山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

旅の記録から:2005年東北の春訪ね旅(第10日)

2009-03-11 03:38:33 | くるま旅くらしの話

第10日 <5月3日()

早掛レイクサイドヒルキャンプ場→(むつはまなすライン)→平内町内駐車場<休憩>→(青森市内通過)→(内真部バイパス・松前街道)→蓬田村物産館(青森県蓬田村)→JR蟹田駅(青森県蟹田町) →(津軽中山ライン)→道の駅:今別(青森県今別町)→道の駅:三厩(青森県三厩村)→竜飛崎(青森県三厩村)→(竜泊ライン) →道の駅:小泊(青森県小泊村)→(小泊道・こめ米ロード・大間越街道)→鯵ヶ沢焼きイカ売店(青森県鯵ヶ沢町)→(大間越街道) →おらほの湯(青森県森田村)→道の駅:森田(青森県森田村)(泊)<283km>

 

弘前の桜を観るためには、城址近くの駐車場に7時前に入る必要がある。本当は今日行きたいのだが、ここからは無理なので、明日弘前の桜を観ることにして、今日は倅に津軽半島めぐりを体験させ、夜は森田村の道の駅に泊まることにしようと決め出発。少し距離のある行程だ。

一路、はまなすラインを南下し、野辺地の歴史資料館で縄文遺跡からの発掘品を見ようと立寄ったのだが、生憎休館だった。その後は陸羽街道を青森に向かってひたすら走り、市内を抜けてバイパス経由で松前街道へ。弘前と盛岡を除けば都市市街地への立寄りは全く敬遠である。都会に入ると旅が壊れてしまう感じがする。(少しオーバーか?)松前街道に入って直ぐにある蓬田村の物産館に寄りボイルしたホタテの剥き身を買う。いつもの流れである。この甘辛の煮付けが酒の肴に最適なのだ。

この先は、竜飛崎を経由して幾つか点在する道の駅を巡ることにしようと考えている。途中JR蟹田の駅に寄って時刻表を見る。明日、倅たちは五能線に乗って、ローカルの列車旅を楽しみたいというので、その時刻を調べるためである。蟹田駅は三厩までの津軽線と北海道に渡る津軽海峡線を共有する、本州側の基点となる駅らしい。あまり人はいないが、何となく鉄道自体には活気が感ぜられた。

蟹田から左折して津軽中山ラインという道を通り今別の道の駅へ。今別などという呼び方はアイヌのものに違いない。この道の駅は鉄道の今別駅と同じ構内にある。ここで昼食休憩。

三厩の義経寺下にある大島桜(?)は未だ5分咲きくらいだった。曲がりくねった狭い猟師町の道を辿って、ようやく竜飛崎近くにある道の駅に到着。かなりの強風である。晴れていると風が強く、雨降りだと霧がかかって何も見えず、竜飛崎はいつも天気の機嫌の悪い所だ。今まで何回も来ているが、機嫌がよかったのはたった一度だけ。今日もダメ。拓は車の中で留守番を決め込む。倅達も途中で戻ってきた。要するに竜飛崎とはこのような場所なのだ。それにしても、たくさんある発電用風車の中に、ちっとも廻っていない奴があるのはどういうわけなのだろう?

竜飛崎からは日本海側を南下することになる。小泊に向う竜泊ラインという道は有料スカイライン並みの眺望よろしき良い道である。無料であるのが嬉しい。竜飛に来るときは三厩側ではなく小泊の方から行った方が層倍楽のようだ。そのようなことを考えているうちに眠ってしまった。小泊からは小泊道を南下し、やがて米こめロードと呼ばれる同じ道を五所川原市に向う。途中太宰治の出身地金木町を通るのでその生家に立寄ろうとしたが、駐車場が満杯のため取り止めた。又金木の手前の芦野公園は桜の名所だけあってさすがに付近の道路は混雑しており、通過するのにかなりの時間がかかった。車の中から満開近くの桜を見て、明日の弘前は大丈夫だと安堵感を深めた。

五所川原市を抜け大間越街道を鯵ヶ沢町に向う。森田村は手前なのだが、鯵ヶ沢には名物の焼きイカがある。それを買い入れて夕食の肴にしようという魂胆。鯵ヶ沢はかの小兵の技の名人、舞の海関の出身地でもある。ここの焼イカきは最高なのだ。厚い身、適当な塩味と干し加減、食欲とアルコールの飲欲(?)をそそる匂いというかその芳しき香りは、悪いけど夜店の香具師のものとはかなり違う。一人1枚宛計3枚をゲット。来た道を急ぎ戻って森田村にある「おらほの湯」という温泉へ。ここも本物の温泉で、なかなかいい泉質だ。たっぷり汗を流し、水をかぶって身体を引き締める。その後は5分ほど離れた道の駅へ。今日は結構泊まりの車が多いようで、いい場所を見つけるのに手間取った。先ほど買ってきた焼きイカをうめえ、うめえ~と賞味しながらビールをやってそのあとは白川夜船。

 

   *   *   *   *   *   *

 

<旅のエッセー> 

 

春 蘭 を 食 う

 

東北の山菜は日本一だと思っている。春の山に行けば日本中何処でも山菜を手に入れることが出来るが、東北のそれは種類も多く、値段も安くて豊かさを覚えるところが多い。今回も山菜を手に入れて春を味わおうと考え、てんぷらの用意などをしてやって来たというわけである。

いつも日本海側でゲットすることが多いのだが、今回は下北半島の入口というか中ほどというべきか、横浜町の道の駅でびっくりするような山菜に出会った。横浜という土地の名は何も神奈川県だけにあるのではない。下北の横浜は菜の花の栽培が日本一であるというので有名だ。と言ってもやはり限られた世界の中の話であろう。

その横浜の道の駅の地産物の売店の中に山菜が並べられており、その中に都会では考えられないような植物が並べられていた。今まで様々な山菜を見てきたが、これは初めてだった。何と、春蘭の花とリュウキンカの幼茎が並べられていたのである。以前やはり東北の何処だったかでカタクリの花を手に入れ、お浸しにして食べたことがあるが、春蘭やリュウキンカを食べると言うのは初め聞く話で驚いた。

そばにいた地元のおばさんに聞くと、春蘭はハカマを取って天ぷらや吸い物に入れるといいという。リュウキンカは少し苦味があるが、お浸しなどにして食べると言う。水生植物のリュウキンカには何やらの毒があるような気がして買うのをやめたが、春蘭の方はてんぷらにでもしてみようと早速買い入れることにした。他の素材と一緒に早速夜天ぷらにして食べたのだが、これがなかなかの美味で、いやはや北国の人たちの知恵に恐れ入った次第である。それにしても春蘭なんて、都会ではもはや貴重品扱いで鉢に入れ結構な値段で売っているのに、それを春の味わいに食卓に並べられるほど豊かな自然がまだ残っているのかと妙に嬉しくなった。が、さて、このような贅沢がいつまで保つのかとふと心配を覚えた。願わくば、このような大自然の恵みを味わえる日がいつまでもいつまでも続くことを。

   
道の駅:横浜でゲットした山菜。コゴミと春蘭。手前の花の方が春蘭。天ぷらにして食べたが、春蘭を食べたのは初めてのことであった。なかなか美味だった。

コメント
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