山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

旅の記録から:2005年東北の春訪ね旅(第15日)

2009-03-16 00:55:52 | くるま旅くらしの話

第15日 <5月8日()

道の駅:七戸→(陸羽街道・むつはまなすライン)→道の駅:横浜(青森県横浜町)→(むつはまなすライン・R339)→道の駅:脇野沢(青森県脇野沢村)→道の駅:かわうち湖(青森県川内町)→ (かもしかライン・むつ市経由)→尻屋崎<寒立馬>(青森県東通村) →(R338他)→道の駅:三沢(青森県三沢市)→水明温泉(青森県上北町)→道の駅:小川原湖(青森県上北町)(泊)<348km>

 

朝もかなり遅くなって、ようやく雨が止んだようである。今日は小川原湖の道の駅泊まりにすることにしているが、直行すれば1時間ほどしかかからないので、邦子どのが途中から始めた道の駅のスタンプラリーにつき合って、まだ行ったことのない下北半島の脇野沢村と川内町にある道の駅を訪ねることにした。先ずは先日立寄った横浜の道の駅へ。売り名の菜の花畑はもう開花しているのだろうかと期待しながら行ったのだが、未だ開花宣言は出されておらず、あと数日はかかるらしい。結局今年も菜の花畑を見ることは出来ないようである。

下北半島は思いのほかに距離のある遠い所である。むつ市までも遠いが、そこから先はもっと遠い感がする。脇野沢はニホンザル生息の北限地で有名だが、まだ行ったことがなかった。猿には会えなかったけど、海峡ラインという意外に良く整備された道があり、そこからの素晴らしい眺望を楽しもうと車を停めていると、なんとキタキツネ君が1匹忽然と現れた。

   

海峡ライン(R338)の遅い春。向うに見える雪の残った山々は竜飛岬(右方)に連なる津軽半島の背骨である。

「車はあぶないぞ、山の中に入んな!」と話し掛けると、何を勘違いしたのか、ますます近くに寄ってきた。よく見ると母親ギツネらしい。子育ての最中かで、お腹が空いていて何か餌をちょうだい!ということなのかもしれない。突然のことで何も用意していないので、「おいらは年金暮らしなんで、何も無いぞ!」というと、なんと正坐してしまったではないか。そうだ、写真を撮ろうと気がつき、カメラのシャッターを切った。この間キツネ君は、真におとなしく我々を見つめていた。北海道で見る、ヨレヨレのもの欲しそうな奴と違って、ここのキタキツネは凛々(りり)しい(?)感じがした。

   

突然現れたキタキツネ君。母狐と思われ、様子からは子どもたちのために、勇を鼓して何か食べ物をねだりに来たのかも知れない。卑屈さは微塵も無かった。

川内町の山中には川内湖というダム湖があり、そのほとりに道の駅がある。その周辺の山々の景観は、実に東北の春を満喫させる緑と花(辛夷や山桜や猫柳などの)の一大ハーモニーだった。

むつ市に戻り、先日行けなかった尻屋岬へゆくことにした。東通村というのも初めて通る所である。海岸線を結構走って突然出現したセメント工場らしき工場群を通過した先に岬の灯台があった。その近くに「寒立馬」の案内板があり、そういえばどこかで聞いた野生馬の生息地がここなのか、と気がついた。

   

尻屋崎灯台。下北半島では大間崎の方が北だが、こちらの方が最果てのイメージをたっぷり漂わせている。

早速見に行く。いたいた、正確には何頭いるのか知らないけど、足腰の逞しい馬達が数頭あちこちで草を食んでいた。

   

草を食む寒立馬。長い冬を超えてようやく緑の大地が息づき出したのを待ち構えていたかのように、草を食む馬たちにも、春到来の喜びは同じものなのであろう。

   

海に立つ寒立馬。津軽海峡を背にして立つ馬の姿には、大地と大空に広がる生命の躍動を覚える。

北海を望むこの極寒の地で、自力で生きて行くのは相当に厳しいものであろう。吹雪吹きすさぶ中に佇立(ちょりつ)する彼等の姿を思い浮かべ、その生命力のすごさに一人感動した。南国宮崎の都井岬にも野生馬がいるが、彼等の優雅さとは比べ物にはならない。こちらの馬の方が数倍好きになった。

   

寒立馬の太い足。サラブレッドのスマートさは無いけど、短く太い足を見ていると、極寒の地に耐えて生き抜く北国の生き物の逞(たくま)しさを実感するのである。

その後はまたまた欲張って、六ヶ所村の長い海岸線を南下し三沢市の道の駅を経由してようやく上北町に。道の駅に行く前に勝手知ったる水明温泉へ立寄る。上北町には8軒ほどの温泉宿があり、いずれも天然温泉で料金は皆200円台である。水明温泉もその一つで、我々のお気に入りである。道の駅に着いたのは18時半頃か。本日の走行距離348km。今回の旅で1日の走行距離としては、今のところ最高記録となった。

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