Tea & Biscuits

2007年06月30日 | 佐野元春 Radio Days

Tea & Biscuits
2007年6月29日(金) FM COCOLO 10:00-12:55
DJ:加美幸伸
GUEST:佐野元春

Playlist
君が気高い孤独なら
世界は誰の為に
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■内容の一部を抜粋
・お茶
番組名が「ティー & ビスケッツ」ということにちなんでお茶の話題から。
元春「時折いただきます。仕事の合間とかにね。お茶を飲むのは好きですよ」
加美「例えばどういう種類の?」
元春「そうですね~、日本茶もありますし、それから紅茶、近所に良い紅茶屋さんがあるので、そこでブレンドしたお茶を飲んだりとかね、します」
加美「なるほど。普段、そういうお茶をいただく時っていうのは、どういうシチュエイションでいただいてらっしゃるんですか?」
元春「一人の時もあるし、仲間と一緒の時には、その時間をシェアしながら、という感じですよね」
加美「例えば曲を作る時とか、レコーディングの合間とか...」
元春「レコーディングの合間、あっ、そうです、スタジオの中ではね、あまり和みながらお茶を、という雰囲気はないですね」
加美「そうですか」
元春「むしろ、寛いでる時に[じゃあお茶を飲もうか]って。だから友達同士の和気藹々とした集いの中でのお茶の時間という感じですかね」
加美「そうですか。そういうね、今回のアルバムというのは、そういうふうなお茶をいただきながら、人生を振り返りながら聴くという方もいらっしゃっていいと思いますし、おもいっきりお酒を飲みながら勢いよく聴く方がいてもいいと思うし、いろんなスタイルで聴けるアルバムが登場したなと思って、ひじょうにうれしく思います」
元春「ありがとう」

・ロックンロール
DJの加美幸伸は25年前アルバム『Heart Beat』を手にして、その収録曲の「ガラスのジェネレーション」や「悲しきRadio」に心を持っていかれたのだと熱く話す。ニュー・アルバム『COYOTE』を聴いて、「オレはまだロックンロールを欲している」と気がついたのだそうだ。「ガラスのジェネレーション」の"つまらない大人にはなりたくない" というフレーズに励まされた自分自身が間違ってないということを実感したのだという。
元春「ありがとうございます。十代は十代のロックンロールがあっていいし、また三十代、四十代のためのね、ロックンロール音楽があって、僕はいいと思います」

・ソングライターとしての望み
加美幸伸は指摘する。ラストの「黄金色の天使」だけがフェイドアウトで、ほかの曲はすべてカットアウトだと。だから余韻を楽しみながら次の曲に向かっていけるのだと。曲間のインターバルも、心の持って行きかたというか、次の曲に挑む姿勢、気持ちを促してくれるので、心地よく12編をドライヴし、自分のドラマや人生観とオーバーラップしながら聴けたと話す。
元春「それは本当にソングライターとして光栄な聴きかたです。常々僕は曲を書いて、いつも自分の心情はさておいて、みなさんが聴いていただいて、楽しく受け取ってくれる、ストーリーですね、物語をいつも書いている。その物語を聴いてくれた方が自分なりのまた新しい物語をね、そこから得ていただく。これがソングライターとしての、いちばんの望みなんですよね」
加美「11曲目の[コヨーテ、海へ]というのはラストに波の音が入ります。これが正に映画の中でいうエンドロールでね、出演者やスタッフの名前がながれてきます。そこでスカンッと余韻を楽しみながらね、次の12曲目で、ちょっとハッという感じになって、気持ちよく明かりが点くのを待つっていう、映画館の緊張というものが全体に感じられて... だからみなさんの心の中にあるイメージというものがひじょうに重要になってくるアルバムだなと...」
元春「そうなんです。僕が自分で書いた曲が、決して完結はしてないと思うんですよ。しかし、いざこれが聴き手の手元に渡って、聴いて下さって、そうすることで僕とその聴き手の間に曲というのは完成するんじゃないのかなって常々思ってるんですね。うん」

・今後の予定
加美「あと、どうですかライヴとか?」
元春「『COYOTE』という素晴らしいアルバムができました。これのいわゆるライヴ版ですよね。これも是非実現したいと思っている。今、プラン中ですので、詳細がわかったら、僕のホームページに来てくれると、わかるようにしときます」
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サウンド・ストリート21

2007年06月29日 | 佐野元春 Radio Days

サウンド・ストリート21「Motoharu Radio Show」
2007年6月26日(火) 23:00-24:10
DJ:佐野元春

Playlist
I Wanna Be With You / The Raspberries
ガラスのジェネレーション2006 / 佐野元春
The 59th Street Bridge Song(Feelin' Groovy) / Simon & Garfunkel
Summerfling / k.d. lang
マナサス / 佐野元春 and The Hobo King Band
I Can't See Clearly Now / Johnny Nash
君が気高い孤独なら / 佐野元春
荒地の何処かで / 佐野元春
Us / 佐野元春
折れた翼 / 佐野元春
ラジオ・デイズ / 佐野元春
コヨーテ、海へ / 佐野元春
黄金色の天使 / 佐野元春
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■内容の一部を抜粋
・I Wanna Be With You Tonight!
元春「季節はもう間もなく夏ということで、リスナーのみなさんも、今からいろいろな計画を立てている方もいると思います。今夜はこれからの季節にぴったりな夏の歌を用意して来ました。素敵なサマー・ソング、楽しんでください。そして今月6月は僕にとって14枚目のスタジオ録音盤となる新作『COYOTE』というアルバムを発表しました。今夜のリスナーのみなさんには是非このアルバムからの曲も聴いてもらいたいと思います。サウンド・ストリート21、Motoharu Radio Show。DJ、佐野元春。これからの70分間最後まで楽しんでください。I Wanna Be With You Tonight!」

・I Wanna Be With You
ラズベリーズの1972年のヒット。
「リーダーのエリック・カルメンがとても素晴らしいソングライターです。メロディーが印象的なロックンロールですよね。ホントにパワー・ポップという言葉がふさわしい1曲です」と元春。

・ガラスのジェネレーション
「パワー・ポップといえばなんといっても十代、ティーンネイジャーの胸をときめかせます。ガラスのように繊細なティーンネイジャーの心。ポップ・ミュージックはいつもそんな彼らの味方でした」と元春。
元春が自分の部屋でこの曲を書いていた時、ジョン・レノンが狂信的なファンに射殺されたというニュースがラジオからながれたきたという。元春はそのニュースを聞いた後、一気にこの「ガラスのジェネレーション」を書き上げたそうだ。
今回、番組でオンエアされたのは『THE SINGLES』収録の「ガラスのジェネレーション2006」。

・The 59th Street Bridge Song(Feelin' Groovy)
サイモン&ガーファンクルの「Feelin' Groovy」。邦題は「59番街橋の歌」。ニューヨーク、マンハッタン島にかかる59番ブリッヂの景色を見て、「Feelin' Groovy こんな素敵な朝、とてもいい気分だ」そんなふうに歌っている。

・Summerfling
k.d. ラングの2000年のアルバム『invincible summer』に収録されている。

・マナサス
夏という季節は歌のテーマになりやすいのかもしれない。夏を舞台にした曲は洋邦問わずそれこそ星の数ほどある。それだけに夏を舞台にした曲を書く時は慎重になってしまうのだと元春は話す。よくあるテーマだけに意外と難しいのだそうだ。よくありがちな内容になるのが気に入らないのだとか。夏という季節が持ってるロマンティックだけれども凶暴なイメージ、昼間から夢を見ているかのようなデ・ジャヴな感じ、そのあたりがうまく表現できれば、元春は夏の歌を書いてみたいそうだ。「マナサス」はホーボーキングバンドと米国、ウッドストックに行って作ったアルバム『The Barn』に収録されている。

・I Can't See Clearly Now
元春「何かいいことが待ってることを期待して、リスナーのみなさんも素晴らしい夏を迎えてください」

・『COYOTE』特集
番組後半は今月リリースされた元春にとって14枚目のスタジオ録音盤となる『COYOTE』の特集。

・君が気高い孤独なら
6月13日発売ニュー・アルバム『COYOTE』のリード・トラック。

・荒地の何処かで
現代を荒地として捉えてそこから何かを創作していく方法は、過去にもよくあった。T.S.エリオットをはじめとして、'50年代のビート作家もそうだった。日本では荒地派と呼ばれる詩人たちもいた。元春の場合はそれに倣ったわけではないが「このくそったれな現代という荒地をソングライターとしてどうにか乗り越えてみたい」という思いが強くあり、そこからコヨーテという人物像が生まれてきたそうだ。「荒地の何処かで」は『COYOTE』の表題曲のひとつ。

・Us
深沼元昭、高桑圭、小松シゲル、そして元春。今回のセッション・メンバーは言ってみれば弟といってもいい世代。その彼らが今、このどうしようもない現実の中で、何に悪戦苦闘しているのか、どんなことに思いを馳せているのか、そんなことを考えながら曲を作ったという。結果、『COYOTE』のソングライティングの視点は以前よりも若くなったような気がしているそうだ。意図してもできることではないのでセッション・メンバーに感謝していると元春。

・折れた翼
ソングライターとしての理想は、聴いてくれた人が自分の映画を作ってくれる音楽で、元春が書いた曲があるリスナーのもとに届き、そのリスナーがまた新たなストーリーを紡いでくれるという、そんな音楽をこれからも作っていきたいそうだ。

・ラジオ・デイズ
サウンド・ストリート「モトハル・レイディオ・ショウ」。元春が担当していたのは1981年4月から1987年3月までの約6年間。番組のモットーは"Less Talk, More Music"。6年間に約2000曲以上レコードをかけたという。途中、活動の場をニューヨークに移した時(1983年から1984年にかけて1年間)も「モトハル・レイディオ・ショウ・イン・ニューヨーク」として番組は続けた。
「そしてもちろん今夜のこの放送は新しい世代の音楽ファンも聴いてくれてると思います。音楽を楽しむのはラジオからコンピューターに変わりつつある現在ですけれど、あの'80年代、ラジオが僕のそばにあった日々。そんな日々に少しだけノスタルジーを込めて僕はこの曲を書きました。僕はこの曲を当時のモトハル・レイディオ・ショウのリスナー・ファンに捧げたいと思います」と元春。

・コヨーテ、海へ
ヨセフ・ヴォイスという映像作家、ちょっと変わったアーティストが、アパートで何日間かコヨーテと暮らして、コヨーテの潜在的な力を感じ取るという、そんな実験的なパフォーマンスを行った。元々ネイティブ・アメリカンにとってコヨーテは力の動物として尊敬されている。頭がよく、サバイバル能力に長けていて、どんな環境でも賢く生き抜いてゆく。そんなコヨーテを題材にして元春はいつか作品を作ってみたいと思っていた。
「現代を荒地とするならば、今まで正義と思っていたものは、本当に正義なのか、悪は本当に悪なのか、その価値観が日々変わっていってるこの時代。そんな中でこのコヨーテは僕の中で重要なたとえとしてこのアルバムに登場します」と元春。
「コヨーテ、海へ」は表題曲といっていい曲。

・黄金色の天使
「今回の『COYOTE』というアルバム、自立した大人の人たちにも、少年、少女たちにも聴いてもらいたいと思っています」と元春。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒150-8001 NHK-FM「サウンド・ストリート21 佐野元春」係
e-mailで送れるホームページは「サウンド・ストリート21

■今後の予定
来月のマンスリーDJはラブサイケデリコ。
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PRIME HITZ 802

2007年06月28日 | 佐野元春 Radio Days

PRIME HITZ 802
2007年6月26日(火) FM802 19:00-22:00
DJ:尾上さとこ
GUEST:佐野元春

Playlist
荒地の何処かで
呼吸
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■内容の一部を抜粋
・緊張
最近テレビ出演が増えてる元春に尾上さとこが「最近、テレビにお出になってますね?」と聞く。
元春「テレビはやっぱり自分の場所じゃないって感じ。だからなんかお呼ばれしてる感じですね、いつまでもね」
尾上「佐野さんが緊張されるってあるんですか?」
元春「そう... そんなに緊張しないですね。あの... 実際、コンサートをやりはじめた頃、デビューしたての頃は、ステージに上がる時は、若干緊張しましたけれども。もう今はそんなことないです」
尾上「そうですか。私、すごく緊張するんですけど。そういう時ってどうしたらいいですかね?」
元春「あぁ。ん~、おまじないだね」
尾上「おまじない教えてください(笑)」
元春「[の]の字書くとか」
尾上「[の]の字いいんですか(笑)? [の]の字でなんか目回っちゃいそうですけど(笑)。だいじょうぶですか?」
元春「ははは。だいじょうぶです」

・鰻、ポール・マッカートニー、コラボレーション
先日、音楽バラエティー番組「MusiG 音楽屋台」の「ポールorジョン」のコーナーで「うな重か、うな丼か」で盛り上がった。
尾上「佐野さん、鰻はお好きなんですか?」
元春「僕は鰻好きですよ。僕は東京下町神田生まれですからね。うなぎ屋さんたくさんあったんですよ、周りに。実を言うと僕のおじいさんがうなぎ屋さんでした」
尾上「え~、そうなんですか?」
元春「ええ」
尾上「じゃあ小さい頃、鰻をさばくのをご覧になってたり...」
元春「職人が[坊主、ちょっとこっちこい]ってんで、鰻をさばくところをわざと見せるんですよ。気持ち悪いでしょ? だからね、はっきり言って大人になるまで鰻食べられませんでした」
尾上「え? じゃあ鰻がおいしいと思いになったのはいつなんですか?」
元春「大人になってからですね。ふとしたことで食べてみようかなと思って、で食べられました」
尾上「それはうな重だったんですか?」
元春「それはうな重です(笑)」
尾上「あの、(「ポールorジョン」で)ご家族で食べる時はうな重がいいっていうふうに仰ってて...」
元春「一人で食べる時はうな丼だね。そうそう、適当なこと言ってるよね~」
尾上「うふふふ、うな茶もおいしいですよね?」
元春「うなちゃん?」
尾上「うな茶」
元春「あぁ、うな茶ね。あははは」
尾上「うな茶漬けっていうんですかね」
元春「おいしそうだね」
尾上「おいしくって。このあいだ鰻食べた時に、佐野さんのこと、ちょっと思い出したりしたんですけれども。あのポール・マッカートニーといえば、ポールが先日、65歳になられまして」
元春「そうですか」
尾上「新しいアルバムも出されましたけれども、佐野さんが子供の頃に聴いてらした、こういったアーティストの方々が現役で、しかもトップ・クラスで今もCDを出したり活躍されてるというのはどんなふうに?」
元春「いや、もうポール・マッカートニーとかボブ・ディランとか、それから1940年代生まれのアーティストたちですよね。もう昔のアーティストというか、巨大なアイコンみたいな感じ? う~ん、もう何歳かもわからない。ただ、こうドンと存在してるというね、そんな印象ですね」
尾上「例えば佐野さんにとってのポール・マッカートニーのように、佐野さんの音楽を子どもの頃から、ずっーと聴いてこられたそんな若い世代のアーティストのみなさんと新しいアルバムを作られてますよね?」
元春「そうなんです。今、仰ってくれたように、僕の音楽を多感な頃に聴いてくれていたミュージシャンが集まってね、録音したんですけれども。ただね、レコーディングの現場は世代が上、下とか何もなかったですね」
尾上「はぁ、そういうもんですか?」
元春「やっぱりコラボレーションしようという時には、どれだけご機嫌にクリエィティブにスパークできるかっていうのが大事なところですから」
尾上「そうですか」
元春「誰が年齢上、下っていうのはなかったです」
尾上「そうなんですね」

・バンド、コヨーテ
レコーディング・メンバーはギターは深沼元昭、ベースは高桑圭、そしてドラムスが小松シゲル。
元春「そもそも彼らとは10年来かな、レコードに、ライヴに、ミュージシャンとしてのポテンシャルは高いのは当然なんだけれども、それと同時に彼らはすごくいいソングライター、で、いい声を持っているんだよね。だから、そういう連中たちと組んで、何か作ったら面白いものができるなと思ってました。実際、できたものはそれ以上だったのでね、うれしかったですね」
尾上「私から考えたら、佐野さんと一緒の空間にいて、音楽を作ると緊張するんじゃないかと思ってしまうんですけれどもね~」
元春「あははは。最初はね、いちばん最初のセッションの時は、[あっ、あれが佐野元春だぜ]みたいな目で見られていたけれども」
尾上「やっぱり、最初にご対面する時とか、ジャーンと音を最初に出す時とか...」
元春「でも、実際、もう音出しちゃったらね、互いに音楽が大好きでそこにいるわけですから、セッションがはじまればそういうことは気にならなくなりました」
尾上「そうやって出来上がったアルバムが『COYOTE』というアルバムで、『COYOTE』という短いタイトルの中にすごく生命力というか、強さのようなものも感じるんですけれど...」
元春「そもそも気になっていた動物ですね。米国にいた時、コヨーテというと山間部に生息する動物と思っていたんだけれども、僕が見たのはボストンの郊外でしたかね」
尾上「コヨーテを目撃されたんですか?」
元春「そうそう一緒にいた友達が[あっ、コヨーテ]なんつってね」
尾上「いや~、コヨーテって(笑) コヨーテってけっこう恐い動物なんじゃないんですか?」
元春「僕もそう思っていた。狼みたいなね、凶暴な動物かなと思っていたんだけれども。実際、コヨーテは日本の動物でいうと柴犬に似ている」
尾上「柴犬ですか?」
元春「意外と小ぶりで、そして目が凛々しくつり目でね、凶暴という感じよりも賢そうだなという印象でした」
尾上「へぇ~。佐野さんはその時話かけられたんですか? コヨーテに」
元春「心の中でね」
尾上「ふふ。なんて仰ったんですか?」
元春「[いいね]とか、そういう感じ?」
尾上「いい?」
元春「いい感じだね(笑)」
尾上「佐野さんは犬によく話しかけられるっていうことを聞いたんですけれども?」
元春「ふふ。いえ、犬に話しかけるんです。僕から」
尾上「犬に話しかける? 佐野さんのほうから? えっ、[今日は元気?]とかですか?」
元春「そう。そうですね。挨拶ですね」
尾上「はぁ、それと同じようにコヨーテにも...」
元春「どんな動物にも声をかけますね。心の中で」
尾上「コヨーテはどうしたんですか、近寄ってきたんですか、それとも逃げちゃったんですか?」
元春「何か餌を漁ってるような感じでしたけれどもね。でも、あまり人を恐がるという風情でもなく、なんか堂々としてましたね」
尾上「へぇ~、野生なんですよね?」
元春「野生でした」
尾上「へぇ~、すごいですね。その動物の名前をタイトルにしたアルバムということで...」
元春「その後ね、コヨーテのいろいろな話を、いろいろな本で読むにつれ、コヨーテの生態に興味を持ちましたね。一人でもやっていけるんだけれども、必要な時にだけ群れを成すとか、そういう生態、面白いなって思いました」
尾上「あっ、そうなんですか~。そういう人間と重なる部分もアルバムの中に出てきますよね」
元春「今回はね、もちろん音楽CDなんだけれども一編の映画を作るような気持ちで作った。で映画といえばそこに主人公がいてストーリーがありますよね。コヨーテ男が荒地をずっと道行き歩いていく中での、いろいろな出来事を1曲、1曲に落としこんだという、そういう構成になってますね」
尾上「なんだか聴いてると励まされてるような感じになるんです。家で寝る前とかに聴いたりすると、温かい大きな言葉があったりして、自分に戻れる場所というか、自分と向き合える時間を、この『COYOTE』というアルバムからもらえたような気がして...」
元春「そうですか。ああ、いいですね」

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MUSIC FLAG

2007年06月27日 | 佐野元春 Radio Days

ASAHI SUPER DRY MUSIC FLAG(TOKYO FM & JFN全国38局ネット)
2007年6月24日(日) 15:00-15:55
[山本耕史×佐野元春]
ナビゲーター:山本耕史
フラッグ・アーティスト:佐野元春

Playlist
君が気高い孤独なら
コヨーテ、海へ
黄金色の天使
荒地の何処かで
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■内容の一部を抜粋
・山本耕史が見た佐野元春
音楽バラエティー番組「MUSIG」の中で元春がぐっさん(山口智充)とやっていたコーナーを見ていて、山本耕史は元春が独特な雰囲気を持っていると感じ、実際に会う前から元春に興味があったそうだ。The Whey-hey-hey Brothersのレコーディングでは、元春がぐっさんと自分の父親的な存在みたいに思えたという。
「ものすごく広いグラウンドで遊ばせてくれるような大きさを感じた」と元春の印象を話した。

・擦り傷だらけの都会育ち
下町は人情に厚いといわれる。下町気質というの恥ずかしがり屋であったりする。ロックンロール音楽の良いところは歌詞の中でどんなにシリアスであっても、響く時には楽天的であるということ。それは意外と東京下町の気質に似ている。街で生まれて街で育った元春は、ソングライティングする時もその景色をスケッチするしかないと話す。
「僕も街に暮らして思うんだけど、いつの間にか擦り傷ができているみたいな、擦り傷だらけの都会育ちのようなね、そんな少年だった。だからそれを正直に歌にしていく、詩にしていくのが僕のスタイルですね」と元春。

・コヨーテ、海へ
「今回のアルバム『COYOTE』で設定した風景というのは、現代を荒地として捉えてみたんですね。そしてその荒地をコヨーテが往く、こういう景色ですね。そしてそのコヨーテをどこに向かわせるのかというと、僕ら人間の生命の根源である海に向かわせてみようという、これがストーリーとしてありました」と元春。

・じぶんの詩-A BEAUTIFUL DAY
「緊張してガチガチな感じで佐野さんのレコーディングに望んだんですけれども、とても引き出してくれるというか、[楽しんでみんなでセッションしようよ]みたいな、ホントにそういう緊張を最初から取り払ってくれて、みんなが、一人一人が同じ場所で同じ力を発揮するというか、誰が中心で、誰が引っ込まなくてはいけないとか、そういうんじゃなくて、みんなが自分のいい部分をどんどんどんどん出していけるような曲だったと思うんですよね。だからどういうふうに弾いても気持ちいいし、どういうふうに弾いても褒めてくれるし、自分がちゃんとそこに存在できるような曲だったと思います」と山本耕史。

・小松シゲルのコメント
中学の頃に「Motoharu Radio Show」のテープを友人からもらって聴いていたという。だから佐野元春とのコラボレーションは、当時の思い出と相まって感慨深くあったし、うれしかったという。元春が当時ラジオで喋っていた熱いままの気持ちと同じままでいることに感動し、レコーディングするとか、歌ったり、曲を作ったりすることに対して一点もブレがないところは驚異的だと小松シゲルは話す。
「失礼かもしれないですけど、すごくかわいいんですよね。サウンド・チェックの時に、もうヘッドフォンをしていて、周りは音楽が聴こえないのに、佐野さんはその音楽に合わせて歌ってたりして、そんな音楽になりふりかまわず没頭している姿を見ると、うん、かわいい人ですね、すごい(笑)」と小松シゲル。

・高桑圭のコメント
レコーディングの時の楽しさがそのまま素直に音として刻まれたアルバムで、勢いがあるのでロック・バンドだと思ったと高桑圭は話す。
「世代は全然僕らよりも上なんですけれども、音楽を愛する情熱というものをすごい持ってる人なので、やっぱり僕も佐野さんくらいの年になっても、あれくらい情熱を持っていたいなと思いました」と高桑圭。

・深沼元昭のコメント
音楽に向き合う真摯でピュアな姿勢、音楽が好きだからやるという衝動を失ってないところ、そういうことを仲間で作り上げることに喜びを持っていて、参加する全員に対してそれを分け与えることができるところが尊敬できると深沼元昭は話す。
「表現者として多くの人がいろいろなものと戦ってやっていくと思うんですよ。そういう中で佐野さんは全然それを表に出さずに、っていうか、そういう自覚もそんなになく、自分が経験を積んでいったりとか、年齢もどんどんあがっていったりとかで、どうしても老成してしまうというか、できることがはっきりしてしまうし、ここはこうやったほうが早くできるよとか、そういうことになってしまうことに対してとか、自分が音楽をやっていくこと自体に対してテンションが下がってしまうこととか、そういうものとポーズを見せずに、自然な形で戦って、それに打ち勝って、ずっと続けているところに自分は尊敬しますよ」と深沼元昭。

・これからの音楽の在り方
「現在僕はレコード会社を持ってるんですね。正確に言うとレーベルを持っています。それは[DaisyMusic]というレーベルですね。今回のこの『COYOTE』というアルバムはそのレーベルから2作目にあたるんですね。で、この2作目から全楽曲をダウンロード配信するというふうにしました。現在、音楽を聴く側のスタイルもどんどん変わっていってるし、それと同時に音楽を作る側のスタイルもどんどん変わっていってるんですね。そして変わっていく現在というところにフットワーク軽くレコード・レーベルとして関わっていくことになると、新しい物事にどんどん関わっていきたい。そしてその先に、結局何がしたいかというと、音楽を愛しているリスナーたちにいちばんのベネフィットが落ちてゆくような、そういうレーベルの在りようを走りながら考えていこう、これが[DaisyMusic]レーベルのフィロソフィーですね。僕がこうしてソングライティングする、そして仲間、バンドを集めてレコーディングする、そしてそのレコードをそれを聴きたいという人に届ける、この一連のことですね、僕はビジネスと思ってない。音楽を作る、音楽をやっていく、音楽を届けるというのは、僕はビジネスではなくて、食事をしたり、散歩したり、それと同じようなレベルになればいいなといつも思っている。うん」と元春。

・音楽と言葉
「音楽と言葉は深い関係性があります。僕らソングライターがいつも試みているのは言葉を音楽化する、あるいはその逆で音楽を言葉化する。これをずっとやってきているわけですね。ですから日常、僕が今こうしてみなさんに話している言葉とも少し違う。音楽の言葉はね。普段僕らがこうして話している言葉は、ともすると言葉というのは、単なる伝達のツールでしかなくて、無味乾燥に響いてしまうこともあったりするけれども、そんな使い古されたある言葉が、曲の中に入り、音楽として機能し、そこに適切なメロディー、リズムが乗っかるとね、たちまちその使い古された言葉が、パァーと息を吹き返したように、意味をまた発するという、そういう化学反応というのはいくらでも起こり得るんですね。それを期待しながら僕はソングライティングしています」と元春。
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サウンド・ミュージアム

2007年06月26日 | 山下達郎

■サウンド・ミュージアム
2007年6月24日(日) NHK-FM 19時20分-22時00分
DJ:上田早苗(NHKアナウンサー)
GUEST:竹内まりや

Playlist
シンクロニシティ(素敵な偶然)
スロー・ラヴ
告白
マンハッタン・キス
ネヴァー・クライ・バタフライ
人生の扉
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・シンクロニシティ(素敵な偶然)
5月23日発売ニュー・アルバム『Denim』で、いちばん最初にレコーディングしたのがこの曲だった。

・スペシャル対談「竹内まりや×唯川恵」
2002年に「肩ごしの恋人」で直木賞を受賞した作家唯川恵との対談。軽井沢のホテルで収録された。竹内まりやと唯川恵は1955年の早生まれどうしで、さらに日本海側育ちという共通点がある。昨年の秋にリリースされた「スロー・ラヴ」のプロモーションで、竹内まりやがテーマの短編小説を、新聞に5日間連続で掲載するという企画があって、竹内まりやからのリクエストで、唯川恵に執筆を依頼したのがきっかけとなって、二人は知り合うことになった。これまでメールでのやりとりはあったものの、対談前夜の食事会が初対面だったそうだ。

・スロー・ラヴ
唯川恵からのリクエスト。いちばん最初の出会いとなった楽曲。

・告白
唯川恵からのリクエスト。「明日のない恋」のライナー・ノーツ「午後9時の竹内まりや。」で触れているが、この曲を聴くと真夜中の電話にドキッとするあの頃の自分をありありと思い出すという。

・マンハッタン・キス
唯川恵からのリクエスト。
竹内まりやはこの曲を書いた直後、あるミュージシャンから「君は妻の立場なのに、なぜ反対側の立場になって書いたの?」と追求されたそうだ。ドラマ性のある題材があまり歌にならないのはなぜなのか、と竹内まりやは思いながら書いていたそうだ。

・肩ごしの恋人
7月にテレビドラマ化されるが、唯川恵からの依頼で竹内まりやが主題歌「チャンスの前髪」を書き下ろした。

・オーディオ・ドラマ「午前10時に竹内まりや」
唯川恵が昨年12月、5日間に渡り新聞に連載した連続短編小説「午前10時に竹内まりや」をオーディオ・ドラマ化。
出演:薬師丸ひろ子、青木さやか、横堀悦夫、坂口進也
Playlist
「元気をだして」
「フォーエヴァー・フレンズ」
「マージービートで唄わせて」
「涙のワンサイデッド・ラヴ」
「純愛ラプソディ」
「駅」
「シングル・アゲイン」
「終楽章」
「戻っておいで私の時間」
「アフター・イヤーズ」
「家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)」
「みんなひとり」
「毎日がスペシャル」
「スロー・ラヴ」
「元気をだして」

・人生の扉
NHK音楽番組「SONGS」の第一回は竹内まりやが出演した。実に26年振りとなるテレビ出演。樹齢二千年の桜をバックにして歌う「人生の扉」のミュージック・クリップが製作された。
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Super J-Hits Radio

2007年06月25日 | 佐野元春 Radio Days

Super J-Hits Radio
2007年6月24日(日) FM802 19:00-22:00
DJ:加藤美樹
GUEST:佐野元春

Playlist
君が気高い孤独なら
折れた翼
黄金色の天使
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・米
かとみき「雨はお好きですか?」
元春「雨はね、小さい頃は嫌だったんですけれども、大人になってから嫌じゃなくなりました」
かとみき「それはなぜ?」
元春「やっぱり、この雨で日本のお米ができてるんだなぁと思うと、文句言ってられないなって感じです」
かとみき「うふふふ。大切ですよね~。お米、お好きなんですか?」
元春「米は好きですよ。ええ。力つけようって時には米に頼りますね」
かとみき「うん。佐野さんがお食事をなさる姿をあまり拝見したことがないので(笑)...」
元春「あははは。ちゃんと食べてます(笑)」
かとみき「ちなみに何が今、お好きですか?」
元春「そうですね。米繋がりでいうと、ホント、単純なんですけれど、おにぎりはいつでもいただきたいですね」
かとみき「おいしいですよね~」
元春「はい」

・山下久美子、マンハッタン、掃除機
先月、番組の「Super J-Hits Selection」というコーナーに山下久美子が出演した。アーティストたち自身の心に色褪せることなく響き続けている「Super J-Hits」を選曲してもらうというコーナーだが、山下久美子が選曲したのは佐野元春の「SOMEDAY」だった(記事をアップしています)。
かとみき「[80年代を越えてきた仲間、この曲を聴くとあの時を思い出す]なんていうメッセージをくれたんですけれども」
元春「うれしいですよね」
かとみき「なんかニューヨークの道端でばったり会ったことも...」
元春「そうですね。'83年、'84年くらいの話だったと思います。彼女も、レコーディングか観光か忘れましたけれども、マンハッタンに来ていて、僕は向こうに住んでましたからね、で偶然会って、お茶飲んだりしました」
かとみき「ほうー」
元春「東京でもあんまり会わないのに、なんでニューヨークで会うかなって感じだよね」
かとみき「うふふふ。その頃のニューヨークっていうのもいろいろと思い出があるかと思いますけれども」
元春「まぁ、とにかく僕は、24歳、25歳ぐらいの時でしょ。ものすごく多感な頃にあの街の文化に触れ、何よりもびっくりしたのが、今に続くヒップホップ、ラップのその最初のアート運動というかね、あの時代にあった。だからファー・イーストから来た僕なんかも、そのヒップホップ、ラップの運動の中に巻き込まれるようなかっこうでね、スペインから来た友達、またヨーロッパから来た友達、同じ東アジアから来た友達がみんなマンハッタンに集まって、それぞれの言葉でラップ音楽を作りはじめて、で友達なんかは[モトは日本人なんだから日本語でラップやってみろよ。まだ誰も世界中でやってないから、モトがやれば世界でいちばん最初だぜ]なんて言われてね、[確かにそうだな]と思って、それで作ったのがアルバム『VISITORS』ですね」
かとみき「『VISITORS』、[Complication Shakedown]。あれが日本ではじめてヒップホップ、ラップを取り入れた作品になったわけですけれどもね。で、日本で誰より早くプロモーション・ビデオを作ったり、あとはアーティスト・ホームページを立ち上げたり、最近ではもう当たり前になってきましたけれど、iTunesへの曲配信への試みもいち早く取り組んでらっしゃる。それが佐野元春さんなんですけれど...」
元春「新しいものを求めているわけではないんですけれども、自然と[なんかやりたいな]と思うと、そこに新しいものが待ってるという感じですね」
かとみき「日常生活はどうですか? なんか今、いちばーん興味があるものとか、欲しい電化製品とか...」
元春「日常のこと、よく聞かれるんですけれどもね、ホントに僕は何も考えてないです、日常は。電化製品もこの前、掃除機を買ったばかりですしね」
かとみき「それ、最新式の掃除機ですか?」
元春「はい。あの、吸引力抜群のを買いました」
かとみき「はぁ、けっこう音ウルサイですよね(笑)」
元春「ウルサイですね(笑)。よく知ってますね」
かとみき「ウチも使っておりますけれども。ご自身でかけられるわけではないですもんね」
元春「いや、僕は掃除します。自分のアトリエというかスタジオもありますから、そこはキレイにしておかないとダメだということでよく掃除します」
かとみき「ふうん。お料理は?」
元春「料理はホントにたまにしますね。めちゃくちゃ料理を作ります」
かとみき「なんかお料理をすることと、アレンジをすることっていうのは似ているって仰る方がいらっしゃいますけどね」
元春「それも表現ですからね。どっかで繋がってると思います」
かとみき「おにぎりがいいかなって感じですね」
元春「はい」

・君が気高い孤独なら
かとみき「6月13日にリリースされた『COYOTE』から[君が気高い孤独なら Sweet Soul Blue Beat]をお送りいたしました。とっても美しい曲ですよね。
元春「ありがとうございます」
かとみき「力強くも、優雅で。この[気高い]という言葉はね、[品格がある]とか[上品]、[高貴である]ということですけれど、この言葉がけっこう最近使われなくなってるなって思うんですよね」
元春「あぁ、そうかもしれないね。ふん。やっぱり若ければ若いほど魂は気高く持っていていいし、若い時こそ気高くあるべきだと僕は思うんだよね。だからこの曲もコヨーテと呼ばれる男が道行き、ある若い男と会った。で、その若い男の瞳の奥を見てみると自分と同じ孤独を抱えている若い男だと気づく。で、コヨーテ男はその若い男がこれから旅に出ることも知ってる。その旅の先にはどしゃ降りが待ってることも知ってる。で、コヨーテ男はその若い男にこれから旅立つ前に、[ちょっと1曲、君に聴いてもらいたい曲があるんだよ]なんて、そういう歌ですね」
かとみき「今の話を聞くとこのジャケットがわかるなと思うんですが。コヨーテ男がテーブルについて、佐野さんはちょっと離れたところで遠くを見ている。その遠くを見ている佐野さんをコヨーテが見つめている。正にこれは象徴したジャケットですね」
元春「アルバム・アート・ワーク、今回とても評判がいいです」
かとみき「すごいかっこいいですけどね」
元春「うん。ありがとう」

・バンド
深沼元昭、高桑圭、小松シゲル、そして佐野元春。元春は自分が何者であるかは説明しないでもいいので楽だったが、たまには「ピシッとしたところを見せなきゃな」という気持ちがどこかにあり、「オレのこと、ちゃんと見てろよ」という気持ちがあったと話す。でも、実際スタジオに入ってクリエイティブな時間になると、4人のやんちゃ坊主という感じだったそうだ。
かとみき「なんか音にすごく楽しいのが現れてるのと同時に、その中で歌う佐野さんもいつも以上に自由に歌われてる感じがしました。楽しかったですか?」
元春「楽しかったです。僕は僕の音楽の聴き手のみんなに曲を書いて喜んでもらうわけだけれども、その前に一緒にやるバンドの連中たちに、僕が書いた曲を喜んで聴いてほしいんだよね。で、喜んで聴いてくれると、いい演奏がその先に出てくるから。だから彼らの世代はどんなことを考えているんだろう、彼らの喜びは何だろう、彼らの怒りは何だろう、悲しみは何だろうということを少ーし心に思いながら今回曲を書きました」
かとみき「音がストレートで、そして言葉がすごく深いメッセージがあると感じたんですけれどね」
元春「僕自身も前作『THE SUN』、これを越えて全く自分の中から新しい何かが出てきたなと思ってます」

・折れた翼
かとみき「最後の"リボン"というのが響きますね」
元春「はい。"Live On"ですね。あの女の子がつけるリボンじゃなくてね、"Live On"-生き続けるということですね」
かとみき「曲の最中にお話して下さったんですけど、なんか若手のメンバーは...」
元春「男の子たちねぇ、これ聴いて泣いてましたね。なんだか、うーん...」
かとみき「歌の力がね...」
元春「うーん、どうなんだろうね。なんかあったのかな(笑)」
かとみき「うふふふ。でも心にものすごく響く歌だし、曲だなと感じます」
元春「ありがとうございます」
かとみき「佐野さんは曲ができた時点でタイトルはもう大体できてるんですか?」
元春「今回はね、これは全部後でつけました。今回、作品の統一性というのかな、出したかったので、曲ができた後、全部つけなおしました」
かとみき「仮タイトルとかは?」
元春「仮タイトルとかはついてるけど、全然曲とは関係ないタイトルがついてることがありますね」
かとみき「えっ、変なのあったりします?(笑)」
元春「変なのあったりします(笑)。そうね、[グラスノスチ]だとか」
かとみき「えっ、グラノ、えっ?」
元春「[グラスノスチ]とかね(笑)」
かとみき「それはどういう意味?」
元春「たまたまニュースでながれたりすると、それを仮題にしちゃうことがあって。で、後で整理する時に[何だっけ、このグラスノスチっていう曲は]って自分でわかんなくなります」
かとみき「[グラスノスチ]ってもの自体が、わたしわからないので(笑)」
元春「そうだよね(笑)。いいんです。忘れてください」
かとみき「ふふふ。後で調べてみます」

・今後の予定
かとみき「夏はどうされるんですか?」
元春「夏はね、この秋から僕は母校の立教大学で講座に立つことになるので、その前準備をしないといけないですね。ある時、立教大学の文学部の教授が僕のところに手紙を寄越してきて、[言葉と音楽]いうことをテーマに立大生に教えてほしいって、なんか講座を持ってほしいって。僕もポップ・アルバムとは別に、自分でいうところの[スポークンワーズ]なんていった、いってみれば詩の朗読、まぁ、詩の朗読とも違うんですけれどもね、言葉の音楽化ということを、'80年代『Electric Garden』以降ずっとやってる。僕もそろそろ自分の考えをまとめたいなと思っていたので引き受けました」
かとみき「ほう~。それ一般の方も参加できるのかしら?」
元春「ううん。立教の大学生だけ」
かとみき「くやしい。それがまた何か形になることを望みますけれどもね」
元春「何か考えます」

・札幌市民会館最後の日
かとみきちゃんは1月31日に行われた「札幌市民会館最後の日」のライヴを聴きに行ったそうだ。その後、様々なアーティストから「佐野さんとステージに立った」、「佐野さんとコンビニに行った」(笑)というすごい喜びの声を聞いたそうだ。
かとみき「CHARAとかCHABO(仲井戸"CHABO"麗市)さんもね、コンビニ、行らしたそうですね、ライヴの後」
元春「ははは。そうそう、コンビニ行った。僕はアイスクリーム買いましたけれどもね」
かとみき「アイスクリームを? CHARAが[アイスクリームのケースにすーっと行かれました]って。ふふふ。みんなちゃんと見てましたよ」
元春「ホントにね、CHARAも世代でいうと妹の世代ですからね。うん、もーよく見られちゃうんですよね。しっかりしないとね」
かとみき「うふふ。CHABOさんはね、[佐野くんはコンビニなんて行かないかと思ったんだけれども、行ってくれてうれしかったー]って仰ってましたけれど」
元春「ふふふ。楽しかったですよ、あの夜はね。あんなメンツが集まるなんてことは東京ではあり得ないでしょ?」
かとみき「そうですね。ライヴとしては山崎まさよしさん、奥田民生さん、LEYONA、CHARA、それから土屋公平さん、CHABOさん、そして清志郎さんもいましたよね。清志郎さんとステージで抱き合う姿はちょっと涙だったんですけれどね。で、清志郎さんとコンビニにも行かれた(笑)」
元春「行きました(笑)。ふふふ」
かとみき「コンビニの店員は一体どんな感じだったんでしょうね」
元春「あぁ、わかんない」
かとみき「びっくりしたと思いますけどね。そんな楽しいお話も様々なアーティストから聞きました。またいろんな方ともね、共演なさるのも楽しみにしてます」

・思春期
昨年12月にリリースされた『The Essetial Cafe Bohemia』では1986年当時の自分を振り返り「気取っていて落ち着きのない見栄っ張りの若い東洋人だ]と言ってる。
かとみき「ご自身で仰ってたんですけれど」
元春「当時29歳。僕はニューヨーク、ロンドンにいましたからね。その時の映像を後になって見て[あぁ、ずいぶん気取った奴だな]と思いました」
かとみき「2007年、気取ったり見栄を張ったりは、もうないんでしょうね」
元春「いや、そんなことはないと思うよ。男はね、何度でも思春期が来るからね、うん、ビシッと気取っていたい自分もいますね」
かとみき「はぁ、それは必要なことなんですね」
元春「そうです」

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Sunday Songbook Playlist

2007年06月24日 | Sunday Song Book

<06月24日プレイリスト>
[ジューン・ブライド特集 洋楽編]
SUZUKI ESCUDE CM/山下達郎 '07
HEY PAULA/PAUL & PAULA '63
THE WEDDING MARCH/PREFAB SPROUT "JORDAN THE COMEBACK" '90
I'M SO YOUNG/THE STUDENTS '61
LET'S GET MARRIED/AL GREEN "LIVIN' FOR YOU" '74
WEDDING SONG/SMOKEY ROBINSON "A QUIET STORM" '75
MARRIED MAN/NEIL YOUNG & THE BLUENOTES "THIS NOTE'S FOR YOU" '88
WEDDING DRESS/PENTANGLE "THE TIME HAS COME" '07('71)
HAPPY HAPPY GREETING/山下達郎 "RARITIES" '02
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・近況
先週は竹内まりやのニュー・シングル「チャンスの前髪」のミックス・ダウン。マスタリング・スタジオに通った。使っていたマスタリングの機材が壊れて、新しいのにしたが、昔の感じが出ないので何日も通ったそうだ。無事、工場に旅立ったとか。これで全ての仕事が終わり、タツローさんは完全オフになったそうだ。

・竹内まりやのニュー・シングル「チャンスの前髪
8月8日発売予定。サザンオールスターズの原由子さんがゲスト・ヴォーカルで参加している。カップリングは「人生の扉」。
「チャンスの前髪」は7月5日からTBS系で毎週木曜10時からはじまるドラマ『肩ごしの恋人』の主題歌。原作は唯川恵で直木賞受賞作。主演は米倉涼子と高岡早紀。
再来週(7/8)あたりにテレビ・サイズがオンエアできる見込み。

・ジューン・ブライド特集
ジューン・ブライドにちなんで先週、今週の2週間は久し振りのウェディング・ソングなどをかける「ジューン・ブライド特集」。先週はPart.1で邦楽編。今週はPart.2で洋楽編。

・SUZUKI ESCUDE CM
現在、スズキ「エスクード/SX4 ヘリーハンセン リミテッド」のCMソングとしてタツローさんの曲がオンエアされている。これは2003年に書き下ろしたスズキ「エスクード」のCMソングと同じだが、夏編と冬編があり、今回のは夏編で、新たにコーラスを足してリミックスしているそうだ。曲名は無くて、歌詞はできているがレコーディングはまだでCMサイズしかない。30秒タイプ。

・HEY PAULA
ポール&ポーラの「HEY PAULA」は1963年の全米No.1ヒットでミリオンセラー。日本でも九重祐三子さんと田辺靖雄さんのデュオで大ヒットした。ポールさんはレイ・ヒルデブランドが本名、ポーラさんはジル・ジャクソン。テキサスのカレッジで知り合いデュオを組んだ。「HEY PAULA」はレイ・ヒルデブランドの作曲。

・THE WEDDING MARCH
プリファブ・スプラウトはバディー・マクルーアンが書く素晴らしいメロディーと繊細な歌声で日本でも熱狂的なファンがいる。「THE WEDDING MARCH」は1990年の名作アルバム『JORDAN THE COMEBACK』に収められている。
"ひとつだけステップを踊れないダンス その名はウェディング・マーチ あの優雅さ バランスにペース あれは未だに謎でしかない 君がダンスが好きなのは知ってるよ でも僕と踊るのだけは嫌なんだよね"

・I'M SO YOUNG
ドゥーワップには掃いて捨てるほどの結婚の歌がある。アメリカがいちばん豊かな時代で、しかもティーンエイジャーが文化のフロント・ラインに躍り出た時代だったので、映画などでも十代の男女の出会いと結婚がテーマのものが多い。
ステューデンツはオハイオ出身のテイーンエイジのキッズ・ヴォーカル・グループ。「I'M SO YOUNG」は1958年に最初にレコーディングされて、マスターがいろいろなところから出ていくうちに、段々人気が高まり、1961年、R&Bチャート26位の記録が残っている。その後ロネッツがレコーディングしてフィル・スペクター好きのブライアン・ウィルソンがビーチボーイズでカヴァーし、よく知るところとなった。若すぎて結婚できないという歌。

・LET'S GET MARRIED
「LET'S GET MARRIED」はアル・グリーンの1973年のアルバム『LIVIN' FOR YOU』からのシングル・カットで1974年全米ソウル・チャート3位、全米32位。

・7月はソングライター特集
ジェリー・ラガボイの特集を予定している。とりあえず来週はまったりと「棚からひとつかみ」。

・テーマ・ソング
タツローさんも7月からひとつテーマ・ソングをやる予定。詳細は来週報告する。

・WEDDING SONG
「WEDDING SONG」はスモーキー・ロビンソンの1975年の名盤『A QUIET STORM』に収められている。よく使われる表現のクワイエット・ストームはこのアルバムからはじまったといわれている。

・MARRIED MAN
ニール・ヤングの「MARRIED MAN」は9人組のリズム・セクション「ブルーノーツ」をバックにしたブルース・アルバム『THIS NOTE'S FOR YOU』に収められている。

・WEDDING DRESS
ペンタングルはブリティッシュ・トラッドの大重鎮バンドで5人組。トラッド・ソング「WEDDING DRESS」は1971年のアルバム『REFLECTIONS』に収められている。先ごろキャッスルから4枚組のボックス・セットで発売された『THE TIME HAS COME』にベルギーのテレビ・ショーからのライヴ・ヴァージョンが収められている。

・HAPPY HAPPY GREETING
今週はタツローさんヴァージョンの「HAPPY HAPPY GREETING」にリクエストが集まった。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
07月01日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
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LOVE FLAP

2007年06月24日 | 佐野元春 Radio Days

LOVE FLAP
2007年6月19日(火) fm osaka 12:00-16:00
DJ:谷口キヨコ
GUEST:佐野元春

Playlist
荒地の何処かで(6月13日発売ニュー・アルバム『COYOTE』)
君が気高い孤独なら(6月13日発売ニュー・アルバム『COYOTE』)
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・エコ
ゲスト・コーナーの前に「エコ・フラップ」というコーナーがあり、最初はその繋がりから環境問題の話題があった。元春が以前やっていたラジオ番組「radiofish」では環境問題のトピックを取り上げるコーナー「エコロジー・レポート」があった。
元春「地球環境がどんどん変わっていく。各地のいろいろな環境の変化をレポートしていこうという、短いコーナーだったんですけれども、なかなか好評でした」
谷口「それで実際に佐野さんがエコに対して意識しはったのはそれがあったからですか? その前から知ったはったから、そのレポートに繋がったんですか?」
元春「僕はね、十何歳だったかな、多感な頃、北海道のウトロというところに行ってね、そしてそこで森林が伐採される現状を見た時に、[あぁ、これは環境のことを考えなくっちゃいけないなぁ]と思った。それがきっかけですね」
谷口「えっ、じゅ、十代?」
元春「十代。18か17ぐらいの時」
谷口「それは青春18切符かなんかでバッーと周遊してたんですかね?」
元春「そんな切符じゃなかったけどね。はい。飛行機に乗って行きました」
谷口「あっ、そうなんですか。でも、その時にもうそう思っちゃったんですね?」
元春「そうです」
谷口「うわ~、わたしはそれやったら、うわ~、これ切って次何やろな? 家立つんかな? とか、それくらいしか思わないんですけど、その現場を見て気づいてしまったんですね?」
元春「あの~、僕は動物が好きでね、森林の伐採が無計画で行われると動物の生態系も変わってきちゃう」
谷口「行く場所がないですもんね」
元春「そう、だからシマフクロウとか、とても大事な希少動物たちがどんどん減っていってるというそんなニュースを見たのでね、実態はどうなのかなって興味を持ってそれで行きました」
谷口「はぁ。最初がそうでしたよね。で興味を持った後は、自分が何かしなくてはいけないなぁと考えて、行動に移すじゃないですか。行動っていうのはそれからどれくらいして、何か行動されたんですか?」
元春「そうですね。歌の中にそういう意識を盛り込んだりしたんだけれど、実際の活動としては2001年、Naked Eyes Foundationという基金を自分で設立して、そしてインターネットの中でアーティスト関連のマーチャンダイジングを販売して、その売り上げの一部を、特に若い人たちが運営しているNPOですね、人権とか教育とか、それからもちろん環境、こちらでがんばってる若いNPOの資金の援助をそちらでやってます」
谷口「うわぁ。2001年ということですからもう6年、経たれまして、どうですか実際やってみて、思ったようにその活動は進んではりますか?」
元春「実験的な取り組みなので、まだまだ成果は上がってないですけれどもね、でもよい循環が今後できてくるのではないのかなっていうふうに僕自身も期待しています」
谷口「はい。でも、ホンマ、そういうのはまだ日本でははじまったばかりというか、ここ1,2年ですけど、企業でも意識が高まってますけれど、それについてはどういうふうに? ええことはええことですよね?」
元春「特にアーティストが意識を持ってね、環境の活動とか、社会問題に意見を言ってゆくという人もでてきてますよね。僕が知ってる限りではボブ・ゲルドフとか、それからU2のボノとかね、彼らがアーティストとして、個人の関心の一環として、そうした運動をやっていくというのはね、端で見ていて頭が下がる思いですね」
谷口「社会貢献ともいえる、そういうことをミュージシャンがやっているのを見ていて、[これは素晴らしいことやな]と」
元春「そう、アーティストが自分の関心としてやっていくというのは素晴らしいと思います。で、彼らは影響力大きいですしね、ただ実態をよく見てみると、そうしたアーティストやタレントの周りにいるね、ビジネスマンが主体としてやっているケースなんかもあって、そういうのを見るとちょっとうんざりしちゃう」
谷口「あぁ、じゃあ広告マン的な役割になってる場合もある、ということかもしれないですね。あと、生活の中では、なんかあんまり生活臭ないじゃないですか、佐野さんって(笑)」
元春「あははは」
谷口「マイお箸を持ってんねんとか、マイ・バッグ持ち歩いてんねんとか、ゴミを少なくするようにカンカン、ペチャンコにしてんねんとか、そういう小っちゃいことはしてはるんですか?」
元春「機械では冷暖房はとらない」
谷口「うわっ、気ィ合うわ。一緒に住める」
元春「はい。えっ、そうですか(笑)」
谷口「うははははははは。そうなんですよ。男性ってけっこう暑がりの人多いじゃないですか? 逆に冬はね、わたしも暖房、実際つけてしまう時があるんですが。夏はなるべく、窓を開けたり、いろんな工夫で、と思うので」
元春「うん。なんかさっき湿気が好きだって言ってたけど」
谷口「大好きです」
元春「今、いい季節だね」
谷口「今、大好きで、喉も絶好調ですね。今年は梅雨が遅かったじゃないですか」
元春「ええ」
谷口「それとは気づかずに喉の調子が悪いなと思ってたんです。[梅雨の季節なのに雨降れへんから身体の調子が逆に悪いんや、わたしは湿気が好きなんで、だから喉の調子が悪いんだ]と思って」
元春「あっ、そっか」
谷口「そうなんですよ」
元春「でも、そうやってね、自然と一緒に生きてる女の人、僕好きですね」
谷口「いやんっ、と、と、あは(照れる)。ありがとうございます。あはは(笑)。照れてどないすんのん(笑)。ありがとうございます」

・今後の予定
元春「この秋から母校の立教大学で講座を持ちます」
谷口「はっ。大学の先生ですね。何を教えはるんですか?」
元春「うん。これは僕の得意分野なんだけれども、[言葉と音楽]というテーマでね、だからソングライティングだとか、それからポエトリー・リーディングとか、そのあたりを追求してゆく講座を持ちます」
谷口「何学部に入ったらいけるの?」
元春「えっと文学部」
谷口「文学部でいわゆるパンキョウですね、一般教養でいけるんですか?」
元春「そうです」
谷口「うわ~、いいな~、いいな~、いいな~。聴講生になれたらいいな~。いいな~。そうですか~。そんなんしはって(笑)。へえ~、でも刺激になりますよね」
元春「ちょうど、だから、ハイティーンから二十代前半のみんなだと思うんですけど、普段、あまり、そうした世代の人たちと会うチャンスもないのでね、僕も楽しみにしてる」
谷口「そうですよね。教える側だけど、何かを受け取ってというやりとりもね、本来大学ってそういう場所ですもんね」
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HAPPY FUN RADIO

2007年06月23日 | 佐野元春 Radio Days

Happy Fun Radio 「Pop Up」
2007年6月19日(火) FM802 10:00-13:00
DJ:中島ヒロト
GUEST: 佐野元春

Playlist
ラジオ・デイズ
君が気高い孤独なら
---------------------------------------------------
■内容の一部を抜粋
・大阪のイメージ
大阪の男の子、女の子と話すのが楽しいという元春。東京生まれなので、物の見方、感じ方の違いが楽しいのだという。関西のボケとツッコミの文化が東京にもあるのかと考えてみたが、それに比類できるものはなかったのだそうだ。だから大阪の男の子、女の子と話す時は戸惑いがある。でもその戸惑いが楽しいのだという。
「関西のみんなのツボにハマッちゃっていいのか、それとも僕がちゃんと東京の男としてしっかりしていなければいけないのかって戸惑いがあるんですよね~」と元春。

・ラジオ
ヒロト「佐野さんにとってラジオとは?」
元春「友達だね。僕は多感な頃から常にそばにラジオがありました。学校でケンカして帰ってきた時もね。夜、ベッド・サイドにトランジスタ・ラジオがあって、そっからながれてくるポップ・ミュージック、ロックンロール音楽を聴いて、気が晴れ晴れとする、まぁ単純なんですけれどもね。だからラジオにはすごく恩恵をもらったなっていうふうに思ってるんですよ」
ヒロト「ミュージシャンになってDJされた時、今度は(ラジオ番組を)作る側、送る側になった時のラジオに対する思い入れというのはどうでした?」
元春「ああ、これはね、僕は二十代の時にサンフランシスコのR&B専門のステーションがあって、そこへ仕事で取材に行ったことがある。DJに会って同じ質問をしたんです。[あなたにとってラジオ・メディアとは何なの?]って。その黒人DJは一言ね、[LOVE]って言いました」
ヒロト「ああー、かっこいいっすねー。オレ、聞かれて[LOVE]」って言えっかなぁー。でも、わかりますけどね、その気持ちはねー」
元春「あははは。そうでしょ。世界共通のものであると思いますよ。ラジオ・メディアはLOVEだというのはね」
ヒロト「佐野さんにとってのラジオが、さっき友達というのがあって、それもLOVEのひとつだし。そうやってアメリカのDJが[LOVE]って一言言えたっていう、言い切れたところは、僕もそれなり長いことDJやってますけども...」
元春「もうFM802では10年以上かな?」
ヒロト「そうですね10年以上やってますねー」
元春「素晴らしいことですよね」
ヒロト「ありがとうございます。その気持ちっていうのは大事にしたいと思いますし、今回の『COYOTE』に入ってるラジオにちなんだ曲といえば[ラジオ・デイズ]というのがありますけれども。その中の歌詞でね、"いつだって君のそばにいた/思い出のレイディオ・ショー/いつだって君の味方だった/思い出のレイディオ・ショー"、[そば]っていうのはさっきの枕もとのトランジスタ・ラジオというのもあるし、[味方]っていうのが、ラジオってやっぱり一対一のメディアじゃないですか。なんか[僕]に話してくれてるという...」
元春「そうなんだよね」
ヒロト「だからそこでね、このフレーズが出てきて、やっぱラジオやってる者として、[やっぱ佐野さん、すごいラジオ好きなんだな、友達なんだな]って感じましたね。これ提供された曲だったわけなんですけれど、セルフ・カヴァーみたいなところもあったりとか。ラジオについての曲っていうか、これから新しい曲ができるのかは別にしても、やっぱ自分にとって思い入れのある曲だったりしますか?」
元春「僕の曲だけではなくてね、欧米の曲を聴いてみても、ラジオについての曲、DJについての曲、ホントに星の数ほどあるんだよね。それだけミュージシャンにとっては、またソングライターにとってはDJという存在がいかに大事かっていうことだと思いますよ」
ヒロト「うれしいですよね。そうやって思ってもらえると、僕らもこれからがんばって行きたいなと思いますし」
元春「お願いします」

元春が帰った後、DJの中島ヒロトは昔話をした。19歳、予備校生の時に阿蘇で行われた野外オールナイト・コンサート(ビート・チャイルドのことだと思う)を見に行って、夜明け近くにどしゃ降りの雨が止んで、朝日が昇ってきた時に、佐野元春 with The Heartlandが登場し、それを見て感動して涙を流したと話した。これまで何度か元春と会ってインタビューしているが会う度にその話をするので、元春には「前にもその話したよね」と呆れられてるそうだ。だから今日はしなかったと。その話のほうが印象に残ってたりして(苦笑)。
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1000000人のキャンドルナイト

2007年06月22日 | Live

6月15日(金)に西梅田で開催されたフリー・コンサート「西梅田 Groove Night!」に行ってきた。

曇り。

西梅田で開催された「1000000人のキャンドルナイト」に行って来た。明治安田生命大阪梅田ビル前特設ステージで、キャンドルナイト野外ライヴがあり、広沢タダシ、Leyona、SAKURA、リクオが出演した。

ハービスPLAZA ENTの前でソニー・スタイルが主催するフォト・コンテストがあり、「キャンドルの写真を撮って応募しませんか?」とスタッフに声をかけられた。ちょうどケータイで写真を撮ろうとしていたところだった。スタッフはソニー・スタイルのサイバー・ショットを借してくれて、それで3枚ほどキャンドルを撮った。驚くほどキレイに撮れた。最近のデジカメは簡単で手ぶれを気にせず撮れる。

その後、会場となる明治安田生命大阪梅田ビルに向かう。途中で何枚か自分のデジカメでキャンドルの写真を撮った。コンピューター総合学園HAL大阪モード学園の前ではキャンドルで「LOVE」の文字を作って飾っていた。ここの学生が作ったらしい。約一万本のキャンドルがそんなふうにして飾られていた。



会場の明治安田生命大阪梅田ビルの特設ステージではCandle JUNEが火を灯していた。世界各地で火を灯す活動をしていてキャンドルナイトは1回目から参加しているそうだ。

午後7時30分に開演。最初は広沢タダシ。4年ほど前に路上ライヴで見たことがある。ギターによる弾き語りでミディアム・テンポの曲を4曲披露した。会場の周りで徐々に明かりが消されてゆく。

次に登場したのがLeyona。緑の帽子を被り、白い夏服を着ていた。彼女もギターの弾き語り。テレビCMに使用された「Wind Blow」という曲をやった後、進行役の女性が出てきた。午後8時、キャンドルナイトがスタートすることを告げ、ライトオフのカウントダウン。西梅田、キャンドルナイト会場一帯の明かりが消灯。ステージもCandle JUNEのキャンドルの灯だけとなった。Leyonaの顔さえ見えない。

一人大体20分くらいのステージだろうか。Leyonaの後はSAKURA。ウクレレを弾きながらハワイアン風の曲を歌った。サポートでギタリストが参加していた。新曲の「だいじょうぶ」という曲を披露。SAKURAのステージはそれまでより長くて、最後はLeyonaとボブ・マリーの「No Woman, No Cry」を歌った。途中で"Everything Gonna Be Alright"というフレーズが出てくる。先程の「だいじょうぶ」と符号する。

リクオは「ソウル」、「ムーンライトサンバ」、「アイノウタ」、「パラダイス」、「光」の5曲を演奏。サポートで朝倉真司が加わってのステージだった。「パラダイス」ではいろいろな人の言葉を引用していた。最後に引用したのが高田渡の言葉「死ぬまで生きる」。「パラダイス」はミニー・リパートンがオリジナルの「Lovin' You」とメドレー形式になっており、"LA LA LA LA LA"をコール&レスポンス。次にキーを上げて"RU RU RU RU RU"、で、ミニー・リパートンは音域が広いから最後にいちばん高い声を出すのだが、さすがにこれは素人にはマネができない。声の出ない人は顔で歌うようにとリクオ(笑)。

アンコールでは広沢タダシ、SAKURA、Leyonaが呼ばれて、キヨシローが訳詞したRC版の「イマジン」をカヴァーした。この曲の最後の部分"僕らは薄着で笑っちゃう"は、原発事故で放射能汚染になるよりは薄着で笑って夏を過ごしたい、というキヨシローの思いが込められているのだと思う。たぶんリクオがこの曲を選んだのは同じ思いからだろう。キャンドルナイトに込めたメッセージがそこにあった。

終演は10時過ぎで2時間半。キャンドルナイトのほうは8時にライトオフがあり、10時には終了していた。画像は片付けられる直前のキャンドル。緑の置物は紙で作られたカエル。中にキャンドルが入ってる。



■1000000人のキャンドルナイト@OSAKA CITY Candle Park 2007 Summer
2007年6月15日(金) 18:00-22:00
西梅田 Groove Night!

・広沢タダシ

・Leyona
Wind Blow

travelin' man
Love

・SAKURA


だいじょうぶ
Piece of Mind
No Woman, No Cry(with Leyona)

・リクオ
ソウル
ムーンライトサンバ
アイノウタ
パラダイス


Encore
Imagine
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SONIC STYLE

2007年06月21日 | 佐野元春 Radio Days

Around the MARK'E SONIC STYLE
2007年6月18日(月) FM802 22:00-24:00
DJ:MARK'E
GUEST:佐野元春

Playlist
荒地の何処かで
夜空の果てまで
ラジオ・デイズ
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■内容の一部を抜粋
・野茂英雄
マーキーとは15年ぶりくらい? 野茂がまだ近鉄に所属していた時に、佐野元春が野茂のファンだということで、マーキーの番組で対談してもらったという。今夜はその時の話から。

・荒地の何処かで
6月13日発売アルバム『COYOTE』から。マーキーははじめて聴いて何も知らないのにも関わらず歌ってしまうと話していた。

・スポーツ
スポーツの話をするコーナーがあって、元春は子供の頃は野球をやっていたが、段々、団体競技から個人競技へシフトしていったと話した。
中学の時は水泳部だったが、たった3人しかいなくて、6月になるとプールの掃除をして、夏泳いで、10月にまたプールの掃除をして終わりだったという。冬は何もすることがないので3人は別のクラブに入ってたそうだ。元春は冬になると陸上部に入ってたとか。
現在は、ステージでへたるのが嫌なのでジムに行って泳いでるという。大体、1回1000メートル泳ぐそうだ。

・夜空の果てまで
曲がかかってる間、元春はヘッドフォンで聴きながら口ずさんでいたという。

・ラジオ・デイズ
元春「僕らミューシャンにとってDJというのはいちばん身近で大切な存在なんですよね。というのは、自分が作った曲を欲しているリスナーに届けてくれるわけですから。小さい頃からラジオは傍にあったし、またDJというものに親しみを感じてきた。それで今回、『ラジオ・デイズ』という曲を書いてみたんです」
マーキー「自身もラジオの番組をやったりとか、いろんな人と電話で話したりとか、リクエストをいただいたりとか...」
元春「やってましたね。僕はね、生放送よりも、どっちかというと録音できちんと組み上げるほうが好きなんですよね」
マーキー「生のガチンコな感じよりも?」
元春「ガチンコな感じはどうもついていけないんですよね~」
マーキー「いいじゃないですか、ガチンコも(笑)。大丈夫でしょう~。全然大丈夫だと思いますけどね。もう一杯一杯の佐野元春さん見てみたいですけどねー」
元春「ははは」
マーキー「どうしたらいいんだー、これはどうするんだー、大変だーみたいなねー」

・元春、教壇に立つ
今秋から母校の立教大学で「言葉と音楽」をテーマにした講座をするらしい。
元春「早い話が、自分、ずっとソングライティングやってますしね、[言葉と音楽]というのはずっとやってきたテーマなんでね、このあたりでちょっと考えをまとめて、ヤンガー・ジェネレーションに何か伝えられるのかなという、そういう具合ですね」
マーキー「佐野さんの歌を聴いてると言葉っていうものが、すごく頭の中に、しっかりとフレーズが残っていくという...」
元春「ありがとうございます」
マーキー「メロディーと言葉の混ざり方っていいましょうか、その絶妙感が聴いててね...」
元春「ありがとうございます」
マーキー「いつも頭の中を、全体をね、いい感じで、欲しい分だけ音が回ってくれるという...」
元春「そうですか。僕はDJマーキーにそういうふうに言ってもらえるのはすごくうれしい。というのはマーキーはいろんな音楽を日々ヘッドフォンで聴いてるわけでね、そういうふうに評価してくれるのは、すごく自信が出るねー」
マーキー「いやー、年もね、近いからというのもあるかもしれませんけれど、すごく、聴いてたら足が動いて、首が動いてるという(笑)、そういうアルバムなんで、是非みなさん、『COYOTE』、耳でがっちり聴いていただきたいと思いますけれども」

番組の中で「ヤキウリ」というラジオ・ネームの人のメッセージをマーキーが読んだ。元春の出演が終わってから番組に、「ヤキウリ」は「シュウマイ」なんじゃないか? と多数メールがあった。「焼売」だったのだ(笑)。
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サウンド・ストリート21

2007年06月20日 | 佐野元春 Radio Days

サウンド・ストリート21「Motoharu Radio Show」
2007年6月19日(火) 23:00-24:10
DJ:佐野元春
GUEST:山口洋、藤井一彦

Playlist
君が気高い孤独なら / 佐野元春
世界は誰の為に / 佐野元春MusicUnited.
俺はスピード上げるだけ(Live) / The Groovers
Like A Rolling Stone(Live) / Jimi Hendrix
Beautiful Moment / The Groovers
ガールフレンド / Heartwave
フリージア / Heartwave
Living / Paddy Casey
黄金色の天使 / 佐野元春
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■内容の一部を抜粋
・君が気高い孤独なら
6月13日発売ニュー・アルバム『COYOTE』のリード・トラック。

・MusicUnited.
独立系のミュージシャンやソングライターが集まって何か有意義なことをやってみようというテーマではじまったシリーズ。「世界は誰の為に」は深沼元昭、山口洋、藤井一彦が参加している。
藤井「楽しかったですね。シンガーとして呼ばれることはあまりないので光栄だったといいますか(笑)」
山口「基本的に僕も藤井くんも歌う時には首からギターがぶら下がってるんですけど、後々映像を見せていただくと、縦横無尽にアクションをされながら、楽しそうに歌われている佐野さんと、ひじょうに不自由な藤井山口組というものの中に力量の差を感じてしまう...」
藤井「感じましたね。我々かっこ悪いんだもの、だってやっぱ」
元春「そんなことないよ。普段、ギター・マンでもあるから、二人は。ギターが首から下がっていて歌う、それが直結してるのね、その姿、みんな見てるけども。あれは決してかっこ悪いとは僕は思いませんでした」
藤井「そうですか。なんか自分ではギターないというのはパンツ穿いてないみたいで」
元春「まあね。ギター・マンにとってギターというのは一種のセーフティー・ブランケットみたいなものがあるからね」
山口「楽しかったですでも」
元春「あ、ホントに」
山口「ありがとうございました」
元春「こちらこそ」

・藤井一彦
グルーヴァーズのヴォーカリスト、ギタリスト。
グルーヴァーズが東京のライヴ・ハウスで定期的に対バンを迎えて行うライヴ・シリーズ"ROCK'N'ROLL JOINT STRUGGLE"で、つい最近、深沼元昭の新しいバンドGHEEE(ギー)を招いてやったという。GHEEEにとっては初ステージとなったそうだ。

・俺はスピード上げるだけ(Live)
現在、グルーヴァーズの初ライヴ・アルバム『ROUGH TRIANGLE』のミックスを自ら行いマスタリングが終わったところ。また藤井一彦のソロ弾き語りツアーもやっていた。

・Like A Rolling Stone(Live)
藤井一彦の音楽的なルーツの1曲。「Like A Rolling Stone」はジミ・ヘンドリックスがモンタレー・ポップ・フェスティバルで演奏した曲。オリジナルはボブ・ディラン。この曲をやった日が1967年6月18日で藤井一彦の誕生日なのだという。

・山口洋
ヒートウェイヴのヴォーカリスト、ギタリスト。最近、一人で全国を回るライヴ・ツアーを行った。
山口「佐野さんはじめとする血の轍みたいなものが残ってるんだけど、皮肉なことに佐野さんたちが通ってこられた道は、僕と一彦の目の前にもあるんだけど、その道には"ついて来るな"って書いてあるんだよな、一彦(笑)。"オマエはオマエの道を往け、いつかどこかで会うだろう"って(笑)。そういうメッセージを受け取りつつ、僕は地方を回りつつ、厳しいけれどやりがいも感じます」
元春「僕は'50年代の米国の文学でいうと、例えばジャック・ケルアックとか、それからアレン・ギンズバーグだとか、ああした一連のビート作家と呼ばれた人たちの残した作品を読んだり、見たりして、十代の時に感銘を受けたんですね。その先には音楽界にディランがいたりとか、トム・ウェイツがいたりしたんだけれども。そしてレコーディング・アーティストとして出発してから十年ほど経ってから、THISという雑誌の編集をやったんですよ。そのTHISの編集を通じて僕はアレン・ギンズバーグに会いに行き、あるいはジャック・ケルアックの生まれた街を探索してね、彼の作家の背景を探ったりとかやってたね。アレン・ギンズバーグに会った時に、さっきの山口洋の言葉じゃないけどね、同じことをいわれたんです。"過去のアイコンにすがるな"と。つまり"君が一連のビートの作品に影響を受けたのはわかるけれども、過去のそうしたアイコンにすがる気持ちは捨てよ"。アレン・ギンズバーグはそのインタビューでもっともっと他にもいろいろとメッセージがあったんだけれども、その一言がいちばん僕の心には響きましたね。だから、それと同じことをね、奇しくも、山口くんが言ったので、なるほどなぁ~と思いましたね」
山口「勝手に受け継がれてゆくんでしょうね。誰かのお仕着せで受け継がれたものではないものが好きだったというか」
元春「そうだと思う。だから何を受け継ぐかというのは僕たちの気持ちや能力が問われている現在と思うんだよね」

・Beautiful Moment
山口洋、藤井一彦は新しいアルバムの製作ではアドバンス・システムを採用している。「ADVANCE MEMBERSHIP」という名前でも知られるこのシステムは、レコーディング開始前から予約販売の受付を開始するという革新的CD制作/販売システムで、形としてはファンや支持者が出資する「ファンド」みたいなものだそうだ。
そのシステムで作られたグルーヴァーズのアルバム『Modern Boogie Syndicate』からの曲が「Beautiful Moment」。
「これはね、よっぽどアーティストとファンに強い絆がないと実現できないアイディアだし、またこうしてメジャー・カンパニーの音楽の売り方が破綻してる中ね、あっ直接的に言っちゃったけれども、二人が採用しているこのアドバンス・システムというのはもっともラディカルで、もっとも未来的なレコードの製作システムだっていうふうに僕は思ってます。だから、奇しくも僕よりも早くね、二人がそのやり方を採用しているのを見てすごく僕は勇気付けられたというかね、すげぇなと思いましたね」と元春。

・ガールフレンド
「ヒートウェイヴの最近のアルバム聴かせてもらったんだけれども、ヒートウェイヴ節というか、山口節がビシッと貫かれたいい曲ですね」と元春。

・フリージア
山の中でレコーディングしたアルバム『Land Of Music』は弾き語りツアーの経験が反映されているという。
山口「かなり反映していると思います。今は外国を放浪してる場合じゃないなって思いました(笑)」
元春「僕たちソングライターというのは、いつも問われるのは誰のために歌っているか。もちろん大事な自分のために歌うこともあるんだけれども、やはり歌いかけたい対象があるからこそ曲が出てくるんじゃないでしょうか。そうすると例えば一彦にしても山口くんにしても、普段はバンドで電気的に増幅された音でラウドにやってるけれども、今年に入って弾き語りツアー、自分の言葉とメロディーでネイキッドなままオーディエンスに向かい合って、自分が歌いかけてる人たちはこういう人たちなんだという強い実感があったんじゃないですか?」
山口「最近、オーディエンスをハッピーにしたくない? 昔はハッピーなんか知るかって感じだったでしょ」
藤井「あぁ~、そうですね。向かってるような...敵でもないのにね」
元春「もちろん目に見えない時代というものにね、時代というものをオレの歌とギターでアタックしてやるぜっていう気概もあっただろうけれども、いざネイキッドな中で、オーディエンスの顔を見て歌うと、アタックする対象が君たちではないよという思いが強くあったんじゃないですか?」
山口「そうですね。そう思えてきますよね。そういう人たちが2時間なり、3時間のライヴを終えて、最初に見た顔と、顔が変わってるわけですよ」
元春「音楽、弾き終わった後?」
山口「それが僕らにとっていちばんの励みというか、そういうシンプルなことは、ホントに裸に近い形の、コミュニケーションというのは、ミュージシャンとしての資質を問われるわけですし...」
元春「もちろんね、厳しいよね」
山口「ええ。結果的にはバンドでやってることも、ギター1本で30人のお客さんの前でやってることも、ステージに上がる前にこみ上げてくる気持ちは何一つ変わらないわけですから。両方そういうことができるということは、それだけ幅がフレキシブルにあるということなので、大したことじゃないなっていう、単なる芸人で、オマエの芸は何なんなんだっていうことだよね(笑)」
藤井「そうですよね、芸について考えましたよね」

・Living
山口洋が去年アイルランドでしばらく過ごしていた時に聴いた曲。レンタカーを運転してる時にラジオからながれてきた曲で、ヒット・チャートのNO.1を独走していた。
「"みんな同じような顔して生きてるけど、みんな別々のゲームの中で生きてる"そんなフックがすごく印象的だったね」と元春。
この歌の中では都市部に住んでる人間と田舎に住んでる人間の差異が歌われているようだが、それはネット社会と旧態依然とした社会の対比とも取れる。

・ラジオ
ラジオが果たす役割というのが機能しなくなってる。かつてラジオはアーティストとリスナーのブリッジの役割をしていた。だから信頼できるDJが必要な存在だったが、今どれほどいるだろうか。ラジオというメディアが本来持っているポテンシャルを最大限に発揮してないのが現代だと元春。

・元春の提言
十代、二十代の若いソングライターでも、クリエィティブに冴えていれば、四十代、五十代の人をも説得できる真理を歌う能力があるはず。逆に三十代、四十代、五十代のソングライターでも、十代の男の子や女の子の心を震わせる真理を歌えるソングライターが必ずいる。問題なのはこの国にそうしたソングライターとそれを欲しているリスナーをきちんと誰も結ぼうとしなことだ。だから従来のテレビやラジオというメディアもいいが、新たにインターネットというメディアが出てくればそこに僕たちは可能性を見出してゆくのもなしではない、と元春。

・黄金色の天使
アルバム『COYOTE』のエンディング曲。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒150-8001 NHK-FM「サウンド・ストリート21 佐野元春」係
e-mailで送れるホームページは「サウンド・ストリート21

■今後の予定
来週もひき続き新作『COYOTE』の話題を中心に。
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ミュージック・スクエア

2007年06月18日 | 佐野元春 Radio Days

ミュージック・スクエア
2007年6月13日(水) NHK-FM 21:10-22:45
DJ:間宮優希
GUEST:佐野元春

Playlist
君が気高い孤独なら / 佐野元春
荒地の何処かで / 佐野元春
黄金色の天使 / 佐野元春
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■内容の一部を抜粋
・晴れ男
「ライヴとかで雨が降っていても僕がステージに立つと雨がぴたっと止んだりとか、よくありますね」と元春。

・服装
「スタジオにいる時とか自分の場所にいる時はラフです。お出かけする時とかは最近はパンツ、ジャケットが多いですね」と元春。

・君が気高い孤独なら
ミュージック・ビデオのダイジェスト版約90秒がアルバム『COYOTE』の特設サイトで公開されている。
元春「僕が街をずっと練り歩くというストーリーで、僕が生まれ育ったのは東京の下町なんですけれどね、日本橋とか浅草とか上野とかね、その辺を舞台にしてます」
間宮「いろいろな世界というか自分の想像する世界というのがあのミュージック・ビデオからも感じることができます」
元春「あれモノクロということもあって、モノクロというのはカラーよりも自分が入っていきやすいというかね、自分で色を付けていくので、カラーよりかは僕なんかは親密な感じがして好きですね」

・コヨーテ、荒地を往く
特設サイトに「コヨーテ、荒地を往く」という佐野元春によるテキストが公開されている。
"この荒地に立って嘆く君のため息が僕の音楽となる。この荒地のどこかで君の声が聞こえている。「コヨーテ」は僕にとってささやかな虚空の手だ。その虚空の手を光にかざしどこまでできるかわからないが唄ってみた。"

・コヨーテ男
「前作の『THE SUN』は自立した世代の人たちの男性女性が主人公でした。テーマにしたのは日常のすごさとかね、日常の尊さ、そうしたものをそれぞれの曲の主人公を通じて、曲にしてみたんですけれどね。今回の『COYOTE』というアルバムはいろいろな人の人生が歌われているわけではなくて、コヨーテ男、コヨーテと呼ばれる男、僕が作ったキャラクターですけれどね、その彼が全体の主人公となっている、そういうアルバムなんですよね」と元春。

・コヨーテ
間宮「コヨーテという動物を見たことも?」
元春「僕はあります。米国にいた時にボストンの郊外でコヨーテを見て。僕はコヨーテというのは山間部にね、生きてる動物かなと思ったんだけれども、意外と街中にふらっと出てくるらしいですよ。で、日本の動物でいうと柴犬に近い、柴犬にすごく似ている。コンパクトで目がちょっとつり上がっていて凛々しい感じがするね」
間宮「それを見たところからはじまったんですか?」
元春「そう、コヨーテはなんか心にずっと引っかかるものがあって、大体、物の本を読むとネイティブ・アメリカの人たちにとって、コヨーテというのは力の象徴であったり、なんかこう生き残ってゆく、サバイバルしてゆくということについて、とても知恵の働くそういう動物だって物の本に書いてあるんですよね。だから、いつか、コヨーテをテーマにした音楽作品を書いてみたいなって思ってました」

・『COYOTE』を聴いて
「ポップ音楽を聴く楽しみのひとつは、曲を聴いて自分なりのストーリーを紡げたり、自分なりの景色がその曲を聴くことによって思い浮かんだりね、そういう楽しみがあると思うんです。ですから僕もソングライターとして、聴いてくれた人が何か景色を描いてくれるような曲を書きたいなと常々思ってるんですね。ですから今回のこの『COYOTE』も映画のように作ったといいましたけれども、アルバムを聴いていただいて、ご自身の映画をまた紡いでくれるとうれしいですね」と元春。

・新しいバンド
元春「ホーボーキングバンドはライヴにレコードにこの10年間一緒にやっていますね。ですから、僕たちはよきミュージシャン仲間であると同時に、仲間、友人たちというそういう関係ですね。で今回の『COYOTE』アルバムは、そのホーボーキングバンドにちょっとお休みしてもらって、僕の音楽を多感な頃に聴いていたミュージシャンたちに集まってもらって、それでレコーディングしたんです。だからやっぱりホーボーキングバンドのサウンドとは違いますよね。すごく面白い」
間宮「その人選はどのようにされていったんですか?」
元春「ほぼ10年来、レコードにライヴによく聴いてきたミュージシャンたちですね。ミュージシャンとしてのポテンシャルがひじょうに高い連中ですし、それから自分で曲を作りもし、歌いもするという、そういう彼ら。僕もソングライターなのでそういうミュージシャンたちとのコラボレーションというのが結果がすごくいいんですよ」
間宮「教えていただけますかメンバーを」
元春「ベースが高桑圭、彼はグレート3、そして今はカーリー・ジラフというユニットでやっていますね。そしてギターが深沼元昭、彼は元プレイグス、最近新しいバンドをまた彼は作って、GHEEE(ギー)というバンドですけれど、がんばってますね。それからドラムスが小松シゲルくん。彼はノーナ・リーブスというバンドに在籍しています。彼のドラム、僕は大好きですね」
間宮「ノーナ・リーブスというと、イメージがなんとなく、ドラムが違ったんですが、今回聴くとまた全然違った小松さんのドラムがブワッーと聞こえて...」
元春「そうなんです。ノーナ・リーブスでの彼のドラミングももちろん素敵だけれどね、ミュージシャンとしてのポテンシャル、彼はひじょうに高いですね。今回のレコーディングでも自分が叩いたことのないようなリズムとかにチャレンジしてくれたんだけれども、僕がいいなぁと思う...、僕はシンガーですのでドラマーとのコンビネーションがとても大事なんですけれども、歌いやすかったです」
間宮「その小松さんが言われるには、ドラムのセッティングがまだしてる段階で、佐野さんがもうパーカッションかなにか、パパパッと叩き出して、[一緒にこの音弾いてくれる]みたいな(笑)、ことがもうはじまり、[あっ、いつの間にかレコーディング]っていう、そういった楽しみというか、知らないうちにセッションができ、音ができというのが佐野さんの今回のレコーディングだったと仰ってますが...」
元春「そうですね、まぁレコーディングというのは仕事じゃないですしね、遊びですから、何か段取ってやろうというものとも違うと思うんですよね。誰かがドラムを叩き出して、それに反応して誰かがパーカッションを叩き出して、もうその延長線上でいい感じになったら、じゃあレコーディングしようかっていうことですから、あんまり段取りって好きじゃないですね」
間宮「じゃあもうレコーディング・スタジオに入ったと同時に、もう佐野さんの中にはいろいろな構想が...」
元春「スタジオというのはとても神聖な場所です。僕たちミュージシャンたちがそこに入れば、化学実験じゃないですけれども、自動的にいろいろな反応が起こるんですね。演奏してないときも。しかし僕たちはたまたま年齢が少しずつ違うけれどもミュージシャンとしてレコーディング・スタジオに入った限りはクリエィティブにいかにスパークするかというのが一番大事になってきますね」

・コーラス
「今回はさっき言ったメンバーによるバンド・サウンドですよね、僕を含めて。僕も今回は楽器をたくさん弾いています。すごいのは全員ソング・ライターで、全員シンガーだということ。歌のツボを心得ている。深沼くんのハイ・トーン・ヴォイスと僕の声は、ハーモニーということでいうとね、とても溶け合いがいいんですよね、かっこいいというかね。だから深沼くんには今回ずいぶんいろんな曲で歌ってもらっているし、小松くんもいろいろと歌ってくれていますね。それとステージで一緒にやっているTTシスターズという、フィーメールの二人組も、女性コーラスですけれど、バッキングやってくれてます」と元春。

・呼吸
元春「女性、男性関わらず、この曲は自分にひじょうに近い人が、精神的に神経的にプレッシャーを受けている状態、そこに音楽がどれくらい役に立つのだろうか、ということを思いながら歌っている曲ですね。聴いてもらわないとわからないです、これは。解説すると野暮になりますからね」
間宮「女性のファンのことも考えてらっしゃる、というメッセージもありましたが...」
元春「僕の音楽ファン、半分男性、半分女性、地球もそうですよね。大体ね。常に振り返ってみると、ソングライターとして、曲を書くモチベーションというか、動機というか、女性がとても僕に影響を及ぼしているということもあるんじゃないかと思うんですよね。そして、僕ももうすでに16歳じゃないですから、いろいろな経験もしています。その年代、その年代で女性に対する敬意とか、女性に対する思いとか、女性に対する見方、接し方というのは、少しずつ変わって行ってるような気がしますね。ただ僕は音楽でもって、表現することができます。できますっていうか、音楽しかできないんですけれども(笑)、音楽やることで、そうした彼女たちに何か感謝の気持ちを伝えたりとか、なにか自分の思いを伝えたりとか、できてよかったなぁと思いますね」
間宮「女性というものを意識した上でのことになりますと、ラヴ・ソングという言葉がありますが...」
元春「"愛"ですよね。"愛"、"友愛"、いろいろな感情があると思います。どのポピュラー・ソング、どのロックンロール曲も、一言で言っちゃえばみんなラヴ・ソングですね、はい」
間宮「そのラヴ・ソングというものを今回意識したところも...」
元春「いや、それは意識しない。よい愛の曲を書こうとして、よい曲ができたためしはないですから」
間宮「ほう~~。そういった意識を逆に働かせない? 思った世界をそのまま投じているという...」
元春「ソングライターとして、食事をしたり、眠ったりしているのと同じ感覚で、毎日曲を書いたりだとか、詩の断片を探ったりするんですよね。これもよく友人に言うんですけれど、僕はどうもソングライティングだとか、レコードを作ったり、曲を書くことは、自分の仕事ととは思ってない」
間宮「さっきも遊びって仰ってましたが(笑)」
元春「そうなんですよ。何か生活の延長であり、いつまでもそうであってほしいなっていう願いもありますね」
間宮「いつまでもそう思えることが羨ましくもあり素晴らしいなと思うんですね。そう思えなくなってしまうっていうのが、何かどこか日常にできてしまう、ってか、作ってしまうんでしょうか? 自分で」
元春「どうなんでしょうか。僕の場合は自分の近しい人、それからファンの人たちですよね、[あぁ、今回とてもいい曲書いてくれたね]って褒められれば、すぐうれしくなって、こんな曲もあるんだけれどって、そんな感じでずっと続けています」
間宮「佐野さんの曲を聴くことで、自分自身で雁字搦めにしている日常を解き放ったってもらえる部分があるのかなって思います」
元春「いい曲っていうのはそういう力がありますよね。だから僕は自分が悲しいだとか、自分が怒ってるだとか、自分が誰かのことを愛してるだとか、そういう曲は1曲も書いたことがないですね。自分のことはさておいて、自分の目の前の人がどうしてるんだということが気になって、そこから詩ができて曲ができます」
間宮「だから自分のほうにも置き換えることができるというのがあるのかもしれませんね」
元春「お嬢さんの日記のような歌詞ではなくて、ストーリーテリングというかね、物語を僕は書いていきたいと思います」

・世界は誰の為に
今回の『COYOTE』ではアコースティック・ギターのほかピアノもオルガンも弾いている元春。しかし実はDr.kyOnも何曲かに参加している。
「Dr.kyOnはハモンド・オルガンのプレイで日本一ですから、ここぞと思う曲は彼に登場してもらいます」と元春。
その中の1曲が「世界は誰の為に」で、この曲はセッションで一瞬にして作り上げられたという。

・セッション
元春「10年来知っているミュージシャンたちですので、彼らがよく聴いてきた音楽、彼らが好む音楽は大体僕もわかるんですよね。だから彼らの演奏表現とあまりかけ離れていると上手くいきませんから。詩にしても曲にしても、彼らが聴いてくれた時ね、グッとくるような、そんな曲を持って行きました。その結果、彼らとってもいい演奏してくれた。彼らから僕はとってもいいものをもらったし、僕からも彼らに何かいいものをあげられていたらいいなと思いますね」
間宮「ホーボーキングバンドとはまた違ったイメージというか、この作品で成し得た技というか、世界が出たのかなと、今ふっと改めて思わせていただきましたが...」
元春「レコーディングが全部終わった時、彼らは僕に感想をいいましたね。[佐野さんとセッションしていると子どもに戻れる]なんて訳のわからないことをいってました」
間宮「訳がわからないことじゃないですけどね(笑)。たぶん私たちもそうなんじゃないですかね? 先程のモノクロの映像もそうですが、そういったイメージが音にあるというか...」
元春「音楽自体、人々の心を解き放ったり、和らげたりするそういう力があります。また人々の心を強くしたり、けしかけたり、いろいろな力がありますよね。僕や今回の『COYOTE』アルバムに参加してくれたミュージシャンたちは、その音楽の力っていことを見くびってない。力があるからこそリスペクトして、それで何が表現できるのかを真剣に考えている連中ですよね。で、一緒に今回仕事をして僕も学ぶことが多かったです」

・コヨーテ、海へ
間宮「映画のクライマックス、来てます~」
元春「クライマックスですよね。7分ぐらいの曲というと、過去の曲でいうと『ロックンロール・ナイト』とか『ハート・ビート』ってありますけどね、久し振りに長尺の曲となりました」
間宮「"目指せよ、海へ"という言葉が最後に響くんです」

・黄金色の天使
間宮「12曲目にエンド・ロールかなと」
元春「『コヨーテ、海へ』というのが言ってみればこの『COYOTE』という映画のハイライト。で、この曲が終わって、よく映画館などでは映画が本編が終わると、俳優さんの名前がロール・アップしてエンディングになりますよね、その時にかかってる曲としてイメージした曲があります」

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒150-8001 NHK-FM ミュージック・スクエア リクエスト係
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Sunday Songbook Playlist

2007年06月17日 | Sunday Song Book

<06月17日プレイリスト>
[ジューン・ブライド特集 邦楽編]
LET'S GET MARRIED/竹内まりや "VARIETY" '84
ジューン・ブライド/ザ・ピーナッツ '64
ウエディング・ケーキ/森山加代子 '61
結婚/高田渡 "ごあいさつ" '71
結婚の理想と現実/ZEEBRA "BASED ON A TRUE STORY" '00
WEDDING DRESS/THE YELLOW MONKEY "TRIAD YEARS Act II" '97
無敵/SMOOTH ACE "FOR TWO-PIECE" '02
リンダ/アン・ルイス '80
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■内容の一部を抜粋
・近況
まりやさんのニュー・シングルのレコーディング。今週は最終段階となるミックスダウンをする。

・竹内まりやのニュー・シングル「チャンスの前髪」
7月5日からTBS系で毎週木曜10時からはじまるドラマ『肩越しの恋人』の主題歌。原作は唯川恵で直木賞受賞作。主演は米倉涼子と高岡早紀。
シングルのタイトルは「チャンスの前髪」で8月8日発売予定。ゲスト・ヴォーカルでサザンオールスターズの原由子が参加している。カップリングは反響が大きい「人生の扉」で両A面シングルとなる。

・ジューン・ブライド特集
ジューン・ブライドにちなんで今週、来週の2週間は久し振りにウェディング・ソングなどをかける「ジューン・ブライド特集」。今週はPart.1で邦楽編。

・LET'S GET MARRIED
この番組でウェディング・ソングといえば竹内まりやの「本気でオンリー・ユー LET'S GET MARRIED」にリクエストが集まる。もう発売から23年になる。1984年発表のアルバム『VARIETY』に収録されている。

・ジューン・ブライド
「ジューン・ブライド」はザ・ピーナッツの1964年のシングル。アルバム『ウナ・セラ・ディ東京』に収録されている。作詞岩谷時子、作曲宮川泰

・ウエディング・ケーキ
森山加代子の1961年のシングル。洋楽曲のカヴァーでいわゆる訳詞ポップス。タツローさんはコニー・フランシスの「ウエディング・ケーキ」のカヴァーだと思っていたが違ったそうだ。

・結婚
タツローさんが思い浮かべるウェディング・ソング。高田渡の1971年のアルバム『ごあいさつ』に収録されている。山之口貘という昭和初期から戦後にかけて活躍した詩人の詩に曲をつけたもの。高田渡はほかにも「生活の柄」で山之口貘の詩に曲をつけている。

・結婚の理想と現実
タツローさんが一回かけてみたかったというラップの曲。今日はこの曲のために特集したようなものだという。ジーブラの半生を描いた2000年のアルバム『BASED ON A TRUE STORY』から。

・MUSIC FLAG
この番組の後の午後3時からは「MUSIC FLAG」という番組がオンエアされている。本日のゲストは竹内まりやでナビゲーターは椎名林檎

・WEDDING DRESS
イエモンはタツローさんの家族がファンで、タツローさんは吉井和哉さんとよく食事したりお酒を飲んだりするそうだ。現在ロサンジェルスでレコーディング中とのこと。「WEDDING DRESS」は1997年のベスト・アルバム『TRIAD YEARS Act II』のボーナス・トラックとして収録されている。未発表トラックだそうだ。ひじょうに不思議な詩とロックンロル・サウンド。タツローさんはギターのエマさんの弾くソロが好きなんだそうだ。

・無敵
SMOOTH ACEは男二人女二人の混声のヴォーカル・グループ。若手の中ではソフィスティケイト度NO.1。2002年のアルバム『FOR TWO-PIECE』に収録されている。

・リンダ
アン・ルイスの1980年のヒット・シングル。作詞作曲竹内まりや。タツローさんが全面的にバック・コーラスをやっている。
「今聴くとですね、このアンの歌がひじょうに情感があっていい味を醸しだしております」とタツローさん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
06月17日は、「ジューン・ブライド特集 邦楽編」
06月24日は、「ジューン・ブライド特集 洋楽編」
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ディア・フレンズ

2007年06月16日 | 佐野元春 Radio Days

■ディア・フレンズ
JFN系列全国ネット 2007年6月14日(木) 11:00-11:30
DJ:赤坂泰彦
GUEST:佐野元春

Playlist
荒地の何処かで / 佐野元春
All Right Now / Free
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■内容の一部を抜粋
・アルバム『COYOTE』のレコーディング・メンバー
「ドラムスが小松シゲル、彼はノーナ・リーブスというバンドに在籍しています。ベースが高桑圭、彼はグレート3ですね。現在カーリー・ジェラフという名前でユニットをやっています。そしてギターが深沼元昭、彼はプレイグス、今はGHEEE(ギー)という新しいバンドを結成してやってますね。この3人、プラス僕を含めて4人がサウンドの核を務めています」と元春。

・なぜ彼らを起用したのか?
「これまで僕はザ・ホーボーキングバンド、そうですね、約10年一緒にやっています。レコーディングにライヴに互いにいろんな景色を見てきましたね。そのバンドと10年目にして『THE SUN』というアルバムを作り、そのプロモーショナル・ツアーで東京の有楽町でコンサートをやったんです。その夜集まってきてくれたオーディエンスのおかげでもあるんだけれども、素晴らしいライヴだったんですね。レコーディング・アルバムとしての『THE SUN』、そしてそのとても充実したライヴ、この二つを経験して、ひとつ、なんかザ・ホーボーキングバンドとのコラボレーションでのよい帰結がそこにあったような思いになり、じゃあその次に自分は何をするのかと考えた時にとても当たり前の言い方になってしまうんだけれども、"Back To Basic"ですよね。自分がロックンロール音楽にはじめて触れた時のあのフレッシュな感覚に戻ろうと。そういう風に思って、僕よりずっとヤンガーなミュージシャンたちに集まってもらってレコーディングしました」と元春。

・いかにクリエィティブにスパークできるか
「まず、みんなやっぱり音楽好きですし、何よりも彼らは僕の音楽を多感な頃に聴いていた3人ですから、すでに佐野元春が何者かみんなわかってくれている。だからゼロからのスタートじゃなかったような気がするんですよね。僕がたくさん曲を彼らに持っていって、僕が演奏すると彼らがアプローチしてくる、そのうちに段々できてくる。本当にセッションから生まれてきたサウンドです。で、僕もコラボレーション好きです。しかし、コラボレーションというのは僕が考えるには年上も年下も関係ないです。僕も二十代の時に、例えば米国のミュージシャン、例えばザ・バンドのガース・ハドソンとか、UKのハモンド・プレイヤーのジョージィー・フェイムだとか、その当時自分よりもずっと年上のミュージシャンとコラボレーションしましたけれども、その時に感じたのは、もちろんリスペクトはあるけれども、両者がスタジオの中で出会ったんだったならば、いかにクリエィティブにスパークできるかというのが一番大事なことですね。だから、そうなると誰が年上で、誰が経験あって、誰が年下かなんて、僕にとって関係なかったですね」と元春。

・荒地の何処かで
赤坂「映像は浮かんで来てたんですか?」
元春「確かにありましたね。アルバム作る前にシナリオを書きましたから。誰かいい映画監督がいたらそのシナリオを映画化してもらってもいいと思うんだけれども、シナリオはありました」
赤坂「シナリオを書いてその中から曲をイメージしていったんですか?」
元春「コヨーテと呼ばれる男がいて、そしてコヨーテと呼ばれる男と過去関係があった女性がいて、そして道行き偶然に出会う彼よりずっと若い男なんだけれど、瞳の奥を見ると自分と同じような孤独を抱えてる男だったり、そうして幾つかの人物を設定してストーリーを組みました。結局、現代を荒地として捉えてみたんですね。現代を荒地として捉えてそこにコヨーテを往かせてみようというのが最初の僕の発想だった」

・Part.1/Part.2
「今回このアルバムでは、12曲入ってるんですけれども、Part.1、Part.2って分けたんです。Part.1に6曲、Part.2に6曲ですね。赤坂さんだったらわかるかもしれないけれど、僕たちブラック・ビニールの時代に育ってきて、A面とB面というのがあった。針を置いてA面だいたい20分ですよね。そして一息ついて、盤をひっくり返して、お茶かなんかすすって、また新しい気持ちでB面の最初から聴きはじめる。で、やっぱり20分。僕はあの流れる時間というのがすごい好きだったんです。自分の好きなソングライターや、自分の好きなバンドのレコードであれば20分聴いたらへとへとになっちゃうんですよね。今CD時代になって平気で全20曲とかね、70分とかあるけれども、僕はそんなに集中力続かないですね。コンピレーションだったりベストだったりしたら話は別だけれど、自分の好きなソングライターや、自分の好きなバンドの新譜を紐解いて聴こうという時には、そうですね、音がはじまってから20分くらいで集中力が切れちゃう。で、そんなこともあるので僕のほうから今回『COYOTE』も、このアルバム、Part.1、だいたい25分くらい、Part.2、また25分くらい、自分で区切りました。で、聴く人の自由に聴いていただいていい。今日はPart.2から聴こうと思って、Part.2、25分、僕のほうで起承転結つけました。Part.1も起承転結ついてます。だからそんなふうにして自由に聞いてもらえればなと思っています」と元春。

TOYOTA SOUND PORTRAIT
今日のトーク・セッションのテーマは「ラジオ・デイズ」。

・ラジオ・デイズ
赤坂「昨日リリースされたニュー・アルバム『COYOTE』の6曲目です、[ラジオ・デイズ]というタイトルの曲が収録されています。佐野さんはいつもサンプル盤を業界に配る時には"親愛なるDJたちへ"という手紙を必ず添えてくれます。今回もそうでした。ありがとうございます。[ラジオ・デイズ]、ラジオの現場にいる人間にとってこんなにうれしいタイトルはないですけどね」
元春「僕自身もメディア、テレビ、ラジオというのがあるとしたら、どちらかというとラジオが好きです。これまでラジオとの関わりをいうと'80年代には僕の番組を持っていました。僕の番組というか、僕がナビゲーションするね、番組があって。約6年間続いたその番組[モトハル・レディオ・ショウ]なんていう気取った名前をつけてましたけれども。これは本当にいい番組でね、思い出が一杯詰まってますね」
赤坂「そして今回、[ラジオ・デイズ]という楽曲を作られたわけですけど。佐野さんが学生の頃聴いていたラジオから流れていた曲っていうのは、リアル・タイムの曲に心の琴線が弾かれたわけですか? それとも'50年代とかの曲だったんですか?」
元春「小さい頃、多感な頃というのはいつも自分のそばにラジオがありましたね。そして気に入りのDJも何人かいました。記憶に残っているのは二人です。糸居五郎さん、そしてもうひとりが鈴木道子さんですね。糸居五郎さんはもちろん僕よりもずっとずっと大人のDJでした。で、かける曲もメイン・ストリームの曲じゃなくてR&Bとか黒っぽい曲をかけていた。しかももちろん彼の選曲でしたよね。で、独特の言い回しもあり、子供心にかっこいい大人だなってイメージしていた。実際お会いしたことはもちろんないんだけれども、喋り口から何か音楽への愛情も感じたし、またジェントルな紳士のようなね、そういう部分を子供心に感じとっていた。だから彼が流している曲というのは、もちろんチャートにも出てきてないし、ヒット曲ではなかっんだけれども、糸居五郎さんが推薦してくれる曲なら確かなんだろうって、僕はそう思ったんですね。そして聴いた。実際、その中から自分のフェイバリットなR&Bがたくさんあります。もうひとりの鈴木道子さん。これはやっぱり僕も思春期でしたからね、ラジオから流れてくる女性の声に震えましたよね。やはり大人の女性のしっとりとした声で、で、僕はね、はじめてリクエストをしてみようと思ったんです、その番組を聴いていてね。昔でいうところのリクエスト・カードですよね。ハガキにリクエストを書いて彼女に送って、読まれたらいいなと思ったら本当に読まれたんです。ですから人生ではじめて送ったリクエストが一番の気に入りのDJに読まれたということが、いい意味で本当に、それでますます音楽が好きになりましたね」
赤坂「ガッツポーズだったじゃないですか?」
元春「ええ。ベッドの中で転がりまわっていましたね」
赤坂「わかる、僕も経験あります。天下取ったような気持ちですよね(笑)。自分の名前が電波を通じて今一体何人の人が聞いたか、その時、佐野さんリクエスト曲なんだったんですか?」
元春「[ウッドストック]という曲。1970年でしたね。僕がちょっとませていたので、自分のお兄さん、お姉さんが聴く曲の中から選んで、また、やっぱり年上の女性DJに送るわけですから、彼女に気に入ってもらえない限りは。ええ。自分の好きな曲を送るっていうよりかは、彼女が番組の中で紹介していた曲の中から[ウッドストック]という曲をリクエストして、しかもハガキですから、もう週に何百通も来ることを考えれば、どうにか目立たなければと思い、ハガキの周囲を赤く塗りました。束ねた時にその赤が目立つように」
赤坂「なるほどね。きっと1枚1枚読んでる中で、あれ濃いぞ内容、と思ったんでしょうね。構成されててね(笑)。気持ちが伝わりますもんね、ハガキってね。読んでもらいたいっていう。さて今日の佐野さんからのリクエスト・ナンバーをお送りしましょう。これもフリーの[All Right Now]。これもいいですねぇ。僕も好きな曲ですけれど、イメージではどんなドライブですかねぇ?」
元春「これはなんかUKの田舎を走って行きたいですねぇ」

・『COYOTE』初回盤
DVDが付いてる。「君が気高い孤独なら」のミュージック・クリップとレコーディング・ドキュメントが入ってる。

・ライヴ・ツアー
「ライヴはもちろん予定しているんですが、今はまだ詳細が伝えられるだけ組んでないので、決まり次第また番組リスナーにお伝えしたいと思っています」と元春。

・リスナーへのメッセージ
「いろんなポップ・ミュージックが世の中にあると思うんだけれど、その中でどのレコードを選ぶのかは、もちろんリスナーのみなさんの自由ですけれども、この『COYOTE』というアルバム、僕の自信作ですのでちょっと頭の隅に入れといてください」と元春。

・人生のゴールに音楽の神様から何か賞をもらえるとしたら?
元春「コヨーテ賞?」
赤坂「ふふふ。コヨーテ賞。ちょっとバッドで。尖がっていただろうと」
コメント
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