古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

原発と権力(2)

2011-10-20 | 読書
次に日本が潜在的核大国、という話。
 【吉田茂は、1952年、米軍の占領が終結する直前に科学技術庁の新設を決意し、行政管理庁長官に具体案の作成を命じた。再軍備への兵器、軍需品の国内生産の必要性を痛感したからだった。
 また、中曽根康弘らが提出した原子炉築造予算の趣旨説明で、改進党の小山倉之助は「新兵器や、現在製造の過程にある原子兵器をも理解し、またはこれを使用する能力を持つことが先決問題」と演説した。科学技術庁は原子力開発の推進期間として生み落とされている。
「わが国のプルトニューム管理状況」(原子力委員会)によれば、2009年末の国内、海外に保管中の全プルトニューム量は34.19トン。・・プルトニューム8kgは原爆1個に匹敵するとみると、日本の保有プルトニューム量は原爆4200発分以上である。
 使用済み核燃料中に含まれるプルトニュームの量は、米国513トン、フランス227トン、日本は136トンで第3位だ。この使用済み燃料を再処理し、高速増殖炉「もんじゅ」で使えば、同位体比率99.8%の軍用プルトニュームを生産できる。
中国の覇権を抑えたい米国は、日本を「代理」に見立て限定的に核武装を容認したとも言われる。80年代に「もんじゅ」や、軍用プルトニュームを抽出する特殊再処理工場の建設を認めたのは、その証とされる。
 日米同盟を額面どおりうけとれば、もしも日本が中国に核攻撃された場合、米国は「核の傘」で守らねばならない。しかし米国が中国を攻撃したら、大戦争に突入する。そこで米国は、日本に自分のことは自分でやってくれ、限定的な核武装を認めた
(もんじゅはナトリウム漏れ事故を起こして運転停止。東海再処理工場の火災事故で特殊再処理工場の建設は中断。)
 中川昭一自民党政調会長は、北朝鮮が日本を攻撃するのであれば、核兵器など使う必要はない、原発のどれかをミサイル攻撃すればいい、と講演で語った。
図らずも東日本大震災で、中川が指摘した原発の弱さが世界中に知れ渡った。頑強に作られた原子炉建屋を破壊しなくても、電源機能を喪失させるか、運転制御室や冷却水配管を壊せば、原発はコントロール不能となる。中国や北朝鮮と対面する日本海側には原発が30数基も集中している。】
 日本は不沈空母と豪語?した中曽根さんは日本で最初に原発導入を考えた政治家であった。浮沈空母には核兵器が必要と考えたかもしれないが、原発を林立させることで、日本人を核の脅威にさらすことになった?