yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

降る雪や明治は遠くなりにけり

2010-12-27 06:22:22 | 文学
中村草田男(1901-1983)の有名な句です。昭和6年(1931年)の大雪の日に自分が学んだ赤坂の青南小学校を訪れた時、降る雪の向こうに小学校の建物が見えた時の感慨を詠んだといわれます。当時、草田男は高浜虚子が主宰している「ホトトギス」に投句していましたが、自分の句作に悩んでいたそうです。
門外漢の不肖私にも、この句は平明で良い句に思われます。一つの句の中に切れ字の「や」と「けり」の二つがある代表的な句とも言われています。最後の「けり」(詠嘆の助動詞)がぴったりしていますから、切れ字二つという瑕は問題ないのでしょう。

さて、このところ厳しい寒波が到来して、北国の郷里は大雪に見舞われています。
私も草田男の句に因んで

降る雪や昭和は遠くなりにけり

を思い浮かべました。平成も20数年を数え、私が人生の大半を過ごした「良き昭和」という時代も、いつの間にか遠くなりました。
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