高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

焼くだけでほんまもんの味

2005-11-22 | メディア

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11月22日の産経新聞の25面(大阪版)に「浪速魚菜の会」代表の笹井さんが取り上げられてます。
その記事の中で、ささゆりの里のことについても触れられて、恥ずかしながら私の事も少しですが書いてもらってます。
ささゆりの里では笹井さんが浪速野菜を中心にしたこだわりの食材を集めてくださり、私が料理の監修をさせていただいてます。初めて、お話をいただいた時は凄く戸惑ったし、何度か「本当に私で良いですか?」とお聞きしたのを覚えてます。
 その思いは今でもあって、少しでも笹井さんや生産者さんの思い応えれるようにしないといけないと思って試行錯誤を繰り返してます。 ただ、1つ言えるのは、私がいろいろな生産者さんと話したり、畑を見学したりし始めてから料理方法の選択や考えが凄く変わったこと。そして、こだわりの野菜達は上野修三先生を始めとする諸先輩方との人の縁を私に与えてくれて、それが今の私の中の大きな力になっているということです。
 記事の中でシンプルとか○○だけの調理、という表現があります。表現に対する人の捉え方はさまざまです。記事はとても的確な表現方法ですが、その裏にはいろいろな試行錯誤や思いや下ごしらえがあることだけはわかって欲しいと思います。その思いを記者の方が「調理方法にこだわった・今までにない苦労」と表現してくれたのでしょうね。
 料理人である以上、今まで学んできたことなどを食材を通して表現したいという思いは多々あります。ただ、それがついついこだわりを通り越してしまったり、独り善がりの料理になってしまったりしては意味がありません。その食材にどこまで手を加えて持ち味を引き出すかが、料理人の思案のしどころと最近よく思います。
 時には、自分のイメージ通りに料理が出来なくて、焦っったり・煮詰まったりしてしまうこともあります。そういう時、畑の野菜達はそういう気持ちを落ち着かせてくれて、食材の持つシンプルだけど力強い個性を持っていることを再確認させてくれます。そう、まずはこの食材を活かしきることだけを考えようと割り切れるのです。
 ささゆりの里の料理は、いつもご指導いただいている笹井さんを始め、こだわりを持った生産者さんや現場の厨房や施設のスタッフによって支えられています。このような出会いを得ることで出来たことをとても感謝していますし、嬉しく思っています。
 やっと、自分が本当にやりがいを感じることにめぐり会えたように思います。料理人としても人間としても、浪速の野菜を通じてどんどん成長できればと考えています。

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