yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

良き友

2012-01-17 07:52:47 | 文学
「徒然草」の百十七段に、兼好法師は良き友に関して次のように書いています。

よき友三つあり。一つには、物くるる友。二つには医師(くすし)。三つには、知恵ある友。

鎌倉時代の兼好法師の見方は現代にも通じています。遠くの親戚より近く他人と言われますが、我が家も良い隣人に恵まれています。気前良く物を下さる方がいます。昨年の暮れには家庭菜園で採れた白菜や葱を食べきれない程分けて下さいました。この方は庭に井戸を数十メートルも掘って地震に備えていましたので、私も心強く思っていました。ところが、東日本大震災の時には、地下水が泥水に変わってしまい何の益にも立たなかったという話でした。元のようなきれいな飲料水に回復させるのには、大変苦労されたようです。友人としては、特別に優れた人でなくても物をくれなくても、うそをつかない人、誠実でやさしい人が良いと私は思っています。

一方「徒然草」には悪い友人のことも書いてあります。

友とするに悪き者、七つあり。一つには、高くやん事なき人。二つには、若き人。三つには、病なく身強き人。四つには、酒を好む人。五つには、たけく勇める兵(つはもの)。六つには、虚言(そらごと)する人。七つには欲深き人。

これらは、兼好法師一流の洞察ではありますが、このように贅沢なことを言っていると、友達は一人もできないと言う人もあります。

日本古典文学大系 「方丈記 徒然草」 岩波書店
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