山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

スリップサイン

2009-09-15 06:53:43 | くるま旅くらしの話

今日はタイヤのことについてちょっと。ご存知だと思いますが、タイヤの磨耗状況をチエックする目安に、スリップサインというのがあります。タイヤがどれくらい磨り減ってきているかを示す箇所が、タイヤには必ずあります。タイヤの取替えを行なってから2年以上経過する頃には、気になって時々その箇所を覗いてみるのですが、SUN号に乗るようになってからは、まだ一度もそのスリップサインが現れる状態まで乗ったことはありません。今回も出発前の点検では、それは見当たらず、まだ2年半くらいだし、ローテーションも2回ほどやっているから大丈夫だろう。旅から戻ってから交換をすることにしよう、と考えていたのでした。

現在SUN号は年間約2万キロ程度の走行距離です。私どもの旅の基本パターンは、冬は旅を控え、春になったら東北エリアを中心に桜や新緑を訪ね、夏は北海道、秋は関西等西日本エリアを旅するという形です。勿論これに捉われず、思いついたらどこへでも出かけるということもあります。このような旅の中で、一度の走行距離が最も長いのが、今のところ北海道行です。船を最短距離しか使わず、あとは自走ですから、当然走行距離は増し、今回の旅でも6千5百キロ近くとなりました。タイヤのトラブルは、自宅から遠く離れたエリアで起こるのが一番心配です。北海道の山の中でバーストなどしてしまったら、そこがもし携帯が使えないようなエリアだったら、これは大ごととなります。長期間の旅の場合は、タイヤの安全確保は最重要テーマです。

そう思いながら、人間というのはどうしても自分に都合の良いように考えてしまうようで、今回の旅の出発前のチエックのときは、4万キロは超えているけどスリップラインは見えていないし、ま、大丈夫だろうと勝手に決めてしまったのでした。その後はタイヤのことなどはすっかり忘れ、函館に上陸してから、道南エリアをうろつき、やがて道央に入って富良野の花などを見たりして、たちまち10日ほどが過ぎたのでした。

13日目、旭川のショッピングモール(いつもラーメン村がある所へ行く)で買い物をして、その夜は旭川市に隣接する当麻町にあるスポーツランドという所に泊まったのですが、夜間はかなりの雨降りとなりました。私はそのようなことは全く知らなかったのですが、家内の話によると、近くに泊まっていた何台かの旅車の中の1台で、夫婦喧嘩らしき大騒ぎがあり、その収拾が大へんだったらしく、朝になってその車の傍にいるのは嫌だから、早々に違う場所に移動して欲しいということでした。旅先で大立ち回りをするような人たちは、旅の資格はないように思います。私どももいつも仲良くというわけにはゆかず、軽いジャブ程度の諍(いさか)いは日常茶飯事ですが、他人に止められるほどの大立ち回りはしたことはなく、もしそうなったら、旅は終わりですし、それ以上の問題に発展するに違いありません。残された人生の先細りの時間を、そのようなトラブルで台無しにするほど愚かではないつもりでいます。イヤ、これは脱線でした。

そのようなわけで、近くの別の駐車場に移動したのですが、ふと気がついてタイヤを覗いて見たのです。まだ大丈夫だろうと思っていたタイヤが、何となく磨耗度を増して、光っているような感じがしました。それで虫めがねを出してスリップサインの三角印のところを良く見てみますと、何となくそのサインが見えるような気がするのです。気がするというのは、今まではっきりこれがスリップラインだと確認したことがなく、そう思えばそのような、そうでないと思えば大丈夫のようなという揺れ動く気持ちです。こういうのは実に困ります。何しろ背景には不安を増強するバーストなどの事故がイメージされるのですから。ちょっぴりそのようなことを家内に話すと、たちまち不安は倍増してこりゃあ何とかしなければという気持ちになってきました。

考えてみれば、家を出てから青森県の大間までで900kmも走り、北海道に来てからも千キロ以上走って、もう2千キロを超えているのです。これから先少なくてもその倍以上の6千キロは超えるでしょうから、大ごとになる前に思い切ってタイヤを替えた方がいいのではないかと思ったのでした。

ところがどこで交換して貰えるかわかりません。在宅のときは市内のタイヤ館などでは車がピットに入らないため、いつもわざわざ東京小平市のブリジストン工場脇のタイヤ館まで行って交換して貰っているのですが、このときも事前にタイヤの在庫を確認しておかないと、いきなり行ってすぐというわけには行かないのです。トラック仕様の特別なタイヤのため、在庫がないケースが多いのです。とにかくタイヤの店を見つけたらそこに寄って訊いて見ることにして、旭川市内に向いました。

ナビなどないので、情報は皆無です。犬も歩けば棒に当たる式のさ迷い棚ボタ探しです。このような時は意外と早く情報というか、結果が付いてくるもので、さほど時間も掛からずに旭川郊外を走っていて、ミスタータイヤマンの店を発見しました。早速寄って、このレベルでこれから先大丈夫か訊いてみると、微妙なところではないかと言う判断です。磨耗の問題は、どのような走り方をするかが大きく係わってきますから、天気が回復して路面温度が上がったり、悪路を走ったりすればタイヤのダメージはそれだけ増すわけです。いずれにしても安全・安心からは無縁の話となりますので、思い切って交換することに決め、それが出来るかどうかをお願いしたのでした。このお店では、タイヤさえあれば交換する作業環境はSUN号でもOKとのことです。在庫がなかったため問い合わせて頂いた結果、明日であれば苫小牧から所定のタイヤが届くとのことです。仮に1週間掛かってもこの近所で待つつもりでしたので、たった1日の辛抱で済むとは真に有難いことでした。ということで、胸を撫で下ろし、明日の再訪を約して店を後にしたのでした。

翌日予定通りにその店をお邪魔し、すんなりと交換を済ませ、事なきを得たのでした。ま、大した話ではありませんが、旅先でのバーストの話は良く耳にします。旅先ならずとも、キャンピングカーのタイヤに関するトラブルは結構多いようです。何しろ図体がでかくて重量がありますし、旅に出ない間は、車庫に鎮座しているだけのことが多いため、タイヤの劣化に気づき難(にく)いのではないかと思います。大した距離は走っていなくても、経年劣化は結構大きいようですから、もし5年間もそのままでしたら、見た目には何でもないようでも、これは取り替えた方が安全だと思います。事故やトラブルは、起きてしまったら取り返しのつかないことになります。今回は未然防止が出来たとはいえ、自分の判断の甘さを深く反省する出来事でした。これ以降は、より以上「転ばぬ先の杖」の考え方を重視した判断を心がけようと堅く決心したのでした。何しろ、SUN号にはあと20年は頑張って貰おうと思っていますので。

  

交換直後のピカピカの新品タイヤ。これでもう安心。因みにカムロードは前後のタイヤ幅が異なる仕様となっているが、SUN号の場合は、前後とも同じ215cm幅のものとしている。多くはそうされているのではないかと思う。

コメント
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