茶事は天気には関係ない
雨だろうが槍だろうが
寒くとも暑くとも
よほどの事が無い限り、茶事と決めたらお客様をお待ちする
先月の茶事の時、台風の為、夕方から大雨になるという事だった
正午茶事だったが帰りの電車が止まってもいけない
このような場合にこそ「続き薄茶」の点前が相応しいかも
しかし亭主役は初めてで、急に変えられても対応が難しい
そのまま茶事は進行しお客様も無事何事もなかった
今日は快晴
空はどこまでも青く、空気は澄み、心地よい風も微かに吹いている
露地に水を撒いても、ほどよく濡れて、さわやかである
亭主役のアイテラ氏の日頃の行いの証しか
待合は昨日のブログの写真
紅葉
汲出しは鼠志野 加藤十衛門
本席の軸は 烏丸光廣
名所杜
夕月夜入りぬるかげや
木枯らしの
森の下草 置く露もなし
懐石のあとに唐物炭取で初炭
香合は厳島神社古材 村瀬治兵衛
菓子は三種差し上げた
唐果物と納経それにご正客様から頂いた林檎を大徳寺縁高に盛る
唐果物は京都の亀屋清永の「清涼歓喜団」、これを食べた後味がすごいが
漢方薬か香でも食べたかのよう
胃袋から体が綺麗になる その感じが私は好きだ
もうひとつは「納経」と銘をつけた 菓子部の作だ
写真が下手でうまく撮れないが 案外良かった
干菓子は「琵琶」と「撥」を、清だが唐物の盆に盛る
いずれも、われら素人が作る菓子ゆえちょっと漫画みたいだが
当人たちは頗る楽しんでいる
粛々と茶事の時間は流れ、濃茶、後炭、たちまち薄茶となる
10月は侘びの月だが今回は中置にもせず、
薄茶のみ小間据えに動座し、台目棚にて後炭と薄茶
亭主のアイテラ氏
今日は半東もいず、着物姿での支度や点前はさぞお疲れであろう事や
アイテラ氏がぼそっと「ああ面白かった」との独り言
日の暮れが早くなった
名残惜しいが お客様をお見送りにと出たその空には
もうすぐ半分になりそうな月が煌々と美しい
明日は
上弦の月
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