古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

リニアな発想?

2013-10-28 | 経済と世相
天文学者の池内了さんが、10月23日の中日新聞に面白い記事を寄稿していた。
今、話題のリニア鉄道についてです。要点を紹介します。
 【(辞書を引くとリニアには直線、入力に比例した出力、わかりやすいという意味がある。拡大解釈すると、単線思考とか、単純な発想とか意味が付与されるかも?と冒頭に述べている。)】
 【問題となるのは強い磁界を作り出すために超伝導磁石を使うことで、全長約440㎞の路線全体を極低温の超伝導状態に保つためには膨大な電力を必要とする。乗客一人当たりにすると既存の新幹線の約3倍となる。エネルギー節約時代に、この膨大な電力をどう調達しようというのだろうか。】
【そもそもリニア中央新幹線が最初に提案されたのは、1973年で、高度成長真っ盛りの時代であった。それより40年。少子高齢化・人口減少と社会が大きな変化を迎えているにもかかわらず相変わらず高度成長の夢を追いかけようとする「リニアな(単純な発想の)」プロジェクトであることに唖然とする。
 現在の東海道新幹線に比べて、乗客数は1.3倍に増え、運賃は千円プラスで済むと楽観している。建設コストが9兆円もかかるというのに、誰がそれを信じられるだろうか。】
 【もう一つのリニア性は、東京から名古屋そして大阪までほぼ「リニア(直線)」で結ぶとしていることだ。そのために都市部では大深度地下トンネル、南アルプスの山並みでは直下に大トンネルを穿つことになっており、経路の8割までが地下を走るようになる。これによって大量に排出される土砂の処分が問題だし、地下水脈の溢水や社団などの環境破壊が起こる可能性がある。また糸魚川――静岡構造線と言う大断層がある脆弱な地盤を横切るので、地震による崩壊の危険性も考えられる】
 と言うように「リニア」な発想を批判して見えます。
 池内先生の論の正否はおくとしても、料金が名古屋・東京間で、現状の新幹線の料金にプラス1000円ですむという計算は、私にはまったく信じられません。それに、リニア鉄道のために原発が必要だ、などという議論にならないことを祈っています。


最新の画像もっと見る