山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

2010年北海道くるま旅でこぼこ日記:第11日

2010-09-08 04:47:16 | くるま旅くらしの話

第11日 <7月20日(火)>

【行 程】

日の出公園駐車場 → ファーム冨田駐車場(ファーム富田の花探訪) → (R237)→ 北西の丘展望公園 → (道道) → 望岳台 → 白銀荘(泊) 

<67km>

昨夜は車の騒音など全くなく、雨音もなく静かな時間が過ぎた。あまりにも早く寝てしまったので、二度寝をしてしまったのだが、二度目に目覚めたのは、4時半過ぎだった。今日は花を見る日にしている。そのメインは、ラベンダーで有名なファーム富田である。ここに行くときは、最近は早朝に訪問することにしている。とにかく車が混むので、日中の普通の時間帯などに行ったら、花を見る前に駐車場入りで疲れ果ててしまうからだ。というわけで、直ぐに出発の準備に取り掛かる。外の様子を見ると、どうやら雨は降らないらしい。予報では今日は天気はあまりよくないと聞いており、明日の方が晴れ間もあるらしい。花を見るには、天気は良い方がありがたいし、写真を撮るには晴れに越したことは無い。TVのアンテナを外したりしながら、ちょっぴり明るくなった雲の割れ目を見ながら、せめて雨だけは降らないでくれよと願った。

5時少し過ぎ出発して、到着は30分頃。いつも砂利を敷いた上の方の駐車場に車を入れる。今日は3番目の到着で、200台を超える収容能力のある広い駐車場もガランとしていた。花畑の方を見ると、ラベンダーの紫はかなり色褪せていたし、ポピーの赤も半分以上は開花期を過ぎて斑模様となって見えた。今年は6月後半が暑かったと聞いており、その所為なのか開花時期がいつもよりは少し早やかったようだ。直ぐに様子を見に飛び出して行った邦子どのの話では、花は最盛期を過ぎているけど、香りの方はいつもよりも強く漂っているとか。もう何度も来ているので、花を見尽くしてやろうなどという考えは無い。朝ドラを見るためのTVアンテナの設定などをした後は、食事の準備をする。といっても朝はパンと紅茶程度。空が明るくなってきて、時々日射しらしき光が差し込む。この分では、雨の心配はしなくても良さそうである。ゲゲゲの女房を見た後は、邦子どのはカメラを抱えて再び外へ。自分の方は車の中から花畑ややって来る車や人たちを見ながら、しばらく記録の整理をする。何しろ旅の初日から数日分のブログの投稿原稿が携帯に入っており、これらが結構長いので、パソコンに移し変えるのに時間がかかるのである。勿論丸写しというわけには行かず、更に余計なことを付け加えたりしているので、膨れてしまうのである。

9時半頃、一応の写真を撮り終えた邦子どのが戻ってきた。体力が少し足りないようで、重いカメラを抱えての1時間以上の歩きは結構疲れるようである。しばらくは横になって休憩すると言うので、今度は自分が出かける番となる。少なかった来訪者も次第に増えてきて、花の最盛期を過ぎてもここが人気スポットであることを証明しているようだ。いつものように山の斜面に作られたラベンダーを交えた色とりどりの花の帯のある畑に向う。ラベンダーとポピーを除いては、未だ最盛期を迎えていないものもあって、近くに行って見るとそれがよく判った。もう何度も撮っている同じ様な構図の写真を今年も撮る。これらはここへ来たという証明写真のようなものである。右手上のポピー畑は可哀想なので行くのを止め、下に降りて、古くからのラベンダー畑を見に行く。紫の鮮やかさはもう去ってしまったけど、確かに香りの方は一段と強くて、今年最後の芳香を思いっきり放っているかのようだった。とにかく一回りしようと、その後は様々な種類の花に係わる商品を販売する店に囲まれた中庭の中を散策する。丁寧に作られた花畑は、最近行き始めたRVランドの果樹農園の中を花で飾るための参考になった。いつ、どのような花を、どのようなレイアウトで植えれば、開花期を楽しめるのか、様々な工夫と技術が培われているようである。何しろ、この辺の土を見ると、内地のそれとは比べものにならないほど痩せているのである。先人の皆さんのご苦労は大変なものだったに違いない。それに較べれば、RVランド農園の持つ可能性は遙かに大きく、容易に実現できるように思った。帰ったら報告がてらに話してみようと思った。40分ほどで車に戻る。天気は次第に良くなってきて、雲は多いけど日射しも多くなり、暑さも増して来た。それに合わせるかのように、10時を過ぎると来訪者が急激に増えて混みあって来た。

   

いつものこの季節のファーム富田の花畑の景観。8時過ぎには大勢のカメラを構えた人たちで賑わう。

一眠りして疲れをとった邦子どのは、買物をかねての探訪に再び出かけていった。こちとらも一眠りしようと横になったのだが、続々と押し寄せる車と人が、砂利の上を音をたててやって来るので眠りにくく、諦めて再びパソコンに向って記録の整理を続ける。この作業は、旅の今までを振り返る楽しみがあり、飽きることがない。11時を過ぎる頃には、日射しは益々強くなり、もうこれは完全に晴れの天気である。十勝連峰は見えず、空には相変わらず雲が多いけど、その間からの光は全射されれば間違いなく猛暑を作り出すに違いない。車と人とは益々増えてきて、広い駐車場は略満車に近い状態となった。下の方を見ると駐車場に入れない車が道路に長い列を作っていた。

何時までもここにのんびりしているのは罪ではないかなどと思い始めたのだが、邦子どのはなかなか戻ってこない。11時半近く、ようやく紙袋を抱えて帰ってきた。いつもここで石鹸などを買うのを楽しみにしている。それが叶って満足の顔をしていた。この後は、美瑛の北西の丘展望公園に行き、休む考えでいる。一つには、邦子どのが公園の脇にある手づくりのガラス工芸作品を売っている店のファンで、そこでちょっとした買物をする予定もある。

R237を旭川方面に30分ほど走り、美瑛の駅近くの市街を左折すると、間もなく北西の丘展望公園がある。この近くには丘の町美瑛を代表する風景が広がっている。今頃は黄金色の麦、赤紫や白の花のジャガイモ畑、真っ青な葉を風に揺らすトオキビ畑、そしてこの頃は白い花のソバ畑などが、なだらかな丘の畑一杯に広がっている。その畑の脇などに植えられた白樺や柏の木などがシンボリックに旅情を掻きたてるのである。旅の者には心休まる風景だが、農耕を担う人たちには、その維持が難しいのだという話を何度か聞いている。何とかこの美しい田園風景が保たれてゆくことを願わずにはいられない。

北西の丘には12時丁度に到着。相変わらずの混み具合だったが、運よく空いていたスペースに車を止めることができた。邦子どのは直ぐに店の方に出かけていったが、自分の方は食事担当で、今日は暑いのでそうめんを茹でることにする。大和の桜井で買った三輪そうめんを毎年持参している。そうめん大好き人間なのだが、去年は寒すぎて一度くらいしか食べられなかった。今年は初めてだけど、この後も暑い日が多くあってほしい。暑すぎるのは困るけど。薬味のネギや大葉を刻みタレを作り、そうめんを茹で上げる。麺類の調理は殆ど自分の担当である。生姜を買うのを忘れていた。

30分ほどして邦子どのが戻り昼食となる。全く、見計らったようなタイミングで戻ってくるのは、この人の作戦なのかも知れない。まあ、いいか。昼食の後は、本格的に昼寝をすることにする。そのために缶ビールで喉を湿している。

日射しは益々強くなって、ソーラーはフル充電で過電流の防御装置が稼動し続けている。これなら12V仕様のポータブル冷蔵庫を使っても大丈夫だろうとスイッチを入れてみた。全く問題は無い。今までソーラーの電気でこの冷蔵庫を使ったことがなかったので、かなりの自信がついた。ちょっとモーター音がうるさいけど我慢して寝床に横になる。外は猛烈な暑さだけど、抵当に風が吹いているので、車の中は窓を開けておけば快適といってよい。たちまち白川夜船の世界へ。この間邦子どのは外で何かやっていたらしい。 

よく眠って目覚めたら未だ14時半だった。スッキリしている。邦子どのとの話で、今日は久しぶりに十勝岳山麓の白銀荘に行き、温泉を楽しんで泊ることにしている。ここからは30kmくらいであろうか。相変わらず外の日射しは強いようで、とても歩く気にはなれない。昨日NHKで老人の熱中症の話をやっていたけど、自分も一般的には老人に違いないのだから、このような天気の時には外を歩き回らないのが正解なのだと思っている。それでも車の中ばかりでは、何だか損をするような気分になって、近くのソバ畑の写真や丘の風景などをカメラに収めた。

15時過ぎ白銀荘に向け出発。丘めぐりは明日に予定している。ひたすらに白金温泉を目指す。白樺街道と呼ばれる道道を真っ直ぐに進む。北海道らしい景観が左右に広がり、ストレスは皆無。20分ほど走って、道脇の白樺の森の中にある美郷名水に立ち寄り、水を汲む。北海道には名水が多いが、ここも美味い水である。その後は白金温泉街を抜け、急な坂の連続する山岳道路を十勝岳の麓に向って登り続ける。途中、望岳台という十勝岳の登山口の一つで名所展望台でもある所に立ち寄る。

今日の十勝岳は雲の中で、噴煙も見えない。16時を過ぎた今の時間帯では、登山者はもう帰還しているに違いなく、展望所には自然探訪路などを歩く中学生の一行が走り回っていた。ここに来るのは略今頃の同じ時期なので、楽しみにしている高山植物がある。その一つがイワブクロであり、もう一つがコケモモである。イワブクロは樽前草とも呼ばれ、札幌近くの樽前山で発見されたのでそう命名されたと聞いた。火山岩の瓦礫場のような場所を好んで生えている変わった土地好みの植物である。そういえば、弟子屈の硫黄山の麓に群生しているイソツツジも同じ様な好みの植物だった。そのイワブクロは、今年も鮮やかな青紫系の花を咲かせて迎えてくれた。コケモモは未だ実がついたばかりで青く、食べるのにはちょっと無理。厳しい自然の環境の中で、しぶとく、健気に生きる植物達にはいつも拍手を送りたい。

   

毎年会うのを楽しみにしているイワブクロの花。ホタルブクロに似た花だけど、高山のガレ場という厳しい環境に自生しているため、丈は10センチにも満たない。今年も健在でホッとした。

再び本道に戻り、白銀荘に着いたのは17時少し前だった。未だ西日がきつく差している。登山シーズンとあって、登山者のものと思えるかなりの数の車が留っていた。ここは十勝岳登山口の一つでもある。白銀荘は、元々登山者の利用する山小屋だったと聞いている。それが今は、登山者だけではなく温泉保養施設として新しくなって、一般の人の来訪も多くなったとのこと。ここの温泉は源泉が二つあり、浴槽の全ては源泉掛け流しの天然温泉である。かつて山男達の疲れを癒した湯は、今は我々のような旅の者にも恩恵を与えてくれている。ありがたいことである。

泊る準備をした後、温泉へ。実にいい湯だ。ヒバ板の浴槽、岩風呂、露天風呂の他にもサウナなどもあり、存分に温泉を楽しむことができ大満足である。1時間ほどお湯を楽しみ車に戻る。邦子どのは湯の温度が高かったとかで、少しのぼせたらしく先に戻っていて横になっていた。大したことは無いらしい。いつものように一杯やりながら食事を終え、たちまち寝床の中へ。あんなに昼寝などしているのに、爆睡には何の支障もない。

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