山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

社会実験、何だ、これは!?

2010-02-10 00:00:48 | 宵宵妄話

旅の話のネタが尽きましたので、今日から少し気になる世の中のことをちょっぴりコメントすることにします。先ず初めは高速道路無料化の社会実験計画という奴です。何ですか、これは!?

今の政府は鳴り物入りで高速道路の無料化をマニフェストに掲げて政権獲得に成功したわけですが、この実現を含めてその他の政策についても、いろいろの面で期待を裏切り続けています。ことあるごとに、「国民の皆様」などと口当たりのいいセリフが飛び出していますが、少なくとも私自身はその国民の皆様の一人には該当させて貰ってはいないと感じています。

くるま旅にとって、実のところ高速道路の無料化はあまり関心を示すようなテーマではありませんでした。というのも、何もそれほど急いで旅をする必要はなく、むしろ一般道をゆっくり走りながら人生の楽しみを拾ってゆくのが主流ですから、欲しいのは高速道路などではなく、安全・安心に泊ることができる簡易の宿泊駐車施設なのです。現在の道の駅のような仮眠用の施設ではなく、短期滞在も可能な有料の簡易宿泊駐車施設なのです。それを造るのは、それほど難しいことではなく、現在の道の駅のレベルに加えて、水と電気を使うことが出来て、更にはゴミ処理が出来ればそれで十分なのです。高速道を無料化するために多くの税金を使うのなら、その僅かの分をリタイア後の老人の活性化のための施設に投資してくれてもいいのではないかと思っています。

ま、それでも無料ということになれば、例えば私の場合でしたら九州エリアの旅に出かけようと思ったときに、燃料費だけのコストで一挙に目的の宮崎なり鹿児島まで行くことができるわけですから、これはまあありがたいことだとは思っていました。実際無料化が実施されたら、是非鹿児島まで行って、そこからフェリーに乗って屋久島まで行き、1ヶ月ほど暮らしてみたいなどと考えていたのでした。

ところが、今度発表された高速道路無料化社会実験計画というのを見て、これは何だ!?と呆れ返るやら、疑問を通り越して政治家や役人どもの考えることに、うんざりの心境を味わっています。「巧言令色鮮矣仁(こうげんれいしょく、すくなし、じん)」は論語の言葉ですが、現在の政治の世界を見ていると、2千年以上も前に人間の本性を鋭く見抜いた、孔子様の言葉がそのままそっくり当て嵌まることに驚くと共に、人間というのは科学だけは異常なスピードで進歩しているけど、社会運営の能力は殆ど進歩していないのだということがよく解ります。

この計画を読んでみて、何のための実験なのかが良く解りません。普段あまり交通量の多くないエリアばかりを分断的に選んで無料化して、何の実験なのでしょうか?もともと高速道などなくても良かったような場所や区間を実験に使って、何が解るというのでしょうか?実験というなら、当然渋滞のあり様をも調べるべきであり、メインの路線が幾つか加えられてしかるべきだと思いますが、それは皆無なのですから、まことに国民をバカにした実験だと思います。

もともと高速道路の建設自体にも疑問が多いところがあります。北海道を旅していて、何故このようなところに高速道が必要なのか、首を傾げたくなることが何度かありました。高速道と併走している一般道を走っても目的地への必要時間は殆ど変わらないのです。多額の費用を高速道路にかけるのだったら、一般道の整備にお金を掛け、セミ高速道路的に運用した方が、遙かに有効だと思われる箇所が、北海道ならず全国にも多数あるように思います。旅の現実から見ると、高速道路というのは、一部を除いて政策的なニーズで作られたものが圧倒的に多いように感じます。一時的には、投下された資本(=税金)がその地方を潤すかも知れませんが、長期的に見れば殆ど車の通らない道路は、無用の長物化し、補修や維持のコストが増大するばかりだと思います。無料化などという無責任なことを言わず、又無意味な社会実験などといってごまかすのではなく、政治がやるべきメインの仕事は、長期的展望にたって道路行政の根本をしっかり見直し、然る後に具体的な施策を立案・展開すべきではないかと思うのです。

今回の政府の取り組みは、マニフェストへのテーマの掲げ方に様々な課題を残したと思います。あまりにも安易に耳をくすぐるようなことを、声高に言い触らし過ぎたのではないでしょうか。高速道路通行料の無料化も、石油への課税の取り扱いも、子供手当ても皆世間に阿(おも)ねて調子のいいことを言い過ぎた嫌いがあります。その結果帳尻合わせのために膨大な借金予算を組み、わけのわからない説明をする状況に追い込まれている感じがします。

国民は醒めていますよ。少なくとも私と、私のそばにおられる知り合いの方たちは、現政府の弁明をクールに見ています。今の政府を選んだのは、巧言令色の傾向大のマニフェストに耳や目が眩んだのではなく、それまでの自民党のあまりのお粗末な政治のありさまに呆れ返っていたからなのですから。

しかし、自民党というのは、それにしても一体何をしているのでしょうかね。非を責めるなどと小さなことにとらわれ過ぎずに、もっと大きな建設的な意見を、国民に問いかけて欲しいのですがねえ。今のところ政治に期待できるものは殆どないようです。放っておいてもなるようになるのでしょうが、さあて、対外的には今まで以上に厳しくなるんじゃあないでしょうか。高速道路の無料化の話などしている場合じゃないでしょうな。お先真っ暗の心境です。

コメント
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