yoshのブログ

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漢字は素晴らしい

2012-12-12 08:57:27 | 文学
ご承知の通り、現在、欧米諸国などに広く通用している表音文字のアルファベットに対して漢字は表意文字であり、これは漢字の際だった特徴です。この事が漢字の普及に大いに関係しています。一般に表音文字と言語は密接な関係があり、英語・フランス語・ドイツ語などとアルファベットとはこれに当たります。ところが、漢字と中国語などの言語の間には、こうした関係が必ずしもありません。それは漢字が表意文字だからです。13億人が住む中国では多数の方言が話されており、異なる方言は異なる言語といってもいいくらいです。しかし、どの方言であろうと漢字という共通した表意文字が存在しているのです。韓国や日本といった漢字文化圏でも漢字は重要な文字です。
漢字という偉大な発明は中国の殷の時代になされ、当初は神との対話(占い)に用いられましたが、次第に統治や商業上の契約などに使われ、記録や生活のための文書の作成に必須のものとなりました。一方、仮名漢字が混じった日本文は読みやすく、一目で意味が理解できる素晴らしい表現様式です。また、漢文を、日本語で読む読み下し文も優れた発明です。
しかし、現代の日本においても、漢字の使用には様々な問題があります。例えば、「しんにゅう(しんにょう)」の、点は1点が正しいか2点が正しいかといった問題、食編の形はどれが正しいかといった問題です。明確な基準が無いことも混乱の一つとなっています。
古くは清の康煕帝の時代に「康煕字典」が編纂され、当時はこの字典が漢字の基準でした。
日本では、太平洋戦争の後、1946年にGHQの意向に沿った「当用漢字表」が制定されましたが、ここで漢字はわずか1850字に制限されたため、漢字の使用が極めて不自由なものとなりました。しかし2010年には「常用漢字表」が改訂されて、現在では2136字が通用しています。漢字学者の阿辻氏によれば、「手書きの文字はさまざまな書き方が許容されている。漢字には唯一の正しいというものはない」ということです。

      阿辻哲次 「しんにょうの点の数」 U7 vol.46 學士會
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