古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

河口湖の旅と箱根の美術館

2013-10-08 | 旅行
 「お宅までお迎えに上がります。」と誘われて河口湖の旅にでかけました。部品労連のOB会で、もう役員を退任してから40年が経ちますが、今でもお誘いがかかるにはうれしい限りと、O君の車に乗せてもらい、6日9時過ぎ河口湖に向かいました。
 春日井ICから東名に乗り、三ヶ日JCで新東名に移り、森町SAでトイレ休憩。
「トイレにずいぶんおカネをかけていますね」と、O君が言う。トイレに限らず、新東名はカネをかけている。「だから、政治家が公共投資をしたがるわけだ」
地元に大きなカネが落ちる。地元よりゼネコンに落ちるのかもしれないが・・・。
早めの昼食をすませ、東に向かう。
 御殿場ICで高速を降り、「時間がありますから下を走ります」須走から高速があるが、138号線をそのまま走る。山中湖、富士吉田を過ぎて河口湖町。河口湖大橋近くのニッキ(日本気化器)の寮についた。
 2時間ほどメンバーがそれぞれの近況を語る。
 O君の報告が面白い。退職後、家の畑のお守りをしているが、近くの小学校で頼まれて、二年生のクラスに農作物の作り方を教えている。子供たちは目を輝かせて聞いてくれるそうだ。それに、先生たちも都会育ちで農作業のことは全くわからない。子供たち、先生たちもそれぞれ反応が異なり面白いという報告でした。 6時から夕食懇親会。
「総理大臣に“もっと給料をあげなくては”などと言わせるようでは労組は存在価値がない」と小生が言うと、幹事のTさんが同感しくれたらしく、傍に来て話し込んだ。
「給与を上げるにしても、正社員だけだから、派遣を増やせば人件費は増やさなくてすませる。国民経済的には何の意味もない。そもそも、小泉内閣が、製造業に派遣を自由化した時、労組幹部が何も抵抗しなかったのが、根本的な誤り!」と、小生の持論を述べる。 
 翌日は、朝食後解散、小雨模様になったが、O君と「折角ここまで来たのだから、ポーラ美術館に行こう」と箱根に向かう。
 昨日来た道を戻り、御殿場ICの入り口を通り過ぎ、乙女峠を通り、仙石原の交差点を右折(元箱根方面)すると、目的の美術館があった。「モネ 風景を見る眼」という企画展をやっていた。
http://www.polamuseum.or.jp/
モネを集めた上野の西洋美術館のいわゆる松方コレクシヨンと、ポーラ美術館のオーナー鈴木常司が40年にわたって収集したコレクシヨンを合わせ、印象派の作品を展示していました。フジタの新規公開作品、それにガラスの工芸品の展示も見事で、100点の展示に堪能しました。
2002年の開館だそうですが、建物が実に凝っています。
(同館ホームページから)【箱根は仙石原。ヒメシャラ街道と呼ばれる県道から40mほど控えたところに、そのヴォリュームのほとんどを地下に埋没させてポーラ美術館は佇んでいます。建築設計は、まず広大な敷地内の動植物や地形、水流などに関する詳細な調査から始まりました。その結果、沢や谷を避け、本来この土地が有していた植物生態系を損なうことなく、自然への影響が最も少ない配置計画としたのです。
 建物は、地上部分の高さを8mに抑えて木々の間に隠れるよう配慮しました。それはゆるやかな傾斜地に直径74mの巨大な円形壕を掘り、そこに免震ゴムを設置して建物を載せるという手法で実現しました。円形壕は地下の水脈を守り、また土の圧力に対する安全性を確保します。完全免震構造によって建築を円形壕から浮かせることで、人と美術品を地震や高湿度から守り、また将来にわたって建物のすべての部位にアクセスすることが可能な永久メンテナンス建築を目指しました。こうした構造上の決定および交換可能な材料の選択によって、寿命の長い建物を誕生させたのです。また自然保護の観点から、工事段階においても現場での廃材発生を極力抑えるために全体構造を鉄骨造とし、自然景観との調和を図って杉板型枠のプレキャストコンクリートなどの工場生産品を多用しました。】
「この美術家は神奈川県の人気ナンバー1だそうですよ」感嘆したO君が言う。
 見終わってから、美術館外周の散歩道を歩いてみた。ブナの大木、それにヒメシャラの樹が印象的でした。
 一企業がこんな立派な美術館を作れるのだから日本は豊かな国だ。平日と言うのに、大勢の人が参観に来ていた。来館者も豊かな人たちだ、この豊かさは、20世紀の日本のものであって、21世紀に入って失われつつある。アメリカの言うがままに、経済のグローバル化を進めて、製造業の派遣を自由化した結果、企業の従業員は30%が年収200万円水準に落ち込んだ。これが豊かな日本と言えようか(以上、我田引水の論かな?)!
東名を通り、帰宅は4時半でした。


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