花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

法が泣いている

2020-05-23 16:54:05 | Weblog
 東京高等検察庁の黒川検事長が辞職しました。法の解釈を曲げてまで安倍首相が検事総長に据えたかった黒川氏ですが、週刊文春の賭博麻雀報道でこれまでの官邸のガードは何だったのかというくらいあっけない幕引きでした。

 今回の一連の騒動から感じることは、政府の法律軽視と支持率重視です。普通に考えると、良い政治を行えば支持率は上がる、つまり支持率は結果なのですが、現政権においては、支持率が高ければ好き勝手出来る、と支持率が手段になっています。

 黒川氏問題に即して言えば、支持率が高い間は野党が追及しようが、手続きの違法性を指摘されようがどこ吹く風だったのに、支持率に影響しそうな事態が起こった途端、手のひらを返したような態度変化に出て悪びれません。支持率が下がれば好き勝手が出来なくなるからです。決して国民の意向に応えようとしてではありません。

 彼らの行動を規定したのは法律じゃなくて、週刊文春のインパクトだった訳ですが、ある意味では天の法に裁きもあったかに見えなくもありません。安倍首相の思惑を忖度して黒川氏の定年延長に加担した人事院、法務省、当の本人の黒川氏はいずれもトカゲのしっぽ切りの憂き目にあいました。横紙破りの罰が当たったのかもしれません。ただ、しっぽが切れてもへっちゃら然としているトカゲに対して、切られたしっぽの方は哀れでもあります。天の法にも限界があるとすれば、最後はやはり私たちひとりひとりの良識に期待するよりないかと思います。