村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

昔こひしき うづみ火のもと

2021-12-16 23:28:09 | 村雨庵 稽古 

 藤原定家
つくづくと 
わがよもふくる 
風のおとに 
昔こひしき 
うづみ火のもと

今日は木曜稽古
今年の稽古もあと一回
来週で終わりだ
拝見の問答のときに
お弟子様が茶杓の銘を
「埋火ウズミビ」と答えていた
冬の茶杓の銘に相応しい
特に年末は良いだろう

埋火とは火持ちを良くして、
火種を絶さないようにすること。
炉や火鉢などの炭火を灰で覆う。
必要に応じて掻き立てて、種火にする。

埋火とセットで
助炭を使うことで
よりその埋火が長持ちする
茶人たちは大晦日の夜の炭を
埋火にしておき、
元旦に掻き出して
若水を汲み湯を沸かし
大福茶をのみ、
新年を寿ぐ。

その埋火は
去年から今年
今年から来年と続く行事に必須

子供の頃には
まだ日常に火鉢や堀こたつがあり
炭や炭団を暖房や湯沸かしに使っていた
祖母が夜に埋火にし
それを掻き出して湯を沸かす
そんな昭和の風景の記憶
昨日何食べたか忘れてしまうのに
昔の事は忘れない 
私めの年相応だ

コメント
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