山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

関西方面への秋の旅に出掛けます

2013-10-18 00:59:43 | くるま旅くらしの話

  長く暑い地獄の夏でした。10月に入って中旬となった今でも時々猛暑日がぶり返すという異常さは、原発事故処理の不気味さと重なって、この国のこれから先がどうなって行くのか、言い知れぬ不安と恐怖に怯えさせられます。自分に残されている時間が、日一日と少なくなっているというのに、安心の要素が減るばかりのこの頃には、老人は諦めるしか手立てを持てないのかと虚しく落胆の気持ちが深まるばかりです。

 今年は、夏の間に二度ほど信州への旅をしました。合わせても一週間にも満たない日数でしたが、北海道への旅を断念したこともあって、自分たちにとっては救われる時間でした。10月に入って、さすがに朝夕だけは暑さの方も少し遠慮し始めたのか、めっきり涼しくなりました。幾らなんでも、10月の下旬ともなれば、日中でも過ごし易くなるに違いないと考え、関西方面への秋の旅を企画しました。今日はその予告です。

 あれこれと思い悩んだ結果、ようやく大ざっぱな行程を決めました。20日(日)に家を出発して、来月の9日までには帰宅するという計画です。コースは、関西方面を中心に回って、帰り道は飛騨から信州を通って戻るという様に考えています。ざっと3週間の内の7割を関西で、残りの3割の時間をその他の場所で過ごそうという目論見です。

 今回の旅では3つのメインの楽しみを掲げました。

その1は、まだ訪れていない重伝建(=国指定重要伝統的建造物群保存地区)エリアを訪ねること。日本の昔というのか、昔の日本というのか、それらが今日に生きて残っている場所を訪ねるのは、老人の好奇心を大いに満足させてくれる楽しみです。自分たちの棲む茨城県には、重伝建はたった一カ所(=桜川市真壁町)しかないのですが、日本文化の中心だった関西エリアには、かなりの数の重伝建地区が残っています。それらの幾つかを訪ねる考えでいます。

その2は、古都奈良を再吟味しながら訪ね歩くこと。関西の観光といえば断然京都となるのでしょうが、自分的には京都よりも古都奈良に大いなる魅力を感じています。何度も訪ねている奈良県各地ですが、大和の発祥の地としての魅力は、無限と言っても良いように思っています。今回も山野辺の道を歩くなどして、遠い遠いご先祖様に思いを馳せたいと考えています。

そしてその3は、秋の味覚として、①関西の黒豆の枝豆、②紀州のミカン、③信州のリンゴなどを堪能したいと考えています。たくさんあるはずの生きる楽しみの中で、食べる楽しみは、生きものとして欠かすことはできません。糖尿病なので、果糖の摂取には要注意ですが、本場での新鮮な味わいを、欲を抑えながらも大いに楽しみたいと思っています。

 旅の行程に関してもう少し詳しく話しますと、先ずは一気に高速道を利用して、最初の訪問予定地の兵庫県朝来市の竹田城址をめざします。その後は、今回の予定では最西端となる鳥取県倉吉市まで行き、重伝建の打吹玉川地区を訪ねる考えです。それからは、引き返して、日本海側を余部橋梁や香住海岸等に寄り道しながら、今年の春に行った豊岡市の出石城下町をもう一度訪ねてみたいと思っています。その後は福知山から酒呑童子伝説の大江山を回って再度日本海側に出て、いつも通過ばかりしている舞鶴市内の名所などを、今回は途中下車のつもりで訪ねる考えです。その後は、福井県に入り、小浜に立ち寄って鯖の串焼きを手に入れ、さてどうするか、今でも依然として迷いの中にあるのですが、一応は小浜からは周山街道を通って、京都の山岳地帯を通り、山の中に茅葺きの集落の残る南丹市の美山を訪ね見ようかと考えています。その場合は、そのあと京都の中心街は素通りして、一旦琵琶湖の周辺に出てから、奈良方面へは伊賀上野の古窯の地を訪ねた後で向かうつもりです。奈良市エリアでは、まだ行っていない平城宮跡なども訪ねてみたいと思っています。桜井市の大神神社から天理市の石上神宮までの山野辺の道の歩きも楽しむ考えです。そうそう、奈良市内では美酒「春鹿」も手に入れなければなりません。

奈良エリアの後は、吉野川から名を変えた紀ノ川に沿っての道を走り、和歌山に出たあと、有田辺りでミカンを手に入れ、そのあとは途中で温泉等を楽しみながら、のんびりと紀伊半島をぐるっと回り、途中で那智の滝や青岸渡寺などにも寄りたいと考えています。その先の伊勢神宮には、タイミングが合えば、参拝して行こうかと思っています。でも遷宮を終えてかなりの人出らしいようですから、休日にぶつかってしまった場合は、参拝は避けることにします。

その後の名古屋市周辺などはパスすることにして、美濃から郡上八幡に出て、ここの重伝建となっている城下町を散策するつもりです。それが終わったら、R156の越前街道と別れ、R256の山道を通って飛騨街道(=R41)に出て、そこから北上して下呂市郊外の乗政という所に、しだれ栗があると聞いているので、是非ともそれを見てみたいと思っています。先回の信州への旅で、塩尻の小野という所にあるしだれ栗の自生地を訪ねましたが、それとどう違うのか、しだれ栗の正体は何ぞ?という好奇心を大いに満たしたいと考えています。ま、そんなことをしながら飛騨の高山に入り、一息入れた後は、日本アルプス下のトンネルなどを潜りながら、信州の松本へ抜け、更には小布施辺りまで足を伸ばしてリンゴを手に入れ、その後は草津の湯にでも浸りながら旅の疲れを癒すなどして、帰宅するという段取りです。

 今回の旅からは、「年寄りの半日仕事」というのをモットーとする考えでいます。このことばは、この春に80歳でエベレスト登頂を成し遂げられた三浦雄一郎氏が、先日のTVで野際陽子氏との対談の中で話されていたもので、登頂に至るまでの間は、決して焦らず、無理をせず、ゆっくりと前進を続けられたという、その心構えがこの「年寄りの半日仕事」という昔からの言い伝えなのだということでした。この話を伺って、自分もこのモットーを頂戴して、これを大事にしたいと思いました。旅に出ると、ついつい欲が出て、休憩も取らずに先を急いだり、日程を一日前倒しにしてしまうほどの無理をすることがあり、相棒が疲労困憊で温泉にも入れないほどの状態をつくり出すという、そのような我が身の愚かな行為を諫めたいと思ったのでした。

自分の性格では、年寄りであることを心底自認するというのは、今の調子で行きますとあの世に旅立つまで困難なことだと思っていたのですが、三浦さんのこのお話を聴いていて、ハッと己の愚に気づいた思いでした。旅は動き回る「量」よりもじっくりと味わう「質」の方が大切だと思います。それを解ったつもりでいながら、行動はお粗末だったことを、三浦さんから教えて頂いたのでした。ここに紹介させて頂いた行程はあくまでも予定であり、実際はどうなるのか分りません。特にこの新しいモットーのもとでは、大幅な変更があるに違いありません。さて、どうなりますことやら。楽しみはもう既に膨らみ始めています。

いつものように、旅の状況については、ブログで一日遅れの報告をさせて頂こうと考えています。

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