花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

技癢(上)

2014-09-12 20:57:16 | Weblog
 東電福島第一原発の故吉田所長への聞き取りを基にした「吉田調書」に関する報道において誤りがあったとして、朝日新聞社は9月11日の夜、記者会見を開き、謝罪しました。同新聞社は、30年以上前の「従軍慰安婦強制連行」報道が虚偽の証言によるものだったとして、この8月にお詫びならびに検証記事を掲載したばかりでした。そのほか、同新聞社の報道における不祥事としては、当時の田中康夫長野県知事の新党立ち上げについて、架空の取材メモを作成し記事にした事件が、まだ記憶に残っています。
 朝日新聞社は時の総理大臣や東京都知事を辞任に追い込むような、「政治とカネ」にまつわる大スクープの実績が多々あります。新聞記者であるなら誰しも、一面トップを飾りたい、新聞協会賞をとってみたい、といった思いがあるでしょう。その一方で、思いが強すぎて功を焦る気持ちがないとも言い切れないように思います。今回の「吉田調書」問題では、「功を焦ったのではないか」、そんなことが頭をよぎりました。
 さて、ここからは全くの想像です。小さい頃から成績優秀、名の知れた高校、大学へ進み、難関を突破して新聞記者になった人がいたとしましょう。いつもほめられていたので、ほめられることがこころのエネルギーになっています。でも、新聞記者になってみると、周りにも似たような人たちがいます。ほめられたい人がたくさんいたとしても、ほめてくれる人には限りがあります。そうなると、ほめてもらうためには、熾烈な競争に勝つ必要があります。結果を求めるに性急なあまり、つい・・・、みたいなことが。