつつある稲作は、まさしく低温と日照不足で深水管理を強いられている。
一方北東北のアユ釣りは、今年もまた見事に連動して、ここまでは酷い不調となっている。
さてさてこの先、脳天を焦がす陽射しにはお目にかかることはできないのでありましょうか。
秋田の殆んどが増水川止め状態になって早くも18日を経過。
その間、岩手の増水のない川を探しては釣り歩いていたが、ここへきてついに八方塞となった。
これまで比較的好調だった川は増水中、釣り可能水位の川は魚影があまりに薄い。
今日のオラはとうとうアユ釣りを断念してヘラブナに・・・。
アユのシーズンに他魚種への浮気は、釣歴40年で初めてのことだ。
そのヘラとて、好天の下ジャミの猛襲に耐えながら、10尺の底で僅かに3枚/2.5時間。
浮子の動きが、アユの目印とオーバーラップして、思いは遥か米代川だったりして・・・。
そして今夜もまた雨の音が、あ、大雨警報が出たってか。
近くの農業用水路に浮かべて置いた引き舟のアユは、増水赤濁りのドロが詰まって死滅。
かろうじて1匹だけ生き残っていたヤツを持って、釣りの出来る川を探して南へ向かう。
増水の猿ヶ石川と和賀川を諦めて、豊沢川に落ち着くも、ここも垢とびは免れようがない。
(以下釣行記へ)
ようやく減水に転じたかと思う間もなく、次の雨域がもうそこまで来ている。
今夜もまたキーウイの葉を打つ雨音が絶えることがない。
今年の日本列島に、いつ真夏が来るのだろうか・・・。
黒々と磨き上げられた川床見たさに気仙川。
10:00、最下流部「島部」、ドブ釣り師が数名のんびりムード。
矢作川合流点・・・、ははぁ彼女はこのチャラ瀬で楽しんだのねと思わずニヤリ。
オラは前回の釣行以来、夢にまで登場する出口大橋へ。
今日もまたシモの浅トロには沢山の野アユの姿。
期待に胸膨らませ、オラは中央の馬の背から静かにオトリを放った。
(以下釣行記へ)
期待に反して思うような釣果を上げられなかった場合、アユ師は自分の腕をタナに上げて、そのことを正当化するための様々な理由を探すものだ。
が今日のオラは、買ったオトリは極めて元気、流れには沢山の野アユが見えてるし、釣り人はまばらだし、小雨は降ってるが風はなく、フロロだから泳ぎはいいし、釣れる条件は揃っていたのに・・・。
二十四節気「大暑」は、薄雲を透して真夏の陽射しが降り注いだ。
昨日までの低温傾向は回避されたが、それでも平年比では2~3℃は低めだ。
10:00、ここ何年も見ることのなかった雫石川ダイ・マスへ。
濁りはかなり薄くなっているが未だ高水、芯は垢飛びで選手は辛い釣りを強いられている模様。
皆一様に流れに立ち込みヘチを探る典型的白川の釣りは、一見不思議な光景に写った。
予選突破ボーダーラインは8尾と、今年もやっぱり釣れない雫石川だった。
海辺の断崖に咲くスカシユリ
米代水系は未だ増水赤濁りの真っ只中、もうかれこれ半月アユ釣り不能に陥っている。
40年の釣暦の中で、こんな年はまるで記憶にない。
緑のダムは飽和状態、このあと雨が上がったとしても、引き水は遅々として進まない。
加えて低水温と長期に渡る白川状態が、どの程度の影響を及ぼしているのか心配だ。
何れにしても今週末ぐらいからは、少しずつ様子が判明してくるはず。
みちのく純情アユたち、どうか無事で残っていて欲しい・・・。
ウニの口開けがなくなって暇になったオラは、前回のリベンジを果たすべく久慈川へ。
40数Kmをかっ飛んできたものの、空模様が極めて怪しい。
天然モノだと言うオトリを調達し、釣り支度を始める頃にはもうポツポツと雨が落ちてきた。
この分では2時間程度しか出来そうにない。
15~20センチの野アユは数10匹の塊りとなって、チャラ瀬の中を揉み合いながら通り過ぎる。
群れが通り過ぎたその流れの中には、縄張りを主張する野アユの姿など全く見られない。
今日の久慈川もまた、他河川の例に漏れず、アユ師泣かせの状況だ。
・・・不安、本日もまた最初の1尾を獲れずにギブアップするのか。
追いアユの姿など全く見えない中にあって、騙し騙しのカミ泳がせが続く。
1時間後、2匹目のオトリも疲れ果て活動限界を示す。
しかし一瞬群れアユとの出会いがしら、奇跡的に鈎掛かりするも、浅掛かりから痛恨の宙バレ。
再びよれよれオトリでチャラ瀬の中を引きずり回すこと30分、ついに待望の1尾が・・・。
これで循環がスタートすると喜んだが、オトリが替わっても状況の好転はなく、時速1~2尾の辛い時間だけが流れる。
雨は降ったり止んだり・・・、手の甲をブヨに食われて痒いし。
それから2時間、対岸ヘチで16センチ、瀬の芯から20センチなど、やっとの思いで6尾を追加したところで、雨の強まる中12:30納竿とした。
入院中の婆さまの見舞いがてら北リアスの寒村、女房の実家へ。
翌21日にはウニの口開けがありそうだとの情報を耳にしている。
どうせ内陸部に居ても当分アユ釣りはダメだし・・・。
たまには鮮度のいいヤツを鱈腹頂いてこよう・・・ってのが本心ではあったが。
やっぱり海はいい。
岸壁の突端に立ち、肌寒いほどの海風を腹いっぱいに吸い込む。
そして夕餉は海の幸尽くしで、焼酎が美味い。
残念ながら波高く明日のウニ口開けはなくなったが・・・。
激しい雨音は一晩中途絶えることはなかった。
明けて連休中日、前線の接近で雨は断続しながらもまだまだ降りそうな勢い。
秋田河川水位は今季最大値、2年前の洪水以来の驚くべき数値を示し、避難命令も出された。
地元集落の運動会は勿論中止となった。
そんな中にあって、朝の段階での太平洋岸河川水位は微増に留まっていた。
09:00、オラは心配する女房を振り切って気仙川を目指した。
途中、激しい降雨に前方視界が遮られたり、道路の水溜りにハンドルをとられたり・・・。
濁流と化した北上川、猿ヶ石川が目に入り不安を感じるも・・・。
荷沢峠を越えると雨は小降りとなり、世田米付近は時折薄日もこぼれる別世界だった。
今季初めてやってきた気仙川だけに、暫くあちこちを見て歩いた。
下流ほど釣り人の数も増えて、関東河川並みの賑わいである。
川霧がたなびく竹駒町出口大橋下流の浅トロには、無数のアユが見えていた。
(以下釣行記へ)
ネジバナ(野生欄)
崩れる方向の予報は、感心したくなるほど良く当たる。
このシトシト降りは、明日昼までは続くのだろう。
前半カラ梅雨に始まった北東北の雨期も、ここへ来て充分過ぎる降雨量。
米代中下流部などは、7/8以降もう10日間も竿が入っていない。
この時期心配なのは、急激な水温低下による感染症の蔓延。
いまのところ一部河川を除いてその兆候は認められない。
今夜から明日にかけて気温も下がるってのが、ちと気がかりではあるが・・・。
さて、明日は地域の運動会、オラはなんやかや言い訳を並べて欠場を届け出た。
な訳で、ここには居られないからどこぞへ・・・。
米代水系はまだまだ高水ではあるが、今日あたりからボツボツ竿出し出来る箇所が出てきた。
解禁時の良型が一通り釣り切られた後は、型が一回り小さくなったとのことだが、増水後の新垢が着き始めるこれからがいよいよ本番となるであろう。
「美味いアユ」を求めて、放流河川の上流部への釣行もいいが、天然アユの数釣りも魅力だ。
10数年前に一度だけ経験した束超えを、梅雨明け後の猛暑の中で是非再現したいものだ。