将棋の淡路仁茂(ひとしげ)九段は、1950年神戸市生まれの61歳。故藤内金吾八段門下で、内藤國雄九段や谷川浩司永世名人と同門です。将棋は粘り強い棋風で、叩かれても叩かれても立ち上がる「不倒流」といわれました。将棋は短い手数で勝つほうが格好良いのですが、淡路九段は長い手数になるのを厭わないことで有名です。1981年に中田章道七段と戦い、激闘の末339手で勝ったという記録を持っており、「長手数の美学」などと称されています。勝負に勝つというのはこうした泥臭いものなのでしょう。米長将棋連盟会長の将棋も「さわやか流」とも言われますが、反面「泥沼」流とも言われています。久保利明現王将・王位が淡路さんの所に入門してきた時(当時4歳)に、なんと19枚落ち、即ち淡路九段は玉将1枚のみで勝ったという有名なエピソードがあります。その久保さんも今やA級八段で、王将と王位のタイトルをもつ強豪に成長しました。この久保王将は、昨年の12月25日のNHK杯将棋トーナメント戦において、定跡に無いような形の急戦から乱戦に持ちこみ、戦を制して森内名人を降しました。
ある時、米長邦雄将棋連盟会長が、「久保君は偉い、淡路の弟子なのにタイトルを取った」と言いました。言外に、「弱い淡路の弟子がタイトルを取る強豪になった」とほのめかしたのです。これを聞き咎めた淡路九段が「いくら会長だからといって、言ってはならない言葉ではありませんか」と詰め寄ったそうです。その通り米長会長の失言には違いないのですが、将棋連盟という特殊社会における和気靄々とした雰囲気を感じました。また将棋指しは将棋以外のことは不得手で、子供がそのまま大人になっているような人々が多いとも言われています。ある八段は、「将棋年鑑」の中の「棋士紹介」の欄に、「趣味は将棋」と堂々と書いています。趣味は将棋以外のものを書くのが普通だと思いますが、思わず笑ってしまいました。
ある時、米長邦雄将棋連盟会長が、「久保君は偉い、淡路の弟子なのにタイトルを取った」と言いました。言外に、「弱い淡路の弟子がタイトルを取る強豪になった」とほのめかしたのです。これを聞き咎めた淡路九段が「いくら会長だからといって、言ってはならない言葉ではありませんか」と詰め寄ったそうです。その通り米長会長の失言には違いないのですが、将棋連盟という特殊社会における和気靄々とした雰囲気を感じました。また将棋指しは将棋以外のことは不得手で、子供がそのまま大人になっているような人々が多いとも言われています。ある八段は、「将棋年鑑」の中の「棋士紹介」の欄に、「趣味は将棋」と堂々と書いています。趣味は将棋以外のものを書くのが普通だと思いますが、思わず笑ってしまいました。