山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

真壁の雛祭りを見に行く

2010-02-23 00:38:19 | くるま旅くらしの話

今頃になると、毎年真壁の雛祭りを見に行くのが我が家の定例行事になっています。我が家といっても、行くのは家内と私だけの二人で、倅共が行くはずもありません。休日ならば一緒に行けるかもしれませんが、休日は大変な混みようなので、行けば疲れを背負い込みに行くだけになってしまいます。今日は月曜日、混雑も収まっていることでありましょう。と言うわけで、9時半過ぎに出かけたのでした。

我が家からは小1時間ほどの距離にあり、到着したのは10時半を少し過ぎた頃でした。いつもの駐車場は、思ったよりも混んでおり、これは予想を超えていました。地元の車が多いのは当然ですが、県北や県外からの車も結構多くて、観光バスも何台か留っていました。駐車料は200円。リーズナブルです。このようなイベントの場合は、ドサクサに紛れて高額の駐車料金を吹っかける所が多いのですが、ここには町の良心の様なものを感じます。

   

真壁のひなまつりのポスター。この時期は町のいたるところにこのポスターが貼られている。それだけで春めいた華やかさを感じる。

通りを歩く人は結構多く、皆さん思い思いに展示されている雛飾りを楽しみながらの散策です。今年は去年よりも出展された家の数が増えて、去年の178軒から191軒と13軒も増えていました。それほど大きいとも思えない町並みですが、これだけの数のお雛様を出されているというのは、相当に力を入れておられるのを感じます。古い年代のお雛様はさすがに少なくて、これはもうこれからも増えることは考えられませんので、新しく出展された方は、やはり新しいお雛様が多いのだと思います。

   

江戸時代のお雛様。小さくて判りにくいが、雛人形は時代を反映してつくられており、往時の人びとの思いを窺うこともできるようだ。

ここの通りは歩行者天国となっていないため、お雛様に気をとられている通行人の多い状況では、ちょっぴり危険だなと思いました。何しろ来訪者の殆どは高齢者の世代であり、若い世代は皆無といって良いほどです。平日に雛祭りを楽しめる世代は、もう限定されてしまっている様です。お年寄りは、車に対しては意外と危険意識が薄く、基本的に車というのは自分を避けて通るものだと思っている人が多いようです。おしゃべりに気をとられている人も多く、私だけがヒヤヒヤしっ放しという感じでした。

正直言って、私にはお雛様もその飾りのことも良くわかりません。綺麗だとか、可愛いとか、親の愛情だとか、そういうことは勿論感じますが、それ以上のことはさっぱり解らず、何軒かを覗いている内に、皆同じように見えてきてしまいます。そうなるともう写真を撮るのも面倒になり、後は町並みそのものを味わいながら歩き回るだけとなります。今までの雛祭りの見物もいつもそのような調子でしたが、今年もまた同じようなこととなりました。

   

石材に刻まれたお雛様。真壁は石の町でもある。地元から切り出す石材だけではなく、外国からの石材も取り扱われているようである。

雛祭りの町を歩いていて気になったのは、同世代や少し上の世代の男性陣の存在でした。殆どが夫婦や団体で来訪されているようですが、男どもは、雛人形への愛着のようなものは、女性と比べて薄いようで、その見物の様子といえば、ただ女性陣の後ろに付いて、ぶらぶら歩くだけの人が多いようでした。金魚の糞のようなありようです。写真を撮ろうとしても、そのようなことはお構い無しに傍若無人に金魚の糞を履行しています。女性陣の会話の中には入ることもできず、無言で遊弋(ゆうよく)しているという感じの姿には、男の成れの果てのようなものを感じて、ちょっぴり気になりました。私自身も直ぐにそうなる可能性がありますので、要注意だなと心の紐を占めました。このような場所に来た時は、家内と一緒に歩くのはやはり避けるべきだなと思いました。勿論今日も別行動でした。

全国を旅していて、古い町並みの残っている箇所を幾つか訪ねていますが、地元の茨城県の中にも、このような所があるのを知ったのは、守谷市に越してきて以来のことなのです。私の生まれ育った県北の日立や水戸は、戦災で何もかもが破壊されつくしてしまったという状況なので、町並みといえるようなものは何一つ残ってはいませんでした。焼け残った個別の建築物は幾つかあったとしても全体として残っているのは存在しないのです。そのような環境での生い立ちの所為か、県内にこのような古い町並みが残っているというのをまったく知らなかったのです。真壁の他にも幾つか町並みが残っている所があるのかも知れませんが、今のところそれがどこなのか判っていません。もう少し地元を訪ねることも大切だなと思いながらの散策でした。

今日の真壁の散策の中では、一番の発見はサイカチの古木でした。もう4回目なのですが、今まで気づかなかったのは不覚でした。サイカチの古木はこの町一番の大樹のようで、天然記念物に指定されていました。個人の屋敷の中にあり、樹齢も樹高なども説明がなく少し残念でしたが、実物を見る限りでは、あまり保存状態もよくない感じがして心配を覚えました。このような老木は、個人任せではなく町(今は桜川市)が保存に力を貸すべきだなと思いました。古い大樹を眺めていると、自ずからこの木の辿った時間に思いを馳せ、この町の歴史を知りたいという気持ちになれるのです。今は冬で枯れ木のように佇んでいましたが、青葉をつけた頃にもう一度来てその雄姿を見たいなと思いました。

   

本日一番の出会い。町の天然記念物に指定されているサイカチの古木。冬の間は老人の正体を現しているかの感じがした。早く緑の季節が到来するのを願わずにはいられない。

2時間近くの雛祭りに賑わう町並みの散策でしたが、殺風景な冬の季節の中で、このようなイベントに出会えるのは、嬉しいことだなと改めて実感した次第です。そして、今の時代がどうなっているのか見当もつきませんが、展示用の雛祭りだけではなく、ささやかな一体だけの人形であってもいい、幼子たちが両親や家族一同の愛情に包まれて雛祭りを楽しみ喜ぶ、団欒のひと時がある暮らしが続くことを願わずにはいられませんでいた。

 

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