古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

セブン銀行

2018-06-22 | 経済と世相

「ダントツ企業」(NHK新書、宮本博史著)に面白い話が載っていました。

セブン銀行という銀行がある。セブンイレブンにATMを置いている銀行である。2017年3月期の業績は、経常収益1216億円、経常利益367億円、経常利益率30・2%です。

 利益の絶対額では、セブニレブン営業利益3132億円)には及ばない(しかし、面積当たりで見ると、ATM1台はおよそ幅45センチ・奥行60センチで、。店の平均床面積は100平方メートルだからATMの床面積の400倍。セブン銀行の利益の40倍と極めて高収益です。

では、セブ銀行はどうやって利益をあげているのか。ATMの使用料で稼ぐのである。その使用料を払うのは利用者ではなく提携金融機関、銀行である。つまり、普通の銀行は、「預金者から金を集めて、「融資先」から「利子」ヲ得ることで成り立っている。ところが、セブン銀行のビジネスモデルは全く違って「融資」をしない。預金者から資金をあつめない。

 銀行業界のノウハウはいかに焦げ付きを無くすかである。銀行の顧客は支店よりセブンイレブンが家の近くにあり、手数料もないのならセブン銀行のATMを使うだろう。しかも、銀行と違って、365日、24時間休みなく開いている。一方、金融機関がお金を払ってまでセブン銀行のATMと提携するのはなぜか。自らATMを設置するより、セブン銀行のATMと提携して顧客の利用した時手数料を払う方が割安なのである。

 セブン銀行のATMは、NECと二人三脚で共同開発して工夫をこらしてきた。紙幣処理速度を向上させ、1時間の処理件数を向上させ、キャッシュカードを挿入すると、、画面が「セブン銀行」の案内画面から利用者の使い慣れた銀行の画面に切り替わる。

ATM導入後の運用コストにも無駄を排除する工夫もある。

 運用コストで大きな部分を占めるのが現金の補充である。コンビニのオーナーが売上げた紙幣をATMから入金できるようにした。警備会社による現金補充は2週間に一度と大幅な削減が可能となった。

 店のオーアーが、近くの銀行支店に入金していた時代、その管理、手間、送金のコストは小さくなかった。銀行口座を管理する手間やコストは圧倒的に削減された。

2003年11月7日、セブン銀行の上期決算が発表された。経常利益2億円、開行2年半で黒字化を達成した。

セブン銀行は、銀行とは言っても、不通の銀行とは全くビジネスモデルが異なる。こうしたビジネスモデルを見出したところにセブン銀行成功のカギがあったという。


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