村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

籬の菊

2011-09-30 01:51:13 | 茶の事
籬の菊
まがきのきく
その言葉が好きだ
それから思い浮かべる情景も良い
菊の花は
香りもあり好ましい花だが
種類により
圧倒されるほど豪華だったり
身の引き締まるほど清楚だったり

写真は
京焼の色絵茶碗
ちょっと大きめで
無名の作家だが好きな茶碗だ

源氏物語の藤裏葉に
  色まさる
  籬の菊も折々に
  袖うちかけし
  秋を恋ふらし  とある


来週の茶事の支度があり
今度の亭主役のカツドノと道具の打ちあわせをする
今回はなるべく本人の道具を出すように勧めた
それぞれの道具には手に入れた時の思いが付いているはず
それが今までの茶の道そのものでもあるだろうから


ついでに
水屋の襖を開け10月の中置の為の
五行棚と大板を出す
周りにある使わないものを片づける
こういう道具の出し入れが苦痛だ
ぐずぐずとしてハカドラナイ

夜は文の会
バイ様にぐずぐずの毎日だと愚痴をこぼす
バイ様曰く
「自分を追い込め」
軟弱な心は羽詰まらないと何始まらず何もしない
還暦過ぎたら心も体もいま鍛えておかないと70代が大変だと
バイ様がおっしゃる
確かにお言葉のとおり

よおし 大きくうなずいて 決めた
明日から
朝寝坊を止めるぞ・・・ 




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秋の短歌  三首

2011-09-29 23:25:41 | 短歌・俳句の事
ユリノキの街
路樹つづきバス停に
近づきくれば
葉が窓叩く


信号にエンジン止まる市営バス
吹きぬけてゆく
風の音する


揺られいる
バスに眼マナコをとじおりて
何も考えざらしひととき






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画龍点睛

2011-09-28 23:12:25 | 村雨庵 稽古 
九月最後の水曜日
今日は村雨会である
待合の軸を秋草から替えた
少し早いかもと思いつつ
ツタに雀の画
外題に古田秋羅とあるが
どのような人物かは不明だ

今朝は気温が低く
とても薄着ではいられない
昼間は穏やかな陽が射しはじめたが
吹く風はいかにも爽やか
思うままに風に向かえば
まさに 秋 ならん

点前は長板にての濃茶
薄茶は更好棚にて薄器は弦付ツルツキ

弦付は四滴のひとつだが
他に
水滴、油滴、手瓶テガメ がある

つるつきと言い慣れていても
さてどのような字を書いたか
曖昧である
調べて つるは弦と確認した

もうひとつ
画龍点睛ガリョウテンセイのせいの字とはと聞かれ
晴れでは?と言うと
間違っていた
龍の壁画 瞳を描き入れると
その龍が天へとのぼった
という中国の故事から
セイは晴れで無く ヒトミの睛でなければならない

画龍点睛 
意味は
わずかなことであるが、それを加えることによって物事が完成、成就することのたとえ。
と四字熟語データーバンクにあった

ようするに最後の仕上げらしい

聞きおぼえのある四字熟語などを
間違って覚えていることがよくある
正しいと思っているといつまでも間違ったままで
案外確かめたりしないものだ

点前でも
同じような事があるかも知れぬ・・・



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吾心似秋月

2011-09-27 20:57:06 | 禅語・禅
木戸をはいり家の入口の所に
写真の表札がある
今日も荷物を運んで来た人が
耐えかねたかのように
「いったい何と書いてあるのですか」と聞く

村雨会 です


前にも書いたと思うが
もう30年も前
お茶を教え始めて外の茶室を借りて茶会でもしようかとなったが
借りるのに団体名で無いと借りれないと言うので
30秒ともかからず「では村雨会で」ときめた
結局その茶室は借りなかったが・・・
名前だけ残った

寒山詩より

吾心似秋月
碧潭清皎潔
無物堪比倫
教我如何説

わが心秋月に似たり、
碧潭ヘキタン清くして皎潔コウケツたり。
物の比倫ヒリン(に堪ゆるは無し、
我をして如何が説かしめん。


秋には美しい物がたくさんある




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秋は茄子・・・

2011-09-26 23:54:35 | 茶の事
昼間は
三カ月ぶりの○○研究会
わかっているつもりでも、繰り返し勉強する
忘れないつもりでもすぐに忘れてしまうから
繰り返し、繰り返しする
だから勉強は止められない
見事な先生のお話しが終わると
今日も拍手が沸いた

一度家に帰って
夜は香道だが
今日は道具を持って行かない
拝見のみにした
終わった所を写真に撮った


秋は茄子が美味しい

茶入の
天下三茄子は
九十九髪茄子・
松本茄子・
富士茄子


名物五つ茄子
富士茄子
曙茄子
七夕茄子
利休小茄子
豊後茄子

茄子は唐物茶入の最上位とか




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袴腰の数寄屋

2011-09-25 23:21:09 | お勉強
日曜日
薬を飲んだので
ちょっと元気になった
午前中にいつもの茶会へ行く
四人でお昼の食事
その後四人で勉強
何でも一人ではつまらない
みんなでしよう勉強も

ちょっとゴロリと昼寝して
お菓子を食べ紅茶を飲み
お干菓子のあと
お薄を頂き と
飲み食いばかりだが その合間に
ちょっと勉強した


国宝の茶室
如庵は下記のようにも呼ばれる
「有楽囲」
「筋違いの数寄屋」
「袴腰の数寄屋」
「暦張りの席」

密庵は江月の為に建てた
大徳寺龍光院内にある
遠州が津田宗及の子の江月宗玩の為に建て
南宋の密庵の法語を掛けるために書院床を設ける

待庵は山崎の妙喜庵にある
二畳隅炉、上座床と次の間勝手一畳、床は四尺の室床

如庵だけは犬山に行き外から拝見した事がある、
写しの茶室もある
密庵と待庵は まだだから
ぜひとも 拝見したいものだ




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レ・セゾン

2011-09-24 23:43:03 | 懐石・料理
野の花・司に頼んであった花束を取り
それから帝国ホテルへ行く
着物を着て、大きな花束の入った紙袋を持っている
銀座から日比谷まで歩くのは
暑かったからか結構大変だった

今日は帝国ホテル レセゾンで
紫兎様の○○歳の誕生お祝い
総勢10名である
フランス料理である
魚料理は鯒を選んだ
肉は兎
コチは食べられたが、兎は一口だけ食べた
お腹の調子がいまいちだったので
無理はしない事にした
デザートになると誕生日のケーキが登場
写真はその時の

料理を
もっと早くから撮っておけば良かったが
忘れていた



紹鴎門弟の法度に
「会席は珍客たりとも茶の湯相応に一汁三菜 に過ぐべからざる事」とあり

利休居士は
精進料理を応用し、また禅の思想や禅院での食礼を茶の湯に取り入れた
狂歌に「振舞はごまめの汁にえびなます亭主給仕をすればすむなり」と言う


紹鴎様 利休様
スイマセン
いつもはわが食卓は極わびで御座います
今日は特別のお祝いの席なので
どうぞお許しを




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覚えているはず 六古窯 遠州七窯

2011-09-23 23:33:28 | 茶の事
台風の風で庭の馬酔木が大きく揺れて
柴垣を壊してしまった
そっとそっと元に戻してあるが
次の風ではわからない


やはり風邪をひいたようだ
お彼岸のお墓参りに行く予定だったが
具合が悪い
食事以外はただただ 寝ていた


知って言るはずなのに
全部言えない事もある
ちゃんと覚えよう

六古窯
 備前、越前、丹波、常滑、信楽、瀬戸をいう。

遠州七窯
 遠州好みの茶陶を製作したという窯

朝日、
赤膚
上野、
膳所、
高取、
古曽部、
志戸呂、



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油断禁物風邪ひくな

2011-09-22 23:28:17 | 村雨庵 稽古 
台風のせいか
具合が悪い
体重以上に重く感じる
しかしお茶だ
掃除して畳を拭いて
釜を掛けた
軸を掛けて花を入れる
後は香をたけば
さあ 
何時どなたが見えても
大丈夫だ

掛軸は
先日の茶事の掛け物
香川景樹の歌
山家人稀
たまたまは人も明けつる山里の
松の戸には苔むしにけり


今日は良い天気だったが
夕方からまた雨が降ってきた
で 雨が降るととたんに
身体が軽くなった
でも 寒い


風邪引かぬよう
油断禁物




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普段が大事

2011-09-21 23:05:59 | 茶の事
写真は
昨日の料理
石川芋と万願寺唐辛子

いつもは九時頃なのに
はやくも八時にお菓子屋さんがお菓子を届けに来た
風雨が強くなる前に配達してくれたのだか
台風上陸で
お稽古は休みにした
もう誰も来ないはず

風も激しく雨音が荒々しい
ピンポーンとベル
誰だろ
厳しい大きな声で
  ハアーイ誰れぇ?
またもやピンポン
  はぁっい!
  はぁっい!ってば!!
ようやくドアを開けると
なんと
お坊様だ

そうだ
お彼岸だから
お経を上げにいらしたのだか…
すっかり 忘れていた
 いつもは母がちゃんと前日には用意してあるが
今年から一切家事はしない
すぐにお布施の用意、
でもお布施の袋がないではないか
あるのは次から次へと赤い熨斗袋ばかり!
いや確かあったはず
こっちかなと別な場所を見るとあったあった
次は筆ペン これがよく書けない
いつもより下手な字になってる
さてお菓子はあるのだが
黒文字も懐紙もお坊様のその向こう側
仕方ない お経が終わるまでそばにいて、
終わるとすぐお盆のお布施とお菓子をつつとお出しして、
すいませんと誤りするりと
お坊様の横をすり抜け
大切な黒文字と懐紙を取りにいった
次はお茶を・・・
ところがお湯が沸いていない
慌ててお湯を沸かす
今度はここにお茶碗がない
まっ!まったく

結局お坊様は
わが母の陶芸教室で作ったの小さな茶碗で、
熱々のお薄をフーフーしながら召し上がっていらした

すいません
和敬清寂
ほど遠く
まぁ!お恥ずかしい

何事も
普段が大事
とそのあとに
母に言われた

そうその通り
ああ恥ずかし!




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ヒガンバナ

2011-09-20 23:52:09 | Weblog
出かけようと木戸を開けると
足元に彼岸花が咲いていた
忘れずに毎年咲く
えらいなぁ


今日は茶の稽古に行く
そう思うだけで楽しい

掛け軸は何かな
道具は、お花は
お菓子は何だろう
そう思うと
胸の奥がワクワクしているのに気づく

ずっと
わが稽古場も
お茶事の時のように
お稽古も楽しかったら良いと願って
道具を出しているが

今年は地震の後
何だか不調で
何事も少し面倒になっている
心の塵をはらい
新鮮なる心を以て
己の茶を見直そう


水と湯と
茶巾茶筅に箸楊枝
柄杓に心
新しき良し

利休百首





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秋艸虫の図

2011-09-19 23:19:55 | 村雨庵 茶事茶会
待合の掛け物は
菊池芳文の秋草虫の図

残暑はまだ厳しい
今日の飯後の茶事は一時に席入り
亭主は森金さん 水屋は私め
正客はくましょうさん
さわわさん、うらちゃん、
詰はotakeさん

外の明りだけでは暗めだが茶室は良い雰囲気になる
席中は四名のお客様でゆったりと
銀杏ご飯の点心に煮物椀
八寸は豪華に唐墨と松茸にした

席入して主客の挨拶
次は吸物八寸だ 
今日は点心盆、次は煮物椀をおだしし、亭主も持ち出して相伴
その後 八寸を持ち出し千鳥の盃
箸が落ちたら、膳を下げて初炭となる
香合の拝見が終わると
吸物膳に菓子椀に黒文字と杉の赤箸を添えて
菓子椀の中は「かんざらし」
その菓子は亭主がつくった
島原生まれの森金さん
故郷では「かんざらし」というお菓子を夏には食べるそうだ
懐かしいそのお菓子は冷やして蜜をかける 
よく見ると白玉のようだ

干菓子も森金さんが作る
すはまを黄色くして月を、
緑にして枝豆、それと和三盆で兎を作った
あと葛まんじゅうを小さくして薄茶のお菓子に
餡は塩トマト 葛に餡のオレンジが透けて綺麗だ
やがて薄茶が終わる
挨拶をして送り礼
時間はちょうど四時
今日は三時間ほどで

始まるまでは何かと用事が多いが
茶事が始まると終わるのは早い
「あっという間だった」
 と森金さんは言う



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茶事のしたく 灰型

2011-09-18 23:04:17 | 茶の事
日曜日の月々会は
いつも七事式をするが
休みが多く人数がそろわない
個人の点前に変更、じっくり奥伝の稽古
大円草を稽古した
昼間の茶の稽古は
太陽が東から西へと動くにつれて
部屋への明るさが移っていく
のんびりそれを感ずるも、中々風情がある


明日は茶事
亭主役は森金さん
夜には茶事の下ごしらえ
銀杏ご飯の用意で銀杏を塩炒りし、
玉子焼きと、オクラの青煮を作った
あと南瓜の煮ものを森金さんが作る
飯後茶事だが扇面の点心盆に
銀杏ご飯に香の物と煮物
吸物椀と八寸をその後に出す

灰型は亭主役が作るのだが
何かと忙しい森金さんの代理で
アイテラ氏が灰をした
雲華の道安風炉に二文字
どこかで灰型を習った訳でもない
この頃、空いている人は灰型をつくっているので
人のするのを見つつ灰をする
今日は四回目か五回目 その割には
柔らかく綺麗に出来ている
わが社中の修繕部担当だからか、
細部まで気が届き繊細でかつ器用である
明日はダイナミックな森金さんが
ちゃっちゃっと藤灰を撒きこの灰型は
二人の合作 となるようだ




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美味秋色

2011-09-17 23:18:34 | 懐石・料理
朝ごはんを食べず
今日は 京料理福們のお料理を食べに行く



鼠志野の四方累座の向付
山芋の寄せ煮にいくらと叩きおくら
張ってある汁を吸う 

器を下げると葉が一枚置かれて
そこに田舎家の器

「葉は何の葉」
「三枚でひとセットです」
「葛の葉ね」
「そのとおり」

葛の裏風という風がある
葛の葉の裏は白く
風に揺れると白い波のように翻る
秋の季語でもあるが

つねよりも
あはれはふかし
秋暮れて
人もこす野の
葛の裏風
守覚法親王「野外秋尽」

移ろはで
しばし信太の森を見よ
かへりもぞする
葛の裏風
赤染衛門

葛の葉の家の屋根を外すと
口取が上手に詰めてある



次は松茸の土瓶蒸し



おつくりは絵志野の器に



京焼の蓋物に飛龍頭



染付の皿にかますの焼物



へぎ目の箱に毛蟹



松茸ごはんに冬瓜の味噌汁と香の物



栗きんとんの菓子と薄茶




美味秋色





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むかし、おとこありけり

2011-09-16 22:53:45 | お勉強
三人で
伊勢物語を読んでいる
今日は七段と八段
七段
むかし、おとこありけり。
京にありわびて、
あづまにいきけるに、
伊勢、おはりのあはひの海づらを行くに、
浪のいと白く立つを見て、

いとゞしく過ぎゆくかたの恋しきにうら山しくもかへる浪かな

となむよめりける。

八段
むかし、おとこ有けり。
京や住み憂かりけん、
あづまの方に行きて住み所求むとて、
友とする人ひとりふたりして行きけり。
信濃の国、浅間の嶽にけぶりの立つを見て、

信濃なる浅間の嶽にたつ煙をちこち人の見やはとがめぬ


午後の時間は殆ど楽しいおしゃべりで埋まり
夕方近く以上わずか二段をよみ勉強会の終わり
それでも 気分は上々である




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