yoshのブログ

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新春江次 白楽天

2020-08-14 05:46:27 | 文学
中唐の詩人 白楽天の五言律詩、「新春江次」を紹介します。

新春江次

浦乾潮未應 
堤湿凍始銷

粉片粧梅朶
金糸刷柳條

鴨頭新緑水
雁歯小紅橋

莫怪珂聲碎
春来五馬驕

浦ハ乾(かわ)キテ潮(うしほ)未(いま)ダ應(おう)ゼズ 
堤(てい)ハ湿(うるほ)ヒテ凍(こほり)初(はじ)メテ銷(しょう)ス  

粉片(ぷんペン)ハ梅朶(ばいだ)ヲ粧(よそほ)ヒ
金糸(きんし)ハ柳條(りゅうじょう)ヲ刷(さつ)ス

鴨頭新綠水(おうとうしんりょくすい)
雁歯小紅橋(がんしせうこうけう)

怪(あやし)ム莫レ珂聲(かせい)ノ碎(さい)タルヲ
春来リテ五馬驕(おご)レリ

「訳」

 新春の江辺の景況を述べた詩

浦曲(うらわ)が乾いて潮(うしほ)は未だ上り来らず、凍(こおり)が初めて解けて堤防が湿(うるほ)っている。

 梅の枝は白い花片(はなびら)を著(つ)け、柳の枝は金糸を刷(つづ)り、
 水は緑色をなして鴨の頭(かしら)の如く、朱塗の小橋は雁歯(がんし)の
如く階段をなしてゐる。  
 春が来たので駒が勇み、珂聲が殊に耳だって聞こえる

 二句ずつ、きちんと対句になっています。春を喜ぶはなやかな詩です。

「続国訳漢文大成 文学部第十二巻 白楽天詩集三」東洋文化協会 







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