
昨日は、お客さんが遠方より来店されて古い天体望遠鏡の買取り機材を持ち込まれました。中にはちょっとレアな商品もありましたが、ちょっと残念な状態の商品もありました。最初にメールから買取のご依頼があって、その状態を画像等で簡単に見せていただき、最終的には現物を見てからお支払額を確定しますが、今回は遠方から持ち込んで査定をされて買取りさせていただきました。価格的には概ね満足していただけたかと思います。

タカハシ160型-JP赤道儀ですが、グリスの固着も無くて、各部の動作はスムーズでした。昔の赤道儀は、良くある症状としてグリスが固着して軸の回転が硬いのが見受けられますが、このJP赤道儀はそれが無いので、今後改造して自動導入化するにも支障なく行えるでしょう。付属品として木製直脚とHD-4XYがあり、まだ動作は確認しておりませんが、多分大丈夫でしょう。月や惑星か観望くらいしかしない方なら、このままでもまだまだ使えるので、昔は高かった高精度のタカハシ赤道儀が安価に買えるなら欲しいという方がいらっしゃるかと思います。状態的には悪くはないと思います。

鏡筒が2本ありますが、1本はレアでその当時はマニア垂涎の品だった「BORG 150ED屈折望遠鏡」ですが、当時は60万円以上と高価でしたが、今の時代でもそのスペックから考えると安かったと思われます。またこの鏡筒の特徴の一つが6インチ屈折で軽量であるという事です。当店にもTOA-130がありますが、20kg近い重量でBORG 150EDと比較して、いかに軽量化されているかが分かります。写真性能も当時としては優秀で、良くフォトコンテストでも見かけるほど写真マニアに愛用されていた程です。
一つ残念だったのは、画像のタカハシFC-100鏡筒ですが、対物レンズが曇っています。タカハシのFCシリーズなどでは曇っているのが多く見られますが、コーティングの変質によるものだとはされています。他のビクセンなどのフローライト鏡筒では同症状はそれほど見られないそうです。この曇ったレンズは、今のところ対処する方法が無いので、そのまま観望で使うか、清掃して取れるところまで取ってもらう、しかないようです。ただしこの個体は見たところ、酷い物では無さそうなので、その対象によっては使えるとは思っています。レデューサーやファインダー、回転装置も合わせて引き取りましたが、肝心な主望遠鏡がこんな状態なので、そのアクセサリーも活かせないと思われます。
今月は、中古品の買取が結構ご要望があり、部屋がどんどん埋まってきています。当店へ買取りを依頼される方々は、ネットで情報を探したり問い合わせを他店へしたりして、一番高く買ってくれそうなところを探すのですが、当店はその中でも適性以上の価格で買ってくれると考えて問い合わせをされるのだと思っています。それ自体はありがたく思っていますが、買取りばかりしていると、機材が増えすぎて場所が無くなるので、その一部は年内には処分したいと考えています。