明るく晴れてはいても風は冷たく、気温は全く上がらない。
周辺を見渡しても秋の風情は既になく、枯木立の中にカエデの真紅を僅かに残すのみ。
奥羽の山々には早くもかなりの積雪、おそらくはこのまま根雪となるのであろう。
日暮れが随分早まって、寒さもきつくなった。
如何に省エネを徹底しても、午後4時を回る頃には電灯もストーブも欠かせない。
収入が途絶えたままの津波被災地、我が田舎では皆暖かく過ごしているのだろうか。
居住区の高台移転、浸水土地の買い上げ、漁業施設の復活など課題は残されたまま。
なかなか将来構想が見えてこない中にあって、被災者の苦悩は想像を超える。
10ヶ月も経ったのに、漁民の命たるサッパ舟とて思うように入手できず、今季のアワビ漁も見合わせになった。
この冬さえなんとか乗り切れば、必ずや復旧の兆しは見えてくると信じたい。