古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

新聞に考えさせられる記事が二つ

2011-05-12 | 経済と世相
 中日新聞に考えさせられる記事が二つありました。一つは、5月5日の朝刊一面トップの「高台25m削り建設」という記事です。
 福島第一原発の立地場所が、40年以上前は海抜35mの大地だったことが、建設当時に東電が国に提出した資料で分かったという記事。【東電は、地盤の強度や原子炉を冷やす海水の取り入れやすさを考慮した結果、地表から25mも土を削って原発を建設した。】
 今回の震災で、東北電力の女川原発は、福島原発より震源に近かったにもかかわらず、大きな被害はなかった。土地の高さが14.8mあったために津波の被害を受けなかったからです。
 記事にはこうあります。【地震に対応する巨大な原子炉を建てるには、地表から25m下にある、比較的しっかりした泥岩層まで掘り下げることが必要と判断した。大量の冷却水を必要とする原発は、海面に近い方が、取水効率が良く、船で運搬される核燃料の荷揚げにも都合がいい】。元副社長は【「大地を削らず、建屋の基礎部分を深く埋めれば、地震と津波の両方の対策になった」と悔やむ】。
 要するにコストを考え、25mも地盤を低くして建設してしまった!ということです。

 もう一つに記事は、5月10日朝刊の『(ニュースの追跡)役所の矛盾、政府は強弁』。
【政府が、福島県内の学校などでの被ばく線量を年間20ミリシーベルト以下と定めた問題。内閣官房参与の小佐古東大大学院教授が辞任した。誰がどうこの基準を決めたのか】。
【文部科学省から原子力安全委員会(内閣府)に対し「福島県内などの校舎・校庭の利用判断の考え方について相談したい」と依頼があったのは先月9日。
相談を受けた5人の原子力安全委員らが何回か相談し、文科省にその都度口頭で議論の結果を伝えた。19日午後2時ごろ、この問題に最終的な責任を持つ政府の原子力災害対策本部が安全委に「助言要請」。4時ごろ、安全委から同本部に「20ミリシーベルト以下とすることは差し支えない」と文書で回答した。
 社民党の福島党首の求めに応じ、4月28日付けで原子力安全委員会事務局がメモを作成した。メモには安全委のメンバーから「年間20ミリシーベルトはあくまで出発点とすべきで、被ばくの低減に勤めることが必要」「内部被ばくを考慮することが必要」といった意見が出たとある。
 福島氏が同事務局に19日の委員の集合時間をたずねたら5人の安全委員のうち3人が集まったのは「助言」した1時間前の3時ごろ。遅れた委員と地方にいた委員へ電話連絡した後に「助言」した。・・・ 基準の「助言」にあたり、安全委は正式な委員会を招集せず、議事録も残していない。事務局は「『答申』を出す際は、正式に委員会で決定するので議事録を作成しなければならないが、口頭で行える「助言」は委員会を招集しなくても可能だ』。
 以下、「安全委員会にOKを貰った」(文科省)、「年間20ミリシーベルトの基準は認めていない」(安全委事務局)と話の食い違い。ばかばかしくなったので写すのはここまで。
 30日の衆院予算委員会で小里氏(自民党)が「通常時の一般人の基準は年間1ミリシーベルトだ」と引き下げを求めたが、高木文科相は「この方針で心配ない」。細野首相補佐官もTVで「政府の最終判断だ」。
 以下は私の見解ですが・・・
文科省の通達にどう書き込もうと、児童の被爆状況に何の影響もない。大事なことは、「どうやって児童の被爆を少しでも減少させるか」だ。郡山市などの一部の学校で始めているように、校庭の表土の削り取り(汚染土は東電に引き取りを要求すればよい)を文科省は指示すべきでないのか。
この新聞記事。日本のリーダー(エライ人)たちはどうなっているのか?心配です。