村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

若楓

2023-05-14 23:54:48 | 禅語・禅

箒目ホウキメのあやまつ足や若楓  蕪村

今日は法事があり
お寺へ行く
午後からは雨の予報
コロナ禍で
久しくお参りに行けなかった

母は
平成29年8月に逝った
今年は七回忌
それと同じ年7月に亡くなった
従妹のノンちゃんも七回忌
合同での法事

お焼香の聞きなれた香りが広がる
天井の高い本堂に
ながながと
ご住職の読経の声が響いてる
こうして
お経の終わるのを
じっと待っているのも
久しぶりだ

信仰心のようなものが
全くない

信仰心とは
神や仏、
そのほかの絶対者を
あがめ
とうとぶ気持ち

写真はお寺

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薫風自南来

2022-05-25 22:05:31 | 禅語・禅

今日は水曜稽古
今月まだ掛けてなかった一行
薫風自南来クンプウジナンライを掛けた

唐の皇帝文宗(809-840)が、
五言絶句の起句と承句を詠んだという
 五言絶句は
中国の唐代に完成した近体詩のひとつ
五言の句が4句 起承転結からなる漢詩
 人皆苦炎熱
 我爱夏日長
人は皆 炎熱に苦しむが
我は夏日の長き事を愛す

それを
書家の柳公(778-865)が、
転結を付け加え絶句を完成させたという
 薫風自南来クンプウジナンライ
 殿閣生微涼デンカクビリョウヲショウズ


「三世の諸仏の悟りの境地とは如何」の問いに
  雲門文堰ウンモンブンエン禅師は
「東山水上行」
  圜悟克勤エンゴコクゴン禅師は
「薫風自南来 殿閣生微涼 」と答え
これを聞き大慧宗杲禅師が大悟したという

圜悟克勤禅師が答え
大慧宗杲禅師が悟った

 圜悟克勤エンゴコクゴン禅師は北宋から南宋の禅僧
碧巌録ヘキガンロクの大成者。
国宝印可状(流れ圜悟)の墨跡で有名
大慧宗杲禅師の師匠

 大慧宗杲ダイエソウコウ(1089-1163)は南宋の禅僧
臨済宗公案禅の大成者
正法眼蔵の著者。
圜悟克勤エンゴコクゴンの法嗣(あとつぎ)である

かの大慧宗杲がこの絶句で真理を悟った
そのことが
絶句の逸話の内容より肝心で重要とされて
禅語の一行物として掛けられているのだろう

圜悟克勤や大慧宗杲の墨跡は国宝指定
東博や畠山所蔵など
拝見する機会があれば
季節を問わず
薫風自南来クンプウジナンライ
殿閣生微涼デンカクビリョウヲショウズと
私は呟こう

写真は昨日のランチのコース
玉ねぎの冷製スープ
美味

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春は心の花にのみ

2022-03-29 23:31:53 | 禅語・禅

 西行
おぼつかな春は心の花にのみ
いづれの年かうかれそめけん

おぼつかな→
①ぼんやりしている。
ようすがはっきりしない。
ほのかだ。
②気がかりだ。不安だ。
③不審だ。疑わしい。
④会いたく思っている。
待ち遠しい。


今日庵(こんにちあん)は
宗旦が
不審菴を江岑宗左に譲り
隠居所として建てた茶室です。
席開きの当日、
時刻に遅れた
清巌和尚が、
茶室の腰張りに書きつけて帰った
「懈怠比丘不期明日」
(懈怠の比丘明日を期せず)
の意に感じて、
宗旦が今日庵と命名した
という逸話で知られており、
裏千家の呼び名でもあります。
 一畳台目という最も狭い草庵の茶室で
床も壁面を代用してあります。
茶室の構成を極限まで
切り詰めたところに、
侘び茶人宗旦の面目躍如たるものが
感じられます。
(裏千家ホームページより)

明日は水曜稽古
掛ける一行は
懈怠比丘不期明日
ケタイノビク ミョウニチヲキセズ


今日は
どこへも行かない
ずっと家に居た
椿の選定の時
花芽をきりすぎてしまい
花が咲かない椿ばかりだ
白木蓮が天に向き花を咲かせ
加茂本阿弥がお椀のような花を
いくつも咲かす
胡蝶侘助も満開
狭い庭が華やいで見える

桜も満開だろう

写真はふくもとの和菓子
中の餡は緑色
桜の葉の香りをつけてあるとか
私はニッキの香りだと 断言してた
違ってると恥ずかしいから
気をつけよう

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雪間の草の春

2021-03-12 21:49:27 | 禅語・禅

花をのみ待らん人に山里の雪間の草の春をみせばや 藤原家隆

今日は南方録の勉強会
覚書の31,32は野点のことで、
巧者の所作ならでは成りがたし、
主客の心も清浄潔白を第一とす。
定法なきが上に定法、大法あり。
その子細はただただ一心得道のとりおこない、
形の外のわざなるゆえ、
なまじいの茶人かまいてかまいて、無用なり。

お茶は単に点前の順を追えば
よい訳ではないと思う
禅に言う
拈華微笑、
以心伝心、
教外別伝、
不立文字、
これらが
「形の外のわざ」ということ


写真は今週の稽古日に
茶通箱を点前をしているところ
いわゆる伝物も
教外別伝を習うものだろう

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不識フシキ

2020-12-20 23:52:57 | 禅語・禅

菩提達磨は6世紀初頭に
禅をインドから中国へ伝えた。
梁リョウの武帝ブテイは
ダルマに
「寺を起タて僧を度ドす。何の功徳かある」と聞くと
達磨は「無功徳ムクドク」と答。
 禅の真髄とはいったいどのようなものか?と聞くと。
達磨の答えは「廓然無聖カクネンムショウ」

「では、私の前にいるお前は何者だか?」と武帝は尋ねる。
達磨は一言。「不識フシキ」と答えた。


写真の掛け軸は
達磨画賛
画は狩野尚信

江戸前期の画家。
木挽町狩野家初代。
京都生。
孝信の次男、探幽の弟、安信の兄。
初名は一信、のち家信、
通称を主馬。
薙髪して自適斎と号し、
幕府の奥絵師となり、
多くの障壁画を描く。
山水画に優れ、情緒ある作品を残した。
慶安3年(1650)歿、43才。
(美術人名辞典ヨリ)

不識の賛は
玉舟宗璠筆
江戸前期の臨済宗の僧。

大徳寺百八十五世。

山城生。姓は伊藤、玉舟は道号、

宗璠は諱、号に青霞山人・春睡・優遊自在・善哉等。

玉室宗珀の法を嗣ぎ、

芳春院二世となる。

武蔵品川東海寺の輪番となり、

大徹明応禅師の号を賜わる。

寛文8年(1668)寂、69才

 

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四睡シスイ

2020-10-30 23:21:07 | 禅語・禅

月か花か問へど四睡シスイの鼾哉イビキカナ  芭蕉

四睡シスイとは
豊干ブカン、
寒山カンザン
拾得ジットク
虎が眠ってる
禅画の課題である

豊干ブカン禅師とは
中国・唐代の禅僧。
寒山と拾得と共に
「三聖」と呼ばれる。
出身地や出自は不明。
天台山の国清寺におり、
仏道の教理を問われると、
いつも「随時」と答えた。
豊干は虎に乗って
門を入ってきたことがあり、
虎に乗る姿は絵にも描かれた。
国清寺の厨房には
寒山と拾得が、
かまどの番をしながら
話をしていた。
聞いても何を話しているのか分からない。
それを豊干だけは理解し、
寒山と拾得は
文殊・普賢の両菩薩だと言ったという。


写真は
今夜の月
友人が送ってくれたもの
明日は満月

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一山一寧

2019-06-04 02:11:25 | 禅語・禅
写真は乾山光琳忌茶会の嵐山吉兆の点心

お造りは白身昆布〆
御椀は鱧
大徳寺弁当に
焚合せの賀茂茄子 
万願寺唐辛子
椎茸
稚鮎塩焼き
雲丹豆腐
車エビ
松風
オクラ
御酒

茶会帰りの新幹線は
会記を見直し
絵を書いたり
ネットで調べたりして
余韻を楽しんだ
その一つ
一山一寧イッサンイチネイ
[1247~1317]
中国台州(浙江省)出身の臨済宗の僧。
元(げん)の使者として来日し、
鎌倉幕府に疑われて幽閉されたこともあったが、
のち、建長寺・円覚寺・南禅寺に歴住。
五山文学隆盛の糸口を作った。
一山国師。一寧。
(デジタル大辞泉の解説より)

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松無古今色

2019-01-21 22:22:52 | 禅語・禅
写真は
昨日の羊の会の掛物だ

朝比奈宗源筆の一行
松無古今色
(松に古今の色無し)
対句がある
松無古今色 
竹有上下節

筆者は
朝比奈宗源
あさひな-そうげん
1891-1979 
大正-昭和時代の僧。
明治24年1月9日生まれ。
臨済宗。
京都妙心寺などで修行し,
鎌倉浄智寺住持をへて,
昭和17年円覚寺貫主。
20年円覚寺派管長。
38年賀川豊彦,尾崎行雄らと
世界連邦日本仏教徒協議会を結成,
会長となった。
昭和54年8月25日死去。
88歳。
静岡県出身。
日大卒。
号は別峰,平等軒。
著作に「無門関提唱」,
訳注に「碧巌録」など。
(日本人名大辞典ヨリ)



41才の時に病気になった私は
朝比奈宗源の
「仏心」という本を
すがるように読んだ

本棚に今もあるが
この古本の値段
驚くほど
高いのに 驚く

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深雲古寺鐘

2018-10-18 23:20:50 | 禅語・禅
深雲古寺鐘シンウン コデラノカネ

室町時代の禅僧の
絶海中津の漢詩に

流水寒山路。
深雲古寺鐘。 とある

流水寒山のみち。
深雲古寺の鐘。

谷川の音を耳にして
水の流れに沿う人気の無い山道行く。
深い雲の彼方から古寺の鐘の音が響いている。
という漢詩だが
その幽玄な風景こそが
悟りの境地なのだ
ということらしい

今日は月に一度の茶の稽古
ホントに久しぶりだ
始まるのが10時
一時間早く行こうとすると
ちょうどラッシュの時間になってしまう
その時間に着物で電車には乗れない
今日は朝6時15分に電車のホームにいた
その時間でもホームは
まあまあの混み具合
回りの人々は
会社に向かうぞという
勢いに満ちている
それが今はこわい
来た電車に乗ったがしばらく座れず
立ち続けて足が痛いが
途中から座ることができた
目的の駅に着いた時間は7時半前
でもまだ早すぎる
時間調整にどこかでモーニングでも食べたい
ところがいつも時間待ちするイートインのお店が
なくなっていた
つぶれたらしい
他の喫茶店もまだ開いていない
どこかないかしらと
歩いたが なかった
仕方ない稽古場の階段にでも座って待つか
そちらに向かうと
ちょうど戸が開いた
稽古場に入れば まずは一安心
無事に着いて良かった
稽古に出掛けるのも
リハビリ
その上
皆さんに会えて嬉しかった

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深雲

2015-10-27 21:06:44 | 禅語・禅
月に一度の茶の稽古
床の掛物はさて
何と読むか
よおく見ていると読める

深雲古寺鐘
シンウンコジノカネ

調べると
対句になっているようだ
流水寒山路。深雲古寺鐘。
山中幽深の妙趣。
現実がそのまま
悟りの妙ということらしい

悟りの妙
うーん それも難しい
どういうこと





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無事・・・とは

2014-09-02 23:48:06 | 禅語・禅
私のお見舞いにと 
従姉妹たちが来てくれた
秋田からノンちゃんと
成城ガゼータのブログの主と 
偶然お二人が
同じ日に同じ時間になった

写真はそのガゼータさんのお土産である
成城のパン屋さん 
右のパンの中は野沢菜
左のは桜の葉が巻いてある アンパン
写真を撮るとすぐ食べてみたが 
塩気が丁度よく癖になりそうな味 
つづけて二個食べて
夕食の炭水化物は充分摂取なのに
ほかに続けて
ノンちゃんのお土産の海苔巻を
あれやこれやと口に放り込み
満腹
わが胃袋は快調だ


明日から
9月の茶の稽古が始まる
掛軸を何にしようかと考えたが
やはり是だろう
「無事」だ 「無事」
「無事是貴人」でもよい
その禅語は臨済義玄の言葉らしい
無事とは 
ふつうは
平安とか健康であるとか
変らず元気であるというような意味だろうが
禅語では少し違うようだ

臨済禅師が説くところの「無事」とは
聞くところによると 
求めない心だという、
自分の希望や夢に向かって、
外へ外へと求めるのは愚かであり
求めるとどんどん遠くへ行ってしまい、
その欲は限りなく膨らむ
外にもとめなくとも、
それらはすでに内に備わっている のだと
それに気づいた人、
その境地に辿りついた人こそが
貴い人なのだ とか
禅語の本の受け売りだろうが
何度聞いても なんだかちっとも
理解できない
よくわからない
そんな時
難しい禅語の軸を前にしたら
礼をして拝むに限る
それを書かれている筆者は
仏様に帰依されている和尚様なのだから
お願いしよう

「どうぞ私と、お弟子様、
周りの縁ある方々と、
このブログの読者様を
どうぞお守り下さいませ」と
念を入れて拝むのだ
「どうか
この先ずっと30年くらいは
無事でありますように・・・」

何のお供物なしでは
厚かましい
お花は勿論 
ちょっと良いお香を焚いて
お供えせねば
明日 
忘れずに




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大徳寺 特別拝観

2012-11-17 21:59:15 | 禅語・禅
朝は8時頃イノダ珈琲で朝飯を食べ

タクシーで今宮神社へ
紅葉が美しい
お詣りのあと
歩いて大徳寺に入る

特別拝観の総見院、黄梅院、興臨院
それと
泉仙にて鉄鉢料理を食べ
瑞峰院へ
雨は大降り
止む気配はない
雨の中の紅葉は
驚くほど美しい
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紅炉一点雪

2012-02-07 22:58:48 | 禅語・禅
紅炉一点雪
碧巌録の六九則

かつての師匠が
二月になるとこの軸を掛けた
炭の黒、燃える赤、そして雪の白
その色の対比と
雪の冷たさ
炭の熱気を思い浮かべる
赤々と自ら燃える炭が
熱と光を発す
真白い雪片が
ハラハラと紅炉に降り来て
これ以上ない短さで
その姿を消す
雪片は
始めから無かったかのよう
消える

紅炉は悟りに至ればかのように強く
一点の雪のわが煩悩など
一瞬に消える
煩悩も肉体も儚い


この軸がかかると
かつての茶の稽古風景を思い浮かべる
過去はみな
懐かしい



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吾心似秋月

2011-09-27 20:57:06 | 禅語・禅
木戸をはいり家の入口の所に
写真の表札がある
今日も荷物を運んで来た人が
耐えかねたかのように
「いったい何と書いてあるのですか」と聞く

村雨会 です


前にも書いたと思うが
もう30年も前
お茶を教え始めて外の茶室を借りて茶会でもしようかとなったが
借りるのに団体名で無いと借りれないと言うので
30秒ともかからず「では村雨会で」ときめた
結局その茶室は借りなかったが・・・
名前だけ残った

寒山詩より

吾心似秋月
碧潭清皎潔
無物堪比倫
教我如何説

わが心秋月に似たり、
碧潭ヘキタン清くして皎潔コウケツたり。
物の比倫ヒリン(に堪ゆるは無し、
我をして如何が説かしめん。


秋には美しい物がたくさんある




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一休寺

2010-05-16 19:43:07 | 禅語・禅
今日は
新田辺の一休寺
地下鉄の烏丸御池から近鉄の新田辺へ
五月なのにとても上手に鴬が鳴く
透き通った鳴き声がときおり響くと
いつもわが駅で流れているテープとまるで同じようでもあり
どうしても本とうだとは信じがたく…
しかし本物だった
尚更いい声に聞こえる
庫裏に着くと
お守りやらお菓子などお土産がガラスケースに並ぶ
まだ何も拝見してもいないのに
一休寺のお土産を買った
お線香、縁結びのお守り、一休寺納豆
抹茶や善哉も食べられる
われらただちに善哉を注文
お餅の焼ける間に
和尚さんの書かれた短冊や色紙を物色

記念にみなそれぞれ買おう
虎丘庵を拝見したいとお願いし、お包みして特別拝観させていただいた

緑の木々を通り抜けた風が四方から入りくる
ここでまた昼寝をしたいと厚かましくも願えどもそれは無理
でも満ち足りた気分
駐車場の一休庵でビールで乾杯
一休そばを食べ
ますます気分良く市内へ帰る

あとはコーヒーでも飲んで
江戸へ帰ろう


そうして今、新幹線の中だ



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